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発明の名称 フッ素系不活性液体を用いた装置の水分除去システム
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−125025
公開日 平成6年(1994)5月6日
出願番号 特願平4−272634
出願日 平成4年(1992)10月12日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 南谷 林太郎 / 初田 俊雄 / 土居 博昭 / 笠井 憲一 / 出居 昭男 / 林田 哲哉
要約 目的


構成
フッ素系不活性液体を用いて機器の冷却加熱を行う装置において、循環系中の空気層に吸水器を設けることにより、フッ素系不活性液体中の水分を除去する。
特許請求の範囲
【請求項1】フッ素系不活性液体を用いて機器の冷却加熱を行う装置において、循環系中の空気層に吸水器を設けることにより、前記フッ素系不活性液体中の水分を除去することを特徴とするフッ素系不活性液体を用いた装置の水分除去システム。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液冷コンピュータ、はんだベーパリフロー装置などのフッ素系不活性液体フルオロカーボン(以下FC)を用いた長期間運転される装置の水分除去システムにおいて、FC中の水分増加に伴う腐食や短絡などの問題に対するメンテナンスを簡単に行うのに好適な水分除去システムに関する。
【0002】
【従来の技術】この種の装置として関連するものには、例えば、特開昭54−137281号公報に記載の技術が知られている。これは、密閉容器を用いフロン液が重力により自然循環することを利用して電気機器を冷却する沸騰冷却装置の冷媒循環路に、シリカゲルのような吸水剤を取付け、外部から混入する水分を除去する構成となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】FC中には微量の水分が溶解しており(常温の飽和水分量は10ppm 前後)、このFC中の溶解水分によりFCの液質が低下し装置の腐食が進行するという問題が発生している。また、FCを空気層にある凝縮器により凝縮する場合、空気層の水分も同時に凝縮しFC中に水分が混入したり、またFC中に浸せきされた材料からも水分が湧出したりするため、FC中へ水分の混入は避けられないものであり、特に、長期間にわたっての使用中にはその量も膨大なものになる可能性が大きい。この混入した水分とFCが同時に加熱されることにより、FCが分解し腐食性のフッ酸などを生成する場合もある。したがって、微量の水分が機器の腐食寿命を著しく短くする恐れのあるコンピュータの冷却用としてFCが使用される場合、水分の除去は大きな問題である。
【0004】従来の冷媒精製装置では、シリカゲル,ゼオライト,モレキュラーシーブなどの吸水剤を冷媒中に浸せきしていた。この場合、吸水剤を冷媒中に浸せきするため、吸水剤が溶解してFCを汚染する。また、FCにより吸水剤が劣化する恐れがある。さらにこれらの吸水剤のうち初期に混入しているごみや使用中に破搾した吸水剤の破片などが系内の電気接続部に流れ込んだ場合、短絡や腐食の原因となる恐れがある。したがって、吸水フィルタの下流にはメッシュの細かい後処理用のフィルタが必要となる。
【0005】本発明の目的は、FC中の水分を簡便なシステムにより効率良く除去することができる水分除去システムを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明の水分除去装置の基本的な構成は、FCを用いて機器の冷却加熱を行う装置において、循環系中の空気層に吸水器を設けることにある。
【0007】
【作用】上記技術的手段による働きは、下記の通りである。
【0008】上記構成の水分除去システムにおいて、空気層に吸水器を設けることによりFC中の水分を除去する。すなわち、空気層の相対湿度とFC中の水分が平衡状態にある系において、空気層に吸水器を設置すると空気層の水分は吸水器に吸着されるため、空気層の相対湿度は直ちに低下する。空気層の水分が低下すると空気層の相対湿度とFC中の水分とは非平衡状態になるため、平衡になるまで水分はFC中から大気中に移行し続ける。空気層に移行してきた水分は直ちに吸水器で吸着される。このように、FC中の水分は液層単独で決まるものではなく、液層と接触している空気層との平衡により決定される。この層間が非平衡状態にあるとき、FC中の水分は空気層を介して吸水剤中の水分と平衡状態になるまで、吸水器に吸着されることになる。
【0009】この作用をまとめると以下のようになる。すなわち、密閉容器内で空気層とFCとが平衡状態にある場合、空気層の相対湿度とFCの水分率(FC中の水分量/FC中の飽和水分量)は等価となるため、以下の関係が成立する。
【0010】空気層の相対湿度が100%のとき、FC中の水分量は飽和値、FCの水分率は100%。
【0011】空気層の相対湿度が0%のとき、FC中の水分量は0、FCの水分率は0%。
【0012】空気層の相対湿度が50%のとき、FC中の水分量は飽和水分量の1/2、FCの水分率は50%。
【0013】以上より、空気層の相対湿度とFC中の水分率は平衡状態にあるので、吸水器により空気層の相対湿度を下げることで平衡点を変えることでFC中の水分が空気層に移行し、FC中の水分を除去することが可能となる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図により説明する。
【0015】図1において、1はFCを利用した装置であり、ここでは液冷コンピュータ1として示す。液冷コンピュータは、浸せき槽2に基板3に実装されているLSI4とFCが循環する冷却液路5を有する冷却構造をとる。FC6は、リザーブタンク7からポンプ8およびごみ取りフィルタ9を介して浸せき槽2に送られLSI4を冷却した後、コンデンサ10により凝縮されてリザーブタンクに戻る。
【0016】液冷コンピュータの冷却系は密閉系が多いが、FC中には初期の水分混入および稼働時の有機材料を透過する空気層の水分混入があるため、長期間使用後には水分が貯り、これが機器を腐食させる原因となる。そこで、リザーブタンク7内の空気層に吸水器11を設けて水分除去を行う。吸水器11は、例えば、シリカゲルなどの吸水剤からなる。
【0017】したがって、本発明のフッ素系不活性液体中の水分除去システムを用いれば、液体中の水分を簡便なシステムにより効率良く除去することができる。また、吸水剤を空気層に設置するため、吸水剤がFCを汚染することがない上FCにより吸水剤が劣化することがない。さらに、上記のようなFCの汚染,吸水剤の劣化などとFCと吸水剤との適合性を考慮する必要がないため、広範囲にわたり吸水剤を選択できる。また、FC中に吸水剤を設置しないので、吸水器による流路の圧損を考慮する必要がない。
【0018】空気層の相対湿度とFC中の水分が飽和で平衡状態にある系において、空気層にシリカゲルからなる吸水器を設置したときにFC中の水分率が経時変化する様子を図2に示す。空気層の水分はシリカゲルに吸着されて相対湿度は直ちに低下する。空気層の水分が低下することにより、FC中の水分と非平衡状態になるため、平衡になるまで水分はFC中から大気中に拡散により移行し続ける。空気層に移行してきた水分は、直ちに、シリカゲルで吸着される。このように、FC中の水分は拡散により空気層に移行するため、空気層(図2中●)に比べてFC中(図2中○)の水分の除去速度は遅い。従って、FC中の水分は空気層を介してシリカゲル中の水分と平衡状態になるまで、シリカゲルに吸着されることになる。
【0019】図3では、リザーブタンク内の空気層の温度をヒータ12で上げることで空気層の水分の飽和値(飽和水蒸気圧)が増加するため、空気層には同じ水分が存在するにもかかわらず空気層の相対湿度は低下する。FC中の水分は、FC中の水分率が空気層の相対湿度と平衡するまで空気層に移行するため、空気加熱を行わない場合に比較して空気層の相対湿度が低下した分だけ多量の水分を空気層に移行させることができる。
【0020】図4では、リザーブタンク内のFC中の温度をクーラ13で下げることでFC中の水分の飽和値(飽和水分溶解量)が低下するため、FC中には同じ水分が存在するにもかかわらずFC中の水分率は増加する。FC中の水分は、FC中の水分率が空気層の相対湿度と平衡するまで空気層に移行するため、FC冷却を行わない場合に比較してFC中の水分率が増加した分だけ多量の水分を空気層に移行させることができる。
【0021】図5において、14はFCを利用した装置でここでははんだベーパリフロー装置として示す。ケース15に入れられたFCはヒータ16によって加熱され、ケース15内部はFCの飽和蒸気で満される。この蒸気温度がはんだ融点以上のものを用いることで、この蒸気中にはんだ接続を行う部品を入れるとはんだの溶解が行われる。さて、FCの蒸気温度は上側に設けられたコンデンサ17a,17bにより凝縮温度以下に下げられて凝縮する。この際、外気の水分も同時に凝縮しケース15内部に貯える。
【0022】ケース15中のFCは長期間使用後には外気の凝縮水分が貯り、これが機器を腐食させる原因となる。そこで、一定期間毎もしくは連続的にケース15のFCをポンプ8bでリザーブタンク7に導入し、タンク内に設置された吸水器11により水分の除去を行う。
【0023】水分を含んだFCをリザーブタンク7に送り、一定時間保持することにより、FC中の水分は空気層に移行した後に吸水剤に吸水される。水分除去されたFCはリザーブタンク7からごみ取りフィルタ9を介してポンプ8aにより適宜ケース15に送出され、ケース15のFC液面を一定に保つように制御される。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、FC中の水分を簡便なシステムにより効率良く除去することができる。また、吸水剤を空気層に設置するため、吸水剤がFCを汚染することがない上、FCにより吸水剤が劣化することがない。さらに、このようなFCの汚染,吸水剤の劣化などとFCと吸水剤との適合性を考慮する必要がないため、広範囲にわたり吸水剤を選択できる。また、FC中に吸水剤を設置しないので、吸水器による流路の圧損を考慮する必要がない。




 

 


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