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発明の名称 ITOのエッチング方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−151375
公開日 平成6年(1994)5月31日
出願番号 特願平4−303900
出願日 平成4年(1992)11月13日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】武 顕次郎
発明者 高畠 勝 / 和久井 陽行 / 三村 秋男 / 小西 信武 / 折付 良二
要約 目的
インジウム・スズ酸化物(ITO)のエッチング処理速度を速め、ITOとレジストとの選択比を向上させるITOのエッチング方法の提供。

構成
基板1上に形成されたITO膜2を、フォトレジスト層3のマスクを用いてエッチングガスによりエッチングするITOのエッチング方法においては、エッチングガスとして臭素系化合物(例えば、HBr)を主成分とするガス4または臭素系化合物を含有(例えば、HBr+BCl3 )するガスを用いる。また、基板1上に形成されたITOと高融点金属との積層体を、フォトレジス層3のマスクを用いてエッチングガスによりエッチングするITOのエッチング方法においては、エッチングガスとして臭素系化合物を含有(例えば、HBr+BCl3 )するガスを用いる。
特許請求の範囲
【請求項1】 基板上に形成されたインジウム・スズ酸化物(ITO)を、レジストマスクを用いてエッチングガスによりエッチングするインジウム・スズ酸化物(ITO)のエッチング方法において、前記エッチングガスとして臭素系化合物を主成分とするガスまたは臭素系化合物を含有するガスを用いることを特徴とするインジウム・スズ酸化物(ITO)のエッチング方法。
【請求項2】 前記臭素系化合物を主成分とするガスは、HBr(臭素水素)からなることを特徴とする請求項1記載のインジウム・スズ酸化物(ITO)のエッチング方法。
【請求項3】 基板上に形成されたインジウム・スズ酸化物(ITO)と高融点金属との積層体を、レジストマスクを用いてエッチングガスによりエッチングするインジウム・スズ酸化物(ITO)のエッチング方法において、前記エッチングガスとして臭素系化合物を含有するガスを用いることを特徴とするインジウム・スズ酸化物(ITO)のエッチング方法。
【請求項4】 前記臭素系化合物を含有するガスは、HBr(臭化水素)とBCl3 (3塩化硼素)との混合ガスからなることを特徴とする請求項1または請求項3のいずれかに記載のインジウム・スズ酸化物(ITO)のエッチング方法。
【請求項5】 前記臭素系化合物を含有するガスは、HBr(臭化水素)とAr(アルゴン)との混合ガスからなることを特徴とする請求項1または請求項3のいずれかに記載のインジウム・スズ酸化物(ITO)のエッチング方法。
【請求項6】 前記インジウム・スズ酸化物(ITO)に積層される金属は、Al(アルミニウム)と高融点金属との積層体からなることを特徴とする請求項3記載のインジウム・スズ酸化物(ITO)のエッチング方法。
【請求項7】 前記高融点金属は、Ta(タンタル)、W(タングステン)、Mo(モリブデン)からなることを特徴とする請求項6記載のインジウム・スズ酸化物(ITO)のエッチング方法。
【請求項8】 前記インジウム・スズ酸化物(ITO)またはインジウム・スズ酸化物(ITO)と金属との積層体を、平行平板型ドライエッチング装置内に配置し、臭素系化合物を主成分とするガスまたは臭素系化合物を含有するガスを用いてエッチング行なう場合に、上部電極と下部電極との間隔を20mm以下にすることを特徴とする請求項1または請求項3のいずれかに記載のインジウム・スズ酸化物(ITO)エッチング方法。
【請求項9】 前記インジウム・スズ酸化物(ITO)またはインジウム・スズ酸化物(ITO)と金属との積層体は、アクティブマトリクス液晶表示パネルに用いるものであることを特徴とする請求項1または請求項3のいずれかに記載のインジウム・スズ酸化物(ITO)のエッチング方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インジウム・スズ酸化物(Indium Tin Oxide、以下、これをITOという)のエッチング方法に係わり、特に、エッチングガスとして臭素系化合物を主成分とするガスまたは臭素系化合物を含有するガスを用い、エッチング速度を速めるようにしたITOのエッチング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、透明導電膜を構成するところのITOをドライエッチングするエッチング手段においては、通常、エッチングガスとして、CCl4 、CF2 Cl2 、CF3 Cl等の塩素系ガスが用いられていた(例えば、「Journal ofApplied Physics」vol29 No10(1990 Oct)pp.2243−2246を参照されたい)。
【0003】ところで、前述のITOのエッチング手段においては、エッチング時に生じる反応生成物の沸点が低ければ低いほど、エッチング処理速度は高くなり、逆に、前記反応生成物の沸点が高ければ、エッチング処理速度は遅くなるという傾向があった。
【0004】一方、ITOをエッチングするエッチング手段ではないが、インジウムを含んだ化合物半導体のドライエッチングを行なう場合に、そのエッチングガスとして、これまで用いられていた塩素系ガスに代えて臭素系ガスを用いることは、特開昭63−10525号に開示されていて、既に知られていることであり、同じく、インジウムを含んだ化合物半導体のドライエッチングを行なう場合に、そのエッチングガスとして、臭素ガスまたは臭素含有化合物ガスとそれ以外のガスとからなる混合ガスを用いることは、特開平1−304731号に開示されていて、同様に、既に知られていることである。
【0005】そして、前記特開昭63−10525号によると、エッチングガスに塩素系ガスを用いた場合に比べ、それに臭素系ガスを用いれば、同じ温度、同じ加速電圧下において、エッチング処理速度が2倍になり、平坦なエッチング面が得られるとの開示があり、前記特開平1−304731号によると、エッチングガスに臭素ガスまたは臭素含有化合物ガスとそれ以外のガスとからなる混合ガスを用いれば、優れた垂直エッチングが実現できるとの開示がある。
【0006】また、ITOをエッチングするエッチング手段ではないが、基板上に形成されたシリコン層と高融点金属シリサイド層との積層体のエッチングを行なう場合に、そのエッチングガスとして、HBr(臭化水素)を含有したガスを用いることは、特開平4−93022号に開示されていて、既に知られていることである。
【0007】そして、前記特開平4−93022号によると、エッチングガスにHBr(臭化水素)を含有したガスを用いれば、前記シリコン層におけるサイドエッチングの発生を抑え、良好な形状のエッチングができるとの開示がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記既知のITOのエッチング手段においては、エッチングガスとして塩素系のガスを用いているため、エッチング時に生じる反応生成物、InCl3 (3塩化インジウム)の沸点が600℃と比較的高くなり、In(インジウム)を主成分とするITOのエッチング処理速度が遅くなるという問題を有している。また、塩素系のガスは、本来、ホトレジストをエッチングする性質のガスであるため、ITOとレジストとの選択比を向上させることができないという問題もある。
【0009】一方、前記既知のインジウムを含んだ化合物半導体のエッチング手段またはシリコン層と高融点金属シリサイド層との積層体のエッチング手段には、エッチングガスとして臭素系ガスまたは臭素系ガスの中のHBr(臭化水素)を含有したガスを用いることについての開示はあるものの、それらにはインジウム酸化物を含んだ膜、即ち、ITOをエッチングすることについての開示はなく、しかも、ITOをエッチングする場合に生じる反応生成物の沸点を低くして、エッチング処理速度を速めるようにすることについての開示がないものである。
【0010】本発明は、前述の問題点を除去するものであって、その目的は、ITOのエッチング処理速度を速め、ITOとレジストとの選択比を向上させることが可能なITOのエッチング方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的の達成のために、本発明は、基板上に形成されたインジウム・スズ酸化物(ITO)を、レジストマスクを用いてエッチングガスによりエッチングするインジウム・スズ酸化物(ITO)のエッチング方法において、前記エッチングガスとして臭素系化合物を主成分とするガスまたは臭素系化合物を含有するガスを用いる第1の手段を備える。
【0012】また、前記目的の達成のために、本発明は、基板上に形成されたインジウム・スズ酸化物(ITO)と金属との積層体を、レジストマスクを用いてエッチングガスによりエッチングするインジウム・スズ酸化物(ITO)のエッチング方法において、前記エッチングガスとして臭素系化合物を含有するガスを用いる第2の手段を備える。
【0013】
【作用】前記第1の手段及び第2の手段によれば、ITOまたはITOと金属との積層体のエッチングを行なう場合に、エッチングガスとして、臭素系化合物を主成分とするガスまたは臭素系化合物を含有するガスを用いると、エッチング時に、ITO中の1方の金属である酸化インジウムと臭素系化合物との反応により生じる反応生成物、即ち、InBr3 (3臭化インジウム)の沸点は370℃と比較的低くなり、また、ITO中の1方の金属である酸化スズと臭素系化合物との反応により生じる反応生成物の沸点も207℃と比較的低くなるため、エッチング処理速度は速くなり、残渣が残ることもない。
【0014】また、臭素系化合物を主成分とするガスまたは臭素系化合物を含有するガスは、フォトレジストをエッチングしにくい性質を有しているため、ITOとレジストとの選択比は向上するようになる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【0016】図1(a)及び(b)は、本発明によるITOのエッチング方法の第1の実施例を示す構成図である。
【0017】図1(a)及び(b)において、1はガラスからなる基板、2はITO膜、3はフォトレジスト層、4はHBr(臭化水素)を主成分とするエッチングガスである。
【0018】そして、基板1の上に、直接ITO膜2が形成され、そのITO膜2上に所定形状のフォトレジスト層3が形成される。また、エッチング時に、矢印方向からHBr(臭化水素)を主成分とするエッチングガス4が供給(圧力は、100mtorr以下)される。
【0019】本実施例によるエッチング処理動作は、次のとおりである。
【0020】図1(a)に示すように、基板1上に、ITO膜2とフォトレジスト層3を順次形成させたものに、矢印方向からHBr(臭化水素)を主成分とするエッチングガス4を供給すると、フォトレジスト層3をマスクにして、ITO膜2がHBr(臭化水素)を主成分とするエッチングガス4によりエッチングされ、図1(b)に示すように、ITO膜2は、フォトレジスト層3からなるマスクが存在する部分だけが残留し、その他の部分がエッチング除去される。このエッチング時において、HBr(臭化水素)を主成分とするエッチングガス4が、インジウム酸化物と反応することによってInBr3(3臭化インジウム)からなる反応生成物と、スズ酸化物と反応することによってスズと臭素との反応生成物とが生成されるが、前者の反応生成物の沸点は370℃と比較的低くなり、後者の反応生成物の沸点も207℃とさらに低くなるため、前記エッチング処理速度は速くなり、しかも、残渣が残ることもない。また、HBr(臭化水素)を主成分とするエッチングガス4は、本来、フォトレジストをエッチングしにくい性質を有しているため、ITOとレジストとの選択比は向上するようになる。
【0021】本実施例において、HBr(臭化水素)を主成分とするエッチングガス4によりITOをエッチングするエッチングメカニズムについて述べると、最初に、前記エッチングガス4により、ITOを構成するインジウム酸化物及びスズ酸化物からなる金属酸化物を還元させ、次いで、In(インジウム)やSn(スズ)の揮発生成物を形成させることにより、ITOのエッチングが行われるものであるが、このエッチングメカニズムにおける前記エッチングガス4に含まれるH(水素)は、ITOにおける前記金属酸化物の還元を促進させるので、ITOのエッチングは円滑に進行し、前述のように反応生成物の沸点が低くなることと合わせて、エッチング処理速度は、従来のこの種の方法に比べて、格段に速めることができるようになる。また、通常、ITOのエッチング時にマスクとして用いられるフォトレジスト層3は、ドライエッチングを行なうときに、大電力が印加されて高温に曝されるため、熱的な損傷を受けることが多いが、本実施例のように、HBr(臭化水素)を主成分とするエッチングガス4を用いれば、前記フォトレジスト層3の熱的な損傷を軽減できることが実験によって確かめられた。この理由は、エッチング時に、このフォトレジスト層3にH(水素)分子が衝突し、それによりフォトレジスト層3の保持する熱が奪われるためであると考えられる。
【0022】このように、本実施例によれば、ITOのエッチングに、HBr(臭化水素)を主成分とするエッチングガス4を用いているので、残渣を残すことなく、エッチング処理速度を著しく速めることができ、しかも、フォトレジスト層3の熱的な損傷を軽減できるようになる。
【0023】なお、本実施例においては、エッチングガスとして、圧力100mtorr以下のHBr(臭化水素)を主成分とするエッチングガス4を用いた例について述べたが、本発明に用いられるエッチングガスの種類は、本実施例のようなHBr(臭化水素)を主成分とするガスに限られるものではなく、臭素系化合物を含有するガス、例えば、HBr(臭化水素)とBCl3 (3塩化硼素)との混合ガス(BCl3 の含有率は10乃至50%で、圧力は100mtorr以下)、または、HBr(臭化水素)とAr(アルゴン)との混合ガス(Arの含有率は10乃至50%で、圧力は100mtorr以下)を用いても、同様の作用効果を得ることができるものである。
【0024】次に、図2(a)及び(b)は、本発明のエッチング方法の第2の実施例を示す構成図である。
【0025】図2(a)及び(b)において、5はTa(タンタル)膜、6はAl(アルミニウム)膜、7はHBr(臭化水素)とBCl3 (3塩化硼素)との混合ガスからなるエッチングガスであり、その他、図1に示された構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付けている。
【0026】そして、基板1の上に、直接ITO膜2が形成され、そのITO膜2上に、順次、Ta(タンタル)膜5、Al(アルミニウム)膜6、所定形状のフォトレジスト層3が形成される。また、エッチング時に、矢印方向からHBr(臭化水素)とBCl3 (3塩化硼素)との混合ガスからなるエッチングガス7が供給(BCl3 の含有率は10乃至50%で、圧力は100mtorr以下)される。
【0027】本実施例のエッチング処理動作は、前述の第1の実施例のエッチング処理動作と殆んど同じであるので、本実施例のエッチング処理動作についての詳しい説明は省略するが、特に、本実施例においては、フォトレジスト層3をマスクにして、HBr(臭化水素)とBCl3 (3塩化硼素)との混合ガスからなるエッチングガス7を用い、Al(アルミニウム)膜6、Ta(タンタル)膜5、ITO膜2を一括してエッチングするようにしている。
【0028】本実施例において、BCl3 (3塩化硼素)は、Al(アルミニウム)膜6の表面の酸化膜をエッチングするために添加されたものであって、BCl3 (3塩化硼素)によりAl(アルミニウム)膜6の表面の酸化膜が除去されれば、Al(アルミニウム)膜6やTa(タンタル)膜5は、HBr(臭化水素)によりエッチングすることが可能になる。
【0029】なお、Ta(タンタル)膜5は、Al(アルミニウム)膜6とITO膜2との反応を防止するために挿入配置されたものであって、Ta(タンタル)に代えて、W(タングステン)やモリブデン(Mo)等の高融点金属を用いてもよい。
【0030】続く、図3(a)及び(b)は、本発明によるエッチング方法の第3の実施例を示す構成図である。
【0031】図3(a)及び(b)において、8はHBr(臭化水素)とAr(アルゴン)との混合ガスからなるエッチングガスで、その他、図2に示された構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付けている。
【0032】そして、本実施例も、基板1の上に、直接ITO膜2が形成され、そのITO膜2上に、順次、Ta(タンタル)膜5、Al(アルミニウム)膜6、所定形状のフォトレジスト層3が形成される。また、エッチング時に、矢印方向からHBr(臭化水素)とAr(アルゴン)との混合ガスからなるエッチングガス8が供給(Arの含有率は10乃至50%で、圧力は100mtorr以下)される。
【0033】本実施例のエッチング処理動作は、前述の第2の実施例のエッチング処理動作と殆んど同じであるので、本実施例のエッチング処理動作についての詳しい説明は省略する。
【0034】ただし、本実施例において、Ar(アルゴン)は、Al(アルミニウム)膜6の表面の酸化膜をスパッタリングするために添加されたものであって、Ar(アルゴン)によりAl(アルミニウム)膜6の表面の酸化膜が除去されれば、前の第2の実施例と同様に、Al(アルミニウム)膜6やTa(タンタル)膜5は、HBr(臭化水素)によりエッチングすることが可能になる。
【0035】なお、本実施例においても、Ta(タンタル)膜5は、Al(アルミニウム)膜6とITO膜2との反応を防止するために挿入配置されたものであって、Ta(タンタル)の他に、W(タングステン)やモリブデン(Mo)等の高融点金属を用いてもよいものである。
【0036】次いで、図4は、本発明によるエッチング方法の第4の実施例を示す構成図であって、ドライエッチング装置中でエッチングを行なうようにしたものである。
【0037】図4において、9は下部電極、10は上部電極、11は交流電源、12は結合キャパシタ、13は平行平板型ドライエッチング装置であり、その他、図2に示された構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付けている。
【0038】そして、下部電極9と上部電極10は、20mm以下の距離を隔てて、平行配置され、下部電極9は、結合キャパシタ12を介して交流電源11に接続され、上部電極10は、直接接地されている。下部電極9の上には、ITO膜2、Ta(タンタル)膜5、Al(アルミニウム)膜6、所定形状のフォトレジスト層3が順次形成された基板1が載置され、この基板1のエッチング処理面に、HBr(臭化水素)とBCl3 (3塩化硼素)との混合ガスからなるエッチングガス7が供給される。
【0039】本実施例のエッチング処理動作は、下部電極9と上部電極10からなる平行平板電極から基板1のエッチング処理面に交流電界が加えられている点を除けば、前述の第2の実施例のエッチング処理動作と殆んど同じであるので、本実施例のエッチング処理動作についての詳しい説明は省略する。
【0040】ただし、本実施例においては、通常、上部電極10がプラズマ放電中に生じるイオンシースよりも内側に位置しており、このイオンシース内には強力な交流電界のみが存在するので、前記プラズマ放電により生じる前記エッチングガスから生成された臭素イオンは、消滅する前に加速されて基板1のエッチング処理面に衝突し、エッチング処理速度が向上するものである。
【0041】続く、図5乃至図10は、本発明によるエッチング方法をアクティブマトリクス液晶ディスプレイ基板の製造時のエッチングに適用した場合の構成図である。
【0042】図5乃至図10において、14はSiN(窒化珪素)からなるゲート絶縁膜、15は真性半導体膜、16は第2のフォトレジスト層、17はCr(クローム)からなるソース及びドレイン電極、18はSiN(窒化珪素)からなる保護膜、19はTFT(薄膜トランジスタ)付基板、20はITO付基板、21は液晶層、22は下部配向膜、23は上部配向膜であり、その他、図2に示された構成要素と同じ構成要素には同じ符号を付けている。
【0043】ここで、図5乃至図10を参照して、アクティブマトリクス液晶ディスプレイの製造方法について説明する。
【0044】始めに、図5に示すように、ガラスからなる基板1上に、ITO膜2、Ta(タンタル)膜5、及び、Al(アルミニウム)膜6を順次スパッタリングによって形成し、その後に、Al(アルミニウム)膜6の所定の箇所にフォトレジスト材料を塗布し、フォトレジスト層3をパターニング形成する。次いで、矢印方向からHBr(臭化水素)とBCl3 (3塩化硼素)との混合ガスからなるエッチングガス7を供給する。
【0045】そして、図6に示すように、フォトレジスト層3をマスクにして、Al(アルミニウム)膜6、Ta(タンタル)膜5、ITO膜2を一括してエッチングし、フォトレジスト層3が存在する部分を除いた残りの部分のAl(アルミニウム)膜6、Ta(タンタル)膜5、ITO膜2をエッチング除去する。
【0046】続いて、図7に示すように、フォトレジスト層3を剥離した後、全表面に、SiN(窒化珪素)からなるゲ−ト絶縁膜14、真性半導体膜15を順次堆積させ、さらに、所定の箇所にフォトレジスタ材料を塗布し、第2のフォトレジスト層16をパターニング形成する。次いで、矢印方向からCl2 (塩素)とBCl3(3塩化硼素)との混合ガスからなるエッチングガス29を供給する。
【0047】そして、図8に示すように、第2のフォトレジスト層16をマスクにして、真性半導体膜15、ゲ−ト絶縁膜14、Al(アルミニウム)膜6、Ta(タンタル)膜5を一括してエッチングし、第2のフォトレジスト層16が存在する部分及びITO膜2を除いた残りの部分の真性半導体膜11、ゲ−ト絶縁膜10、Al(アルミニウム)膜6、Ta(タンタル)膜5をエッチング除去する。
【0048】続いて、図9に示すように、第2のフォトレジスト層16を剥離した後、所定の箇所にCr(クローム)層をスパッタリングにより形成し、ここで形成したCr(クローム)層をパターニングして、ソ−ス及びドレイン電極17を形成し、次いで、全表面に、SiN(窒化珪素)からなる保護膜18を堆積させる。こうして得られた基板1の左側の部分は、TFT(薄膜トランジスタ)を構成しており、右側の部分は、開口部を構成している。なお、SiN(窒化珪素)からなる保護膜18は、TFT(薄膜トランジスタ)を保護する働きがある。
【0049】最後に、図10に示すように、2つの基板、即ち、TFTが形成された部分に当たるTFT付基板19と、ITO膜2が形成された部分に当たるITO付基板20とが対向配置され、それら基板19、20の間に、下部配向膜22、上部配向膜23を介して液晶層21が封入されて、アクティブマトリクス液晶ディスプレイ基板、即ち、TFT−LCD(Thin Film Transistor−Liquid Crystal Display)基板が形成される。
【0050】続く、図11は、本発明によるエッチング方法を用いて製造したTFT−LCD基板を含むアクティブマトリクス液晶ディスプレイ装置の構成の一例を示すブロック構成図である。
【0051】図11において、24はTFT−LCD基板、25は走査側駆動部、26は信号側駆動部、27はコントロ−ラ、28は画像信号源である。
【0052】そして、TFT−LCD基板24の各画素(図示なし)に対応した走査ライン(図示なし)は走査側駆動部25に、同じく各画素に対応した信号ライン(図示なし)は信号側駆動部26にそれぞれ接続される。コントローラ27は、走査側駆動部25、信号側駆動部26、画像信号源28にそれぞれ接続され、画像信号源28は信号側駆動部26に接続されている。
【0053】本例のアクティブマトリクス液晶ディスプレイ装置は、その構成は既知のものであり、また、その動作も既に知られているところであるので、前記構成及び動作についてのこれ以上の説明は省略する。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、ITO膜2のエッチングにおいては、エッチングガスとして臭素系化合物を主成分とするガスまたは臭素系化合物を含有するガスを用いているので、残渣を残すことなく、ITO膜2のエッチング処理速度を向上させ、かつ、フォトレジスト層3の耐エッチング性を向上させることができるという効果がある。
【0055】また、本発明によれば、ITO膜2と金属膜5、6との積層体のエッチングにおいては、臭素系化合物を含有するガス、具体的には、HBr(臭化水素)とBCl3 (3塩化硼素)との混合ガス、または、HBr(臭化水素)とAr(アルゴン)との混合ガスを用い、それらを一括してエッチングしているので、やはり残渣を残すことなく、ITO膜2のと金属膜5、6との積層体のエッチング処理速度を向上させ、かつ、フォトレジスト層3の耐エッチング性を向上させることができるという効果がある。
【0056】さらに、本発明によれば、エッチングガスとして用いている臭素系化合物を主成分とするガスまたは臭素系化合物を含有するガスは、フォトレジスト層3をエッチングしにくい性質を有しているため、ITO膜2とフォトレジスト層3との選択比が向上するという効果がある。




 

 


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