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発明の名称 分子線散乱を利用した表面処理方法および表面処理装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−124896
公開日 平成6年(1994)5月6日
出願番号 特願平4−273990
出願日 平成4年(1992)10月13日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 三瀬 信行 / 臼井 建人 / 笹部 俊二
要約 目的
微小な段差部を有する半導体製造において、分子線を散乱板に照射し、散乱された分子のみを基板に到達させることで基板に均一な膜を形成する。

構成
低圧状態に保たれている真空容器1内に散乱板8及び材料を形成する基板3を設置する。基板3、散乱板8は、それぞれ独立して、位置、角度、温度が調整可能となっている。また、分子線源5は真空容器1の外壁に固定され、所望の材料の原料より分子線7を形成する。基板3は分子線7が直接照射されないように、また、散乱板8は照射された分子線7を散乱し、散乱後の分子のみが基板3に到達するように設置されている。
特許請求の範囲
【請求項1】真空容器とこの真空容器内の圧力を低圧に保つ排気装置と前記真空容器内に分子線を生成する分子線源と前記真空容器内に保持された基板とを備えた表面処理装置を用いる分子線散乱を利用した表面処理方法において、前記分子線源で生成した分子線を前記真空容器内に設けた散乱板に照射し、該散乱板に照射された分子線を散乱させ、この散乱した原子あるいは分子の少なくとも一部を前記基板に導き、前記基板の表面処理を行うことを特徴とする分子線散乱を利用した表面処理方法。
【請求項2】真空容器とこの真空容器内の圧力を低圧に保つ排気装置と前記真空容器内に分子線を生成する分子線源と前記真空容器内に保持された基板とを備えた表面処理装置とを用いる分子線散乱を利用した表面処理方法において、前記分子線源で生成した分子線を散乱板に照射して散乱させ、この散乱した原子あるいは分子の少なくとも一部を前記真空容器内に設けた第2の散乱板に導き、この第2の散乱板で散乱した原子あるいは分子の少なくとも一部を、前記基板に導き、前記基板の表面処理を行うことを特徴とする分子線散乱を利用した表面処理方法。
【請求項3】請求項1または2において、前記分子線源を複数個設置し、該複数個の分子線源で生成した分子線をそれぞれ散乱板に照射したことを特徴とする分子線散乱を利用した表面処理方法。
【請求項4】請求項1または2において、前記基板を複数個設置し、前記散乱板で散乱した原子あるいは分子の少なくとも一部を複数の基板に夫々導くことを特徴とする分子線散乱を利用した表面処理方法。
【請求項5】真空容器とこの真空容器内の圧力を低圧に保つ排気装置と前記真空容器内に分子線を生成する分子線源と前記真空容器内に保持された基板とを備えた表面処理装置において、前記分子線源で生成した分子線を散乱する散乱板と、前記散乱板の温度または表面状態の少なくとも何れかを制御する制御装置とを設けたことを特徴とする分子線散乱を利用した表面処理装置。
【請求項6】前記制御装置は前記散乱板の温度または表面状態を少なくとも前記基板の温度または表面状態と独立して制御する制御装置であることを特徴とする請求項5に記載の分子線散乱を利用した表面処理装置。
【請求項7】前記表面処理装置に散乱板の温度または表面状態を制御する制御装置を設け、前記散乱板の温度または表面状態を少なくとも前記基板の温度または表面状態とは独立して制御することを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の分子線散乱を利用した表面処理方法。
【請求項8】前記分子線の進行方向、前記分子線を形成する分子線源の位置、散乱板の位置および角度の少なくとも1つを変化させることことを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の分子線散乱を利用した表面処理方法。
【請求項9】複数の分子種からなる物質からある特定の分子種を分離する方法において、前記複数の分子種からなる物質が液体または固体の場合には気体にし、この気体から分子線を生成し、この分子線を散乱板に照射し、散乱された原子あるいは分子を捕集して前記分子線を形成する複数の分子種から前記気体を分離することを特徴とする分子種の分離方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分子線源を利用して基板の表面処理を行う方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】基板の表面を処理する方法の1つに化学気相成長法がある。この方法では、特開平2-271627号公報に記載してあるように、原料ガスから化学反応や流れや拡散による物質移動を経て固体を形成する。そして、気相に存在する分子種が一様に基板上に到達するので、選択的に分子種を抽出して基板上に材料を形成するのが困難であった。
【0003】また、分子線を利用した材料形成方法の1つとしては、分子線エピタキシ法がある。この方法は、形成する材料の原料を真空容器内に設置された蒸発源に収容し、この蒸発源から蒸発した分子を基板に照射し、基板上に材料をエピタキシ成長させるものである。従来、分子線エピタキシ法で材料を形成するには、特開昭63-250117号公報や特開平1-138193号公報に記載のように、真空チャンバ内の分子線源から蒸発する分子を直接基板に照射し、基板上に所望の材料を形成していた。また、これらの従来例においては、材料の形成に散乱された分子を用いていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の化学気相成長法は、基板の微小な凹凸部に対して材料を均一に処理する場合、表面処理に寄与する分子種を選択して均一な材料を形成するという点について、配慮されていなかった。そのため、例えば、1メガビットダイナミックRAMの配線のパターンのようにミクロンオーダーの凹部を有する基板上の表面処理膜は、基板の平坦部において厚く、基板の凹部の底近傍において薄くなるという不具合があった。
【0005】また、分子線エピタキシ法は、分子線を基板に照射し、基板上にエピタキシャル成長させて表面を処理する技術であり、それ以外の材料、たとえば、多結晶の材料の表面処理膜を形成することについては考慮されていなかった。また、エピタキシャル成長に関しては、分子がある表面において反射するときは、通常ランダムに反射するので、高い精度のパターン作成が困難であった。
【0006】また、特開平1-138193号公報では、原料を散乱させて、基板に照射することを考慮しているものの、るつぼより発生する分子が基板に直接照射されるので、るつぼから蒸発した分子種はすべて基板に到達可能であり、表面処理に寄与する分子種を選択していなかった。
【0007】これらの従来例に鑑み、本発明は基板の微小な凹凸部に対しても材料を均一に形成する手段を提供することを目的とする。本発明の他の目的は、表面処理を行う分子種を限定した上で、基板上に高速に均一な表面処理をする手段を提供することにある。また、本発明の他の目的は、複数の分子種からなる物質から、特定の分子種を分離した粒子集団を形成することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、所望の材料の原料となる原子あるいは分子を含んだ分子線を真空容器内に生成し、基板以外の散乱板を少なくとも一個以上設置し、前記分子線を基板以外の散乱板に照射し、前記散乱板にて少なくとも一回以上散乱した原子あるいは分子の少なくとも一部を、所望の材料を形成したい基板に導くことにより基板の表面処理を行うものである。また、複数の分子線源を設け、複数の分子線により同時に表面処理を行い表面処理速度を向上させたものである。また、複数の基板を設置し、同時に複数の基板の表面処理を可能としたものである。また、散乱する分子を制御するため、散乱板の温度を基板とは独立した温度に設定できる装置を備えたものである。また、元の分子線とは異なる成分の粒子集団を形成するため、散乱板で散乱された後の原子あるいは分子を捕集するようにしたものである。
【0009】
【作用】付着係数の小さな分子を用いれば、基板の微細な凹凸に対しても、均一な厚さの材料が形成できる。ここで、付着係数とは、ある表面を考えその表面に対し入射する分子のフラックスのうち、その表面に吸着される割合をいう。従って、付着係数が大きいほど吸着されやすく、小さいほど吸着されにくい。
【0010】本発明では、基板の表面処理を行うのに、散乱板で散乱された分子を用いる。つまり、付着係数の大きな分子は散乱板に吸着されやすく、小さな分子は吸着されにくいので、基板に到達するのは付着係数の小さな分子が多い。従って、本発明によれば、付着係数の小さな分子を用いて表面処理するので、基板のミクロンオーダーの凹凸に対しても均一な厚さの表面処理ができる。また、複数の分子線源を設けることにより、散乱された分子の基板への入射フラックスが増加し、表面処理速度が増加する。また、基板に表面処理材料とは無関係の分子を散乱板に照射可能な分子線源を備えているので、散乱板の表面状態を一定に保つことができ、基板の表面処理時間が長時間になっても、散乱板の交換回数を低減することができる。また、散乱板で散乱された後の原子あるいは分子を捕集することで、元の分子線とは異なる成分の粒子集団を形成できる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図を用いて説明する。図1は、本発明による分子線散乱を利用した表面処理方法を実現する表面処理装置である。以下、簡単のためシラン(SiH4)よりポリシリコン膜をシリコン基板に形成する装置を例にとって説明する。
【0012】真空容器1内は排気装置2によって低圧力状態(10~7Torr以下)に保たれている。基板3は基板支持具4によって、保持されている。この基板保持具4は基板3の温度を制御する手段が設けられている。また、分子線源5は真空容器1の外壁に固定され、原料ガス供給装置6により原料ガスであるシランが供給される。分子線源5は、熱やプラズマを利用してジシランを活性化させ、活性化されたシラン分子やシリレン分子(SiH2)などからなる分子線7を形成する。この分子線7は直接基板3に照射されないように、分子線源5の位置、角度あるいは基板3の位置、角度が調整されている。
【0013】また、散乱板8は真空容器1内で、分子線源5により形成された分子線7が直接照射されるような位置に保持されている。この散乱板8は、基板3と同じ組成の単結晶シリコンからなり、散乱板保持具9によって、保持されている。散乱板保持具9には散乱板8の温度を制御する温度調整機構のほか、散乱板の位置や角度を調整する位置決め機構が備えられている。散乱板8は散乱板保持具9によって、分子線7が照射される位置で、かつ、分子線7が照射される面と、所望の材料が形成される面とが対向するように、位置、角度が調整されて固定されている。
【0014】散乱板8に照射される分子線7を形成する分子のうち、一部の分子は散乱板8に吸着され、その他の分子は一度は散乱板8に到達するものの、すぐに散乱板8から離れる。散乱された分子は、様々な方向へ飛行する。分子線7が照射される散乱板8の面と、所望の材料を形成する基板3の面が対向し、かつ、基板3は分子線7が直接照射されないように設置されている。
【0015】上記のように、分子線源5、散乱板8及び基板3を配置すると、基板3に入射する分子は、必ず散乱板3での散乱を経ることになる。従って、本発明では散乱された分子のみを用いて基板3の表面処理を行っている。
【0016】図2は、本発明の他の実施例を実現する装置である。この装置は、基本的な構成は図1に示すものと同じであるが、散乱板8が複数個設置され、基板3に入射する分子が、これら複数の散乱板8で複数回の散乱を経たもののみとなるように配置されることが、図1とは異なっている。これらの散乱板8は、それぞれ独立した散乱板保持具9によって保持されており、それぞれの散乱板8の位置、角度及び温度を変化させることができるようになっている。
【0017】図3は、本発明の他の実施例を実現する装置である。この装置も、基本的な構成は図1に示すものと同じであるが、分子線源5が複数個設置され、それぞれが図1のような分子線源5、基板3、散乱板8の位置関係を満たすように設置されている点が図1と異なる。
【0018】図4は、本発明のさらに他の実施例を実現するための装置である。この装置も、基本的な構成は図1に示すものと同じであるが、基板3が複数個設置され、それぞれが図1のような分子線源5、基板3、散乱板8の位置関係を満たすように設置されている点が図1と異なる。
【0019】図5は、本発明の他の実施例を実現するための装置である。この装置では、散乱板8の表面状態を制御するため、所望の材料の原料以外の分子線10を形成する分子線源11を設置している。この分子線源11は、散乱板8に所望の材料の原料となる分子以外の分子からなる分子線10を照射するためのもので、例えば、散乱板8に形成される自然酸化膜を除去するための水素ラジカルを照射可能なものである。散乱板8の自然酸化膜を除去することで、散乱板8での入射分子線7の付着状態の変化を防止でき、散乱板8にて散乱するフラックスの割合を一定に保つことが可能となる。このとき、基板3に導かれる分子の付着係数も一定となり、基板3表面に処理される材料の性質も一定となる。本発明によれば、基板3に所望の材料を長時間処理しても、散乱板8を交換することなく使用し続けることができる。
【0020】図6は、本発明の他の実施例を示す。この実施例は、複数の分子種からなる物質から、ある特定の分子種を分離、濃縮する方法を示している。この方法は、分子種毎に特定の表面での散乱の割合が異なることを利用し、分子種の分離を行うものである。付着係数の異なるAとBからなる気体より、付着係数の小さなBを濃縮することを例にとって説明する。まず、図1と同様の装置で、AとBを含む分子線7を形成する。分子線7は、位置、角度、温度が調整可能な散乱板保持具9によって保持される散乱板8に照射される。分子線7を構成する分子Aは付着係数が大きいため、そのほとんどが散乱板8に吸着され、散乱される割合は小さい。ところが、分子Bは付着係数が小さいために、散乱板8で吸着される割合が小さく、そのほとんどが散乱される。散乱板8において散乱された分子を、捕集装置12によって捕集することにより、分子線7よりもBの濃度の高い分子集団を得ることができる。従って、Bを濃縮したことになる。もし、Aの付着係数が1であれば、散乱される分子はAを含まないため、捕集装置12によって捕集されるのはBのみになる。
【0021】上記の捕集装置12は、真空容器1内に設置され、基板3の方向に開口部を持つ。この開口部は、開閉が制御可能となっている。捕集装置12は、真空排気装置13を備えた真空配管14によって捕集ボンベ15に接続されており、散乱分子を長時間捕集可能としている。捕集装置12の開閉の制御は、例えば図7のようにする。分子線源5は、分子線7をパルス状に形成可能であり、散乱板8に照射される時刻は図7aのようになっているとする。時刻t=0より、Toff+Tonを1周期とし、off状態がToff、on状態がTonだけ続く制御を繰り返す。ただし、ここでは分子線7が散乱板8に照射される状態をon、照射されない状態をoffと呼んでいる。このとき、捕集装置12の開口部が開いている時間は図7の下図のように設定する。すなわち、on開始時刻より、T1だけ遅れて捕集装置12の開口部を開ける(この状態をopenと呼ぶ)。on終了時刻より、T2だけ遅れて捕集装置12の開口部を閉める(この状態をcloseと呼ぶ)。従って、open、closeは、Toff+Tonを1周期とし、openが(Ton-T1+T2)、closeが(Toff-T1+T2)だけ続く状態を繰り返す。特定の分子種を捕集するに当たっては、あらかじめ真空排気装置13によって捕集装置12、真空配管14、捕集ボンベ15内の圧力を、真空容器1内の圧力よりも十分に下げておく。捕集装置12の開口部の開閉を繰り返すうちに、捕集ボンベ15の圧力は上昇する。この圧力が、真空容器1内の圧力以上になったとき、捕集作業を終了する。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、材料を形成する分子種のうち、付着係数の大きなものは、最初に照射された散乱板にて付着するので、所望の材料を表面処理する基板には、付着係数の大きな分子は到達しにくい。従って、基板に表面処理される材料は付着係数の小さな分子から形成され、基板のミクロンオーダーの微細な凹凸部に対しても均一な厚さの表面処理が可能となる。
【0023】また、散乱板で散乱される主として付着係数の小さな分子を捕集することができ、分子線を形成する複数の分子種から、特定の分子種を含まないあるいは特定の分子種の濃度が低い原子あるいは分子からなる粒子集団を形成することができる。
【0024】




 

 


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