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発明の名称 マグネトロン
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−139947
公開日 平成6年(1994)5月20日
出願番号 特願平4−291167
出願日 平成4年(1992)10月29日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 小黒 友勝
要約 目的
正規πモードと、それ以外のモードとのモード分離良好で、しかも無駄なマイクロ波電力損失が抑制され、発振効率良好で、かつ、量産性、信頼性ともに優れたマグネトロンを提供することにある。

構成
空洞共振器群を、共振周波数が高低互いに異なり、管軸の周りに一つおきに高低交互に配設された夫々高、低共振周波数を有する2組の共振空洞で構成させる。
特許請求の範囲
【請求項1】陽極円筒の内周から偶数枚のベインを管軸に向けて突出させ、陽極円筒とベインとで空洞共振器群を形成させ、隣接空洞間で互いに逆位相となるπモード振動を安定化させるために、ベインの管軸方向端面上管軸に近い部分で、内外ストラップリングにより各ベインを一つおきに内外交互に同じ部位で電気的に接続したマグネトロンにおいて、共振周波数が高低互いに異なり、管軸の周りに一つおきに高低交互に配設された夫々高、低共振周波数を有する2組の空洞共振器群を形成させたことを特徴とするマグネトロン。
【請求項2】陽極円筒の内周から、ベインの付け根部分の陽極円筒内周面上での間隔が一つおきに大小交互に異なり、ベインの管軸側先端部は互いに等間隔をなすように、ベインを管軸に向けて突出させて形成させたことを特徴とする請求項1記載のマグネトロン。
【請求項3】陽極円筒内周から等間隔で放射状に突出させた各ベインの管軸側先端部の形状を一つおきに交互に変えて、隣接ベインの先端対向部間に形成される静電容量の差が、夫々隣接ベインで形成される共振空洞の共振周波数を、空洞ごとに高低交互に異ならせるようにしたことを特徴とする請求項1記載のマグネトロン。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発振モード間の分離が良好で、しかもストラップリング中のマイクロ波電流値を小さく、ストラップリングの疲労破壊を生じ難くした、量産性に富み、且つ信頼性の高い、電子レンジ用などに好適なマグネトロンに関する。
【0002】
【従来の技術】図3は、電子レンジなどに用いられている従来の例えば特開平1−63245号公報に開示されているマグネトロンの、管軸を通る平面による断面図である。陰極1の周囲を、陽極円筒2の内周面から管軸に向けて突出させた偶数枚のベイン3の先端部が取り囲み、陽極円筒とベイン群とで偶数個の空洞共振器が形成されている。陰極1の周囲のベイン3の先端部との間の空間は作用空間と呼ばれ、ここには環状の永久磁石4を起磁力源、ヨーク5を外部磁気回路にして、磁極6によって管軸方向の静磁界が形成されている。陰極1から放出された電子は、陰極に対して高い直流正電圧が印加されている陽極ベイン側へ吸引され加速されて行くが、運動方向に直角に管軸方向の磁界が存在するため運動方向と磁界とに直交する方向の力に作用され、ベインの先端を円周方向にかすめて陰極側へ戻ろうとする電子も現れ、作用空間内に電子密度が高い部分と疎な部分が生じ、高電子密度の電子雲が作用空間内を高速で周回して上記空洞共振器群内にマイクロ波電気振動が励振されるようになる。空洞共振器群内の電気振動のうち、最も強く安定して発振されるのは、隣接空洞間で逆位相となるいわゆるπモードの振動である。このπモード振動で同電位(同位相)となる点を互いに電気的に接続して、πモードの振動を、特に発振初期に早急に安定化させるために、ベインを一つおきに交互に接続する内ストラップリング8と外ストラップリング9とが、ベインの管軸方向端面に設けた収納溝7の内部に収納設置されている。マイクロ波電気振動を、一つのベインの端面に接続したアンテナ10によってマイクロ波出力取出部11に導いて、外部で例えば電子レンジで、食物加熱用に利用する。なお、陰極1は加熱用給電線を介して陰極ステムによって支持されている。図4は上記従来のマグネトロンの陽極円筒2に内ストラップリング8、外ストラップリング9を組合せた状態を示す上面図である。なお、図4中、12はアンテナ10のベイン側端部をベインに係合させるためにベイン端面に刻設した溝で、ベインと陽極円筒を一体に成形した場合には旋盤加工して形成させるので各ベインの端面にできる。
【0003】一般にN個の空洞共振器が互いに結合されていれば、N個の異なった基本周波数が存在することになるが、マグネトロンでは共振器群が環状に配列結合されているから、ベイン数をNとしたとき、N/2個の基本振動モードがある。実際には、製造誤差により各共振空洞単独の周波数はそれぞれ異なっており、また、マイクロ波出力を取り出すアンテナは一つのベインだけに接続され、回路としての対称性がなく、空洞共振器群に生ずる定在波の分布は複雑である。従来のマグネトロンの完全円環状のストラップリングは各空洞共振器それぞれの特定点に同電位、同位相を強制してN/2次モード即ちπモード発振を安定化しようとするものである。しかし、N/2−1次モードなど、N/2次に近いモードの周波数はπモードの周波数にかなり近く、動作条件の僅かな変動によって周波数の飛びなどの不安定な現象が現れるという問題があった。かかる問題に対して、昭和31年12月に無線従事者教育協会が刊行した相浦正信著「マイクロ波真空管」の164〜165頁に、ストラップリングに切欠き部を設けるとモード分離が良くなることが記載されている。しかし、切欠き部を設けたストラップリングを用いてマグネトロンを製作することは、多数のストラップリングを同じ容器内に収納すると互いに絡まってしまうとか、ストラップリングの自己形状保持性が弱くベイン管軸方向端面の収納溝内への取付作業が困難であるとか、の理由で、少なくとも電子レンジ用マグネトロンなど、量産を必要とするマグネトロンには不向きである。また、ストラップリングの管軸方向の寸法を大きくするとか、ストラップリング取付位置を増やすなどして、ストラップリングの作用を強化して、πモード発振(正規発振)とその他モード発振(異常発振)のモード分離を大きくするように図ることも考えられるが、ストラップリングの断面積を大きくするとストラップリングで消費されるマイクロ波電力損失が増え、ベインのマイクロ波分布も変化して発振効率が低下するのが問題になり、またストラップリング取付位置を増やすことは取付工数を非常に大きくしてしまうので量産品すなわち電子レンジ用マグネトロンなどには不向きである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の技術のような問題が発生せず、ストラップリングに切欠き部を設けることもせず、量産性を保ちながら、モード分離が良く、発振効率が高いマグネトロンを供給するという課題を解決することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明においては、陽極円筒の内周から偶数枚のベインを管軸に向けて突出させ、陽極円筒とベインとで空洞共振器群を形成させ、隣接空洞間で互いに逆位相となるπモード振動を安定化させるために、ベインの管軸方向端面上管軸に近い部分で、内外ストラップリングにより各ベインを一つおきに内外交互に同じ部位で電気的に接続したマグネトロンにおいて、共振周波数が高低互いに異なり、管軸の周りに一つおきに高低交互に配設された夫々高、低共振周波数を有する2組の空洞共振器群を形成させることにした。かかるマグネトロンを実際に量産するために、陽極円筒の内周から、ベインの付け根部分の陽極円筒内周面上での間隔が一つおきに大小交互に異なり、ベインの管軸側先端部は互いに等間隔をなすように、ベインを管軸に向けて突出させて形成させるとか、又は、陽極円筒内周から等間隔で放射状に突出させた各ベインの管軸側先端部の形状を一つおきに交互に変えて、隣接ベインの先端対向部間に形成される静電容量の差が、夫々隣接ベインで形成される共振空洞の共振周波数を、空洞ごとに大小交互に異ならせるようにした。
【0006】
【作用】上記のような手段をとると、マグネトロンの陽極に形成される空洞共振器群は、共振空洞の静電容量分は殆ど同じであるが、誘導インダクタンス分に大小があって、それに応じて共振周波数が低くなる組と高くなる組に分かれる、又は、共振空洞の誘導インダクタンス分は殆ど同じであるが、静電容量分に大小があって、それに応じて共振周波数が低くなる組と高くなる組に分かれる、ようになる。正規のいわゆるπモード共振では、共振周波数の高い組では静電容量性、共振周波数の低い組では、誘導インダクタンス性の状態でプッシュプル的な振動モードで使用されることになる。πモード以外の振動状態では、共振周波数の高い組の空洞が共振し易い条件では共振周波数の低い組の空洞は非共振状態となり、逆に、共振周波数の低い組の空洞が共振し易い条件では共振周波数の高い組の空洞は非共振状態となるため、マグネトロン全体の空洞共振器の数が1/2に減ったのと同様な作用が生じ、πモードと他モードとの共振周波数のズレすなわちモード分離は向上する。
【0007】
【実施例】図1は本発明の第1実施例の要部である陽極構体の上面図である。この実施例では、陽極円筒2の内周から、ベイン3の付け根部分3aの間隔が一つおきに大小交互に異なり、ベインの管軸側先端部3bは互いに等間隔をなすように、ベイン3を管軸に向けて突出させて形成させてある。従って、ベイン3は厳密には放射状に配列されていない。
【0008】この実施例の陽極構体では、空洞共振器群は、空洞部分が小さく誘導インダクタンス分が小さい、共振空洞30、32、34、36、38よりなる高い共振周波数を有するA組と、空洞部分が大きく誘導インダクタンス分が大きい、共振空洞31、33、35、37、39よりなる低い共振周波数を有するB組とに分かれている。正規のいわゆるπモードの振動状態では、A組は静電容量性、B組は誘導インダクタンス性の状態でプッシュプル的な振動モードで動作している。πモード以外の共振では、A組の空洞群が共振し易い条件ではB組の空洞群は非共振状態となり、逆に、B組の空洞群が共振し易い条件ではA組の空洞群は非共振状態となるため、全体の共振空洞の数が1/2に減ったのと同様の作用を生じ、πモードと他モードとの共振周波数のズレすなわちモード分離は向上する。正規の発振周波数を2450MHzとしたとき、A組とB組の共振周波数の差異が数十MHzとなるように構成させておく。かかる方法でモード分離を良くすれば、ストラップリングの管軸方向の寸法を大きく、断面積を大きくしてストラップリングの効きを強めないでも差支えなくなる。従ってストラップリング内で消費されるマイクロ波電力損失は増えず、ベインのマイクロ波分布の変化による発振効率の低下も生じない。このような陽極構体を製作することは、陽極円筒とベインとをホビング工法で一体成形する場合には容易で、量産に支障はない。なお、図1中、上記以外の符号は、図3、図4の場合と同様である。
【0009】図2(a)は本発明の第2実施例の要部である陽極構体の上面図、図2(b)は、ベインの管軸側先端部の形状を示す拡大上面図である。この実施例では、陽極円筒2の内周から等間隔で放射状に突出させた各ベイン3の管軸側先端部3cの形状を一つおきに交互に変えて、隣接ベインの先端対向部間に形成される静電容量の差が、夫々隣接ベインで形成される共振空洞の共振周波数を、空洞ごとに大小交互に異ならせるようにしてある。
【0010】隣接する2枚のベインで形成され、それぞれ、共振周波数が異なる2種類の共振空洞の組のうち、共振周波数の低いB組では管軸側先端部3cの形状が図2(b)に示すように互いに相手側へ突出し平行な広い平面同士で対向して両者間に比較的大きな静電容量を形成する対向部3dを有し、共振周波数の高いA組ではベイン3の先端部に上記のような突出対向部がなくベインの先端部同士は近接してはいるが両者間に形成される静電容量は比較的小さく、A、B組の誘導インダクタンス分はほぼ等しいから、共振空洞A組の共振周波数は高く、共振空洞B組の共振周波数は低くなる。この実施例の陽極構体では、静電容量分が小さく高い共振周波数を有する共振空洞30、32、34、36、38がA組を構成し、静電容量分が大きく低い共振周波数を有する共振空洞31、33、35、37、39がB組を構成している。この第2実施例でも、A組とB組の共振周波数の差などは第1実施例の場合と同様にする。この実施例では、各ベインの付け根3aの陽極円筒内周面上での間隔はすべて等しく、ベイン本体は正しく放射状に配列されている。このような陽極構体を製作することは、陽極円筒とベインとをホビング工法で一体成形する場合には容易で、量産に支障はない。なお、図2中、上記以外の符号は図3、図4の場合と同様である。
【0011】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、空洞共振器群が、共振周波数が高低互いに異なり、管軸の周りに一つおきに高低交互に配設された夫々高、低共振周波数を有する2組の共振空洞で構成されているので、正規πモード発振とそれ以外の非正規モード発振とのモード分離は良くなり、しかもモード分離を良くするために過度にストラップリングに依存していないので、無駄なマイクロ波電力損失が抑制され、発振効率良好で、かつ量産性、信頼性ともに優れたマグネトロンが得られる。




 

 


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