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発明の名称 被覆超電導導体及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−103837
公開日 平成6年(1994)4月15日
出願番号 特願平4−206417
出願日 平成4年(1992)8月3日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 根本 武夫 / 佐保 典英 / 磯上 尚志 / 室井 克美
要約 目的
熱的に安定性の高い超電導導体及び、その製造方法を提供すること。

構成
超電導導体2の表面上に不均一な絶縁膜5を成形した。製造方法に関しては、電着液9から超電導導体2を引き上げると同時に不均一な絶縁膜を形成する電着法、金属シート4と不均一膜厚の絶縁膜5と一体になったものを超電導導体2に溶着する。
特許請求の範囲
【請求項1】超電導線と安定化金属とを主な構成物とする複合超電導導体の冷却面に絶縁膜を設けた被覆超電導導体において、前記絶縁膜の膜厚を不均一にしたことを特徴とする被覆超電導導体。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超電導材料から成る超電導体を内部に有する超電導導体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、内部に超電導材料から成る超電導体を有する被覆超電導導体は、例えば特開平3−68317号公報に記載のように、超電導導体の外周面に絶縁層を施し、導体全体が絶縁被覆されている。この絶縁層は、浸漬塗装や電着塗装等で形成される。浸漬塗装は、被塗装体を、例えば、ポリビニルホルマール塗料の塗装液中に浸漬して引き上げた後に塗装を焼き付け、乾燥する塗装法である。また、電着塗装は、例えば、水分散性エポキシ・アクリル樹脂ワニス,水溶性ポリイミド樹脂ワニス,水分散性ポリウレタン樹脂ワニス,非水素ポリイミド分散ワニス等の、水性塗料液中に電極を挿入して直流の電流を通じ、負電荷を持つ塗料粒子を陽極のほうに移動させて、陽極板上に沈着させた後、引き上げ,焼き付け,乾燥する塗装法である。
【0003】超電導材には、特に限定はなく、金属性超電導材料は、ニオブ・チタン,ニオブ・スズ等で、酸化物系超伝導材料は、バリウム・イットリウム・銅・酸素,バリウム・ランタン・銅・酸素,ストロンチュウム・ランタン・銅・酸素,バリウム・スカンジウム・銅・酸素,カルシュウム・ランタン・銅・酸素を組成とする化合物がある。
【0004】また、超電導体の外周部には銅やアルミニュウムや銀などからなる常電導体層を設けて超電導導体を構成し、超電導体の一部の超電導状態が壊れたときには、より抵抗値が小さい外周部の常電導体側に電流がながれ、発熱を極小に抑えて常電導体層外の液体ヘリウム等の冷媒でこの発熱量を吸熱し超電導状態の壊れが全体に広がるのを防止する。この時、常電導導体の外周面に施した絶縁層により、この吸熱特性は向上する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術の被覆超電導導体の吸熱特性は、被覆無しの場合に比べて良いが従来のサーモエクセルに比べて劣っている。しかし、このサーモエクセルは、針状の金属フィンを超電導導体上に形成しているため、超電導導体を巻き付ける作業中に針状フィンが落下して電気絶縁特性を劣化する恐れがある。このため、サーモエクセルにとって変わる高熱伝達特性の伝熱面の開発が必要になってきた。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するために、本発明は超電導導体の最外層絶縁体の膜厚を不均一にした。
【0007】また、不均一膜厚形成方法の手段は、膜厚の不均一の絶縁膜が金属薄膜と一体成形で形成され、複合超電導導体の安定化金属と前記金属薄膜とを溶着し、冷却面が絶縁膜である様に構成する。
【0008】さらに、不均一膜厚形成方法の他手段は、従来と同じ電着法を用いるが、樹脂を溶かした水溶液中の複合超電導導体を水溶液から引き上げることのみで、局所的に超電導導体絶縁膜の膜厚を変える。
【0009】
【作用】被覆超電導導体の沸騰特性は、膜厚と導体温度が比例関係にある。また、膜沸騰熱流束も膜厚と比例関係にある。そこで、超電導導体最外層絶縁体の膜厚を局所的に変えることで超電導導体の発熱特性に近づけた沸騰熱伝達特性を得る。また、膜沸騰から核沸騰に遷移するときの熱流束を高くできるので熱伝達特性が期待できる。これによって、大電流に対応した超電導導体を得る。
【0010】不均一膜厚電着方法に関した作用では、膜厚は、通電した水溶液中に複合超電導導体を保持した時間に比例して厚くなる。そこで、超電導導体を水溶液から引き上げることで超電導導体の表面の各部位が超電導導体と水溶液が接する時間が異なるため被覆膜厚を変えることが可能となる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1と図2により説明する。
【0012】図1は、超電導導体の全体構造である。アルミニウムまたは銅からなる常電導体層1,NbTi,Nb3Sn 等の金属系またはYBCO(イットリュウム,バリュウム,銅,酸素)等の酸化物系超電導材からなる超電導体2,鉛と錫から成る半田層3,銅,ニッケル合金またはステンレス鋼の金属シート4、そして、エポキシ,ポリイミド,ポリカーボネート,ポリスルホン,ポリエーテル,ポリスルエーテルエーテルケトン,ポリエーテルスルホン等の高分子絶縁材料から成る絶縁膜5で構成されている。また、この絶縁膜5の膜厚は、1から50μmまたは1から100μmの厚さに変化した物である。
【0013】図2は、図1の超電導体2と常電導層1が半田層3で結合され、一つの塊になったものと、金属シート4と絶縁膜5が一体になったものである。金属シート4と半田層3が接する金属シート4の表面には半田層3で使用した半田の融点以下の融点温度の低融点半田でメッキしてある。図1のように構成した後、超電導導体全体を加熱してこの低融点半田メッキを溶かす。このとき、半田層3と金属シート4の間に低融点半田が溶けこむので、超電導導体全体を常温に冷却したのちの半田層3と金属シート4が接合される。
【0014】この様に絶縁膜5は、超電導導体全体を覆うことができるので、超電導導体表面に絶縁膜を不均一に成形できる。
【0015】超電導体2が金属系超電導体の場合、超電導導体を液体ヘリウムに浸して4.2Kの極低温状態で使用されるときがある。超電導導体のクエンチは、超電導導体のジュール発熱が超電導導体の被覆面での沸騰熱伝達による吸熱を上回ったときにおこる。このクエンチが起こる電流よりわずかに小さい電流をここでは超電導導体の許容電流値と呼ぶことにする。本発明の目的は、この超電導導体の許容電流値を従来の物より大きくすることにある。このため、沸騰熱伝達、その中でも特に膜沸騰熱伝達を改善ために、超電導導体被覆膜の膜厚を局所的に変え、高熱流束の膜沸騰状態からすぐに核沸騰に遷移させて、膜沸騰の最小熱流束を高めるものである。
【0016】図3は、電着法を使用して超電導導体表面に絶縁膜を不均一な膜厚に成形した物である。図4,図5は、電着法の説明図である。6は、金属層で、内部の超電導体が外部に飛び出ないようにガードするものである。金属層6は、強度の他、超電導導体がクエンチしたときに生じるジュール熱を少なくする目的で電気抵抗の小さな銅または、アルミニウム等の電気導体が使われる。7は、電着用の電極、8は、直流電源、9は電着液である。電着液9は、樹脂成分がプラスに帯電し、陰極側にカチオン型が析出する。樹脂成分はエポキシ系であるが、本発明は、電着液,樹脂によらない。超電導導体の金属層6をアセトン洗浄によって脱脂し、次いで、イオン交換水で洗浄後、水滴跡が残らないようにエアブローによって乾燥させる。その後、図4のように超電導導体を水平にした状態で電着液9に半分まで沈める。さらにその後、直流電源8で電圧をかける。超電導導体を水平な状態を保ったまま、電着液9から徐々に引き上げる。図5は、超電導導体を電着液9から途中まで引き上げた場合を示す。
【0017】引き上げが完了するまでの時間は、超電導導体の絶縁膜5の最大膜厚で決定される。図5の超電導導体の最下部の絶縁膜5の厚みを例えば100μmとすると、絶縁膜1μmあたり15秒であるから、図4の状態からはじめて、電着液9から超電導導体を引き上げが完了するまでの時間は、1500秒となる。超電導導体の下半分を絶縁膜5で覆ったら、超電導導体の上下を逆にして、同様の方法で残りの半分を絶縁膜5で被覆する。
【0018】図6は、超電導導体を上下方向に動かすための移動装置10を組み合わせたものである。10aは、ハンガで超電導導体を釣り下げる。10bは、モータ、10cは、減速ギア、10dは、ボールベアリング、10eは、ボールねじである。モータ10bの回転を減速ギア10cで受け、ボールねじ10e同軸のギア10cで回転力を受ける。ボールねじ10eは、回転運動を上下運動に変換する。この様な移動装置10を使用することによって超電導導体は、容易に上下に動かすことができる。ここでは、超電導導体を上下に動かすためにボールねじを使用したが、クレーンまたは、他の手段でも超電導導体を上下に動かすことができれば超電導導体の絶縁膜膜厚を不均一に形成できる。
【0019】図7は、超電導導体を水平に取り付けた状態から、超電導導体の金属層6の表面に不均一な絶縁膜を形成する装置である。この絶縁膜を形成する方法は、これまで説明した方法と同様にできる。
【0020】図8は、図7の装置で得られた超電導導体である。
【0021】図9,図10と図11は、超電導導体の不均一絶縁膜を形成するための他の実施例である。図9は、予め超電導導体の表面に絶縁テープ11を巻き付けた。この絶縁テープの巻き付け方は、超電導導体表面が露出するように粗く巻き付けている。図10は、図9に示した超電導導体が露出した表面上に絶縁膜を形成させるための装置である。図10と図11の超電導導体は、超電導導体を長手方向に切断した断面を表している。露出した表面上には、これまでの説明と同様に均一な絶縁膜が成形できる。
【0022】しかし、絶縁テープ11の表面上には絶縁膜は形成できない。このため、超電導導体を引き上げて、超電導導体を乾かした後、超電導導体の絶縁テープ11を超電導導体から引き剥すことによって、図11の様に絶縁膜5と金属層6が表面上に配設される。さらに、金属層5の表面上に酸化膜塗装を行ってもよい。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、超電導導体の表面上に不均一な絶縁膜を成形することで、膜沸騰から核沸騰に遷移するときの熱流束が高い値となる。このため、超電導導体の吸熱特性が高くなるので、安定性の高い超電導導体が得られる。




 

 


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