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発明の名称 燃料電池
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−150946
公開日 平成6年(1994)5月31日
出願番号 特願平4−298763
出願日 平成4年(1992)11月9日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
発明者 吉田 正 / 大塚 馨象 / 加原 俊樹 / 高島 正
要約 目的
ガスヘッダを有する燃料電池スタックにおいて、ガスヘッダに隣接する単位セルの性能の向上と長期にわたる性能安定化を図り、さらに、ガスヘッダ近辺でのガスシール性能の向上を図ることにより、燃料電池スタック全体の長期にわたる性能安定化を図る。

構成
ガスヘッダ1と端板3との間に熱変形吸収材9を設置することにより、ガスヘッダ1、セパレータ2、単板3、電解質板4のそれぞれの部品の熱変形状態の相異を無効にして上記各部品間の接触状態を改善し、ガスヘッダ1に隣接する単位セルの性能を安定化させ、さらに、ガスヘッダ1の近辺でのガスシール性能を向上させる。
特許請求の範囲
【請求項1】 電解質板、アノード、カソード、から成る単位セルとセパレータとを交互に複数個積層した積層セルに対して反応ガスを供給するためのガスヘッダを積層した燃料電池スタックにおいて、ガスヘッダとそれに隣接するセルとの間に熱変形吸収材を設置することを特徴とする燃料電池。
【請求項2】 ガスヘッダとそれに隣接する単位セルとの間に設置する熱変形吸収材として、ウエットシール機能を持つ液体を含浸させた多孔質体を用いることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
【請求項3】 ウエットシール機能を持つ液体がセル本体に用いる電解質液であることを特徴とする請求項2に記載の燃料電池。
【請求項4】 ガスヘッダとそれに隣接する単位セルとの間に設置する熱変形吸収材として用いる多孔質体として、金属多孔質体を用いることを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載の燃料電池。
【請求項5】 ガスヘッダとそれに隣接する単位セルとの間に設置する熱変形吸収材として用いる金属多孔質体の金属材料として、Ag、Ni、Cu、Pb、PbO、Al、Tiのいずれかを用いることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池。
【請求項6】 ガスヘッダとそれに隣接する単位セルとの間に設置する熱変形吸収材として、セル本体に用いる電解質液を含浸させた電解質板を用いることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
【請求項7】 ガスヘッダに隣接する単位セルのアノード、カソードのどちらか一方または両方へ反応ガスを供給しない構造とし、かかる単位セルを発電に関与しない単なる熱変形吸収材として用いることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
【請求項8】 ガスヘッダに隣接する単位セルのアノード、カソードのどちらか一方または両方へ反応ガスを供給しない構造が、セパレータまたは端板が反応ガス流路を有しない構造であることを特徴とする請求項7記載の燃料電池。
【請求項9】 ガスヘッダに隣接する単位セルのアノード、カソードのどちらか一方または両方へ反応ガスを供給しない構造が、セパレータまたは端板に形成した反応ガス流路に電池反応温度においてガス閉塞機能を持つ物質を配置する構造であることを特徴とする請求項7記載の燃料電池。
【請求項10】 ガスヘッダとそれに隣接する単位セルとを電気的に接続したことを特徴とする請求項1ないし9いずれかに記載の燃料電池。
【請求項11】 燃料電池スタックは中間ヘッダを有しており、該中間ヘッダに隣接する両側の単位セル同志を電流バイパス路で接続したことを特徴とする請求項1ないし10いずれかに記載の燃料電池。
【請求項12】 電解質板、アノード、カソード、から成る単位セルとセパレータとを交互に複数個積層し、かつ反応ガスを供給するためのガスヘッダを積層した後、焼成を行うようにした燃料電池の製造方法において、焼成に際して、ガスヘッダに隣接する単位セルのアノード、カソードのどちらか一方または両方へは焼成用のガスを供給しない状態で焼成することを特徴とする燃料電池の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、燃料電池に係り、特に積層セルへ反応ガスを供給するためのガスヘッダを有する構造の燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は一般的に、アノード、カソード、電解質板からなる単位セルとセパレータとを交互に積層した積層セルと、その積層セルへ反応ガスを供給排出するためのガスヘッダとを積層した構造になっている。このような構造体を燃料電池スタックと呼ぶ。
【0003】その1例を図7に示す。図7は、電解質板4をアノード5、カソード6で挟み、セパレータ2を重ねたものを何段にも積層した積層セルブロック14が2個あり、その2個の積層セルブロック14へ反応ガスを供給排出するためのガスヘッダ1が3個、それぞれ、上部、下部、および、2個の積層セルブロックの間に設置された構造の燃料電池スタックを示す。2個の積層セル14、14の間に設置したガスヘッダ1は特に中間ヘッダ11と呼んでいる。図8は、図7におけるガスヘッダ近辺の詳細構造を示すものである。ガスヘッダには端板3が溶接あるいはロウ付け等によって接合されており、その端板3に電解質板4が重なり、さらにセパレータ2、電解質板4……と順番に重ね合わされている。
【0004】電解質板の両側にはアノード5およびカソード6が貼り付いた状態になっているが、非常に薄いものなので図8では省略している。セパレータ2の両側および端板3の電解質板4側には、アノードおよびカソードへ反応ガスを供給排出するためのガス流路12、13がある。電解質板4のアノード側にあるのがアノードガス流路12であり、電解質板4のカソード側にあるのがカソードガス流路13である。燃料電池スタックにおいては、各積層部品間に圧縮力を加えて、各積層部品が接合された状態にしている。これは、発電反応の内部抵抗を小さくしセル性能を良好に保つためと、セパレータ2、端板3内のガス流路に流れる反応ガスが外部に漏れ出さないようにするためである。
【0005】燃料電池のこれまでの運転データによると、ガスヘッダに隣接する単位セルの性能が他のセルの性能に比較して低く、また、経時劣化も他のセルに比較して大きい場合が多いということが言える。場合によっては、そのセルの性能が低くなり過ぎて、燃料電池スタック全体の運転に支障を来たす場合もある。この原因については次のように考えられる。
【0006】燃料電池の運転温度は、その型式によっても様々であるが、数百度という高温で運転されるものが多い。特に、大規模発電設備として適している高温型の燃料電池、即ち、溶融炭酸塩型燃料電池や固体電解質型燃料電池においては、その作動温度が溶融炭酸塩型燃料電池では650℃、固体電解質型燃料電池では約1000℃と非常に高い。ガスヘッダ1、セパレータ2、端板3、電解質板4はそれぞれ形状が異なり、また、材質が異なる場合もあるので、上記のような高温になるとガスヘッダ近辺の上記の各部品間の熱変形状態に差が生じ圧縮力による接合状態がセル面内の部分部分によって異なってくると考えられる。そうすると、セル面内で発電性能の良好な部分とそうでない部分が生じ、また、経時劣化に対して有利な接合状態の部分とそうでない部分が生じて、セル性能が低下することになる。さらにまた、ガスヘッダ近辺の各部品間の接合状態が悪くなるために、反応ガスが燃料電池スタックの外部へ漏れだす場合もあり、そうなると燃料電池の発電効率が大幅に低下することになる。
【0007】図9は、上記で述べた状態を模式的に示すものである。本図は、ガスヘッダ1の中央部が膨らんで、ガスヘッダ1に溶接あるいはロウ付け等で完全に接合されている端板3がガスヘッダ1に添って変形し、端板の上部の電解質板4の脇の部分が端板3およびセパレータ2と剥離した状態を示している。このように剥離した状態にまで行かなくても端板3とセパレータ2およびその間の電解質板4との接合状態はかなり悪い状態になると考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、ガスヘッダに隣接する単位セルは、ガスヘッダとその近辺の部品との熱変形状態の違いにより、接合状態が悪くなっている。そのため、係る単位セルのセル面内の部分部分で発電反応の状態が異なり性能が低下する。その性能低下量が大きい場合には、燃料電池スタック全体の運転にも支障を来たす。また、経時劣化にとって悪い接合状態になっている部分が生じるため、係る単位セルの経時劣化も他のセルに比較して大きくなる。さらにまた、係る熱変形状態の違いが大きい場合には、反応ガスが燃料電池スタックの外部に漏れだし、発電効率を低下させる。
【0009】本発明は、ガスヘッダに隣接する単位セルの性能低下、経時劣化、および、その部分における反応ガスの漏洩を防止し、燃料電池スタック全体の性能、発電効率の向上、および、長期にわたる安定した運転を実現させるためのものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、ガスヘッダとそれに隣接する単位セルとの間に熱変形吸収材を設置する。この熱変形吸収材は、ガスヘッダと単位セル構成部品との熱変形状態の差を吸収する機能を持ち、さらに、反応ガス、即ち、アノードガス、カソードガスを燃料電池スタックの外部へ漏洩させず、また、アノードガス、カソードガスを混合させない機能、即ち、ガスシール機能を持つものである。このような機能を持つ熱変形吸収材として、燃料電池スタックの運転に支障を来たす作用を持たない液体を含浸させた多孔質体を用いることが好ましい。係る液体としては、電解質板へ含浸させる電解質液でもよく、また、多孔質体の母材は金属でも非金属でもよい。
【0011】多孔質体そのものは、それを挟む部品の熱変形の差異を吸収する機能を持ち、また、多孔質体へ含浸させる液体はガスシール機能を有する。
【0012】
【作用】このように構成することにより、本発明によれば次の作用により上記の目的が達成される。多孔質体そのものは、それを挟む部品の熱変形の差異を吸収する機能を持つ。多孔質体の周囲の部材が多孔質体に向かって凸になる熱変形を生じる部分では、多孔質体の気孔が小さくなることにより熱変形を吸収する。また、多孔質体の周囲の部材が多孔質体に向かって凹になる部分ではその部分以外に必ず多孔質体に向かって凸になる部分が生じる、即ち、相対的な変形状態を見れば凹凸が必ず出来るので、その凸の部分が燃料電池スタック全体に加えられた圧縮力により多孔質体の気孔をある程度押し潰し凹の部分の隙間を埋める。
【0013】また、多孔質体へ含浸させる液体はガスシール機能を有する。即ち、係る液体は、電解質板における電解質液と同じようにウエットシールとしての機能を持ち、反応ガスが燃料電池スタックの外部へ漏洩するのを防止し、また、反応ガス同志、即ち、アノードガスとカソードガスが混合するガスクロスという現象を防止する。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図により説明する。図1は、本発明の1実施例を説明するものであり、図9と同様に、ガスヘッダ1の中央部が膨らむという熱変形状態を示している。従来技術では、図9に示したようにガスヘッダ1と端板3とは溶接あるいはロウ付け等で完全に接合された状態であるが、本発明では、図1に示すようにガスヘッダ1と端板3との間に熱変形吸収材9を設置している。この熱変形吸収材は、燃料電池スタックの運転に支障を来たさない種類の液体を含浸させた多孔質体である。係る液体としては、燃料電池スタックの構成部品である電解質板4に含浸させる電解質液そのものを用いてもよい。また、係る多孔質体の母材としては、金属でも非金属でもよい。そのような金属としては、Ag、Ni、Cu、Pb、PbO、Al、Ti、等が上げられる。また、非金属としては各種のセラミック材を用いることが可能である。
【0015】燃料電池スタックから電流を取り出すための電流端子は、構造上の理由から、ガスヘッダ1に取付けねばならない場合がある。そのような場合に、熱変形吸収材9として非金属母材を用いる、あるいは、熱変形吸収材9に含浸させる液体として電解質液のような電流を流すと電気分解してしまうような物質を用いるとすると、ガスヘッダ1と端板3とを電気的に接続しなければならない。図2は、ガスヘッダ1と端板3とを電流ケーブル10で電気的に接続した状態を示すものであり、上記のような場合に対応するためのものである。
【0016】図3、図4は、本発明の他の実施例を示すものである。本実施例は、図1、図2に示すように特別な熱変形吸収材を用いるものではなく、ガスヘッダ1に隣接する単位セル、即ち、端板3に接する単位セルの電解質板4そのものを発電に関与しない単なる熱変形吸収材として用いるものである。特定の単位セルを発電に関与させないようにするためには、アノードガスとカソードガスの双方あるいはどちらか一方が供給されないようにすればよい。そのために、図3は、電解質板4(9)のセパレータ2側の反応ガス流路(本図においてはアノードガス流路12)を閉塞した構造を示すものであり、また、図4は、電解質板4(9)の端板3側の反応ガス流路(本図においてはカソードガス流路13)を閉塞した構造を示すものである。
【0017】このように構成することにより、本実施例においては熱変形吸収材9として用いる電解質板4には電流が流れないし、また、発電に必要な反応ガスは供給されない。そのために、図2で説明したように、ガスヘッダ1に電流を流す場合には、ガスヘッダ1と熱変形吸収材9として用いる電解質板4に接するセパレータ2とを電流ケーブル10で接続する必要がある。
【0018】一般に、燃料電池の種類によっては、最初に燃料電池スタックを立ち上げる際に電解質板4に対し焼成という作業を行わなければならないものがある。焼成は、通常電解質板に焼成用のガスを供給しながら行うものであり、その焼成用のガスを供給するためのガス流路として反応ガス流路、即ち、アノードガス流路12および/またはカソードガス流路13が用いられる。換言すれば、アノードガス流路12および/またはカソードガス流路13は、それが発電作用に機能しない場合であっても焼成の目的から燃料電池にとって必須の構成となる。
【0019】しかしそのままの形状で、上記したように熱変形吸収材9として用いる電解質板4に対して、アノードガス流路12、カソードガス流路13の両方に反応ガス、即ち、アノードガス、カソードガスを供給した場合には、熱変形吸収材9として用いる電解質板4が発電反応を起こしてしまう。その場合に、特に電解質板のアノード側とカソード側が電流ケーブル10で接続されているので、係る電解質板4(9)は無負荷で運転される状態になり過大電流が流れる。そうなると、その電解質板4(9)での反応ガスの消費量が他のセルよりもはるかに大きくなり、他のセルへの反応ガスの供給が阻害され、燃料電池スタック全体の性能を低下させてしまう。また、ガスヘッダ1、セパレータ2、単板3は導電体ではあるが若干の電気抵抗を持っており、単位セル自体も内部抵抗を持っているので、係る電解質板4(9)では過大電流による発熱が他のセルよりもはるかに大きくなり燃料電池スタック内の局部的な温度上昇を招き電池運転に支障を来たす。
【0020】アノードガスとカソードガスの双方あるいはいずれか一方が供給されなければ発電反応は生じないので、この実施例においては、反応ガス流路であるアノードガス流路12および/またはカソードガス流路13を閉塞して、係る電解質板4(9)には反応ガスが供給されない構造として、上記の問題は解決している。特に図示しないが、反応ガス流路を閉塞する具体的な手段としては、セパレータ2または端板3にもともと反応ガス流路を設けない構造とする方法、反応ガス流路そのものは形成しても、対象となるガス流路の入口または出口あるいは入口および出口の双方をアロンセラミックス等の電池反応温度においてガス閉塞機能を持つ物質で充填する方法などがある。
【0021】図5は、燃料電池スタックのガスヘッダ1としてその1部に中間ヘッダ1(11)を持つ場合について本発明を適用する場合の実施例を示す。通常中間ヘッダ1(11)は積層セルブロック14(図7に示す)を電気的に接続する役割も持っているが、熱変形吸収材9に電流を通せない場合、即ち、図2に示すような場合には、図5に示すように中間ヘッダ1(11)の上下の端板3同志を電流ケーブル10で接続し電流をバイパスする必要がある。また、熱変形吸収板9にわずかの電位差が加わってもいけないような場合には、図6に示すように、中間ヘッダ1(11)の上下の端板3のどちらかと中間ヘッダ1(11)とを電流ケーブル20でつなぐことが推奨される。
【0022】上記の説明は、本発明のいくつかの実施例の説明にすぎず、他に多くの変形例が存在する。例えば図3、図4には発電に使われる単位セルと同じ形態のセルをそのガス流路を閉塞した状態で熱変形吸収材としての機能を持たせるものについて説明したが、燃料電池の構造上あるいは使用上の環境により、同じ形態のセルでは熱変形を十分に吸収できないような場合においては、用いる電解質板の厚みをより厚くするあるいは電解質の組成そのものをより物理的変形量の大きいものに変えることは実用上好ましい態様である。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、ガスヘッダに隣接する単位セルの性能を他のセル性能と同レベルまで持ち上げることができ、各セル性能を均一化することができる。また、係るセルの経時劣化を防ぎ長期間にわたり安定した性能を維持することが出来る。さらに、ガスヘッダ近辺でのガスシール性能を向上させることができる。




 

 


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