米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 電気素子 -> 株式会社日立製作所

発明の名称 マイクロ波金属イオン源
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−103907
公開日 平成6年(1994)4月15日
出願番号 特願平4−249488
出願日 平成4年(1992)9月18日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 松尾 尚英 / 関 孝義
要約 目的


構成
マイクロ波イオン源の放電室1を、プラズマ通過孔14が設けられている誘電体11によって、マイクロ波入射側放電室12とイオンビーム引き出し側放電室13に分割する。放電室12では金属を含まないプラズマを、放電室13では金属を含むプラズマを発生さ、マイクロ波入射窓3には、金属を含まないプラズマのみを接触させる。
特許請求の範囲
【請求項1】マイクロ波を用いてプラズマを発生させ、前記プラズマ中に金属または金属化合物或いはそれらの蒸気から成る金属イオン発生源を導入することにより金属イオンを引き出すマイクロ波金属イオン源において、前記プラズマを発生させる放電室を、誘電体により、マイクロ波入射側とイオンビーム引き出し側の二つの領域に分割し、前記誘電体には前記放電室の断面よりも小さな断面積を持ったプラズマの通過孔を設け、金属等の導電性物質を含まない非導電性ガスを前者のマイクロ波入射側領域に導入し、前記金属イオン発生源を後者のイオンビーム引き出し側領域内に導入することを特徴とするマイクロ波金属イオン源。
【請求項2】請求項1において、前記誘電体に設けたプラズマ通過孔が、スリット形状をしているマイクロ波金属イオン源。
【請求項3】請求項1または2において、前記誘電体に設けた前記プラズマ通過孔周辺の、イオンビーム引き出し領域側を導電性物質で構成し、電界集中を起こさせるマイクロ波金属イオン源。
【請求項4】請求項3において、前記導電性物質を、イオンビームとして引き出そうとしている所望の金属元素を、少なくともその成分として含む、金属或いは合金或いは金属化合物とするマイクロ波金属イオン源。
【請求項5】請求項3または4において、前記導電性物質に、前記放電室内壁と異なる電位を与えるマイクロ波金属イオン源。
【請求項6】請求項1,2,3,4または5において、前記イオンビーム引き出し側領域に、前記マイクロ波入射側領域とは別に、マイクロ波を導入するマイクロ波金属イオン源。
【請求項7】請求項1,2,3,4,5または6において、前記イオンビーム引き出し側領域に、前記マイクロ波入射側領域とは別に、放電維持ガスを導入するマイクロ波金属イオン源。
【請求項8】マイクロ波を用いて金属元素を含んだプラズマを発生させ、金属イオンを引き出すマイクロ波金属イオン源において、イオンビームを引き出す主放電室とマイクロ波入射窓との間に、前記主放電室に対してプラズマ或いは気体等の粒子の移動が可能である副放電室を設け、前記主放電室内では所望の金属を含むプラズマを、前記副放電室内では金属等の導電性元素を含まないプラズマを、それぞれ発生させることを特徴とするマイクロ波金属イオン源。
【請求項9】マイクロ波を用いてプラズマを発生させ、前記プラズマ中に金属蒸気或いは金属化合物蒸気から成る金属性ガスを導入することにより金属イオンを引き出すマイクロ波金属イオン源において、金属等の導電性物質を含まない非導電性ガスの導入口をマイクロ波入射窓付近に設け、それに対して、前記金属性ガスの導入口を、イオンビーム引き出し口側に設けることを特徴とするマイクロ波金属イオン源。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体製造,材料の表面改質、或いは成膜等を目的とするイオンビーム発生装置に係り、金属イオンビームを発生させる金属イオン源装置、特に、金属蒸気または金属化合物蒸気を導入して、或いは金属または金属化合物等をプラズマに直接曝すことにより金属イオンを得る、マイクロ波金属イオン源の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、イオン源には、プラズマの発生維持方法の違いにより、フィラメント方式,ホローカソード方式,アーク放電方式,マイクロ波放電方式等がある。これらのうち、マイクロ波放電によりプラズマを発生させイオンビームを得るマイクロ波イオン源は、酸素やハロゲンといった活性元素に強いという長所がある。
【0003】また、金属イオンビームを引き出す方法は、放電室内に設置した所望の金属をプラズマに曝してスパッタするスパッタ法,放電室内の電極を所望の金属で作り、アーク放電によって蒸発させてプラズマを発生させるアーク放電法,蒸発炉を用いて放電室内のプラズマ中に所望の金属蒸気、或いは、その化合物蒸気を導入して金属イオンを得る外部炉方式等がある。これらの方法のうち、外部炉方式は、適当な蒸気圧特性を持った金属或いは金属化合物を選べば、容易に、大電流の金属イオンビームを安定に引き出すことができる。
【0004】この蒸気発生用金属化合物は、塩化物等のハロゲン化合物が非常に適している。従って、活性元素に強いマイクロ波イオン源に、金属ハロゲン化合物の蒸気を導入することにより、フィラメント方式等に比較して、容易に金属イオンビームを安定に引き出すことができた。
【0005】従来のマイクロ波金属イオン源の説明図を図5に示す。マイクロ波5は、導波管2を伝わり、マイクロ波入射窓3を通って放電室1内に導入され、放電維持ガス7及び金属蒸気8をプラズマ化する。プラズマ内の金属その他のイオンは、イオン出射スリット4を通った後、図示していないイオン加速電極によってイオンビーム6として引き出される。
【0006】しかし、この方法には、長時間連続して金属イオンビームを引き出していると、放電室内壁に金属が析出してくるという問題があった。特にマイクロ波入射窓3への金属の析出は、放電室1内へのマイクロ波5の導入を妨げ、イオンビーム6の減少を引き起こした。
【0007】マイクロ波入射窓の汚れを防止するための方法としては、例えば、特開平3−188274号公報に記載されているように、プラズマ生成室内に印加する磁界と垂直方向からマイクロ波を導入する方法や、また、特開平3−235330 号公報に記載されているように真空導波管部の磁場強度をプラズマ生成室よりも強くする方法などがあった。しかし、これらの方法ではマイクロ波入射窓の汚れを低減する程度であり、金属イオンビームを長時間引き出そうとする場合には、より効果的に窓の汚れを防止する必要があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、上述したように、金属イオンビームを安定に引き出すことのできる優れた方法ではあるが、金属の析出により、マイクロ波イオン源の大きな特長の一つであるメンテナンスフリーが損なわれるという欠点があり、産業への実用上その解決が望まれていた。
【0009】本発明の目的は、金属イオンビームを長時間連続して引き出すことができ、メンテナンスの必要の無いマイクロ波イオン源装置を提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、金属イオンビームを長時間安定に、かつ、多量に引き出すことのできるマイクロ波イオン源装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明はマイクロ波イオン源の放電室を、マイクロ波入射側とイオンビーム引き出し側の二つの領域から構成し、両領域の間には、プラズマの移動を可能とするためのプラズマ通過孔を設け、前者の領域に金属等を含まない非導電性ガスを、後者の領域に所望の金属または金属化合物或いはそれらの蒸気から成る金属イオン発生源を導入することを特徴とし、あるいは、前記イオンビーム引き出し側領域に、前記マイクロ波入射側領域とは別に、放電維持ガスを導入することを特徴とし、あるいは、また、前記非導電性ガスの導入口をマイクロ波入射窓付近に設け、それに対して、前記金属性ガスの導入口を、イオンビーム引き出し口側に設けることを特徴とするものである。
【0012】上記他の目的を達成するために、前記プラズマ通過孔周辺の、イオンビーム引き出し領域側を導電性物質で構成することを特徴とし、あるいは、前記導電性物質を、イオンビームとして引き出そうとしている所望の金属元素を、少なくともその成分として含む、金属或いは合金或いは金属化合物とすることを特徴とし、あるいは、前記導電性物質に、前記放電室内壁と異なる電位を与えることを特徴とし、あるいは、前記イオンビーム引き出し側領域に、前記マイクロ波入射側領域とは別に、マイクロ波を導入することを特徴とする。
【0013】
【作用】マイクロ波イオン源の放電室を、マイクロ波入射側とイオンビーム引き出し側の二つの領域から構成し、前者の領域に金属等を含まない非導電性ガスを導入することにより、マイクロ波入射窓には、導電性元素を含まないプラズマのみが接することになる。そのため、マイクロ波入射窓への導電性物質の析出が起こらず、マイクロ波入射窓でのマイクロ波の反射を防ぐことができる。
【0014】マイクロ波入射側領域で吸収されなかったマイクロ波及び発生したプラズマは、イオンビーム引き出し側領域へと流れる。そこで、所望の金属または金属化合物、或いは、その蒸気から成る金属イオン発生源をプラズマ化させる。プラズマ通過孔では、マイクロ波入射側領域からイオンビーム引き出し領域へとプラズマが移動するため、金属元素を含むプラズマがマイクロ波入射側領域へ流れることは無い。また、プラズマ通過孔周囲のイオンビーム引き出し領域側に金属が析出すると、プラズマ通過孔付近に電界の集中が起こり、プラズマ密度が高まってその部分のスパッタが盛んになり、析出金属は自動的に除去される。
【0015】従って、放電室内へのマイクロ波の安定した導入を確保することができ、金属イオンビームを長時間にわたって安定に引き出すことができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、図1を用いて説明する。マイクロ波イオン源の放電室1は、誘電体11(例えば、窒化硼素)によって、マイクロ波入射側放電室12とイオンビーム引き出し側放電室13の二つの領域に分割されている。誘電体11には、放電室12から放電室13へのプラズマその他の粒子の移動が可能なように、プラズマ通過孔14が設けられている。プラズマ通過孔14の形状は、例えば、TE10モードのマイクロ波を矩形導波管で導入する場合、電気力線の向きに対して直角方向に長辺を持つ、容量性窓や共振窓のようなスリット形状が考えられる。
【0017】放電室12に金属等を含まない放電維持ガス7(例えば、アルゴン,窒素,塩素ガスなど)を導入することにより、マイクロ波入射窓3には、導電性元素を含まないプラズマのみが接することになる。そのため、マイクロ波入射窓3への導電性物質の析出が起こらず、導波管2を伝播してきたマイクロ波5の、マイクロ波入射窓3での反射を防ぐことができる。
【0018】放電室12で吸収されなかったマイクロ波5及び発生したプラズマは、それぞれ誘電体11及びプラズマ通過孔14を通って放電室13へと流れる。そこで、図示していない蒸発炉から送られてきた、金属元素を含むガス8(例えば、FeCl2 などの金属ハロゲン化物蒸気等)をプラズマ化させる。プラズマ中のイオンは、イオン出射スリット4を通った後、図示していない加速電極によりイオンビーム6として引き出される。
【0019】プラズマ通過孔14では、放電室12から放電室13へとプラズマが移動するため、金属元素を含むプラズマが放電室12へと流れることは無い。また、プラズマ通過孔14の周囲の放電室13側に金属が析出すると、プラズマ通過孔14の付近に電界の集中が起こり、プラズマ密度が高まってその部分のスパッタが盛んになり、析出金属は自動的に除去される。
【0020】本発明の他の実施例を、図2を用いて説明する。本実施例の特徴は、プラズマ通過孔14の周囲の放電室13側に、導電性物質15を設置した点であり、その他の部分は図1と同様である。導電性物質15を設置することにより、プラズマ通過孔14の付近に電界が集中し、放電室13内のプラズマ密度が高くなり、金属イオンの発生量が多くなる。この時、導電性物質15を、イオンとして引き出そうとしている所望の金属を少なくともその成分として含む物質で構成すると、導電性物質15からスパッタされた金属イオンもプラズマ中に加わるため、更に金属イオンの発生量が増す。また、この導電性物質15のスパッタ作用は、図示していない電源によって、導電性物質15に放電室13内壁と異なる電位(直流或いは交流)を印加することにより、更に盛んにすることができる。
【0021】本発明の他の実施例を、図3を用いて説明する。本実施例の特徴は、マイクロ波5による電界を伝搬,集中させるための導波管2と、図2の実施例で示した導電性物質15とをテーパ管のように連続して設置している点であり、その他の部分は図1或いは図2と同様である。このような構成とすることにより、導波管2を伝搬してきたマイクロ波5は、プラズマ通過孔14の先端まで滑らかに伝わり、途中で反射等を起こさないため、プラズマ通過孔14の先端部での電界集中を、より効果的に行うことができる。なお、本実施例で、導電性物質15を設置せず、誘電体11のみを設置してもよい。
【0022】本発明の他の実施例を、図4を用いて説明する。本実施例の特徴は、放電室13にも、放電室12と同様に放電維持ガス16を導入している点と、放電室13に金属蒸気ではなく金属イオン発生源17(純金属,合金,金属酸化物等)を設置している点であり、その他の部分は図1或いは図2及び図3と同様である。放電室13にも放電維持ガス16を導入することにより、放電室13でのプラズマの発生及び維持をより安定にすることができ、従って、金属イオンのより安定した引き出しを可能とすることができる。なお、放電室13に導入する放電維持ガス16は、放電室12に導入している放電維持ガス7と同一のものであっても、異なるものであってもよい。放電室13のみに導入する放電維持ガス16は、導電性元素を含むものも可能である。また、放電室13内に設置した金属イオン発生源17の代わりに、金属蒸気を導入しても、或いはそれらを組み合わせて導入してもよい。
【0023】以上、いくつかの実施例を用いて説明してきたが、これらの実施例を組み合わせたものも可能である。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、マイクロ波イオン源で金属イオンを引き出す際に起こる、マイクロ波入射窓への金属の析出を防止でき、また、プラズマ通過孔周囲への析出金属を自動的に除去することができるため、特に、メンテナンスを必要とすることなく金属イオンビームを長時間安定に引き出すことができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013