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導電性薄膜 - 株式会社日立製作所
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発明の名称 導電性薄膜
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−103817
公開日 平成6年(1994)4月15日
出願番号 特願平4−247612
出願日 平成4年(1992)9月17日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 大野 俊之 / 茶原 健一 / 小園 裕三
要約 目的


構成
導電性薄膜3は、伝導キャリア濃度の高い層1と伝導キャリア濃度の低い層2によって構成され、かつ、伝導キャリア濃度の高い層の厚さを20nm以下とした。
特許請求の範囲
【請求項1】1種類以上のカチオン及び酸素から成り、可視域の光に対し85%以上の透過率をもち、かつ、導電性を有する薄膜において、キャリア濃度の異なる複数の層からなることを特徴とする導電性薄膜。
【請求項2】1種類以上のカチオン及び酸素からなり、可視域の光に対し85%以上の透過率をもち、かつ、異なる原子価のカチオンが共存することによって、あるいは酸素濃度が化学量論組成からずれることによって伝導キャリアを生じる薄膜において、異なる原子価のカチオンの共存の割合あるいは化学量論組成からの酸素濃度のずれの度合いが異なる複数の層からなることを特徴とする導電性薄膜。
【請求項3】請求項1または2において、伝導キャリアの濃度の高い層と伝導キャリア濃度の低い層が交互に積層することによって構成される導電性薄膜。
【請求項4】請求項1,2または3において、伝導キャリアの濃度の高い層の厚みが20nm以下である導電性薄膜。
【請求項5】請求項1,2,3または4において、伝導キャリアの濃度の高い層において、その伝導キャリアの濃度が5×1020cm-3以上である導電性薄膜。
【請求項6】請求項1,2,3,4または5において、加速された不活性ガスイオンを、導電性薄膜を構成する元素と同一種類の元素から成るターゲットに衝突させ、はじきだされた粒子を基板上に堆積することによって形成する導電性薄膜。
【請求項7】請求項1,2,3,4,5または6に記載の導電性薄膜を透明電極として用いた表示装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶ディスプレイ等の表示装置の透明電極として用いることのできる導電性薄膜に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイ等の透明電極として透明導電膜は不可欠であるが、液晶駆動方式やデバイス作製プロセスによって膜作製温度の上限、要求される比抵抗は異なってくる。薄膜トランジスタ(TFT)を使うアクテイブマトリックス方式では、前に形成したTFT素子にダメージを与えないように膜作製温度は200℃以下に制限されるが、比抵抗はそれほど重要ではない。一方、STN (super twisted nematic)方式では、透明導電膜は走査信号用電極と画素電極を兼ねているので、シート抵抗で10〜20Ω/□以下が必要である。電極間距離はコントラストに大きく影響を与えるので、導電膜の膜厚も100nm以下が良い。従って、きわめて小さな比抵抗が必要になる。さらに、最近注目されているカラーSTN方式では、有機カラーフィルタ上に透明導電膜を成膜する必要がある。このため薄膜作製温度は、200℃以下の低温に制限される。しかも、STN方式の特有の低比抵抗が要求される。今後、ディスプレイの大面積化,カラー化に伴って、ますます低温で低抵抗膜を作製できる技術が必要となる。
【0003】今日まで広く研究され、あるいは実用化されている透明導電膜はSnをドープしたIn23(ITO)、FまたはSbをドープしたSnO2 ,In,Al,SiなどをドープしたZnO等がある。これらの膜はいずれもエネルギギャップが3.5eV 以上のn型半導体で、ドナーとして働くのは添加物イオンと化学量論組成からの酸素の欠損であることが知られている。透明導電膜の作製方法は、蒸着法とスパッタリング法が一般的である。透明導電膜の比抵抗は膜作製の方法と作製条件に大きく依存し、膜作製時の基板温度が高いほど膜の比抵抗は小さくなることが知られている。低抵抗膜としては、例えば、ジャーナル・オブ・アプライド・フィズィックス 第54巻(1983)3497頁から3501頁 (J.Appl.Phys. 54(1983)p.3497−3501)に示されているように、基板温度190℃で2.1×10-4Ωcm の比抵抗を示すITO膜が得られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述したように、今後求められている透明導電膜は、1×10-4Ωcm以下の比抵抗をもち、しかも200℃以下で形成されなければならず、前出の公知例の場合では特性は不充分である。膜作製条件をさらに最適化することによって、多少の比抵抗の低下は期待できるが、1×10-4Ωcm以下の比抵抗の膜を200℃以下で得ることは難しいと考えられる。なぜなら、比抵抗の値を小さくするには伝導キャリアを増やすこととキャリアの移動度を大きくすることが必要である。伝導キャリアを増やすためにはドーピング量と酸素欠損量の最適化が必要で、キャリアの移動度を大きくするには膜を十分に結晶化しなければならない。前者については、結晶構造の安定化の点から限界がある。また、後者については、例えば、ITO膜の場合、結晶化温度が200℃付近にあり、200℃以下での膜形成には十分な結晶化が期待できない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は1×10-4Ωcm以下の比抵抗の透明導電膜を200℃以下で得る一つの方法を示すもので、1種類以上のカチオン及び酸素から成り、可視域の光に対し85%以上の透過率をもち、かつ、導電性を有する薄膜において、キャリア濃度の異なる複数の層からなることを特徴とする。このような積層構造は各々の層の、ドーピング量、すなわち、異なる原子価のカチオンの共存の割合、あるい化学量論組成からの酸素濃度のずれの度合いを制御することによって実現しうる。このような積層構造において、高いキャリア濃度を有する層の厚さを、電子の波長寸法程度である10〜20nm程度以下にすることにより、この層における電子は二次元電子ガス(2DEG)状態となり、通常の三次元状態に比べて高い移動度を持つようになる。この性質を利用することにより、積層膜の導電率を高く、従って、抵抗を小さくすることができる。
【0006】本発明は、図1に示すように、高いキャリア濃度を有する層を膜の上部に設けても良いし、図2に示すように、膜の中間部に設けても良い。さらに、図3に示すように、高いキャリア濃度を有する層を多数設けることによって、本発明の効果をさらに顕著にすることもできる。
【0007】本発明は、真空を破らずに二種類以上の薄膜を連続して形成できる装置を用いれば容易に実現でき、蒸着法でもスパッタリング法でもよい。スパッタリング法は、高速でかつ大面積への均質な成膜が可能であり、有力な方法であるが、反面、膜表面がプラズマにさらされていることから、プラズマによる損傷を受けやすい欠点がある。一方、蒸着法は、プラズマ損傷といった問題はないが、大面積基板へ均質に成膜することが難しいという欠点がある。その点、加速された希ガスイオンを、ターゲットに衝突させ、はじきだされた粒子を支持体上に堆積することによって膜形成するイオンビームスパッタ法は、膜表面がプラズマにさらされることはなく、また、大面積への均質な成膜も可能であり、導電性薄膜の形成方法としてはきわめて有力な方法である。
【0008】
【作用】本発明による方法を用いれば、200℃以下で通常では十分な移動度を得られない条件下でも、二次元電子ガスの効果により、低抵抗の透明導電膜を得ることができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0010】〈実施例1〉表面を光学研磨したコーニング#7059ガラスを基板としてイオンビームスパッタリング装置内に装着し、1×10-6Torrの真空度まで排気する。この装置にはIn23及びIn23−5wt%SnO2 焼結体がターゲットとして装着され、真空を破らずに各々の膜を、順次、形成することができる。このガラス基板を200℃に保持した後、Ar/O2混合ガスを2×10-4Torr の圧力まで導入し、ビーム電圧1KV,ビーム電流80mAの条件で80nmの厚さのIn23膜を形成する。ホール係数測定から求めたこのIn23膜のキャリア濃度は2.3×1020cm-3である。
【0011】引き続いて、ターゲットをIn23−5wt%SnO2 焼結体にし、ビーム電圧1KV,ビーム電流80mAの条件で20nmの厚さのITO膜を形成する。ホール係数測定から求めたこのITO膜のキャリア濃度は1.2×1021cm-3 である。
【0012】以上の過程により図4に示すような導電膜が形成された。この膜の表面で測定した比抵抗は0.82×10-4Ωcm であった。また、この導電膜の透過率の分光特性を図5に示す。350nmから800nm可視光領域において85%以上の透過率があることが分かる。
【0013】〈実施例2〉表面を光学研磨したコーニング#7059ガラスを基板として、In23−10wt%SnO2 焼結体をターゲットとして、各々DCスパッタリング装置内に装着し、1×10-6Torrの真空度まで排気した後、このガラス基板を200℃に保持する。Ar/O2 混合ガスを4×10-3Torrの圧力まで導入し、−100Vから−400Vのいくつかのスパッタ電圧条件でスパッタリングを行い、厚さ100nmのITO膜を何種類か作製する。各々の膜のホール係数を測定し、それからキャリア濃度を求める。このキャリア濃度とスパッタ電圧との関係を図6に示す。この図から、ターゲットの組成を変えなくてもスパッタ条件を変えるだけで、膜中のキャリア濃度をコントロールできることがわかる。
【0014】表面を光学研磨したコーニング#7059ガラスを新たな基板として、DCスパッタリング装置内に装着し、1×10-6Torrの真空度まで排気した後、このガラス基板を200℃に保持する。Ar/O2混合ガスを4×10-3Torr の圧力まで導入し、−400Vのスパッタ電圧でキャリア濃度1.8×1020cm-3 のITO膜を80nmの厚さまで形成する。
【0015】引き続いて−100Vのスパッタ電圧でキャリア濃度6.0×1020cm-3 のITO膜を10nmの厚さまで形成する。
【0016】引き続いて−400Vのスパッタ電圧でキャリア濃度1.8×1020cm-3 のITO膜を10nmの厚さまで形成する。
【0017】以上の過程により図7に示すような透明導電膜が形成された。
【0018】この膜の表面で測定した比抵抗は0.95×10-4Ωcmであった。
【0019】〈実施例3〉表面を光学研磨したコーニング#7059ガラスを基板として実施例1と同じイオンビームスパッタリング装置内に装着し、1×10-6Torrの真空度まで排気する。この装置には実施例1と同様In23及びIn23−5wt%SnO2 焼結体がターゲットとして装着されている。ガラス基板を200℃に保持した後、Ar/O2混合ガスを2×10-4Torr の圧力まで導入し、ビーム電圧1KV,ビーム電流80mAの条件で、キャリア濃度2.3×1020cm-3 のIn23膜を10nmの厚さまで形成する。
【0020】引き続いて、ターゲットをIn23−5wt%SnO2 焼結体にし、ビーム電圧1KV,ビーム電流80mAの条件で、キャリア濃度1.2×1021cm-3 のITO膜を10nmの厚さまで形成する。
【0021】引き続いて、ターゲットを再びIn23焼結体にし、上と同一条件で10nmの厚さのIn23膜を形成する。以下、交互にITO膜とIn23膜とを各々10nmの厚さで形成し、膜全体の厚さが100nmとなったところで膜形成を終了する。
【0022】以上の過程により図8に示すような透明導電膜が形成された。この膜の表面で測定した比抵抗は0.73×10-4Ωcmであった。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、高いキャリア密度を有する層を10〜20nmの厚さで設けることにより、200℃以下で通常では十分な移動度を得られない条件下にも、1×10-4Ωcmの比抵抗を示す導電性薄膜が得られ、かつ、可視光域での透過率を損なわないことが分かった。




 

 


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