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発明の名称 弾性表面波装置及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−125235
公開日 平成6年(1994)5月6日
出願番号 特願平4−274030
出願日 平成4年(1992)10月13日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 渡辺 一志 / 大貫 秀男 / 湯原 章綱
要約 目的


構成
圧電性基板上に、弾性表面波を送受する入力、及び出力用すだれ状電極を有する弾性表面波装置において、それぞれの電極の高周波(Rf)側端子と、接地側端子とを、短絡電極パターンで接続し、この短絡電極パターンが使用周波数帯で高周波的に見て開放状態、直流的に見て抵抗分を持つ構成したものである。
特許請求の範囲
【請求項1】圧電性基板上に、弾性表面波を送受する入力、及び出力用すだれ状電極を有する弾性表面波装置において、それぞれの電極の高周波(Rf)側端子と、接地側端子とを、短絡電極パターンで接続し、同電位としたことを特徴とする弾性表面波装置。
【請求項2】圧電性基板上に、弾性表面波を送受する入力、及び出力用すだれ状電極を有する弾性表面波装置において、それぞれの電極の高周波(Rf)側端子と、接地側端子とを同電位とするために形成した短絡電極パターンが使用周波数帯で、直流的には抵抗分となり短絡状態、高周波的には、開放状態となることを特徴とする弾性表面波装置。
【請求項3】圧電性基板上に、弾性表面波を送受する入力、及び出力用すだれ状電極を有する弾性表面波装置において、それぞれの電極の高周波(Rf)側端子と、接地側端子とを同電位とするために形成した短絡電極パターンが、ワイヤリング工程後に切断されたことを特徴とする弾性表面波装置の製造方法。
【請求項4】圧電性基板上に、弾性表面波を送受する入力、及び出力用すだれ状電極を有する弾性表面波装置において、それぞれの電極の高周波(Rf)側端子と、接地側端子とを同電位とするために形成した短絡電極パターンを、ワイヤリング工程後に切断する場合、切断する手段として、レーザ等を用いたことを特徴とする請求項3記載の弾性表面波装置の製造方法。
【請求項5】請求項1又は2記載の弾性表面波装置を使用したことを特徴とする移動無線機システム。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特にポストベーク、エッチング、ダイボンド等の昇温、冷却工程を必要とする弾性表面波装置の製造方法を用いた弾性表面波装置に関する。
【0002】
【従来の技術】弾性表面波装置は、通常電気機械変換係数の高いLiNbO3、LiTaO3等の圧電性基板が用いられている。弾性表面波装置の製造プロセスを簡単に説明すると、上記圧電性基板からなるウエハーに、Al等を蒸着、又はスパッタで成膜する。この上に感光性のフォトレジストを塗布し、露光、現像、エッチングからなるフォトリソグラフィ工程により、弾性表面波を送受するための入力、及び出力用すだれ状電極をウエハー上に形成する。更に、このウエハー上に形成された入力、及び出力用すだれ状電極をダイサーで切断しワンチップとした後、Ni、Au等からなるパッケージに絶縁性、又は導電性の接着剤で接着し、Al、Auワイヤ等で配線し弾性表面波装置が完成する。
【0003】この一連の製造プロセスにおいては、誘電率の高い圧電性基板を用いるため、昇温工程において、圧電性基板上の温度変化により発生する電荷で、入力、及び出力用すだれ状電極が破壊され、所望の周波数特性を得られないという問題がある。製造プロセスのノウハウ的な対策として、昇温、冷却工程で、(1)電荷発生を抑えるため、イオンの風を流し、基板表面を中和状態にする。(2)プロセス処理温度を低くする。(3)昇温、冷却速度を遅くする、(4)作業者、製造装置への電荷の帯電の防止、等が挙げられるが、いずれも、根本的な対策手段にはなってないのが現状である。
【0004】特開昭58−187012においては、エッチングを行ったあとの洗浄、乾燥工程、吸音材塗布後の乾燥工程、更にウエハーを切断した後の洗浄、乾燥工程で、入力、及び出力用すだれ状電極形成後の洗浄時の水分と、乾燥時の圧電性基板上の温度勾配(変化)により発生する電荷による入力、及び出力用すだれ状電極の破壊について記載されており、この対策手段として、弾性表面波を送受する入力、及び出力用すだれ状電極と、この入力、及び出力用すだれ状電極を短絡させるショート電極を形成し、短絡された入力、及び出力用すだれ状電極を備えたウエハーを弾性表面波装置のワンチップとして切断する際にこのショート電極を入力、及び出力用すだれ状電極から同時に切断させるものである。
【0005】特開昭54−32268においては、LiNbO3、PZT等の強誘電性単結晶基板に微細パターンを形成する場合のエッチング時の焦電効果、即ち温度変化によって誘起される電荷の極性が基板上で部分的に異なることによるパターン幅等のバラツキについて記載されている、この対策手段として、強誘電性単結晶基板の表面に複数個の単位電極パターンと共にそれぞれの電極パターンを短絡する短絡パターンを形成したものである。
【0006】特開昭57−112124おいては、直流電圧が印加された場合のAl電極の電解腐食の促進について記載している。この対策として、弾性表面波を送受する入力、及び出力用すだれ状電極を構成する、相互に対向したすだれ状電極と端子間に、薄膜コンデンサを直列に挿入して、静電結合とし、すだれ状電極へ、直流電圧が印加するのを防止している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】弾性表面波装置において、特に特にUHF帯以上の高周波では入力、及び出力用すだれ状電極の線幅は1μm程度と大変微細パターンとなる。各種の昇温、冷却工程が必要な弾性表面波装置の製造プロセスでは、圧電性基板上の温度変化で発生する電荷による入力、及び出力用すだれ状電極の破壊対策が重要である。
【0008】上記従来技術においては、エッチングを行ったあとの洗浄、乾燥工程、吸音材塗布後の乾燥工程、更にウエハーを切断した後の洗浄、乾燥工程で、電極形成後の洗浄時の水分と、乾燥時の圧電性基板上の温度勾配(変化)で発生する電荷による入力、及び出力用すだれ状電極の破壊(焦電効果)についての対策手段であるが、エッチング後の洗浄、乾燥工程での温度変化はそれほど高くない。むしろ、圧電性基板(ウエハー)上に形成された電極を、ダイサーで切断(ダイシング)しワンチップとした後、パッケージに接着剤で接着しオーブンで硬化する工程(ダイボンディング)での温度変化の方格段に大きい。このため、上記従来技術では、エッチングを行ったあとの洗浄、乾燥工程、吸音材塗布後の乾燥工程、更にウエハーを切断した後の洗浄、乾燥工程では、弾性表面波装置を構成する入力、及び出力用すだれ状電極がショート電極で同電位となるため、温度変化により発生する電荷による入力、及び出力用すだれ状電極の破壊は改善される。しかしながら、ダイシング工程で、上記ショート電極が同時に切断されるため、ダイボンディング時には、入力、及び出力用すだれ状電極が開放され、温度変化で発生する電荷による入力、及び出力用すだれ状電極の破壊は免れない。
【0009】本発明は、上記従来技術の問題点を解決し、弾性表面波を送受する入力、及び出力用すだれ状電極を焦電効果による破壊がなく、良好な周波数特性が得られる弾性表面波装置、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、圧電性基板上に、弾性表面波を送受する入力、及び出力用すだれ状電極を有する弾性表面波装置において、それぞれの電極の高周波(Rf)側端子と、接地側端子とを、短絡電極パターンで接続し、この短絡電極パターンが使用周波数帯で、直流的には抵抗分となり短絡状態、高周波的には、開放状態となるように構成したものである。
【0011】
【作用】上記のような手段をとることにより、直流的には、それぞれの電極の高周波(Rf)側端子と、接地側端子とは電極パターンで短絡状態になり、同電位となる。このため、各種の昇温、冷却工程で、圧電性基板上の温度変化で発生する電荷による入力、及び出力用すだれ状電極の破壊(焦電効果)が防止できる。又、周波数特性的にも、接続する短絡電極パターンはフィルタの使用周波数帯で高周波的には、開放状態となる。このため、それぞれの入力、及び出力用すだれ状電極の高周波(Rf)側端子と、接地側端子とを接続した短絡電極パターンは弾性表面波の励振には影響しないため、所望の周波数特性を実現できる。
【0012】この結果、焦電効果による、入力、及び出力用すだれ状電極の破壊のない弾性表面波装置、及び弾性表面波装置の製造方法が提供できる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1、図2より説明する。
【0014】本発明の実施例の弾性表面波装置は、図1の平面図を示した構成となっている。又、この製造プロセスは図2示した通りである。弾性表面波装置の構成は、圧電性基板のチップ1上に、弾性表面波を送受するための入力、及び出力用すだれ状電極2、3、この入力、及び出力用すだれ状電極2、3の高周波側と接地側とを接続するための短絡電極パターン4、接地用のシールド電極5が形成されている。入力、及び出力用すだれ状電極2、3はそれぞれ、高周波側ボンディングパッド6、接地側ボンディングパッド7に接続され、本装置のパッケージステム8のリードピン9に、それぞれ、直径25μmのAlワイヤ10に接続されフィルタとしての周波数特性を得ている。
【0015】上記弾性表面波装置の製造プロセスは図2示す通り、3インチ、36度回転Y軸切断X軸伝搬のタンタル酸リチウム単結晶(36Y−X LiTaO3)からなる圧電性基板に、DCマグネトロンスパッタ法により100nm厚に電極材を成膜する。その上に感光性のホトレジストを塗布後、ホトレジストと圧電性基板の密着性向上のため94℃、20分のプリベークを行う。そして露光及び現像、現像後のホトレジストパターンと基板との密着性向上、乾燥のため140℃、10分のポストベークを行い電極のホトレジストパターンを形成する。次に、このホトレジストパターンをマスクとして、エッチングにより不要な電極を除去し、更に有機溶剤でホトレジストを除去して各種電極を複数個形成する。(ホトリソグラフィ工程)その後、圧電性基板上の複数個形成した弾性表面波装置を、ダイサーでワンチップにそれぞれ切断する(ダイシング)。切断したチップは、パッケージステムに導電性接着剤で固定され、140℃、40分で硬化する。そして、電極部分とパッケージステムのリードピンとをAlワイヤで配線して弾性表面波装置が完成する。
【0016】本発明の電極構成で、上記製造プロセスを適用した場合、入力、及び出力用すだれ状電極2、3それぞれの電極の高周波(Rf)側端子と、接地側端子とを、短絡電極パターン4で接続し、この短絡電極パターンが使用周波数帯で開放状態であるように構成していることにより、直流的には、それぞれの電極の高周波(Rf)側端子と、接地側端子とは短絡電極パターン4で短絡状態になり、同電位となることから、特に各種の昇温、冷却工程で、圧電性基板上の温度変化で発生する電荷による入力、及び出力用すだれ状電極2、3の破壊(焦電効果)が防止できる。又、周波数特性的にも、使用周波数帯で線路は、開放状態と考えられ、周波数特性上の影響はない。
【0017】入力、及び出力用すだれ状電極2、3の膜厚が厚くなると、電極内部での弾性表面波の反射が大きくなり、周波数特性での帯域内リップルが大きくなる。このため、入力、及び出力用すだれ状電極2、3と同時に成膜、形成する高周波側ボンディングパッド6、接地側ボンディングパッド7はワイヤボンディングでの強度を向上する意味で、入力、及び出力用すだれ状電極2、3を形成する前工程で、予め600nmの膜厚で形成している。尚、本発明の第1の実施例での短絡電極4は、入力、及び出力用すだれ状電極2、3と同時に成膜、形成され、電極膜厚100nm、電極幅4μmとしている。又、この短絡電極4は、使用周波数帯により高周波的に開放状態とするために、電極の長さを図3に示した第2の実施例のように矩形形状のパターン等でも構わない。更に、短絡電極4の膜厚を厚くするために、入力、及び出力用すだれ状電極2、3を成膜、形成する前工程で予め、ボンディングパットと共に成膜、形成しても良い。
【0018】弾性表面波装置は、電圧を印加して基板に機械的振動を生じさせるので、余分な慣性的負荷が加わるのは、好ましくなく、導電性良好で軽い材料、たとえばAlあるいはAl合金で電極を形成することが好ましい。高周波側ボンディングパッド6、接地側ボンディングパッド7の厚付け材料としては、導電性、導体の低抵抗化の面から本実施例では、純Alを選定した。更に、機械振動を生じる入力、及び出力用すだれ状電極2、3は、焦電効果による電極の破壊、大電力伝送時の耐マイグレーション性が重要であるため、導電性は多少低いが、耐マイグレーション性の良好なAl−Ti合金を選定した。
【0019】尚、圧電性基板は、LiTaO3に限らず、ニオブ酸リチウム単結晶基板(LiNbO3)、水晶基板等でも良い。更に、入力、及び出力用すだれ状電極2、3の電極材料はAl−Tiに限らず、他のAl系合金であっても良い。
【0020】又、入力、及び出力用すだれ状電極2、3形成には、電極幅に高い寸法精度が要求されるため、湿式化学エッチングに代わり、RIE(ドライエッチング)技術を用いた。
【0021】又、従来は、焦電効果防止用のショート電極をダイシング工程で切断していたが、焦電効果による電極破壊は、ダイボンド工程で顕著に発生する。そのため、本発明の第2の実施例、図3に示すように、入力、及び出力用すだれ状電極2、3それぞれの電極の高周波(Rf)側端子と、接地側端子とを、短絡電極パターン4で接続し、この短絡電極パターンを、ダイボンド工程以降でレーザー等の手段を用い切断し、開放状態にすることにより、本発明実施例1と同様の効果がある。使用周波数帯で開放状態であるように構成していることで、本発明の電極構成で、上記製造プロセスを適用した場合、入力、及び出力用すだれ状電極2、3それぞれの電極の高周波(Rf)側端子と、接地側端子とを、短絡電極パターン4で接続し、この短絡電極パターンが、使用周波数帯で開放状態であるように構成していることで、直流的には、それぞれの電極の高周波(Rf)側端子と、接地側端子とは短絡電極パターン4で短絡状態になり、同電位となることから、特に各種の昇温、冷却工程で、圧電性基板上の温度変化で発生する電荷による入力、及び出力用すだれ状電極2、3の破壊(焦電効果)が防止できる。又、周波数特性的にも、線路は、開放状態であるため、周波数特性上の影響はない。
【0022】図6は、本発明の弾性表面波装置を用いて構成した移動無線機システムのアンテナ分波器の実施例である。この分波器の送信フィルタ11、受信フィルタ12に弾性表面波装置を用いた。送信フィルタ11、受信フィルタ12はそれぞれ、分岐回路13を介してアンテナ14と接続されている。移動無線機システムに用いる送信フィルタ11、受信フィルタ12は、耐電力性を必要とするほか、800〜900MHzと高周波であるため、弾性表面波装置を構成する入力、及び出力用すだれ状電極が1μm程度と微細となる。又、フィルタ特性として非常に低損失で、急峻なフィルタの肩特性を必要する。このため、焦電効果等の電極破壊対策が不可欠である。そこで、本発明を用いることにより、焦電効果等の電極破壊のない、良好な周波数特性の有する弾性表面波装置、及び信頼性の高い弾性表面波装置の製造方法が提供できる。
【0023】尚、本発明は、移動無線機システムに限らず、VTR、又はCATV用コンバータ、衛星放送用受信機システム等に用いる弾性表面波装置、及び、その製造方法においても有効な手段であることはいうまでもない。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、それぞれの電極の高周波(Rf)側端子と、接地側端子とを、短絡電極パターンで接続し、この短絡電極パターンが使用周波数帯で開放状態であるように構成としたことで、圧電性基板上の温度変化で発生する電荷による入力、及び出力用すだれ状電極の破壊がなく、良好な周波数特性が得られる弾性表面波装置、及びその製造方法を提供できる。




 

 


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