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発明の名称 電解質基板及びその製造方法並びにその電解質基板を用いた燃料電池
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−150947
公開日 平成6年(1994)5月31日
出願番号 特願平4−296826
出願日 平成4年(1992)11月6日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
発明者 岡田 秀夫 / 光島 重徳 / 黒江 聡 / 岩本 一男 / 岩瀬 嘉男 / 竹内 将人 / 西村 成興
要約 目的
アルカリ金属炭酸塩電解質の保持材としてのリチウムアルミネートが保管中や運搬中に変質したり、水溶液中で加水分解や水和反応をおこすことを抑制して品質の良い電解質板を低コストで、しかも容易に製作して燃料電池の信頼性を向上させる。

構成
電解質保持材であるリチウムアルミネート粉末に疎水性の表面安定化層を形成する。表面安定化層を形成したリチウムアルミネート粉末に、溶媒、結合剤及び可塑剤を加えて混合してスラリーを調製し、シート状に成形して電解質基板として、これにアルカリ金属炭酸塩電解質を加えて電解質板を構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】 リチウムアルミネート保持材から成る電解質基板において、表面安定化層を形成したリチウムアルミネート粉末から構成したことを特徴とする電解質基板。
【請求項2】 上記表面安定化層が水との接触角80度以上の材料により形成した疎水性層であることを特徴とする請求項1記載の電解質基板。
【請求項3】 上記表面安定化層がエポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂又はフッ素樹脂のいずれか及び/又はそれらの混合体によって形成された被覆層であることを特徴とする請求項1又は2記載の電解質基板。
【請求項4】 上記表面安定化層はパラフィン系油、ナフテン系油又はグリス状油等によって表面が被覆され表面層が疎水性に改質されたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の電解質基板。
【請求項5】 リチウムアルミネート表面がカップリング剤により疎水性に改質されたことを特徴とする請求項1又は2記載の電解質基板。
【請求項6】 リチウムアルミネート表面がステアリン酸により疎水性に改質されたことを特徴とする請求項1又は2記載の電解質基板。
【請求項7】 リチウムアルミネート表面を第1級アルコール及び/又は第2級アルコールと反応させエステル化することにより疎水性に改質したことを特徴とする請求項1又は2記載の電解質基板。
【請求項8】 疎水性層が2層若しくは2層以上の多層に形成されることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1つに記載の電解質基板。
【請求項9】 上記表面安定化層が疎水性層の表面に親水性層を形成したことを特徴する請求項1記載の電解質基板。
【請求項10】 疎水性層の表面に水との接触角が70度以下の材料で親水性層を形成することを特徴する請求項9記載の電解質基板。
【請求項11】 親水性層をメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール等の水溶性高分子剤により形成することを特徴する請求項9又は10記載の電解質基板。
【請求項12】 親水性層が界面活性剤の吸着により形成されることを特徴する請求項9又は10記載の電解質基板。
【請求項13】 表面安定化層を形成したリチウムアルミネート粉末に、溶媒、結合剤及び可塑剤を加えて混合してスラリーを調製し、シート状に成形したことを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載の電解質基板。
【請求項14】 請求項1〜13のいずれか1つに記載の電解質基板にアルカリ金属炭酸塩電解質を加えたことを特徴とする電解質板。
【請求項15】 請求項14の電解質板を用いたことを特徴とする燃料電池。
【請求項16】 表面安定化層を形成したリチウムアルミネート粉末に、溶媒、結合剤及び可塑剤を加えて混合してスラリーを調製し、シート状に成形することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載の電解質基板を製造する方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融炭酸塩型燃料電池用の電解質基板及びその製造方法並びにその電解質基板を用いた燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融炭酸塩型燃料電池は、炭酸リチウム及び炭酸カリウム等の混合炭酸塩を電解質として650℃付近の温度で作動させる。混合炭酸塩は作動温度で溶融して粘度の低い液体となる。従って、電解質保持材に上記電解質を保持した電解質板を用いて燃料電池が構成される。
【0003】電解質保持材は溶融炭酸塩に最も安定なリチウムアルミネート(LiAlO2)粉末を原料としてペイパー状の電解質基板に成形して用いられる。リチウムアルミネートの成形方法には一般にドクターブレード法が採用され、リチウムアルミネート粉末にトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン及びトリクロロエタン等の混合溶媒を加えて混練し、スラリー状にして成形される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、リチウムアルミネート粉末を原料として溶媒にテトラクロロエチレン、トリクロロエチレンを用い、バインダーとしてポリビニルブチラールを適用して電解質保持基板を作製してきた。ところが、原料のロットの違いや製造月日の違いあるいは保管日数の違いにより基板の細孔分布や気孔率に差があることが判った。
【0005】その原因について種々検討したところ、リチウムアルミネート粉末の表面が親水性であるために保管中や運搬中に徐々に吸湿して変質したり、粒子同志が凝集したりして、粉末の物性が著しく変化し、電解質基板の製造、特に電解質基板の細孔制御を行う上で障害となることが判明した。また、従来使用されていたトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン及びトリクロロエタン等の塩素系有機溶剤は地球環境問題の観点から今後その使用が厳しく規制されることが予想される。
【0006】従って、溶融炭酸塩型燃料電池を開発するためには塩素系有機溶媒以外の溶媒による電解質基板の製造法を確立する必要がある。そして、一般の非塩素系有機溶媒は引火しやすく爆発の危険があるため、水溶液系溶媒を用いることが望ましい。そこで、リチウムアルミネート粉末を分散するための溶媒として水溶液系溶媒を用いて電解質基板を作製したところ、スラリーを調製する工程においてpHが12以上まで上がり、混練を継続するとスラリー粘度がしだいに増加して最終的にはセメント状に固まり製板化ができなくなった。これらの原因はリチウムアルミネートの加水分解や水和反応に起因していることが判明した。
【0007】水和反応が起こるとスラリー粘度が高くなり、成形性が悪くなる。また、乾燥に長時間を要するばかりでなく、結晶相が変化して亀裂の発生原因となる。従来、リチウムアルミネートを保持材としてアルカリ金属炭酸塩電解質を加えて作製する電解質板において、リチウムアルミネート粉末の変質や吸湿による物性の変化に対しては全く考慮されていなかった。例えば、特開昭59−217956号公報、特開昭61−193347号公報にはアルミン酸リチウムとエタノール及びポリビニルブチラールなどの混合スラリーをシート状に成形する方法が提案され、特開昭60−72172号公報、特開昭60−81772号公報、及び特開平1−206568号公報には水溶液系抄紙法による成形法が提案されているが、リチウムアルミネート粉末の変質に対する対策は開示されていない。
【0008】本発明は、リチウムアルミネートを電解質保持材とし、これにアルカリ金属炭酸塩電解質を加えて成る燃料電池用電解質板の品質管理を容易にし、信頼性の高い電解質板を経済的に製造する方法を提供することを目的としている。また、本発明は、リチウムアルミネートを電解質保持材とする溶融炭酸塩型燃料電池の電解質保持基板を水溶液系で容易かつ高品質に製作して燃料電池の信頼性をさらに向上させることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明においては、リチウムアルミネ−ト粉末に表面安定化層を形成する。該表面安定化層は疎水性に形成することが最も有効である。この結果、保管中や運搬中におけるリチウムアルミネートの変質を防ぎ品質の良い電解質板が作製できる。また、水溶液系溶媒における加水分解や水和反応を抑制し、スラリーの流動性を改善して電解質基板の成形が容易になる。表面安定化層は第一層を疎水性に形成し、その上に親水性の第二層を形成することにより、スラリー中でのリチウムアルミネートの分散性が改善される。特に水溶液系スラリーにおいてその効果が顕著となる。
【0010】表面安定化層はリチウムアルミネート粉末の表面を水との接触角80度以上の疎水性材料により被覆して形成する。例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂及びフッ素樹脂、メタクリル酸/アクリル酸共重合体のいずれか及び/又はそれらの2種以上の複合体によって被覆されたもの、又はパラフィン系油、ナフテン系油及びグリス状油等によって被覆され疎水性に改質されたもの、ケロシンやステアリン酸等の疎水性剤によって被覆されたものである。また、各種カップリング剤によりリチウムアルミネート粉末表面に保護膜を形成するのも有効であり、保護膜を形成してさらに前述の樹脂及び/又は各種油脂により被覆すればより強固な表面安定化層が形成され好ましい。
【0011】また、リチウムアルミネートの表面官能基を利用して高温高圧下でアルコール類で処理して表面をエステル化することにより撥水性層が形成できる。アルコール類としてはエタノール、ブタノール等が良い。また、エステル化した脂肪酸なども有効であることが認められる。しかしながら、リチウムアルミネート表面が疎水性に改質されると水溶液系スラリーでは分散性が低下することがある。このような場合には疎水性層にさらに親水性層を付加することにより分散性が改善される。親水化剤としては水溶性高分子剤、例えばメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレングリコール等が好適である。また、スラリー中に界面活性剤を添加しても分散性が改善される。すなわち、疎水性材料で被覆したリチウムアルミネート粉末をさらに水との接触角が70度以下の親水性材料で覆うことにより目的が達成される。
【0012】表面安定化層を形成したリチウムアルミネート粉末に溶媒及び結合剤等を添加して混合し、スラリーを調製してシート状に成形する方法において、溶媒は水又は有機溶媒、例えばイソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、シクロヘキサノール、1−ブタノール、2−ブタノール、トルエン、メタノール、トリクロロエチレン、トリクロロエタン等から選ばれた一種又は二種以上の混合溶媒が適用できる。結合剤としてはカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニールアルコール、ポリエチレンオキサイド、ポリビニールブチラール、ポリビニールアセタール等の一種又は二種以上の混合結合剤が適用できる。また可塑剤としてグリセリン、フタール酸エステル、ジプロピルグリコール等を少量添加すると成形性が良くなる。
【0013】表面安定化層を形成したリチウムアルミネート粉末に溶媒及び結合剤を添加して混練し、スラリーを調製する工程において80℃以下、好ましくは50℃以下の温度で混練するのが良い。80℃以上の温度領域では表面安定化層が破壊されリチウムアルミネートが変質することがある。スラリー中の気泡は真空ポンプ等で減圧して脱気する必要がある。減圧脱気した原料スラリーをテープキャステング法又はスリット成形法等により厚さ0.2〜1mm程度のシート状に成形して乾燥し電解質基板とする。
【0014】
【作用】リチウムアルミネ−ト粉末に表面安定化層を形成することにより保管中や運搬中におけるリチウムアルミネートの変質や二次凝集を防ぎ粉末の品質管理を容易にし、電解質基板の細孔分布や気孔率の変動を少なくして信頼性の優れた燃料電池が構成できる。また、水溶液系におけるリチウムアルミネートの加水分解や水和反応を抑制し、スラリーの流動性を改善して電解質基板の製造を容易にする。
【0015】
【実施例】本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
実施例1.γ−リチウムアルミネート粉末(比表面積:23m2 /g)100gにエポキシ樹脂10gとアセトン60mlを加えてニーダにより3時間混練した後、真空乾燥してリチウムアルミネート粉末の表面に疎水性層を形成した。
実施例2.γ−リチウムアルミネート粉末(比表面積:23m2 /g)100gをキシレン200mlに分散して還流管付フラスコに入れ、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル10g及びアゾビスイソブチロニトリル2gを加えて約70℃に加熱しながら3時間攪拌し、約5時間静置して上澄液を分離したあと真空乾燥してリチウムアルミネートの表面をアクリル酸共重合体によって被覆し、リチウムアルミネート粉末の表面に疎水性層を形成した。
実施例3.γ−リチウムアルミネート粉末(比表面積:23m2 /g)150gにn−ブタノール50mlを加えオートクレーブにいれて昇温し、280℃、50kg/cm2 の圧力で30分間保持した。その結果、リチウムアルミネート表面がエステル化して疎水性層が形成された。
実施例4.γ−リチウムアルミネート粉末(比表面積:23m2 /g)100gに1wt%1.1.1.3.3.3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール300mlを加えて約3時間攪拌し、約5時間静置して上澄液を分離したあと真空乾燥してリチウムアルミネートの表面に疎水性層を形成した。
実施例5.γーリチウムアルミネート粉末(比表面積:23m2 /g)100gにステアリン酸10gを加えて振動ミルにより3時間混合したあと、80℃で約4時間加熱処理してリチウムアルミネートの表面に疎水性層を形成した。
実施例6.γーリチウムアルミネート粉末(比表面積:23m2 /g)100gにナフテン系鉱油(サンセンオイル#480)60mlを加えてニーダにより3時間混練し、リチウムアルミネートの表面に疎水性層を形成した。
比較例1.実施例1〜6で用いたγ−リチウムアルミネート粉末(比表面積:23m2 /g)を未処理のまま使用した。
実験例1実施例1〜6で作製したリチウムアルミネートの表面に疎水性層を形成した粉末及び比較例1のリチウムアルミネート粉末について水溶液中での安定性を調べるため浸漬熱量を測定した。試料を120℃で3時間乾燥したあと10-3Torrで真空脱気して供試試料とした。浸漬熱量の測定結果を第1表に示す。
【0016】上記実施例の試料の浸漬熱量は比較例1の試料に比べいずれも小さな値であり水和反応等が抑制されていることが認められる。
【0017】
【表1】

【0018】実験例2実施例1〜6により疎水性層を形成したリチウムアルミネート粉末及び比較例1のリチウムアルミネート粉末について水溶液中での安定性を把握するためpHの測定をした。粉末試料20gを蒸留水200mlの中にいれ1時間攪拌した後pHを測定した。測定結果を第2表に示す。
【0019】実施例1〜6の試料は比較例1の試料に比べいずれも低いpH値であり、リチウムアルミネートの加水分解反応が抑制されていることが示唆される。
【0020】
【表2】

【0021】実施例7〜12実施例1〜6で作製した表面に疎水性層を形成した6種のリチウムアルミネート粉末各20gにポリエチレングリコール5mlを加え、ニーダで約2時間混練して実施例1〜6のリチウムアルミネート粉末の疎水性層の表面に更に親水性層を形成した6種の試料を作製した。これらの各試料及び比較例1のリチウムアルミネート粉末20gについてそれぞれ3wt%ポリエチレンオキサイド水溶液50mlを加えてボールミルで24時間混練してスラリーを調製し、その時の粘度を測定した。測定結果を第3表に示す。
【0022】実施例7〜12の試料は比較例1の試料に比べいずれも粘度が低く、製板化に際して問題がないことがわかる。
【0023】
【表3】

【0024】実施例13.γ−リチウムアルミネート粉末(比表面積:23m2 /g)100gにエポキシ樹脂10gとアセトン60mlを加えてニーダにより3時間混練した後、真空乾燥してリチウムアルミネートの表面に疎水性層を形成した。次に、ポリエチレングリコール10mlを加えてニーダで約2時間混練して疎水性層の表面に親水性層を形成した。この試料20gに蒸留水100mlを加えてボールミルで15時間混練し、その後120℃で5時間乾燥したあとX線解析をした。測定結果を第1図に示す。第1図の測定結果は、リチウムアルミネートの結晶相は出発原料と同じくγ−LiAlO2 であり変質しなかったことを示している。
比較例2.γ−リチウムアルミネート粉末(比表面積:23m2 /g)20gに蒸留水100ml加えて実施例13と同様にボールミルで15時間混練し、その後120℃で5時間乾燥したあとX線解析をした。測定結果を第2図に示す。第2図の測定結果は、リチウムアルミネートの結晶相は出発原料と異なりLiAlO2(OH)7 ・xH2Oに変質したことを示している。
実施例14.γ−リチウムアルミネート粉末(比表面積:23m2 /g)100gをキシレン200mlに分散して還流管付フラスコに入れ、メタクリル酸メチル、酢酸ビニル10g及びアゾビスイソブチロニトリル2gを加えて約70℃に加熱しながら3時間攪拌したあと冷却し、約5時間静置して上澄液を分離したあと真空乾燥してリチウムアルミネートの表面をアクリル酸共重合体によって被覆し、疎水性層を形成した。
【0025】これにポリビニールブチラール30g、メタノール94ml、n−ブタノール142ml及びブチルフェノルグリコール酸ブチル10mlを加えてボールミルで15時間室温で混練してスラリーを調製した。このスラリーを真空ポンプで減圧脱気したあとテープキャステング法で厚さ0.4mm、幅200mmに製板化して電解質基板を作製した。この電解質基板を空気中に常温で保管し、保管開始1日後と90日後のものをそれぞれ650℃で3時間焼成した後、水銀圧入法で細孔分布を測定した。その結果を第3図に示す。第3図は、1日後と90日後の細孔分布がほとんど変化しないことを示している。
比較例3γ−リチウムアルミネート粉末(比表面積:23m2 /g)100gを実施例14と同様にしてにポリビニールブチラール30g、メタノール94ml、n−ブタノール142ml及びブチルフェノルグリコール酸ブチル10mlを加えてボールミルで15時間室温で混練してスラリーを調製した。このスラリーを真空ポンプで減圧脱気したあとテープキャステング法で厚さ0.4mm、幅200mmに製板化して電解質基板を作製した。この電解質基板を空気中に常温で保管し、保管開始1日後と90日後のものをそれぞれ650℃で3時間焼成した後、水銀圧入法で細孔分布を測定した。その結果を第4図に示す。第4図は、1日後と90日後で細孔分布が著しく変化したことを示している。
実施例15.実施例14で作成した電解質基板(セルNo.1)及び比較例3で作成した電解質基板(セルNo.2)を120mm角にそれぞれ2枚切り出し、炭酸塩電解質(K2CO3 :Li2CO3 =38:62)21gを電解質基板でサンドイッチ状に挟みNi−Al電極をアノ−ドに適用して、カソ−ドにはNiO−Ag電極を用い、電極有効面積100cm2 の単セルを構成した。これらの単セルを電池試験装置にセットして締め付け荷重4kg/cm2 をかけ、アノ−ドには18%CO2−16%H2O−残部H2 混合ガス供給し、カソ−ドには70%空気−30%CO2 混合ガスを供給しながら520℃まで昇温して炭酸塩電解質を電解質基板に含浸させセル内部で電解質板を形成した。
【0026】さらに、650℃まで昇温して負荷電流密度150mA/cm2 における電池電圧の経時変化を調べた。試験結果を第4表に示す。実施例15のセル(セルNo.1)は、比較例のセル(セルNo.2)に比して性能が安定していることがわかる。
【0027】
【表4】

【0028】実施例16.γ−リチウムアルミネート粉末(比表面積:23m2 /g)100gにエポキシ樹脂10gとアセトン60mlを加えてニーダにより3時間混練した後、真空乾燥してリチウムアルミネートの表面に疎水性層を形成した。次に、ポリエチレングリコール10mlを加えてニーダで約2時間混練して疎水性層の表面に親水性層を形成した。
【0029】このようにして得られたリチウムアルミネート粉末に2.0wt%ポリエチレンオキサイド水溶液200mlとグリセリン10mlを加えてボールミルで15時間混練してスラリーを調製した。このスラリーを真空ポンプで減圧脱気したあとテープキャステング法で厚さ0.4mm、幅200mmに製板化して電解質基板を作製した。
【0030】この電解質基板を120mm角に2枚切り出し、炭酸塩電解質(K2CO3 :Li2CO3 =38:62)21gを電解質基板でサンドイッチ状に挟みNi−Al電極をアノ−ドに適用して、カソ−ドにはNiO−Ag電極を用い、電極有効面積100cm2 の単セルを構成した。この単セルを電池試験装置にセットして締め付け荷重4kg/cm2 をかけ、アノ−ドには18%CO2 −16%H2O−残部H2 混合ガス供給し、カソ−ドには70%空気−30%CO2 混合ガスを供給しながら520℃まで昇温して炭酸塩電解質を電解質基板に含浸させセル内部で電解質板を形成した。
比較例4.γ−リチウムアルミネート粉末(比表面積:23m2 /g)100gに2.0wt%ポリエチレンオキサイド水溶液200ml、蒸留水80ml及びグリセリン10mlを加えてボールミルで15時間混練してスラリーを調製した。このスラリーを真空ポンプで減圧脱気したあとテープキャステング法で厚さ0.4mm、幅200mmに製板化して電解質基板を作製した。
【0031】この電解質基板を120mm角に2枚切り出し、炭酸塩電解質(K2CO3 :Li2CO3 =38:62)21gを電解質基板でサンドイッチ状に挟みNi−Al電極をアノ−ドに適用して、カソ−ドにはNiO−Ag電極を用い、電極有効面積100cm2 の単セルを構成した。この単セルを電池試験装置にセットして締め付け荷重4kg/cm2 をかけアノ−ドには18%CO2 −16%H2O−残部H2 混合ガス供給し、カソ−ドには70%空気−30%CO2 混合ガスを供給しながら520℃まで昇温して炭酸塩電解質を電解質基板に含浸させセル内部で電解質板を形成した。
【0032】上記実施例16の電解質板及び比較例4の電解質板をさらに650℃まで昇温して負荷電流密度150mA/cm2 における電池電圧の経時変化を調べた。試験結果を第5表に示す。実施例16の電解質板を用いたセルは、比較例4の電解質板を用いたセルに比して性能が安定していることがわかる。
【0033】
【表5】

【0034】
【発明の効果】本発明によれば、リチウムアルミネ−ト粉末に表面安定化層を形成することにより、保管中や運搬中におけるリチウムアルミネートの変質を防ぎ、品質の良い電解質基板板が作製でき、燃料電池の信頼性が向上できる。さらに、本発明によれば、リチウムアルミネ−ト粉末に表面安定化層を形成することにより、水溶液系におけるリチウムアルミネートの水和反応や加水分解反応を抑制することができるので、リチウムアルミネートを分散するための溶媒として従来の塩素系有機溶媒に代えて水溶液系溶媒を用いることが可能となり、環境汚染の問題に十分対処できるようになると共に作業の安全をも確保できる。




 

 


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