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発明の名称 トランスおよび電源装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−151208
公開日 平成6年(1994)5月31日
出願番号 特願平4−299668
出願日 平成4年(1992)11月10日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 明夫 (外1名)
発明者 萩原 修哉 / 内山 倫行 / 斉藤 達 / 恩田 謙一 / 高橋 正 / 叶田 玲彦 / 堀江 秀明
要約 目的
一次、二次間の結合係数が大きく、また漏れ磁束と浮遊静電容量が小さく、かつ厚さが薄いトランスの提供。

構成
2本の絶縁被覆電線11と12を並べて、一つの平面上に交差しないように一緒にスパイラル状に巻き回し、この電線巻回体を磁気シールド21で覆うことで、片方の電線を一次、他を二次コイルとするトランスを構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】同一平面上に近接して巻回、配列した複数の導体の一部を一つの回路、他を別の回路とし、この導体巻回体の一部または全部を磁気シールドで被覆して構成したことを特徴とするトランス。
【請求項2】請求項1において、導体巻回体の内側空間を挿通する磁気シールドに空孔を設けたトランス。
【請求項3】請求項1において、磁気シールドが開磁路となっているトランス。
【請求項4】同一平面上に近接して巻回、配列した複数の導体の一部を一つの回路、他を別の回路とし、この導体巻回体の内側空間を挿通しない磁気シールドで被覆して構成したことを特徴とするトランス。
【請求項5】同一平面上に近接して巻回、配列した複数の導体の一部を一つの回路、他を別の回路とし、この導体巻回体の一部または全部を被覆する磁気シールドの一部または全部を磁性平板で構成し、その磁性平板に回路部品を搭載したことを特徴とするトランス。
【請求項6】請求項1〜5のいずれかにおいて、磁気シールドの一部または全部を磁性体粉体を塗布、固着して構成したトランス。
【請求項7】請求項1〜5のいずれかに記載のトランスを用いた電源装置。
【請求項8】磁性体基板に複数の導体を近接して巻回、配列した巻回体と、回路部品を配置し、導体巻回体をさらに他の磁性体で覆って構成したことを特徴とする電源装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はトランスおよびそれを用いた電源装置に係り、性能向上と薄型化に関する。
【0002】
【従来の技術】トランスを薄型化し、また漏れ磁束を減らして一次、二次コイル間の結合を良くする目的で、例えば特開昭60−715号公報に示されているように、絶縁板の両面に平面渦巻状に形成した一次、二次コイルに磁性体粉末を塗布したものが提案されている。
【0003】また、例えば特開昭61−42109号公報には、トランスの厚さを減らすために平面プリントコイルを積層する構造が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術はトランスの一次、二次コイルを絶縁板で挟んで積層しているため、トランス全体の厚さは一次、二次導体、絶縁基板、磁性体層の合計の厚さとなり、薄型化に限界があった。
【0005】また、絶縁基板の厚さ分だけ一次、二次導体の間隔が離れるため、漏れ磁束が大きくなり、磁束の放散を防ぐために磁性体層の厚さも厚くしなければならないという問題もあった。
【0006】さらに、平面プリントコイルを積層したトランスでは一次、二次コイル間浮遊静電容量が増加するという問題があった。
【0007】本発明は一次、二次間の結合係数が大きく、また漏れ磁束と浮遊静電容量が小さく、かつ厚さが薄いトランスを実現することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため本発明では、一つの平面に複数の絶縁被覆付導体を近接して配置し、その一部を一次コイル、他を二次コイルとして使用するものとし、さらに両者を覆う磁性体を設ける構成を採用した。
【0009】
【作用】複数の絶縁被覆導体を近接して一つの平面に配置しているので、隣接する導体間で磁気結合が生じ、漏れ磁束を低減できる。
【0010】そして、トランス全体の厚さは導体の直径に磁気シールド層の厚さを加えたものとなり、薄型化が図れる。
【0011】この構成のトランスは高周波で使用するほど、一、二次導体に流れる電流は表皮効果により表面に寄せられるので、隣接する一、二次導体間の結合は向上し、漏れ磁束が減る。
【0012】そして、それでも残る漏れ磁束は一、二次導体を覆って配置した磁性体により、外部に放散するのを防ぐことができる。
【0013】なお、導体の断面を略円形とすれば、隣接する導体間の至近距離で対向する面積が小さくなり、静電容量を低減できる。
【0014】
【実施例】以下に本発明の一実施例を図を用いて説明する。
【0015】図1に本発明によるトランスの全体構成の一例を示す。
【0016】トランス1は、一例として2本の絶縁被覆電線11と12を並べて交差しないように一緒にスパイラル状に巻き回し、これをフェライトの磁気シールド21で覆って構成してある。
【0017】本実施例を断面図によりさらに詳しく説明する。
【0018】図1において同一平面にスパイラル状に巻かれた2本の絶縁被覆電線11と12の全ての中心線を含む断面を図2に示し、図1のIII−III′断面図を図3に示す。
【0019】本実施例のトランスの動作を図4により説明する。
【0020】絶縁被覆電線11と12に流れる交流電流は、表皮作用により電線の表皮近傍の領域11a,12aに集中する。
【0021】そして、電線11を一次側、電線12を二次側とするとき、電線11を流れる電流により生じる磁束φ1は、両電線11,12が相接する部位13付近で電線12と鎖交し、一次側と二次側が磁気的に結合する。
【0022】周波数が高いほど表皮作用が強くなり、電流が表面に寄せられることから、上記結合は大きくなる。
【0023】本実施例においては図5に示すように、一次電線11に流れる電流が作る磁束の一部φLが磁気シールド21に流れ、これと二次電線12が鎖交することによっても一次、二次側が磁気的に結合する。
【0024】商用周波数で通常使われているトランスでは、この磁気シールド21中の磁束φLによる一次、二次間の結合が主体であるが、本実施例による高周波トランスでは、一次、二次電線11,12に直接鎖交する磁束による結合が主体となり、これに磁気シールド21中の磁束φLによる結合が加わることになるので、一次、二次間の結合係数は大幅に向上する。
【0025】通常、高周波になるほど磁気シールドを構成する磁性材料の透磁率は小さくなるが、本実施例のように一次、二次電線11,12に直接鎖交する磁束による結合では、磁気シールド21の透磁率の低下の影響は小さく、逆に高周波になるほど表皮効果が著しくなって結合は良くなる。
【0026】本発明のトランスの特徴のひとつに漏れ磁束が小さいことがある。
【0027】一次、二次電線11,12が近接して配置されていることから、それだけでも漏れ磁束は小さくなるが、さらに電線11,12の巻回体全体を磁気シールドで覆っていることから、外部に放散する磁束を大幅に低減でき、放射する磁気雑音の小さなトランスとなる。
【0028】図1〜図3には磁気シールド21が電線11,12の巻回体の略全体を覆った実施例を示しており、電線端部の引出部分では磁気シールド21を切り欠かなければならない。
【0029】しかし、本トランスで必要な磁気結合は磁気シールド21にはそれほど依存していないため、一部を省略してもトランスの特性を損なうことはない。
【0030】本実施例のトランスにおいては、断面が略円形の電線11,12を並べて配置していることから、断面積に比べて表面積が小さい。
【0031】そして、一次、二次電線11,12の対向面積も平板コイルを積層する構造よりはるかに小さいことから、電線11,12間の浮遊静電容量は平板コイルを用いたトランスよりずっと小さい。
【0032】本発明のトランスの厚さは一次、二次電線11,12のうちどちらか太い方の直径(本実施例では両電線11,12が略同じ太さの例を図示している)に磁気シールド21の厚さを加えた値となり、一次、二次電線を絶縁基板を挟んで重ね、さらに鉄心や磁気シールドの厚さが加わるトランスより大幅に薄くできる。
【0033】図6に本発明の変形例として、電線の巻回体を覆う磁気シールド21の中央にホール22を設け、ここからスパイラル状に巻いた電線の内周端14を引き出した実施例を示す。
【0034】図6のVII−VII′断面図を図7に示す。
【0035】磁気シールド21はホール22の分断面積が小さくなるが、本来磁気シールドを流れる磁束は磁気結合の補助的な役割を担うものであり、トランスの性能を損なうものではない。
【0036】図6はホール22を電線の引出スペースとして利用する実施例を示したが、トランスを基板に実装する際のねじや固定ピンの挿通孔としても利用できる。
【0037】また、上記ホール22は必ずしも貫通孔である必要はなく、目的によっては片端が磁気シールドで閉ざされていてもよい。
【0038】図8に本発明の他の変形例のトランスの断面図を示す。
【0039】一次電線11と二次電線12の巻回体15,15′を覆う磁気シールド21を開磁路とした例である。
【0040】一般的にはトランスの磁路を開磁路とすると漏れ磁束が増して一次、二次間の結合が悪くなったり、開磁路の磁気シールドでは漏れ磁束が多くシールド効果が劣るといった問題がある。
【0041】しかし、磁気結合の主体を一次、二次電線11,12間で直接鎖交する磁束に依存する本発明のトランスでは磁気シールド21を流れる磁束自体が小さいため、開磁路としても所定の特性を得ることができる。
【0042】そして、図8のように外周端側を開磁路とした磁気シールド21の空隙23に一次電線11と二次電線12を並べて巻き込むことで、電線11,12の重なりや巻乱れのない整列した電線巻回体15を容易に構成することができる。
【0043】図9に本発明のさらに他の変形例のトランスの断面図を示す。
【0044】一次電線11と二次電線12の電線巻回体15,15′の両面および外周を磁気シールド21で覆った例である。
【0045】この例では外部に漏洩する磁束は遮蔽されるが、磁気シールド21を流れて一次、二次の結合に寄与する磁束の磁路は開磁路となる。
【0046】しかし、図8の実施例と同様に本発明のトランスでは磁気シールド21を流れる磁束自体が小さいため、上記のように開磁路としても所定の特性を得ることができる。
【0047】そして、この構成によれば電線巻回体15の内側16に磁気シールド21の貫通スペースを設ける必要がないことから、全体を小形にできる効果がある。
【0048】以上の実施例において、磁気シールド21を、図10の断面図に示すように磁性板、例えばフェライト板24とフェライト成形体25の組合せで構成することも可能であり、この場合のさらに変形例として、フェライト板24を、トランス1とその他のスイッチング素子等の回路部品群31を搭載して電源装置32等を構成する基板と兼用することも可能であり、装置全体を薄型にできる効果がある。
【0049】図11に示すように、一次電線11と二次電線12の巻回体15,15′の両面をフェライト板24,24′で挟む構成でも一次、二次間の結合向上および漏れ磁束遮蔽の効果を得ることができる。
【0050】そして、例えば一方のフェライト板24にトランス1およびその他の回路部品群31を搭載して電源装置32等を構成することもでき、装置全体を薄型にできる効果がある。
【0051】本発明の応用例を図12により説明する。
【0052】一次電線11と二次電線12の巻回体15,15′を、磁性薄板の一例としてフェライト板24に固定し、その表面を磁性粒子を含有する樹脂、ここでは一例としてフェライトパウダーと樹脂を混ぜ合わせたフェライトペースト27でコーティングして固化する。
【0053】そして、これらの構成体を他のスイッチング素子等の部品と共に回路基板26に実装して電源装置等を構成することができる。
【0054】この構成によれば、フェライト板24とフェライトペースト27は磁気シールドとして機能し、一次電線11と二次電線12の結合向上と漏れ磁束のシールドに効果的に作用する。
【0055】磁性粒子によりコーティングする効果として、電線巻回体の表面のように凹凸のある面にも密着して磁性層を形成できることが挙げられる。
【0056】一般的にフェライトパウダーの透磁率は数十程度と、一般のブロック材に比べてかなり小さいが、磁気結合の主体を一次、二次電線間で直接鎖交する磁束に依存する本発明のトランスでは十分有効に作用する。
【0057】図12に示す実施例の変形例を図13に示す。
【0058】これは一次電線11と二次電線12を並べて巻回した巻回体15,15′を固定するフェライト板24を回路基板と共用した実施例である。
【0059】この構成によれば、基板とトランスを合わせた全体の高さを低くでき、トランスを組み込んだ電源装置等を薄型にできる効果がある。
【0060】図14にさらに他の変形例を示す。
【0061】一次電線11と二次電線12を並べて巻回した巻回体15,15′を、フェライトペースト27のみによる磁気シールドで覆ってトランスとしてある。
【0062】フェライトペーストによれば平板よりずっと薄い磁性層を形成することができるので、トランスの厚さを一層薄くできる効果がある。
【0063】
【発明の効果】本発明は以上に説明したように、一つの平面に複数の絶縁被覆付導体を近接して配置し、その一部を一次電線、他を二次電線として使用するものとし、さらに両者を覆う磁性体を設ける構成を採用したので、隣接する一次、二次電線間で磁気結合が生じ、漏れ磁束を低減でき、残った漏れ磁束は一、二次導体を覆って配置した磁性体により、外部に放散するのを防ぐことができる。
【0064】そして、トランス全体の厚さは導体の直径に磁気シールド層の厚さを加えただけの値となり、薄型化が図れる。
【0065】これらの結果、一次、二次間の結合が良くて漏れ磁束と浮遊静電容量が小さく、かつ厚さが薄いトランスを実現することができる。




 

 


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