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発明の名称 化学プラントにおける化学反応容器の交換方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−140064
公開日 平成6年(1994)5月20日
出願番号 特願平4−291219
出願日 平成4年(1992)10月29日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】平木 祐輔
発明者 難波 茂昭 / 高橋 正治 / 加原 俊樹 / 清木 信宏
要約 目的
常温に比べ高温又は低温領域において運転されることによって収量を得る、化学反応プロセスの容器交換を合理的に行なうこと。

構成
運転中の温度より常温に近づける化学反応容器10Aと、常温より運転中の温度へ近づけるべき新たに使用する化学反応容器10Bとの間で熱交換を行わせることによって目的を達成する。また、その際必要となるメンテ用の追加設備を極力少なくするために、メンテナンススキッド60を介して運転中使用する配管を相互に接続して利用する。
特許請求の範囲
【請求項1】 1以上の化学反応容器を有しプラント運転中と休止中とでは化学反応容器の温度が異なる化学プラントにおける前記化学反応容器の1又は2以上を交換する方法であって、運転を続けてきた化学反応容器側の持つエルネギー資質を、新たに運転を開始する化学反応容器側に移転した後、該受熱後の化学反応容器をプラントに設置することを特徴とする化学プラントにおける化学反応容器の交換方法。
【請求項2】 運転を続けてきた化学反応容器側からのエルネギー資質の移転に加え、外部エネルギー資質をも新たに運転を開始する化学反応容器側へ付加することを特徴とする、請求項1記載の化学プラントにおける化学反応容器の交換方法。
【請求項3】 外部エネルギー資質が、化学プラントにおける継続運転中の化学反応容器群の持つエネルギー資質であることを特徴とする、請求項2記載の化学プラントにおける化学反応容器の交換方法。
【請求項4】 エネルギー資質が、熱及び/又は電気エネルギーであることを特徴とする、請求項1記載の化学プラントにおける化学反応容器の交換方法。
【請求項5】 運転を続けてきた化学反応容器側から新たに運転を開始する化学反応容器側へのエネルギー資質の移転を、双方の化学反応容器の通常運転時に使用する配管経路を相互に接続し、該配管中に熱交換用媒体を循環させることにより行うことを特徴とする、請求項1記載の化学プラントにおける化学反応容器の交換方法。
【請求項6】 継続運転中の化学反応容器群から微少量の高温又は低温流体を抽出し、該抽出流体と熱交換用媒体とで二次的熱交換を行うことを特徴とする、請求項5記載の化学プラントにおける化学反応容器の交換方法。
【請求項7】 運転を続けてきた化学反応容器及び新たに運転を開始する化学反応容器の双方の通常運転時に使用する配管経路を相互に接続するに際して、熱交換用媒体の供給及び循環のための手段を持つメンテンンススキッドを介在させて接続することを特徴とする、請求項5又は6記載の化学プラントにおける化学反応容器の交換方法。
【請求項8】 運転を続けてきた化学反応容器側から新たに運転を開始する化学反応容器側へのエネルギー資質の移転を、保温室内に双方の化学反応容器を配置し、該保温室内の空気等の熱交換用媒体による熱交換及び/又は熱輻射により行うことを特徴とする、請求項1記載の化学プラントにおける化学反応容器の交換方法。
【請求項9】 熱交換用媒体の循環用にブロワ、ファン等の回転機を循環系統中に配することを特徴とする、請求項5ないし8いずれか記載の化学プラントにおける化学反応容器の交換方法。
【請求項10】 1以上の化学反応容器を有しプラント運転中と休止中とでは化学反応容器の温度が異なる化学プラントにおける前記化学反応容器の1又は2以上を交換する方法であって、運転を続けてきた化学反応容器側の持つエルネギー資質を、新たに運転を開始する化学反応容器側に移転し、熱交換の結果到達する両化学反応容器の温度平衡状態後に、さらにヒートポンプシステムを用いて、新たに運転を開始する化学反応容器側をさらに運転点温度に近づけた後、該受熱後の化学反応容器をプラントに設置することを特徴とする化学プラントにおける化学反応容器の交換方法。
【請求項11】 熱交換用媒体循環のための配管手段、流路切替手段、強制循環手段、熱交換用媒体貯溜手段、及びそれらの制御手段を、一体構成したことを特徴とする、請求項1ないし8いずれか記載の化学プラントにおける化学反応容器の交換方法に用いるためのメンテナンススキッド。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化学反応プロセスを利用するプラントにおいて用いられる化学反応容器を交換するための新たに運転を開始するな方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に工業上使用する化学反応プロセスでは、反応温度がそのプロセスの主要条件となる場合が多く、通常、常温に比べて高温側での化学反応プロセスの例が多い。そのような化学反応プロセスに用いられる化学反応容器群において、その中の一部の化学反応容器の運転が不調となり、交換が必要となった場合には、例えば、その運転温度が高ければ高い程、放熱によるクールダウンに長時間を要しているのが現状であり、時間的損失はもちろんその放熱時の散逸する熱量も損失となり、交換が合理的に行われているとは言いがたい。
【0003】さらに、プラント運転の観点からは、解列された反応容器の分だけの収量低下を余儀なくされるか、あるいは収量低下が許されないときには残存運転中の個々の反応容器に過負荷をかけてプラントの運転を図ることとなる。いずれの場合であっても、より早く新しい化学反応容器を残存運転中の個々の反応容器と同じレベルまで反応環境を整える、すなわち新規並列用の反応容器の起動準備を終了させることが望まれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来は新規並列用の化学反応容器を起動準備するために外部熱源を利用したスタンバイ装置を用い、常温待機より高温度への立上げを行っている。この手法においても不調機器のクールダウンに要する時間的損失及び新規機器の昇温のための外部熱源の利用による損失等を伴い、合理的とはいえない。
【0005】本発明は、以上の状況を鑑み、時間的にも熱的にもより合理的に化学反応容器を交換する方法を提供することを目的とする。本発明は、例えば、運転温度が高い一般化学反応利用のプロセス工業や水素製造装置、燃料電池等における化学反応プロセス等における化学反応容器の交換方法として特に有効に機能する。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成すべく、本発明においては、基本的に、化学反応プロセスを利用するプラントであって1もしくは複数の化学反応容器から構成され、プラント運転中と休止中とでは、前記化学反応容器の温度が異なるプラントにおいて、化学反応容器の一部又は全部を交換する場合に、運転を続けてきた化学反応容器側の持つ熱量あるいは該容器側で発生しうる電力等のエルネギー資質を、新たにプラント運転の開始される化学反応容器側に移転することにより達成される。
【0007】すなわち、両化学反応容器を交換するにあたり、運転中若しくは運転中止直後の化学反応容器の保有する熱容量あるいは利用可能な電気エネルギーを評価する一方、交換のために準備された新たにプラントへ並列される化学反応容器の温度も評価し、両化学反応容器を熱的にまず同様の状態とするよう、両者の熱交換を行なうことにより、昇温したい容器への熱供給、冷却したい容器からの熱除去を同時に行なうことが可能となり、交換を合理的に行うことができる。
【0008】この熱交換操作において、好ましくは、熱交換用媒体とその流路及び熱交換用媒体の循環のための圧力源、さらには弁等の流路切替機構及び媒体供給排出系等必要に応じ用いられる。また、一般に化学反応の最も促進しうる温度条件、容器を構成する部材の強度等の観点から、熱応力を可能な限り小さく抑えるための条件を設定すること、あるいは、過大な圧力による破損等を未然に防止すること、等の必要性から化学反応プロセスにおける反応場の条件として温度、圧力の適合条件が要求される場合が多い。この要求に適合するために、熱交換用媒体の循環1の圧力を制御手段を設けること、あるいは熱交換中あるいは交換終了後にさらにヒートポンプシステムあるいは外部エネルギー資質として電気ヒータ等を用いて温度制御を行うことは特に好ましい態様である。
【0009】また、本発明において化学反応容器が電力を発生し得る形態のものである場合には、交換時に既存化学反応容器の発生し得る電力をエネルギー資質として利用可能である。なすわち、一般に化学反応を進行させる時の投入エネルギーは電気の形態であること、また、化学反応自体が、ミクロには、電子の授受によって進行することが多いため、反応容器の昇温と降温の両方向への並進操作においては、いずれか一方の容器内の反応が、電子を動かすポテンシャル場を大きくする方向に作用していることが推定されるからである。
【0010】化学反応容器の台数が一台のみの場合においては、交換時において、反応生成物の収量は一度零となるが、その場合であっても、新たに運転を開始する新規化学反応容器についての本発明の適用は根本的には同様である。上記反応容器間の熱交換は、熱交換用媒体循環のための配管手段、流路切替手段、強制循環手段、熱交換用媒体貯溜手段、及びそれらの制御手段等を特別に用意することなく行うことも可能である。即ち、程良く断熱された一つの閉じた空間に、温度差のある2つの反応容器を配置することで、空間の空気等の熱交換媒体により熱伝導、あるいは輻射熱によって、両者間の熱交換は行いうる。
【0011】次に、熱的に平衡状態に到った2つの反応容器についてさらにいずれか一方について昇温が必要な場合には、もしその反応容器が電気ヒータを準備しているものについては、適宜の手段例えば外部電源を利用してそのヒータを加熱することにより、また、低温熱源側より熱を回収し、高温熱源側へ投入するヒートポンプを用いることにより、さらには運転中の主プロセス系統上からの微少量の高温流体の抽出による前記熱交換用媒体の二次的熱交換による間接的加熱等の手段により、適宜行うことは好ましい態様である。
【0012】また、本発明の方法は、運転を続けてきた化学反応容器側の持つ高い熱量を常温にある新たに運転を開始する化学反応容器側に移転する場合ははもちろんのこと、運転を続けてきた化学反応容器側の持つ冷熱を常温にある新たに運転を開始する化学反応容器側に移転する場合をも含むものであり、従って、本発明において、「エネルギー資質の移転」というときは、その両方の移転の態様をいうものである。
【0013】さらに、本発明において、熱交換を行うのに必要な設備ではあるが、通常運転中には不必要であって、交換時のみに必要な設備については、メンテナンス用として一架台に必要なパーツを集中的に固定配置とすることは好ましい態様である。そのために、熱交換用媒体循環のための配管手段、流路切替手段、強制循環手段、熱交換用媒体貯溜手段及びそれらの制御手段を一体構成したメンテナンススキッドを別途用意して、反応容器の交換時の工法、反応容器の配置等を標準化し、各反応容器の据付時における工数の低減と信頼性向上を図ることによって、化学プラントにおける化学反応容器の交換方法をより合理的なものとすることができる。
【0014】
【作用】上述の如くの構成を有する本発明に係る化学反応容器の交換方法によれば、運転を休止すべき化学反応容器は、それが高温の場合ばかりでなく低温の場合であっても、より早く常温レベルに戻り、また、運転を開始すべき化学反応容器は、より早く運転点温度に近づく。このため、熱的なロスが極少化される。また、同時に自然放熱に比べ、同一温度に到達するまでの所要時間が短縮可能となる。従って、プラントの機器メンテナンス上、待ちの時間の減少が図られ利用率の向上をもたらし、また、残存プラントとして運転中の化学反応容器への負荷率上昇期間の低減をももたらす。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を水素ガス製造プラントを例にとり説明する。図1は水素ガス製造プラントに用いられる水素ガス製造装置の代表的な例として、LNG等を改質して水素ガスを製造する装置(すなわち化学反応容器)10の概要を示している。反応容器10は、プロセス系統として、改質用の燃料供給系1、改質反応に必要な熱量を供給するための燃料供給系2、その燃焼のための空気供給系3とを有し、また、回収系統としての水素ガス排出系4と燃焼ガスの排出系5とを有する。各系統は1つの反応容器10内の反応場を介して結合されている。反応容器内の改質部、燃焼部において、改質触媒、燃焼触媒の助けによって、吸熱反応であるハイドロカーボンから水素ガスへの変換(改質)が行われる。
【0016】図2に示すよう、通常水素ガス製造プラントにおいては、このような化学反応容器10が複数個設置され化学反応容器群50を構成している。この水素ガス製造プラントの運転中に、化学反応容器群50の中の一つの化学反応容器10Aの運転が不調となり交換が必要となったために、化学反応容器10Aを停止し、常温にて待機中の反応容器10Bと交換するものとする。交換すべき両反応容器10A、10Bは、後述するメンテナンススキッド60上に運ばれ、そこにセットされる。
【0017】図3はメンテナンススキッド60の配管系を示す説明図である。メンテナンススキッド60はフレーム61上に、化学反応容器10A、10B内の通常運転用配管経路に接続する配管62、63、64、65の先端を露出しており、運転が不調となり交換が必要となった化学反応容器10A及び常温にて待機中の反応容器10Bは該配管を介してそれぞれメンテナンススキッド60に対して接続されかつセットされる。
【0018】メンテナンススキッド60は不活性ガスのような熱交換に必要な媒体を格納したタンク66、及び熱交換用媒体を循環させるための送風機67を有しており、前記配管62、63、64、65、熱交換用媒体格納タンク66、送風機67とは、スキッド内部の配管系及び弁機構により、熱交換用媒体格納タンク66内の熱交換用媒体が化学反応容器10A内部の配管経路を通過した後に他方の化学反応容器10B内部の配管経路を通過し、その後に大気に排出されるように接続されている。それにより、化学反応容器10Aの持つエルネギー資質例えば熱量は、新たに運転を開始する新規化学反応容器側に移転することとなり、循環を継続することにより、両者は熱交換の結果として温度平衡状態に到達する。
【0019】もちろん、空気を熱交換用媒体として用い得る場合には、熱交換用媒体格納タンク66は必ずしも必要でなく、弁機構を切り換えて、直接空気を吸引して一方のすなわち交換が必要となった化学反応容器10A側から他方の反応容器10B側に循環させ、その後排気するように構成してもよい。また、熱交換用媒体格納タンク66は、循環前に系統内をパ−ジする目的でのみ用いることもできる。
【0020】両化学反応容器が温度平衡状態に到達した後に、新しい容器10Bをメンテナンススキッド60から取り外し、先に取り外した容器10Aの位置に装備することにより、化学反応容器の交換は終了する。上記の方法によれば、運転停止直後の化学反応容器と起動用の反応容器との間での熱交換を行なうことにより通常廃棄されていた熱量を有効利用することができ、自然放熱により停止時降温を行いまた外部エネルギーにより起動時昇温する場合に比較して、時間的及びエネルギー的損失を大幅に低減できることが理解されよう。また、化学反応容器が循環する流体の圧力に依存する種類のものである場合には、特に図示しないが、メンテナンススキッド60の配管系に圧力制御機構を介在させて熱交換に必要な媒体の循環圧力を制御する構成とする。
【0021】図4は本発明の他の実施例を示している。左側の化学反応容器10Aは、運転を続けてきたもので高温状態にある。また右側の化学反応容器10Bが、これから新規に並列させるものであり、通常は常温又は低温状態にある。図においてメンテナンススキッドはその配管系のみを模式的に示している。この実施例においても両化学反応容器の反応部における運転中に使用する配管内の反応に用いられたガスを不活性ガスで置換した後に、メンテスキッド上に配設してメンテナンススキッドの配管類と結合させる。その際に、化学反応容器側の配管に設けられた仕切弁(図示しない)を閉鎖した状態でメンテスキッド上に配設されたメンテナンススキッド配管類と結合させる。また、メンテナンススキットの前記配管先端部(62、63、64、65、図3)に設けた仕切弁7を閉鎖した状態でメンテナンススキッド配管中は熱交換用媒体格納タンク66からの上記熱交換用不活性ガスで充満させる。この充満操作については、事前に行なうか、連結後に行なうかは任意である。
【0022】次に、化学反応容器側の配管に設けられた仕切弁及びメンテススキッド配管中の仕切弁7を開き、両反応容器の均圧化操作を実施する。均圧操作後はメンテススキッド配管中の他の仕切弁7、7の開閉操作を行い、閉鎖した循環系を構成した後にブロワ63を起動する。本操作によって熱交換用媒体の両反応容器10A、10B間の循環が始まり、媒体による熱移動がスタートする。
【0023】図5は本発明のさらに他の実施例を示している。この例は、例えば水素製造装置であるためのプロセス上の制約条件として急激な温度変化による熱応力の発生防止、及び、容器内圧を許容条件下に抑えねばならない種類の化学反応容器である場合の交換方法に好適な例である。すなわち、この実施例においては、熱交換用媒体の温度を温度計41により監視してその情報に基づきファン67の流量制御によって環流量を調節するようになっている。また、特に図示しないが、さらに循環流路中に差圧系を配置して、熱交換用媒体の圧力を監視し、圧力をも制御しながら熱交換を行なうことも有効な方法である。なお、図5において、TEは検温手段、TCは制御手段を示している。
【0024】また、図5において、11は電気ヒータを示しており、本発明による交換方法において、特に昇温する方の化学反応容器に対して昇温のための補助的手段として用いられる。具体的には、熱交換用循環媒体による昇温での温度上昇に加えて、ハード上の裕度が十分あるような場合、若しくは、反応容器の一部については大きな温度変化率を許容するような場合に、並用して昇温可能とするために用いられる。
【0025】図6はさらに他の実施例を示している。この場合の化学反応容器は例えば燃料電池のようにまた、燃料の供給により発電反応を行うような反応容器の場合に好適な例を示している。すなわち、この高温側化学反応容器自体は、即反応可能な状態にあり、単に燃料ガスを供給してやれば反応するものであるために、通常の送電系統ラインの電気的結合を解き、低温側化学反応容器のヒータ11への電気系統を生かすことにより、昇温熱源として使用することを可能としている。図6に示すように、このシステムの場合には、メンテナンススキッド上に、開閉器34、変換器31、他の電源35からの切換器32、昇温すべき側のヒータ電源入切スイッチ33等を備えるようにし、運転を続けてきた既存化学反応容器側の持つ電気的エルネギー資質を、新たに運転を開始する新規化学反応容器側に設けたヒータ11に供給することにより、加熱を行う。この加熱は主たるエネルギー資質移転手段として用いることもでき、また、前記のように補助的加熱手段として用いることもできる。
【0026】更に、図6の設備の積極的な利用方法として、特に昇温すべき側の電荷担体の移動を可能とするための動作温度以上の温度まで引き上げるために使用する方法がある。一般に燃料電池の場合、容器温度を最終的には、それ以上にまで引き上げねばならない。このためには、上記の循環ガス温度を昇温するか、この電気ヒータの併用による方法が合理的である。このヒータ併用の場合について細かく見るならば、循環ガス流の流路についての制約がある。即ち、高温側/低温側の各容器温度が平衡に達した時に、両電池の連結配管をアイソレーションし、別途準備した燃料ガスを電池に投入することによって発電反応を再開させ、その出力される電気によってヒータを働かせる方法である。つまり、ガス流の制御面での手続き上の制約が生ずるということである。更にヒータ併用時の別方法によって低温側容器の昇温が可能である。その具体的な方法としては、解列すべき化学反応容器を、解列前に、電気的に低温側ヒータへの切替えを実施し、先にヒータ昇温を実施する方法である。このヒータにより、基礎昇温後、解列し、残った熱容量によって、前述の方法によって運転点温度まで昇温する方式である。
【0027】図7はヒートポンプシステムによる熱交換の場合を説明するブロック図である。ヒートポンプの基礎原理として、温度の異なる2つの閉じた系を前提に、低い方の熱源から熱を回収する系、それを高い方の熱源に入力することを可能とする系の全体として3つの系の合成されたものと解釈することができる。本発明の一態様として、このヒートポンプシステムによる熱交換の原理を、前述の循環媒体による熱平衡後に、さらに停止すべき側から熱を回収して昇温に必要な側へ熱を投入するのに用いる。すなわち、図7に示すように、メンテナンススキッド60の熱交換用媒体循環のための配管系における排出端T1と吸入端T2とをヒートポンプシステム70に接続し、熱平衡状態となった後の既存化学反応容器側の持つ熱量をヒートポンプシステムを利用してさらに新たに運転を開始する新規化学反応容器側に移転するようにする。
【0028】なお、図示のものはヒートポンプの方式として、圧縮式のものを示しているが、化学蓄熱式のものであつても差し支えない。図8は本発明のさらに他の態様を示している。この例においては、運転を継続している化学反応容器の配管系から高温流体を一部抽出して熱交換器70に導く一方、メンテナンススキッド60の配管系から熱交換用媒体を前記熱交換器70に導き、そこにおいて、前記高温流体と熱交換用媒体との熱交換を行うことにより熱交換用媒体を間接的に加熱するようにしている。それにより、新たに使用する化学反応容器の運転温度への昇温をより加速することが可能となる。
【0029】なお、上記の説明は本発明の幾つかの実施例の説明にすぎず、他に多くの変形例が存在する。例えば、運転を続けてきた既存の化学反応容器側の配管と新たに運転を開始する化学反応容器側の配管とを接続するのに、特別に設計したメンテナンススキッドを用いて接続しているが、これは最も好ましい態様を示しているにすぎず、交換すべき化学反応容器の種類あるいは化学反応プロセスが許す場合にはメンテナンススキッドを用いずに直接的に二つの反応容器の配管を接続し、その状態で適宜の手段により空気等の熱交換用媒体を強制循環させるようにしてもよいものである。
【0030】さらに、運転を続けてきた既存化学反応容器側が常温より低温であり、新たに運転を開始する新規化学反応容器側が常温に維持されているような場合における交換方法としても本発明は利用可能であることは容易に理解されよう。
【0031】
【発明の効果】上記方法によって、化学反応容器をメンテナンスする際に、基本的に考慮すべき容器交換において、熱的な損失の低減及び起動すべき化学反応容器の運転点への移行段階での所要時間を短縮化することが可能となると共に、停止せずに継続して運転している残存プラントとしての化学反応容器への過負荷運転等の期間を短くできるので、プラントのメンテナビリティーの向上と共に、全プラントの利用率向上に貢献することが可能となる。




 

 


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