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発明の名称 光電変換装置及びそれを用いた放射線撮像装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−140614
公開日 平成6年(1994)5月20日
出願番号 特願平4−289184
出願日 平成4年(1992)10月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】薄田 利幸
発明者 金子 好之 / 山口 宗明 / 梅谷 啓二 / 植田 健
要約 目的
高感度な密着型の放射線撮像装置を提供する。

構成
薄膜フォトトランジスタ25、蓄積容量26、スイッチ27等からなる光電変換素子をシンチレータ1上に直接2次元にアレイを形成して光電変換装置を構成する。その際、素子アレイと蛍光面の距離調節、蛍光の集光レンズ、画素における電荷量増幅機能を持たせる。この光電変換装置を放射線撮像装置の撮像部とする。
特許請求の範囲
【請求項1】平面状シンチレータと、上記シンチレータから発せられる光を検出するために上記シンチレータの面上に密着して配列された複数の薄膜光電変換素子をもつことを特徴とする光電変換装置。
【請求項2】請求項1記載の光電変換装置において、上記薄膜光電変換素子が光電変換する半導体素子と上記半導体素子の出力を制御する薄膜トランジスタをもち、更に、上記複数の薄膜光電変換素子が行列状に配置され、上記複数の薄膜トランジスタを制御する制御信号線と、上記制御信号線と直交する方向に延展し、上記薄膜トランジスタを介して上記薄膜光電変換素子の出力を検出するための複数の信号検出線が積層されたアレイからなる画像検出部と、上記複数の制御信号線に電圧を印加するための垂直走査回路と、上記複数の信号検出線から信号を検出するための水平走査回路とをもつことを特徴とする光電変換装置。
【請求項3】請求項1又は2記載の光電変換装置において、上記シンチレータと上記薄膜光電変換素子との間にファイバプレートが配置され、上記薄膜光電変換素子が上記ファイバプレート上に形成されることを特徴とする光電変換装置。
【請求項4】請求項2又は3記載の光電変換装置において、上記シンチレータと上記薄膜光電変換素子の間に透明の絶縁膜層を形成したことを特徴とする光電変換装置。
【請求項5】請求項2又は3記載の光電変換装置において、上記シンチレータと上記複数の薄膜光電変換素子の間にマイクロレンズアレイを形成したことを特徴とする光電変換装置。
【請求項6】請求項1ないし5のいずれかに記載の光電変換装置において、上記半導体素子が非晶質シリコンを光導電膜とする薄膜フォトトランジスタであることを特徴とする光電変換装置。
【請求項7】請求項6に記載の光電変換装置において、上記薄膜フォトトランジスタによる検出信号を画素ごとに増幅する手段をもつことを特徴とする光電変換装置。
【請求項8】請求項1ないし5のいずれかに記載の光電変換装置において、上記半導体素子がフォトダイオードであることを特徴とする光電変換装置。
【請求項9】被検体に放射線を照射する放射線源と、請求項1ないし8のいずれかに記載の光電変換装置とが上記光電変換装置のシンチレータが少なくとも上記被検体を透過した放射線を受けるように配設されたことを特徴とする放射線像撮影装置。
【請求項10】請求項9に記載の放射線撮影装置において、上記放射線源と上記光電変換装置の相対位置が固定され、上記被検体への放射線の照射角度が変わるように、上記放射線源か上記被検体の少なくとも一方を回転させる手段をもつことを特徴とする放射線像撮影装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光電変換装置及びそれを用いた放射線撮像装置、更に詳しく言えば、被検体にX線を照射し、透過放射線をシンチレータで受けシンチレータからの光を光電変換して被検体の像を得る放射線撮像装置及びそれに用いるシンチレータを含む光電変換装置に係る。
【0002】
【従来の技術】放射線撮像装置は、図2に示すように、放射線線源から出た放射線が被検体を通過し、シンチレータに照射される。シンチレータは被検体を透過した放射線の量に比例した可視光を発生する。したがって、シンチレータのすぐ近くに2次元に広がりを持つ光電変換装置を配置して被検体の透過放射線像を得ることができる。特に、装置を小型かつ動画像を得るため、光電変換装置をフォトダイオード等の光電変換素子を複数個2次元に配列して構成された2次元薄膜撮像素子基板で構成し、シンチレータと組み合わせて放射線撮像に用いることが既に知られていている。このような構成において、光変換素子としてフォトダイオードに限らず、薄膜フォトトランジスタを用いた場合も容易に適用できることはいうまでもない。この種のシンチレータと2次元薄膜撮像基板の配置については、特許公開公報 特開平02−32920号に記載がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際には上記従来技術による放射線撮像装置ではシンチレータと2次元薄膜撮像基板とが一定の間隔を設けて構成されるため、感度が低いと同時に放射線撮像装置の組立て或は使用時にシンチレータと2次元薄膜撮像基板すなわち光電変換装置との微小な間隔制御が難しく、読み取り画像にムラが発生するという問題があった。感度が低いことにたいしては、構成を変えずに駆動方法を変える等の対策がほどこされてきたが、なお一層の改善の余地があるのが実情である。間隔制御が難しいという課題に対しては、特に対策が施されてこなかった。したがって現在の主流は、即時性のないX線フィルムや、大型のX線テレビを用いて放射線画像を検出する方式である。従って、本発明の目的は、シンチレータとセンサ基板の微小な間隔制御が不要な放射線撮像装置及びそれ適した光電変換装置を実現することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明では、放射線撮像装置に使用する光電変換装置を、平面状シンチレータと上記シンチレータから発せられる光を検出するために上記シンチレータの面上に密着して配列された複数の薄膜光電変換素子アレイを持つ基板で構成した。即ち平面状シンチレータの1面上に2次元薄光電変換素子アレイを直接形成するものである。なお、上記シンチレータの面上に密着して配列された複数の薄膜光電変換素子アレイとは、シンチレータ面上に透明な絶縁膜層、光ファイバを形成したうえで2次元薄膜光電変換素子アレイを積層するもの、さらには上記の透明な絶縁膜層とシンチレータのあいだにマイクロレンズを形成し、その上に2次元薄膜光電素子アレイを形成する場合を含む。本発明の放射線撮像装置は上記薄膜光電変換装置と放射線源とを組み合わせて構成する。放射線撮像装置の好ましい実施形態は、上記放射線源と上記光電変換装置の相対位置が固定され、被検体への放射線の照射角度が変わるように、上記放射線源か上記被検体の少なくとも一方を回転させるような手段を設ける。
【0005】
【作用】本発明の光電変換装置によれば、光源であるシンチレータの1面と光電変換装置の光電変素子が積層され、一体的に構成され、光電変換装置の基板とシンチレータとの距離を制御性よく非常に短く固定して設定することができるので、像分解能の指標である変調伝達関数(MTF)を向上させることができる。また、放射線撮像装置の組立て、使用時におけるシンチレータとセンサ基板の微小な間隔制御が不要となる。また、マイクロレンズを付加した場合、光の利用効率を著しく向上させることができる。各画素の信号増幅機能により、大きな信号電荷を取りだすことができる。従って、検出信号のS/Nを向上させることができ、ひいては撮影画像の明るさ、解像度を向上し画質を改善することができる。
【0006】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。
〈実施例1〉図1は、本発明による光電変換装置を構成する薄膜光電変換素素子の一実施例の断面図である。この薄膜光電変換素子を図3で詳細に説明するように、複数個行列(マトリクス)状に配列して本発明の光電変換装置を構成する。本実施例は薄膜フォトトランジスタ25、蓄積容量26及びスイッチングTFT27からなる薄膜光電変換素子が平面状のシンチレータ1の一方の面上に直接密着して形成されている。
【0007】この薄膜光電変換素子を多数配列した光電変換装置の作製方法は、以下の通りである。シンチレータ1上にスパッタリング法により金属クロム膜を厚さ200nm堆積する。これをフォトリソグラフィ法によりパターン化し、TFT27のゲート電極2及び薄膜フォトトランジスタ25のゲート電極3、蓄積容量26の下部電極4を形成する。また図1には示されていないが、この工程で信号制御線などの電圧供給配線も同時に形成される。シンチレータとしては、例えば、Gd22S:Pr,Ce,Fを用いればよい。TFT27のゲート電極2は、素子下方からの光を遮断する役割も有する。
【0008】次にプラズマCVD法によりゲート絶縁膜5である窒化シリコン膜(SiN)、半導体能動層である非晶質シリコン膜(a−Si膜)6、及びオーミックコンタクト層のn型a−Si膜7をそれぞれ厚さ350nm、550nm、50nmに堆積し、パターン化する。プラズマCVD法は真空容器中にモノシラン(SiH4)をベースにしたガスを導入し、高周波電力を加えることによってプラズマを形成し、これによって分解したSi及び水素が基板上に堆積するものである。この場合はa−Si膜が形成され、これに加えてホスフィン(PH3)を導入すればn型a−Si膜を形成することができる。また、モノシランと共に窒素やアンモニアを導入すれば窒化シリコン膜が形成される。
【0009】その後、CrとAlの二層膜を堆積し電極をパターニングする。CrとAlそれぞれの膜厚は、100nm、750nmである。Crはa−SiとAlとの間の反応防止用バッファ層であり、Alは、電極の低抵抗化ために用いる。この工程で形成される電極は、TFTのソース電極8、ドレイン電極9、薄膜フォトトランジスタのソース電極10、ドレイン電極11、蓄積容量の上部電極12である。また、図1には示されていないが、この工程で信号検出線等の電圧供給配線も同時に形成される。次に、これらの電極パターンをマスクとして、不要なn型a−Si膜をエッチングする。エッチングは、例えば、CF4ガスを用いたプラズマドライエッチング法によればよい。この上に、プラズマCVD法により、窒化シリコンの保護膜13を1μm程度の厚さに堆積する。最後にAlからなる上部遮光膜14を形成する。
【0010】図3は、図1の薄膜光電変換素子の多数個を行列状に配置し、水平走査回路及び垂直走査回路を接続して構成した光電変換装置の等価回路図である。図3において、フォトトランジスタ25、蓄積容量26(C11〜Cnm)とTFT27(TM11〜TMnm)とからなる薄膜光電変換素子がn行、m列に配置されている。各行のTFT27のゲートは共通に信号制御線(H1〜Hn)を介して垂直走査回路28に接続されている。各列のTFT27のドレイン電極は、共通に信号検出線(V1〜Vm)を介して垂直走査回路28に接続されている。各列の信号検出線(V1〜Vm)は、それぞれ信号検出容量(CV1〜CVm)をもつ。
【0011】光電変換装置を放射線撮像装置に使用したときの駆動方法は次の通りである。まず、シンチレータ側から被検体を通過した放射線が入射する。時刻t=0で水平走査回路29により、信号制御線H1に接続されたTFT(TM11〜TM1m)をオン状態にする時間幅TLのパルス電圧が加えられる。このパルスが印加されている間に信号検出線V1〜Vmが選択され蓄積容量C11〜C1mに蓄えられた電荷がそれぞれ信号検出容量CV1〜CVmを介して読みだされる。信号検出容量CV1〜CVmは、主として信号検出線V1〜Vmの配線容量によって形成される。
【0012】信号検出線V1〜Vmの選択は、V1〜Vmを順次選択する点順次法やV1〜Vmを同時に選択する線順次法があるが本発明はこれを限定するものではない。さて、信号制御線H1の選択が終了すると、今度は信号制御線H2が選択され、蓄積容量C21〜C2mに蓄えられた電荷が読みだされる。同様の動作を繰返し信号制御線Hnが選択されて蓄積容量Cn1〜Cnmに蓄えられた電荷が読みだされる時刻n×TLに2次元の1フレーム分の画像読み取りが完了する。
【0013】次に、再び信号制御線H1を選択して、時間(n−1)×TLの間に蓄積容量C11〜C1mに蓄えられた電荷を読みだし、引き続いて次のフレームの画像を読み取る。この駆動方法によればn×TLを適当に設定することにより、即時性のある動画像を得ることができる。もちろん本発明は、上記のノンインタレース方式の走査方法に限定されるものではない。例えば、信号制御線を1本おきに選択することにより、インタレース方式の画像を初期より得ることができる。
【0014】図4は、本発明による放射線撮像装置の一実施例の構成を示す図である。同図において、図3に示した光電変換装置32と被検体31及び放射線源30が所定の位置関係に配置されている。光電変換装置31の光電変換装置32の一部を構成するシンチレータ1の一方の面が被検体31側に対向するように配置される。放射線源30から出た放射線が被検体31を通過し光電変換装置32のシンチレータの入射面に照射される。放射線の入射線量に対応して励起された可視光が上記シンチレータの反対の面に形成された2次元薄膜撮像素子アレイの光電変換装置32で検出される。
【0015】上述のように本実施例によれば、放射線撮像装置用の光電変換素子の作製の容易さに加えて、従来必要であった光電変換装置の基板とシンチレータの間の微小な間隔制御の必要がなくなり、構造が簡易化されるという利点がある。特にシンチレータの蛍光面と蛍光面からの光を検出する光電変換面との実質的な距離が極めて微小な値に設定できるので、ほぼ最大のMTFを得ることができる。
【0016】<実施例2>図5は、本発明による光電変換装置を構成する薄膜光電変換素子の他の実施例の断面図である。<実施例1>の説明から明らかなように、本発明ではシンチレータと薄膜光電変換素子とを一体的に形成することが主眼であるので光電変換素子の種類を限定するものではない。図5に示す実施例は、光電変換素子としてフォトダイオードを用いた実施例である。本実施例はフォトダイオード及びスイッチングTFTからなる薄膜光電変換素子が平面状のシンチレータ1の一方の面上に直接形成されている。
【0017】この薄膜光電変換素子の作製法は、次の通りである。シンチレータ1上にCrによるTFTのゲート電極2を形成する。次にスパッタリングにより導電性透明材料を用いて(例えばITO:インジウム、錫酸化物)フォトダイオードの下部電極15を形成する。その後、プラズマCVD法によりp型、i型、及びn型のa−Siを順次堆積しパターン化する。次に実施例1に述べたのと同様の手順により、TFTのゲート絶縁膜5、a−Si膜6、n型a−Si膜7、ソース電極8及びドレイン電極9を形成する。ソース電極8は、フォトダイオードの上部電極16と同一パターンで形成される。TFTのゲート絶縁膜5は、フォトダイオードの側面リーク電流を抑制するための保護膜の役割も兼ねる。引き続いて、窒化シリコンによる保護膜13及びTFTの上部遮光膜14を形成して薄膜光電変換素子を得る。
【0018】本実施例の薄膜光電変換素子を用いた光電変換素子の駆動は、実施例1に述べたのと同じ方法でよい。検出すべき光も実施例1に述べたのと同じで、光電変換素子の蛍光体から発せられる。なお本実施例では、フォトダイオードの容量が蓄積容量となるので、光電変換装置の構成は、高精細化に伴って画素サイズが小さくなる場合に特に有効である。またTFT以外の部分をフォトダイオードに使えるので、シンチレータの蛍光面からの光を有効に検出することが可能になる。
【0019】<実施例3>図6は、本発明による光電変換装置を構成する薄膜光電変換素子の第3の実施例の断面図である。本実施例3の図1に示す実施例との相違は、シンチレータ1の面と、センサ(光電変換素子)のゲート電極3の形成される面との間に、スペーサ用の絶縁体層17が形成されている点である。他の部分の構成、動作、製法は図1の物と同じであるので、同一部分には同一の番号を付して説明を省く。絶縁体層17は、シンチレータ1を保護するために設けられたもので、その厚さの最適値は、センサ(光電変換素子)のMTFと光利用率を考慮することにより次のように求めることができる。シンチレータ1の面を光源とみなすと、この光源とセンサの間の距離をLとして、MTFと光利用率の関係を示したものが図7及び図8である。図7はMTFの距離L依存性である。距離Lが小さくなればなるほどMTFは単調に増加することが示されている。これによれば、距離Lの値としてできるだけ小さく設定するのが望ましい。
【0020】一方、図8は、光利用率の距離L依存性を示したものである。この結果によれば、図9に示されるような反射光検出型のイメージセンサにおいては、距離Lの最適値が〜30μmであることがわかる。これに対し、本発明のような透過光検出型の光電変換素子では、距離Lの値として5μm以下、特に〜1μmに設定するのがよいことが示されている。この距離Lの低減効果は、透過光検出型の光電変換素子では、光電変換素子の直上より入射する光が支配的になるために得られたものである。この効果によれば、より大きなMTFを確保することができることは明らかである。また、光利用率の絶対値自体も本発明では反射光検出型の4倍に達する値を実現できる。さらに図2のような従来の構成による透過光検出型のセンサでは、センサ面とシンチレータを5μm以下という微小距離で大面積にわたり制御性よく密着させることは困難であるが、本発明のようにシンチレータ1の基板に直接センサを形成する場合は、本実施例のように膜を積層すればよいのでその制御はむしろ容易である。絶縁層としては、例えばPGMA膜などの透明有機樹脂膜やスパッタリングによるSiO2膜を用いれば良い。以上本実施例によれば、シンチレータを保護でき、かつ放射線入射によるシンチレータの発光を効率よくかつ高解像度に検出できるので、高感度な放射線撮像装置を実現することができる。なお、光電変換素子は、フォトトランジスタに限らず、フォトダイオードでもよいことはいうまでもない。
【0021】<実施例4>図10は、本発明による光電変換装置の第4の実施例の構成を示す断面図である。本実施例はシンチレータからの散乱光を集光するためのマイクロレンズを具備させたものである。図10に示されるようにシンチレータ1上にまずマイクロレンズ18のアレイを形成され、その上にスペーサ用の絶縁層17、さらにセンサ(光電変換素子)のアレイを形成したものである。このマイクロレンズの形成の手順を図11に示す。シンチレータ1上に例えばPGMAなどの透明有機樹脂膜33を塗布し焼固める(図11(a))。次にレジスト(ノボラック樹脂)34を塗布し、画素ピッチと同じ周期にパターニングする(図11(b))。このレジストパターン34を160〜190℃でベークすると、レジストは軟化し角が取れて凸面が形成される(図11(c))。次に酸素アッシャによる等方性エッチングを行う。これにより、所望の形状のマイクロレンズ18が完成する(図11(d))。
【0022】以上本実施例によれば、放射線入射によるシンチレータの発光を効率よくセンサに集光できるので、高感度な光電変換装置を実現することができる。なお、本発明は本実施例によって限定されない。特に光電変換素子は、フォトトランジスタに限らず、フォトダイオードでもよいことはいうまでもない。また、マイクロレンズと絶縁層の材料の組合せは上記に限らない。それぞれの屈折率の間の大小関係が上記実施例によるものと同じであればよい。
【0023】<実施例5>図12は、本発明による光電変換装置を構成する薄膜光電変換素子の第5の実施例の等価回路である。本実施例はシンチレータ上に形成された薄膜光電変換素子アレイの各画素において、読み取り電荷を増幅する機能を持たせたものである。本実施例では次のように動作させることによって、大きな信号電荷量を得ることができる。まず、第(j+1)番目の信号制御線に接続された充電用トランジスタ19がオンとなり、蓄積容量が充電される。この後、充電用トランジスタ19はオフとなって、1フレームにわたり信号が蓄積される。1フレームの期間の後、第j番目の信号制御線に接続された画素選択トランジスタ20のゲートとドレインにパルス電圧を印加する。この時、信号蓄積期間に蓄積された電荷量に応じた電流が、センサと蓄積容量に接続されたドライバトランジスタ21を通じて流れる。すなわち、信号蓄積期間にセンサに光が入射しない場合は、ドライバトランジスタ21のゲート電位は高く保たれてトランジスタ21はオンする。このとき接点Pの電位は信号検出線の電位に保たれる。 従って、画素選択トランジスタ20がオンになった時の電流量は最大となり、信号線検出容量が充電される。反対に、信号蓄積期間にセンサに光が入射する場合は、その光量に応じてドライバトランジスタ21のゲート電位は低下し、画素トランジスタ20、ドライバトランジスタ21を介して、信号制御線jから信号検出線容量へ流れる電流量が変化する。最後にこの信号検出容量に蓄えられた電荷が信号検出回路から読み出される。
【0024】各画素の蓄積容量と、信号検出線容量の大きさの比は、通常少なくとも1:10であるので、この実施例によれば最終的に取り出す電荷量を増幅することができる。このような画素ごとの電荷量増幅は、センサ感度を向上させるのに有効であり、シンチレータの微量な発光の検出に特に有効である。なおこの有効性はセンサの種類や、画素選択の方法などに依存しないことはいうまでもない。
【0025】<実施例6>図13は、本発明による光電変換装置を構成する薄膜光電変換素子の第6の実施例の断面図である。本実施例はフォトセンサとして透明電極を具備する薄膜トランジスタを用いた例である。図13において図6との相違は、薄膜トランジスタ25が透明電極22を持つ点である。図6と同じ部分については同一番号を付して説明を省く。この光電変換素子の基板の作製法は次の通りである。シンチレータ1上に透明導電膜(例えばITO)によるTFTのゲート電極22を形成する。その後、CrによりスイッチングTFTのゲート電極2を形成する。以降の工程は、実施例1に述べたのと同様で良い。駆動においては、センサTFTのゲートをオフ状態に保って光を検出する。これによれば特に暗電流を小さくすることができるという効果がある。
【0026】<実施例7>図14は、本発明による光電変換装置を構成する薄膜光電変換素子の第7の実施例の断面図である。本実施例はシンチレータ1と光電変換素子との間にファイバプレート23を配置したものである。他の構成部分については、図6の実施例と同じであるので、同一部分には同一番号を付して説明を省く。本実施例によれば、シンチレータ1の発光をファイバプレート23を通して光電変換素子に導く構成となるが、ファイバプレート23による光の損失が小さいので問題はない。ファイバプレート23上に直接フォトセンサを形成する場合は、シンチレータ1上に光電変換素子を形成するのに比べ作製プロセスが容易になるという利点がある。すなわち、本実施例では、光利用率やMTFを向上させることのできるセンサを容易に作製できるという効果がある。もちろんファイバプレート上に一旦絶縁層やマイクロレンズアレイを形成した後に光電変換素子を作製しても同様の効果が得られることはいうまでもない。
【0027】<実施例8>図15は、本発明による放射線撮像装置の他の実施例の構成を示す斜視図である。本実施例では、放射線源30と光電変換装置32との相対位置が固定されるように、ターンテーブル23に装着され、固定された被検体31への放射線35の照射角度が変わるようにターンテーブル36を回転するように構成されいる。なお、相対位置が固定された放射線源31と光電変換装置32とを固定して、被検体31を回転させる手段を設けてもよい。放射線源31から発せられた放射線35が、被検体31として例えば人間の胸部を通過して本発明による光電変換装置32に入射して撮像される。次にこの放射線源30と光電変換装置32の相対位置関係を保ちながら、被検体31の周りを微小角度だけ回転し撮像する。以下同様の手続きにより被検体31をさまざまな角度から撮像する。しかる後、これらの像のデータから3次元情報を再構成し、立体像を得る。本発明による放射線撮像装置は、光電変換装置が薄型軽量であるために従来のフィルム乾板を扱う要領と同じ取扱が可能である。すなわち、上記のように立体像撮影に用いられて有用なことはもちろんのこと、ベッドで寝たままの患者のX線撮影にも活用できることはいうまでもない。
【0028】
【発明の効果】以上本発明によれば、シンチレータと光電変換素子が密着した2次元光電変換装置を用いた高感度の放射線撮像装置を実現することができ、例えば医用応用機器の大幅な小型化を実現することができる。また本発明によれば、光源とセンサ面の間の距離を制御性よく非常に小さく設定することができるので、変調伝達関数(MTF)を向上させることができる。また、マイクロレンズやファイバプレートにより光の利用効率を著しく向上させることができる。さらに、各画素の信号増幅機能により、大きな信号電荷を取りだすことができる。従って、検出信号のS/Nを向上させることができ、ひいては検出画像の画質を向上させることができる。




 

 


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