米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 電気素子 -> 株式会社日立製作所

発明の名称 真空処理方法及び真空処理装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−104178
公開日 平成6年(1994)4月15日
出願番号 特願平4−249565
出願日 平成4年(1992)9月18日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 白米 茂 / 上田 新次郎 / 高橋 主人 / 枝村 学 / 田村 直行
要約 目的
真空排気時間を短縮して基板の処理能力を増大させること、信頼性を向上させて稼働率をあげるとともにメンテナンスの頻度を低減すること、更に発塵を低減し、又不純物ガスの影響を除去することにより高品質の膜がつくれる真空処理方法および真空処理装置を提供することを目的とする。

構成
搬送室にガス導入口を設け、不活性ガスなどを導入・制御できるようにし、又、搬送室に水に対する排気速度が大きいクライオポンプあるいは温度可変の冷凍機付コールドトラップと、ターボ分子ポンプを設ける。
特許請求の範囲
【請求項1】 独立した複数の真空処理室、基板を搬送するための搬送室、基板を導入、あるいは搬出するための導入室、搬出室を用いて真空処理する方法において、搬送室を真空排気した後、搬送室に不活性ガスあるいは窒素ガスを導入することを特徴とする真空処理方法。
【請求項2】 搬送室の導入口より不活性ガスあるいは窒素ガスを導入することを特徴とする請求項1記載の真空処理方法。
【請求項3】 搬送室を真空排気後、不活性ガスあるいは窒素ガスを装置稼働中、搬送室に導入し続けることを特徴とする請求項1記載の真空処理方法。
【請求項4】 搬送室を真空排気した後、搬送室の真空ポンプのバルブを閉じて切り離し、搬送室に設けたガス導入口より不活性ガスあるいは窒素ガスを導入し、搬送室の圧力を10~3トールから10ト−ルに維持することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の真空処理方法。
【請求項5】 真空処理室のガス導入口より、真空処理で使用するガスを装置稼働中、真空処理室に導入し続けることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の真空処理方法。
【請求項6】 搬送室に導入する不活性ガスあるいは窒素ガスの導入量および真空処理室に導入する真空処理で使用するガスの導入量を調整して、搬送室の圧力を真空処理室の圧力以上としたことを特徴とする請求項5記載の真空処理方法。
【請求項7】 真空処理室のガス導入口より、真空処理で使用するガスを真空処理装置に導入し、真空処理室の前記使用ガスの分圧を、真空処理時と同等にすることを特徴とする請求項6記載の真空処理方法。
【請求項8】 搬送室に導入する不活性ガスあるいは窒素ガスの導入量および処理室に導入する真空処理時に使用するガスの導入量を調整して、搬送室の圧力が処理室の圧力以上になってから、搬送室の基板を処理室に移動させることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の真空処理方法。
【請求項9】 独立した複数の真空処理室、基板を搬送するための搬送室、基板を導入あるいは搬出するための導入室、搬出室を用いて真空処理する方法において、基板を導入室から搬送室に移動させる場合、基板を導入室に入れてから導入室を真空排気し、あるいは搬送室に不活性ガスや窒素ガスを導入して、導入室の圧力が搬送室の圧力より低くなってから、基板を導入室から搬送室に移動することを特徴とする真空処理方法。
【請求項10】 独立した複数の真空処理室、基板を搬送するための搬送室、基板を導入あるいは搬出するための導入室、搬出室を用いるの真空処理方法において、基板を搬送室から搬出室に移動させる場合、搬出室を真空排気して、あるいは搬送室に不活性ガスや窒素ガスを導入して、搬出室の圧力が搬送室の圧力より低くなってから、基板を搬送室から搬出室に移動させることを特徴とする真空処理方法。
【請求項11】 各室を隔離するための手段としてバルブを用いることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の真空処理方法。
【請求項12】 各室を隔離するための手段として各室間を真空的に完全には隔離しない遮蔽板を用いることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の真空処理方法。
【請求項13】 搬送室へ導入する不活性ガスや窒素ガスの純度を、処理室へ導入するガスの純度と同等にしたことを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の真空処理方法。
【請求項14】 搬送室の真空排気ポンプとしてバルブ付きのクライオポンプとタ−ボ分子ポンプを用い、稼働初期の高真空ないし超高真空排気時には両方のポンプで排気し、基板の処理を行う排気時にはクライオポンプのバルブを閉じて切り離し、タ−ボ分子ポンプのみで排気することを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の真空処理方法。
【請求項15】 搬送室の真空排気のために、冷凍機により温度が可変になるように制御されたコ−ルドトラップを吸気口側に有するタ−ボ分子ポンプを用いることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の真空処理方法。
【請求項16】 搬送室のタ−ボ分子ポンプとして広域型大流量タ−ボ分子ポンプを用いることを特徴とする請求項14又は15に記載の真空処理方法。
【請求項17】 独立した複数の真空処理室、基板を搬送するための搬送室、基板を導入あるいは搬出するための導入室、搬出室を備える真空処理装置において、不活性ガスあるいは窒素ガスを導入するガス導入口を搬送室に設けたことを特徴とする真空処理装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、基板にスパッタやCVDなどによる成膜やエッチング処理を行う真空処理方法および真空処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高品質の成膜作製やエッチング処理を行うためには、真空雰囲気の汚染を減少させ純度を向上させる必要がある。同時に生産性を確保するため、高真空・高純度化すると共に、基板の処理量も確保しなければならない。これらを可能にする手段として、真空処理装置のマルチチャンバシステムが提案されている。例えば、月刊「セミコンダクタ−ワ−ルド誌」(Semiconductor World誌)、1990年9月号の106〜139ページにおいて、マルチチャンバシステムが紹介されている。導入室及び搬出室、搬送室、複数の真空処理室を真空隔離できるようにしたこれらマルチチャンバシステムによって、真空処理室のベース圧力を下げ、不純物ガスの割合を低減することが可能になり、これによって高性能の真空処理を行うことができるようになった。しかしながら、これらのシステムでは、基板を真空処理室と搬送室の間で出し入れするためにこれら両室を連通させる際に、搬送室の残留不純物ガスの真空処理室への流入による汚染を防止するため、搬送室の圧力を真空処理室のベース圧力である高真空ないし超高真空まで下げる必要があり、このため搬送室の真空排気に多大の時間を要するという問題があった。また搬送室には基板を各室間に移送する基板搬送機構(以下、搬送ロボットと呼ぶ)が備えられているが、この搬送ロボットを高真空ないし、超高真空中で稼動させるには信頼性や発塵の点で問題を生ずることが多かった。というのは、高真空になればなる程、機械的摺動物の摩耗や焼きつきが多く、故障しやすくなると共に発塵量も増えるからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】マルチチャンバシステムの持つ欠点のうち、真空排気時間を減少させ、基板の処理量を増大させることを目的に発明されたものに、特開平3−19252号「多段真空隔離式処理装置、多段真空式半導体ウエーハ処理装置、並びにワークピース移送用装置及び方法」がある。この発明は、マルチチャンバシステムの各真空室を必要なベース圧力に応じて適切に配置し、装置全体として真空度勾配(圧力勾配)を設けることによって、真空排気時間の短縮をはかったものである。この発明は真空排気時間の短縮という点ではそれなりの効果があると思われるが、十分とはいえず、また搬送ロボットを高真空中で稼動させなければならないという点で、前記の信頼性や発塵に対する問題の解決とはならない。
【0004】本発明の目的は、マルチチャンバシステムの装置全体の真空排気時間を短縮して基板の処理能力を増大させることと、搬送室に設置された搬送ロボットの信頼性を向上させてシステムの稼動率を上げると共にメンテナンスの頻度を低減すること、さらに搬送ロボットからの発塵を低減して基板処理の歩止りを向上させる真空処理方法および真空処理装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、独立した複数の真空処理室、基板を搬送するための搬送室、基板を導入、あるいは搬出するための導入室、搬出室を用いて真空処理する方法において、搬送室を真空排気した後、搬送室のガス導入口より不活性ガスあるいは窒素ガスを導入することによって、達成される。
【0006】又上記目的は、独立した複数の真空処理室、基板を搬送するための搬送室、基板を導入あるいは搬出するための導入室、搬出室を用いて真空処理する方法において、基板を導入室から搬送室に移動させる場合、基板を導入室に入れてから導入室を真空排気し、あるいは搬送室に不活性ガスや窒素ガスを導入して、導入室の圧力が搬送室の圧力より低くなってから、基板を導入室から搬送室に移動することによって、達成される。
【0007】更に上記目的は、独立した複数の真空処理室、基板を搬送するための搬送室、基板を導入あるいは搬出するための導入室、搬出室を備える真空処理装置において、不活性ガスあるいは窒素ガスを導入するガス導入口を搬送室に設けることによって、達成される。
【0008】
【作用】高品質の成膜やエッチングを行うためには真空処理室を高真空ないし超高真空まで排気して不純物ガスを除去することが必要であるが、この時除去すべき不純物ガスはほとんどが水である。水は空気中にあるガス成分の中で物質表面からの脱離の活性化エネルギーが際立って大きいため、表面から容易には除去できず、大気から排気をはじめて高真空になった雰囲気中の残留ガスの大半は水になる。
【0009】残留ガス成分としての水はシリコン基板などの表面に吸着して酸化作用などを引き起こし、成膜やエッチング加工の品質劣化の原因となる。一方、アルゴンなどの不活性ガスあるいは窒素ガスは表面からの脱離の活性化エネルギーが小さいため、ごく短時間で真空排気が可能である。また、一般に基板と表面反応することがなく、雰囲気中に残留していたとしても真空処理の妨げになることはない。
【0010】以上の背景のもとに、搬送室に水など不純物ガスを含まない不活性ガスあるいは窒素ガスを常時導入しておき、しかもその圧力を真空処理室の処理時の圧力あるいは導入室や搬出室の圧力と同等にしておけば、必要な時にすぐバルブを開いて室間を連通させても処理プロセスに何の悪影響も及ぼさない。すなわち、いつでも搬送室と各真空室間をつなぐことができるので、真空度(圧力)のレベル合わせのための真空排気の待ち時間が不要になり、システム全体の排気時間の短縮という目的を達成することができる。
【0011】また、搬送室の圧力が常時スパッタやエッチングなど基板処理時と同じ圧力(一般には中真空レベル)に保たれるので、搬送ロボットは高真空ないし超高真空中でなく、中真空ないしそれより高い圧力中で稼動することになり、摺動部の信頼性やメンテナンス性を向上させると共に、発塵を低減するという目的を達成することができる。
【0012】以上は、通常のシステム稼動時を想定した作用であるが、クライオポンプとターボ分子ポンプの組合わせ、あるいはコールドトラップとターボ分子ポンプを組合わせた排気システムにより、搬送室の立上げ時のベース圧力を短時間で実現すると共に、通常時の不活性ガスを効果的に排気するという目的を達成することができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明をその実施例について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】図1は本発明のマルチチャンバからなる真空処理室100の平面図である。この装置は、搬送室1のまわりに真空処理室2、3、4、5、6がゲートバルブ9、10、11、12、13によって連結され、さらに導入室7と搬出室8がゲートバルブ15および16によって連結されている。また導入室7と搬出室8はゲートバルブ16および17によって大気と仕切られている。搬送室1に設置された搬送ロボット51によって、処理すべき基板52は必要な真空処理室あるいは導入室7、搬出室8へ送り込まれたり取り出されたりする。各真空室は独立した真空ポンプとガス導入系を有している。搬送室1についていえば、バルブ19を介して真空ポンプ18が装着され、バリアブルリークバルブ21を介してガス導入系20からガスが導入される。他の真空室にも同様にバルブを介した真空ポンプと、バリアブルリークバルブを介したガス導入系が取り付けられている。また各真空には真空計などモニタ機器も取り付けられるが、図では省略する。
【0015】次に本装置の運転方法を説明する。搬送室1及び2、3、4、5、6の各真空処理室はそれぞれの室に備えられた真空ポンプ18、22、26、31、35、39によってあらかじめ十分低いベース圧力になるまで真空排気される。ベース圧力レベルは残留する不純物ガスを除去するために低ければ低いほど良いが、あまり長時間の真空排気を行うことは、単位時間当りに装置の処理できる基板の枚数の低下、すなわち装置の生産性の低下をきたすので、適切なところでベース圧力が定められる。真空処理室がスパッタ室である場合は、ベース圧力として10~8トール〜10~9トールが要求されることがあり、長時間の真空排気が必要となる。もちろん搬送室も同じレベルのベース圧力が要求される。このように、各室の圧力が十分下がり準備ができたところで、処理すべき基板は外部のカセットエレベータからまず導入室7へ送り込まれる。ゲートバルブ16を閉じて導入室7が真空ポンプ43によって所定の圧力まで排気された後、ゲートバルブ14が開かれ、基板は搬送ロボット51により搬送室1内へ移送される。基板が搬送室内へ移送されると、ゲートバルブ14は閉じられ、次にゲートバルブ11が開かれ、基板は搬送ロボット51によって真空処理室4内へ送り込まれる。続いてゲートバルブ11が閉じられ、搬送室1と真空処理室4とは真空的に切り離される。基板は真空処理室4の中で例えばスパッタによる成膜など処理を受ける。処理が終わると再びゲートバルブ11が開かれ、基板は搬送ロボット51によって取り出され、次の処理室3へ移送される。移送の手順、ゲートバルブの開閉、真空処理のタイミングなどは基本的には真空処理室4で行ったのと同じ内容で行われる。このようにして基板は搬送室に出入りしながら、マルチの真空処理室を次々と通り、所定の真空処理を施される。最後には搬出室8に移送され、導入の場合と逆の手順で真空装置の外へ取り出される。また一枚の基板が導入された後、シリーズに次々と基板が導入、移送され、連続処理が行われる。
【0016】マルチチャンバ真空処理装置の特徴は、搬送室や真空処理室が大気にさらされていることなく、次々と基板の連続処理ができることである。初期のベース圧力さえ十分低くしておけば、不純物ガスの混入が微小になり、このためスパッタやCVDのような成膜にしても、ドライエッチングにしてもきわめて高い品質の加工が可能になる。
【0017】従来のマルチチャンバ真空処理装置の運転手順を説明し、これと比較して、本発明の実施例について述べる。図2は、マルチチャンバ装置の一般的な時間−圧力線図である。圧力を示す室として、一つの真空処理室と搬送室及び導入室を取り上げる。まず、真空処理室と搬送室を大気圧201から排気を行い、ベース圧力として10~8トール台まで下げる。このための時間は前に述べたように非常に長く、数時間から数十時間を要する。導入室は基板を導入した後、202の時刻から真空排気を始める。10~5トール台になった203の時刻になった時に搬送室と導入室の間のゲートバルブを開き、基板を移送する。この間、搬送室と導入室の圧力はほぼ同じになる。基板の移送が終わった後、204の時刻でゲートバルブを閉じる。搬送室の圧力は再び10~8トール台まで下がる。時刻205で今度は搬送室と真空処理室間のゲートバルブを開く。両方の室とも圧力は10~8トール台なので圧力の変動はあまりない。基板の移送が終わった後、206の時刻にゲートバルブを閉じる。その直後、時刻207で真空処理室に処理のために必要なガスを導入する。この例では、処理室をスパッタ室として、高純度のアルゴンガスを処理室圧力が3×10~3トールになるまで導入し、一定の圧力のままガスを流し続ける。処理室内の電源を投入し、プラズマを発生させるなどして、基板の真空処理を行う。処理が終わり、処理のための電源を切った後、208の時刻にガスの導入も止める。処理室の圧力は急速に低下し、10~8トール台近くにまで下がる。時刻209において、真空処理室と搬送室のゲートバルブを開く。基板を処理室から搬送室へ移送した後、時刻210において、ゲートバルブを閉じる。搬送室にもどされた基板は、搬送ロボットによって次の真空処理室へ移される。この時間が210と211の間である。その後は、前と同じ繰り返しで、時刻212に導入室と搬送室の間のゲートバルブが開かれ、次の基板が搬送室へ移送される。ゲートバルブの開閉、基板の真空処理室への移送など前と同じ操作が行われる。各室の圧力変動もほぼ同じ形で再現される。注意すべきことは複雑な手順で基板の移送を繰り返している間も搬送室と真空処理室のベース圧力が10~8トール台になっていることである。これによって不純物ガスの量が微小に押えられ、きわめて高性能の真空処理が可能になる。
【0018】本実施例のハードウェアの構成は図1のとおりであるが、その運転手順について、図1と図3を用いて説明する。真空処理室1と搬送室2、3、4、5、6を大気圧201から排気を行い、ベース圧力を10~8トール台まで下げる。十分に圧力が下がった時刻202において、図1のバリアブルリークバルブ21を開き、ガス導入系20から高純度のアルゴンガスを搬送室1に導入し、搬送室の圧力がスパッタ時の処理能力と同じ3×10~3トールになるように流量を調整してガスを流し続ける。以後搬送室1の圧力は、図3に示されるように、多少の変動はあるにせよ、3×10~3トールで維持される。ただし常時、搬送室の真空ポンプ18は作動し続け、その排気量と導入される高純度のアルゴンガスの流入量がバランスして3×10~3トールが実現されるようにする。導入室7は基板を導入した後、203の時刻から真空ポンプ43により真空排気を始める。圧力が3×10~3トールより低くなった後、204の時刻で、ゲートバルブ14をあけ、搬送室と導入室を連結される。この時、導入室の方が搬送室より圧力が低いため、搬送室に導入されている高純度のアルゴンガスは導入室へ向かってながれ、導入室から搬送室へのガスの流れはほとんどない。搬送室の圧力はわずかに下がるがそのままにしておいてもよいし、圧力が3×10~3トールで一定になるように、バリアブルリークバルブ21を調整してもよい。基板は導入室7から搬送室1へ移送され、時刻205でゲートバルブ14が閉じられる。一方、真空処理室であるスパッタ室4も、ベース圧力が10−8トール台になった後、時刻202においてバリアブルリークバルブ34を開き、ガス導入系33からスパッタ処理用の高純度のアルゴンガスを導入し、真空処理室4の圧力が3×10~3トールに維持されるよう流量の調整をしておく。この後、処理室の圧力も、図3のように基本的に3×10~3トールになるように維持する。時刻206においてゲートバルブ11を開く。搬送室1も真空処理室4も圧力が3×10~3トールに維持されているから、両室とも圧力の変動はない。基板を搬送ロボット51により搬送室1から真空処理室4へ移送し、時刻207でゲートバルブ11を閉じる。真空処理室4の電源を投入し、プラズマを発生させるなどしてスパッタ作業を行い、基板に成膜を形成する。処理が終わり、処理のための電源を切る。この間高純度のアルゴンガスは圧力が3×10~3トールになるよう一定量流し続ける。時刻208でゲートバルブ11を開き、基板を真空処理室4から搬送室1へ移送する。移送後時刻209でゲートバルブ17を閉じる。さらに時刻209と210の間に基板を次の処理室へ移送する。次の処理室3も、ベース圧力達成後、同じように高純度のアルゴンを圧力が3×10−3トールになるように流し続けているため、ゲートバルブの開閉をしても圧力の変動は起きない。時刻211で、前と同じように導入室のゲートバルブ14を開き、次の基板を搬送室へ移送する。この後は同じ操作を繰り返し、処理すべき基板を次々と移送し、マルチチャンバで真空処理を行う。時刻211と212の間に次の基板が導入室から搬送室へ導入され、212と213の間に基板は搬送室から真空処理室4へ移され、時刻214と215の間で基板は真空処理される。この間、前に処理された基板は次の処理室3へ移送され、次の真空処理を受ける。
【0019】本実施例の真空処理中、搬送室と真空処理室の圧力は3×10~3トール程度に保持されているが、高純度のアルゴンガスを導入し続けた状態での圧力であり、各室に存在する水分などの不純物ガスの量は、先の図2に示した従来の処理方法のものと同等以下に保たれる。すなわち、初期のベース圧力を超高真空にまで下げた時を除いては常時3×10~3トール程度の圧力を維持したまま、系内の不純物ガスの量が微小に押えられ、図2に示したような超高真空を繰り返し実現しながら処理を進めるのと同等の高性能の真空処理が可能となる。
【0020】搬送室及び真空処理室を中、高真空に保持したまま超高真空ベースと同等の高品質・高性能の真空処理が可能になることのメリットは多い。まず、図2での時刻202から203へ至る時間、204から205へ至る時間、206から207へ至る時間、208から209へ至る時間を短縮できるので、トータルの処理時間の短縮が可能になり、スループットの向上をはかることができる。また、基板を搬送室と処理室の間でやり取りするたびに必要であった導入ガスのon−offが不要となり、常時一定のガスを流し続けることですむので、処理シーケンスが簡素化される。さらに、搬送室の搬送ロボットについては、稼動する雰囲気が従来のような超高真空下でなく、中・高真空雰囲気ですむため、寿命が大幅に伸びると共に、信頼性の点でも向上させ易い。例えば、本実施例では使用雰囲気の圧力が超高真空よりはるかに高いため、潤滑部に適切な蒸気圧の潤滑油を用いることも可能で、摺動部の信頼性を向上させることができる。
【0021】他の実施例として、搬送室1の圧力が真空処理室2、3、4、5、6より常に高くなるように導入ガス量を制御する方法もある。このようにすると、特定の真空処理室でプラズマ処理中に何らかの不純物ガスを発生したとしても、搬送室と真空処理室の間のゲートバルブが開いた際に、搬送室の圧力の方が高いため、ガスは搬送室から真空処理室の方へ流れ、搬送室や他の真空室が不純物ガスで汚染されることがない。本実施例のような10~3ト-ル台ではガスの平均自由行程は数センチメートルでガス分子間の衝突の影響があるので、搬送室の圧力をやや高くして、室間のコンタミネーションを防ぐ本方法は効果的である。
【0022】更に他の実施例として、図2の搬送室と真空処理室の間のゲートバルブ11の代りに、真空的には隔離しない単なる遮蔽板を設けるものがある。図3に示したように、本実施例では搬送室と真空処理室との圧力は全ての時間にわたって、ほぼ等しくなっている。したがって、真空処理に用いられるガスが高純度アルゴンである場合は真空的に完全に隔離できるゲートバルブを除くことも可能である。この時、先の実施例のように搬送室の圧力を真空室の圧力より常時やや高くしておくことが望ましい。これは真空処理室で処理中に発生する可能性のある不純物ガスの拡散を防ぐ効果があるからである。
【0023】図4は、図1の搬送室1を中心とした側断面図の一部で、真空排気ポンプの装着の実施例を示したものである。本実施例では、バルブ19を介して広域型ターボ分子ポンプ18及び粗引配管60と粗引ポンプ61が連結された排気系と、バルブ19Aを介してクライオポンプ18Aが装備されている。
【0024】図3の時刻201から202へ至る初期排気においては、一番最初にバルブ19を開いて広域ターボ分子ポンプ18と粗引ポンプ61を作動させた後、バルブ19Aも開いて、クライオポンプ18Aとも作動させ、できる限り短い時間で超高真空レベルまで排気する。クライオポンプ18Aは水に対する排気速度が大きいため、初期排気の時間短縮には特に有効である。図3の時刻203になったとき、バルブ19Aを閉じ、クライオポンプ18Aは切り離す。以後、図3で示したように、バリアブルリークバルブ21を開き、高純度のアルゴンガスをガス供給系21から流し続け、搬送室1の圧力が常時10−3トール台になるように維持するが、この時以降の排気はバルブ19を介した広域型ターボ真空ポンプ18及び粗引ポンプ61のみで行う。このような排気系の構成にすれば、ため込み式のポンプであるクライオポンプに流入するガスは搬送室の器壁に吸着していたガスのみでその量はわずかであり、クライオポンプの再生はほとんど不要になる。通常時流入する高純度アルゴンガスは広域型ターボ分子ポンプ18と粗引ポンプ61で常時系外に連結排気される。流入する高純度アルゴンガスの流量はほぼ一定にできるから、ポンプにとっても負荷変動がなく、安定した運転が可能になる。初期の超高真空を短い時間で達成するためには水に対する大きい排気速度が必要とされるが、この役目をクライオポンプ18Aが受け持つため、広域型ターボ真空ポンプは小型のものですむという利点もある。
【0025】図5は搬送室1の排気系の他の実施例である。この実施例では、バルブ19と広域ターボ分子ポンプ18の間に、冷凍機65によって冷媒を供給されるコールドトラップ64が設置されている。コールドトラップの温度を70〜140K程度の範囲に設定することにより、初期排気で問題となる水分はコールドトラップで凝縮排気し、図3の時刻202以降に供給される高純度アルゴンガスは、コールドトラップに凝縮させることなく、広域型ターボ真空ポンプ18と粗引ポンプ61で排気する。このような構成とすれば、第4図の実施例のようにクライオポンプを用いないでも、短い時間での初期排気と、高純度アルゴンの連続排気が可能となる。図4、図5の実施例とも図1と図3で示した本発明の実施例の真空排気系として好適なものを提供できる。
【0026】図6は本発明の他の実施例である。マルチチャンバからなる真空処理室20の平面図である。この装置では108,110,112という3つの搬送室及び、109,111という2つのバッファ室が備えられている。この装置においても、前の実施例と同じく、113,114の導入室と排出室を除く全体を超高真空にまで排気した後、各搬送室,真空処理室に高純度の不活性ガスを導入して、常時10−3トール台の圧力になるように維持し、基板の真空処理を行う。効果は図1及び図3で説明した内容と同じであるが、このように真空処理室や搬送室の数がより多くなった場合、処理時間の短縮ということにおいても、処理シーケンスの簡素化という点においても効果は大きくなる。
【0027】
【発明の効果】発明の効果は以下の通りである。
【0028】搬送室にガス導入口を設けて、高純度のアルゴン等の不活性ガスあるいは窒素ガスなどを搬送室に常時導入し、その圧力を真空処理室の処理時の圧力、あるいは導入室や搬出室の圧力と同等にしておくことにより、必要なときに搬送室と各室をつなぐことができるので、圧力のレベルあわせのための真空排気の待ち時間が不要になり、システム全体の排気時間を短縮することができる。また、不純物の少ない高純度の不活性ガスあるいは窒素ガス雰囲気中で基板を搬送するので、高品質の膜を作製することができる。さらに、中高真空中で搬送ロボットを使用することができるので、摺動部の信頼性やメンテナンス性を向上できる上、搬送ロボットからの発塵を低減することができる。
【0029】搬送室にクライオポンプとターボ分子ポンプを組み合わせて、あるいはコールドトラップとターボ分子ポンプを組み合わせた排気システムを用いることにより、搬送室の圧力を短時間で達成できるので、基板の処理能力を向上することができる。
【0030】




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013