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発明の名称 3次元表示用ブラウン管
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−150857
公開日 平成6年(1994)5月31日
出願番号 特願平4−300776
出願日 平成4年(1992)11月11日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 鴻上 明彦 / 林 伸明 / 金子 好之 / 山口 宗明
要約 目的
輝度,水平解像度が高く、製作容易な3次元表示用モノクロ及びカラーブラウン管を提供する。

構成
ブラウン管のフロントガラスを複数の屈折率の異なるガラス媒質20,30で層状に一体化して製作し、層の境界面でレンチキュラレンズを構成する。また、3原色の螢光体40の各々を水平線状に塗布し、シャドウマスク50の穴を水平線状に構成し、三つの電子銃60を縦に並べる。
特許請求の範囲
【請求項1】モノクロ用およびカラー用ブラウン管において、複数の屈折率の異なるガラス媒質を用いてフロントガラスを層状に一体化して形成し、前記複数のガラス媒質の層状の境界面でレンチキュラレンズを形成し、前記レンチキュラレンズの焦点面が前記ブラウン管の前記フロントガラスの内側の螢光体塗布面であることを特徴とする3次元表示用ブラウン管。
【請求項2】請求項1において、3原色発光螢光体の各々の螢光体が線状に一様に塗布され、前記レンチキュラレンズの筒状方向に垂直である3次元表示用ブラウン管。
【請求項3】請求項1において、各色の螢光体に印加する電子ビームを制御するシャドウマスクが線状構成である3次元表示用ブラウン管。
【請求項4】請求項1において、各色の螢光体に対応した三つの電子銃が縦に配置されている3次元表示用ブラウン管。
【請求項5】請求項2において、前記螢光体に印加する電子ビームが前記線状の螢光体に対して垂直に走査する3次元表示用ブラウン管。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平面像を3次元で表示する表示デバイスに係り、特に、特殊なめがねを利用しないモノクロ及びカラー3次元表示用ブラウン管に関する。
【0002】
【従来の技術】3次元映像に関しては、その歴史的背景および各種方式について、「3次元画像工学」大越孝敬著,朝倉書店(1991年)にまとめられている。この書物では、レンチキュラレンズ3次元画像の方式が主体に述べられているが、偏光めがね方式や他の方式については、例えば、テレビジョン学会誌,Vol.45,No.4(1991年)特集「立体感と3次元情報」で詳しく述べられている。これらの文献では3次元映像の表示デバイスから立体心理物理,情報伝送まで幅広く議論,紹介されている。
【0003】一方、ブラウン管を用いた3次元表示には、偏光めがねを利用する方法として、例えば、テレビジョン学会誌,Vol.43,No.8(1989年)pp.763−767で「偏光立体表示」で詳しく述べられている。この方式には、ブラウン管フロントガラス表示面に偏光板とπセル液晶シャッタを装着し、めがねは水平,垂直各方向の偏光板を左右の両眼に分離して装着する受動型眼鏡方式と、ブラウン管は従来のままか走査を通常の倍速にしたものを使用し、めがねに偏光板,液晶シャッタを装着する能動型眼鏡方式が述べられている。
【0004】また、めがねを利用しないレンチキュラレンズを用いたブラウン管表示素子については、例えばJ.IEE Japan Vol.109,No.3(1989年)(電学誌,109巻3号,平成元年)pp.223−226「三次元画像によるディスプレイ」で述べられている。ここでは、図2に示すように、ブラウン管のフロントガラス表示面に画像中継用レンチキュラシートDLS,縦格子遮光マスク配列M,三次元映像表示用レンチキュラシートLPを3層重ねあわせて装着し、観察者の左右眼に入る画像を分離して3次元画像を表示するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】第四の文献4で示した従来例では、既存のブラウン管のフロントガラス表示面にレンチキュラシートを貼付けることから来る様々な問題点がある。
【0006】その第1は、既存のブラウン管は防爆のためにブラウン管のフロントガラス表示面が曲面であり、その曲面の表面に平面のレンチキュラシートを貼付けた場合、周辺部でたるみが生じ、ブラウン管フロントガラスの表示面にレンチキュラレンズを一様に精度良く貼付けられないという問題点がある。これを解決するため、ブラウン管のフロントガラス表示面を筒状にする方法が提案されているが、ブラウン管の画素とレンチキュラレンズを精度良く対応させて貼付けることが極めて困難であり、また、ブラウン管の防爆に対しても安全性に問題が残る。
【0007】第2の問題点は、ブラウン管のフロントガラス表示面の肉厚が厚いために、2重のレンチキュラレンズDLS,LPを用いなければならない点にある。レンチキュラレンズの場合、その焦点面が螢光体面でなければならず、高解像度が要求されるブラウン管ではレンチキュラレンズのピッチが非常に小さくなるために、ブラウン管の肉厚に等しい焦点距離とすると、観測者の観測位置が非常に遠くになってしまう。そのため、2重のレンチキュラレンズを用いて、1枚目は実効的にブラウン管のフロントガラス肉厚を薄くするような光学的作用をさせ、2枚目のレンチキュラレンズで3次元表示する。このため、2重レンチキュラレンズの位置合わせが非常に困難な作業であり、また、3次元ブラウン管の製作精度や製作工程が煩雑になるという問題点がある。
【0008】第3の問題点は、ブラウン管のフロントガラス表示面の肉厚が厚いために螢光体面からの横拡散の光をさえぎる縦格子遮光マスク配列Mを必要とすることである。その理由は、ブラウン管のフロントガラス内で横方向の光拡散があると、レンチキュラレンズで3次元表示した時に副ローブ内で雑音光となるため、それをさえぎる必要があるためである。この場合、螢光体の横拡散光をさえぎり、表示面に対してほぼ垂直方向のみの光しか取り出さないため、表示画面が非常に暗くなるという問題点を生じる。また、3次元表示をした場合、この格子模様が観測者に感知され、表示品質を低下するという問題点も生じる。また、遮蔽マスクの位置合わせや製作工程の複雑さが増すことは2重レンチキュラシートの場合と同じである。
【0009】本発明の目的は、3次元表示用ブラウン管において、輝度が高く表示品質の良い,製作工程の簡単なブラウン管レンチキュラ表示デバイスを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明はモノクロ用およびカラー用ブラウン管のフロントガラスの構成において、複数の屈折率の異なるガラス媒質を用いて、フロントガラスを層状に形成し、ガラス媒質の異なる境界面で凹または凸のレンチキュラレンズ配列を成しており、このガラス層を貼付けまたは溶かし込み法によって一体化して形成し、このレンチキュラレンズの焦点面がブラウン管フロントガラス内側の螢光体面であるようにすることで実現できる。
【0011】この複数のガラス媒質の境界面のレンチキュラレンズが凹であるか、凸であるかは、複数のガラス媒質の屈折率の関係から決められ、このレンチキュラレンズの作用が凸レンズの作用をするように設計される。また、レンチキュラレンズの曲率や螢光体面までの距離は、光線追跡を行うことにより、観測者の観視位置情報や光線の収差などを計算して設計する。
【0012】モノクロ用3次元ブラウン管の場合は、電子銃が1個であり、画素とレンチキュラレンズとの対応は、ブラウン管に入力する信号と画素との対応であるリニアリティを精度良く行うことで実現できる。
【0013】カラー用3次元ブラウン管の場合、フロントガラス内側の3原色螢光体の色配列が問題となる。例えば、RGBの3原色の螢光体をモザイク状に配列した場合、横方向の各色はレンチキュラレンズで分離されるため、3次元表示した場合に一つの画素の表示が一つの色しか目に入らない。この場合、レンチキュラレンズ3次元表示が多眼表示であるため、観測者が視点を少し移動すると、同じ画素の信号の色が変化することになり、3次元画像の表示品質を損なうことになる。この場合、各原色の螢光体を水平方向の線状に配列すれば、観測者の動きに対して一つの画素が同じ色の表示となり、水平方向の解像度の低下がない。その場合、縦方向の三つのラインで一つの画素を形成するが、各々のラインの各色の輝度をそのラインの位置での輝度で表示すれば、垂直方向の解像度が低下することもない。
【0014】各原色の螢光体を水平方向に線状に配置した場合、電子銃が各原色の螢光体に対応するためには、電子銃を垂直方向に三つ並べ、シャドウマスクを水平方向の線状に形成すれば良い。その場合、シャドウマスクの構造的強度が問題になるが、レンチキュラレンズのピッチに合った間隔で強化用の仕切りを設ければ良い。
【0015】
【作用】ブラウン管のフロントガラスをガラス媒質の異なる層状に形成した場合、その強度が問題になることがある。しかし、レンチキュラレンズを構成するガラスの厚さは、通常螢光体面から2〜4mm程度であり、層状構造であるため表示面のフロントガラスは従来通り厚く形成することができる。また、異なるガラス媒質を異なる温度で溶かし込み法で一体化して形成することで十分かつ均一な強度を保つことができる。
【0016】水平方向の線状螢光体は、シャドウマスク,電子銃,螢光体塗布を一体化して形成することで、電子ビームと螢光体の色との対応を精度良く行うことができる。その場合、シャドウマスク,電子銃の位置合わせを行った後に螢光体の塗布の行程を行うと良い。また、シャドウマスクの電子ビームの通過する穴を水平方向の線状にすると、電子ビームが画素のセルよりも大きいため、螢光体の発光が広がって大きくなり、解像度が低下するという問題がある。その場合、シャドウマスクの線状の穴に格子を設け、電子ビームの広がりを遮断することができる。また、その場合シャドウマスクの強度を増すことにもなる。
【0017】電子銃を縦に三つ並べた場合、電子ビームの走査を従来の水平方向で行うが、垂直方向の走査も可能である。その場合、観測者が水平方向に視線を移動した時に1/30秒のインタレース走査ではフリッカを感じる。これを解決するには垂直方向の走査を倍速の1/60秒のインタレース走査をすれば、観測者の左右の視線の移動に対してフリッカを感じることはない。
【0018】
【実施例】図1は、本発明の3次元表示用ブラウン管を上側から観測した場合の断面図(水平面断面図)を示す。ブラウン管のフロントガラス10は、例えば、2層構造(内側層30,外側層20)を成しており、その境界面がレンチキュラレンズ構成となっている。この2種類の層のガラスは媒質が異なっており、例えば、外側層20はガラス媒質として、BK,K,KF,LLF,LFなどを用いる。これらの種類のガラス媒質は屈折率が1.5から1.6の間にあり、比較的屈折率の低い媒質である。内側層30のガラス媒質は、例えば、LaK,LaF,LaSK,LaSFなどを用いる。これらのガラス媒質の屈折率は1.7から1.85までで比較的屈折率の高い媒質である。従って、内側層30の屈折率が外側層20の屈折率よりも高いため、この層の境界面のレンチキュラレンズは外に向かって凸構造である。もし、外側層の屈折率が内側層の屈折率よりも高い場合にはこの層の境界面のレンチキュラレンズは外に向かって凹であるようにすればよい。これら媒質の異なるガラスは一般にその融点も異なっており、融点温度の高いガラス媒質の型取りを先に作成し、その後に融点温度の低いガラス媒質を溶かし込みによって2層のフロントガラスを一体的に作成することができる。
【0019】この2層のガラス媒質の境界面のレンチキュラレンズの焦点面には螢光体40を塗布する。これは内側のガラス層30の厚さをレンチキュラレンズの焦点距離と等しくすることによって、従来通りにフロントガラスの内側に螢光体を塗布すればよい。このレンチキュラレンズの焦点面の螢光体が発光すると、レンチキュラレンズの作用によって、画素の位置によって光線の方向が分離され、観測者の両眼に入る画像を分離できることから画像を3次元表示することができる。螢光体40の内側にはシャドウマスク50があり、ブラウン管の奥の部分には電子ビームを発生する電子銃60が置かれている。
【0020】図3は本発明の3次元表示用ブラウン管のフロントガラスを拡大して示したもので、以下、その設計方法を説明する。レンチキュラレンズのピッチtpはブラウン管の解像度を決める重要な要素である。例えば、対角40インチブラウン管で水平解像度を二千本とすれば、螢光体が水平方向の線状に塗布されていることから、tpは0.4mm となる。この値は、ブラウン管のフロントガラスを型取りと溶かし込み方法で作る場合、レンチキュラレンズを構成するのは容易である。レンチキュラレンズ3次元表示は多眼表示が一般であり、観測者が視点を移動させた場合、その回り込み奥行きが観測できる。その場合には、一つのレンチキュラレンズ内に三つ以上の画素を閉じ込める必要があり、図3の例では4眼式レンチキュラ3次元表示を想定して、一つのレンチキュラレンズ内の画素をA,B,C,Dと分離する。この場合、一つの画素の間隔dは、前述の例では0.1mm となる。この値は、電子ビームの絞り込みを強化するなどの方法により実現可能である。
【0021】今、内側のガラス媒質層の屈折率をn2 ,外側のガラス媒質の屈折率をn1 とし、このレンチキュラレンズの焦点距離をf(図3参照),レンチキュラレンズの曲率半径をr,点Oをレンチキュラレンズの曲率中心とすれば、焦点距離fは近軸近似の公式を用いて、【0022】
【数1】
1/f=(1−n1/n2)/r …(数1)
で与えられる。今、観測者がブラウン管の画面からlの距離に両眼があり、外側ガラス層20の厚さをt2 とすれば、螢光体の隣り合う画素BとCの光線方向の成す角度ψ(外側のガラス媒質20内の光線の角度)は、両眼の間隔pとして、l≫t2 から、【0023】
【数2】
ψ=p/(n1l) …(数2)
で与えられ、一方、ψは数3で与えられる。
【0024】
【数3】
ψ=d/f …(数3)
数1,数2,数3よりfとrを解けば【0025】
【数4】
f=n1dl/p …(数4)
【0026】
【数5】
r=n1dl/p(1−n1/n2) …(数5)
となる。例えば、前述の対角40インチのブラウン管で、l=1.5m,p=65mm,d=0.1mm,n1=1.5,n2=1.8として、f=3.5mm,r=21mmとなる。従って、フロントガラスの内側層30の厚さは3.5mm とし、外側層の厚さをその防爆に必要な厚さとし、レンチキュラレンズの曲率半径を21mmと大きく、レンチキュラレンズのピッチを0.4mmとすれば、視距離1.5mで3次元の画像がブラウン管表示で実現できる。
【0027】図4は、本発明の電子銃60,シャドウマスク50,螢光体面40を示す図である。螢光体面は図に示すように、例えば、R,G,Bの3原色の螢光体を70,80,90のように水平方向の線状に塗布する。この場合、シャドウマスクは50に示すように電子ビームが通過する穴を100に示すように線状構成とし、補強のためのしきり格子を要所要所に設ける。この格子はレンチキュラレンズのピッチに等しく、かつ、レンチキュラレンズの境目に合致するように設けると、格子による画質の劣化は少ない。R,G,B3原色に対応する電子銃は60に示すように縦に三つ並べる。この配列により、R,G,Bの三つの電子銃が縦に段差があるので、シャドウマスクを通過した三つの電子ビームが各々対応する螢光体に当り、一つの電子ビームが二つの線状の螢光体にまたがって当ることはない。電子銃60から放出する電子ビームは水平方向の走査も可能であるが、垂直方向の走査を行うこともできる。その場合には水平方向の線状の螢光体の各画素に当る電子ビームが1垂直走査期間遅れて螢光体に当るため、螢光体発光の水平方向解像度が向上するという利点がある。
【0028】この実施例では、ブラウン管のフロントガラスを2層構造としたが、3層以上の構成でレンチキュラレンズを構成した場合も本発明に含まれる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、ブラウン管のフロントガラスの構成において、複数の屈折率の異なるガラス媒質を用いてフロントガラスを層状に一体化して形成し、複数のガラス媒質の層状の境界面でレンチキュラレンズを構成することで、輝度が高く、製作行程の容易な3次元表示用ブラウン管を提供できる。
【0030】また、ブラウン管フロントガラス内側の螢光体の構造を水平方向の線状に塗布することで、水平解像度を増す。
【0031】また、電子銃を縦方向に並べ、シャドウマスクを水平線状構造とすることで、水平線状螢光体を広がりなく発光させることができる。




 

 


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