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発明の名称 厚膜ペースト及びこれを用いて作製したセラミック多層配線基板
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−97669
公開日 平成6年(1994)4月8日
出願番号 特願平4−243657
出願日 平成4年(1992)9月11日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】富田 和子
発明者 森 泰宏 / 佐藤 信義 / 戸崎 博己
要約 目的
積層精度と部品の接続強度の高いセラミック多層配線基板を形成することを目的とする。

構成
セラミックグリーンシートを積層して焼結してなる多層配線基板に用いる厚膜導電ペーストが、エチルセルロースとアクリル樹脂を含む有機ポリマー及び高沸点有機溶剤とからなるビヒクルと金属粉末で形成されてなることを特徴とする厚膜導電ペースト。
特許請求の範囲
【請求項1】 セラミックグリーンシートを積層し焼結してなる多層配線基板に用いる厚膜導電ペーストが、エチルセルロースとアクリル樹脂を含む有機ポリマー及び高沸点有機溶剤とからなるビヒクルと金属粉末で形成されてなることを特徴とする厚膜導電ペースト。
【請求項2】 請求項1記載の厚膜導電ペーストにおいて、アクリル樹脂が有機ポリマー全量の25〜10wt%であることを特徴とする厚膜導電ペースト。
【請求項3】 請求項1記載の厚膜導電ペーストにおいて、ビヒクルが、有機ポリマー8〜15wt%及び高沸点有機溶剤85〜92wt%とからなるものであることを特徴とする厚膜導電ペースト。
【請求項4】 請求項1記載の厚膜導電ペーストにおいて、高沸点有機溶剤が、高沸点有機溶剤全量に対して次の組成点(A),(B),(C),(D)で囲まれる範囲(単位:wt%)にある混合物であることを特徴とする厚膜導電ペースト。
溶剤の種類 (A) (B) (C) (D)
(a)ジエチレングリコール モノブチルエーテルアセテート・・15 70 35 15(b)フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)・15 15 50 50(c)α−テルピネオール ・・70 15 15 35【請求項5】 請求項1記載の厚膜導電ペーストにおいて、ビヒクルが85〜45Vol%で、金属粉末が15〜55Vol%である厚膜導電ペースト。
【請求項6】 セラミックグリーンシートを積層し焼結してなる多層配線基板において、セラミックグリーンシートに用いられるセラミック粉末の結合剤が、水に可溶性の変性アクリル樹脂であり、グリーンシートに表裏面用配線導電膜を形成するための厚膜導電ペーストが、エチルセルロースとアクリル樹脂を含む有機ポリマー及び高沸点有機溶剤とからなるビヒクルと金属粉末から形成されてなることを特徴とする多層配線基板。
【請求項7】 請求項6記載の多層配線基板において、厚膜導電ペーストのビヒクル中の有機ポリマーに含まれるアクリル樹脂が有機ポリマー全量の25〜10wt%であることを特徴とする多層配線基板。
【請求項8】 請求項6記載の多層配線基板において、厚膜導電ペーストのビヒクルが、有機ポリマー8〜15wt%及び高沸点有機溶剤85〜92wt%とからなるものであることを特徴とする多層配線基板。
【請求項9】 請求項6記載の多層配線基板において、厚膜導電ペーストのビヒクル中の高沸点有機溶剤が、高沸点有機溶剤全量に対して次の組成点(A),(B),(C),(D)で囲まれる範囲(単位:wt%)にある混合物であることを特徴とする多層配線基板。
溶剤の種類 (A) (B) (C) (D)
(a)ジエチレングリコール モノブチルエーテルアセテート……15 70 35 15(b)フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)…15 15 50 50(c)α−テルピネオール ……70 15 15 35【請求項10】 請求項6記載の多層配線基板において、厚膜導電ペーストがビヒクル85〜45Vol%と金属粉末15〜55Vol%で形成されるものであることを特徴とする多層配線基板。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミック多層配線基板の作製に用いる厚膜ペースト及びこれを用いて作製するセラミック多層配線基板に係る。
【0002】
【従来の技術】電子計算機の演算速度の高速化のために誘電率が低く、かつ基板に搭載するシリコン系LSIチップの接続信頼性の確保のために、熱膨張係数がシリコンに近いセラミック材料を用いて電子回路基板を作製することが行われている。そして各種のセラミック材料のなかでムライト(2SiO2・3Al23)、ほうけい酸ガラスあるいはコージエライト(2MgO・2Al23・5SiO2)を主材とするガラスセラミックス等が上記の要求を満たすセラミック材料として着目され、配線及び部品接続端子用導電膜を厚膜ペーストの印刷により形成する多層配線基板の開発が進められている。
【0003】このセラミック多層配線基板の基本的構成の断面図を図1に示す。基材1はセラミックスである。裏面(図において基板1の下の方の面)厚膜導電膜2は入出力ピン3の接続用端子であり、表面(図において基板1の上の方の面)厚膜導電膜4は、論理演算用LSIチップ等の電子部品5の接続用端子4−1並びに電子部品の保護キャップ7の封止接続用の導電膜4−2である。これらの表・裏面の厚膜導電膜は必要に応じてめっき処理された後、ろう付けあるいははんだ付けにより、それぞれの部品が接続される。基板内部の厚膜導電膜は、LSIチップ間の電気的接続のための約0.1mm幅の微細な信号配線膜7、基板内層面のほぼ全面を覆う面積の電源層膜8そして、各上下導電膜を電気的に接続する約0.1mm径の微細なビア導体9から成る。
【0004】そしてこの基板は、従来次のようにして作製される。即ち、ムライトセラミックあるいはガラス粉末及びその他の無機粉末からなる混合物等の基材となるセラミック粉末に、セラミック粉末のバインダ(固着剤)となるブチラール樹脂あるいはメタアクリル酸エステル等の油溶解性ポリマー及びグリーンシートの可塑剤となるブチルフタリルブチルグリコレート等の高沸点有機溶剤を加え、さらにトリクロロエチレン/テトラクロロエチレン/ブチルアルコールの混合有機溶剤、あるいはアセトン、トルエン、メチルエチルケトン等の揮発性有機溶剤等を加えて混合し、セラミックスラリ(泥しょう)を作製し、ドクタブレードによるキャスティングと加熱乾燥により、セラミック粉末/バインダ/可塑剤からなる帯状のセラミックグリーンシートが作製される。その後適当な大きさに外形切断されたグリーンシートにビア形成のための穴明け、厚膜導電ペーストの穴埋め充填印刷をした後、対応する各層ごとに厚膜導電ペーストの印刷によりシート表面の配線及び部品接続端子を形成する。次いでこれらを積層接着した後、焼結することにより作製される。
【0005】このような従来のセラミックグリーンシートの製造における多量の塩素系有機溶剤あるいは揮発性有機溶剤の使用には、人体の安全に対する害、環境汚染、火災、爆発の危険性を本質的に含むという問題がある。そこで、これらの塩素系及び揮発性有機溶剤に替えて、より安全性の高い水への変換が強く要請されている。このため上記油溶解性ポリマーに替えて水に溶解するよう変性した有機高分子材料をセラミック粉末のバインダとして用い、水を溶剤とすることによりセラミックスラリを作製して、グリーンシートを作製することが進められている。
【0006】しかし、水溶性となるよう変性した有機高分子材料をセラミック粉末のバインダとするグリーンシートでは、従来から良く用られているエチルセルロースをペースト用粉末のバインダとし、これを(a)ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテートや(b)α−テレピネオールに溶解したビヒクルからなる厚膜ペーストの印刷においては、■パターン印刷膜の乾燥によりグリーンシートに凹凸を生じ、グリーンシート上へのパターンの重ね印刷において、パターンのずれやにじみがあり隣接する導体膜が短絡すること、さらにはパターン印刷したグリーンシートの積層において、上下のビア導体同志の位置ずれがあり、ビア導体とビア外周導体との短絡を生じること、あるいは■グリーンシートと同時焼結した導体膜へのはんだ接続において、ピン等の引っ張り強度試験を行うとセラミック基材と導電膜との界面で剥離し、その接続強度の非常に弱いものがあるという問題があった。
【0007】なお、水を溶剤として用いて作製するセラミックグリーンシート用バインダに関しては特開平2−307861号公報、従来のセラミックグリーンシートの印刷に用いる厚膜ペーストに関しては特公昭63−040325号公報等に開示がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来技術では、水溶性有機高分子材料をセラミック粉末のバインダとするグリーンシートへの厚膜ペーストの印刷により形成する導電膜において、印刷ずれや積層位置ずれをもたらすグリーンシートの凹凸の発生があり、また焼結したセラミック基材と導電膜との界面における密着強度の弱いものがあるためにピン等の接続強度を確保できず、高精度で信頼性の高い多層配線基板が作製できないという問題がある。
【0009】本発明の目的は、多層配線基板に係る上記の問題を解決することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、セラミックグリーンシートを積層し焼結してなる多層配線基板に用いる厚膜導電ペーストが、エチルセルロースとアクリル樹脂を含む有機ポリマー及び高沸点有機溶剤とからなるビヒクルと金属粉末で形成されてなることを特徴とする厚膜導電ペーストに関する。
【0011】セラミックグリーンシートを積層し焼結してなる多層配線基板において、セラミックグリーンシートに用いられるセラミック粉末の結合剤が水に可溶性の変性アクリル樹脂である場合に、グリーンシートに表裏面用配線導電膜を形成するための厚膜導電ペーストが、エチルセルロースとアクリル樹脂を含む有機ポリマー及び高沸点有機溶剤とからなるビヒクルと金属粉末から形成されてなることにより、グリーンシートに形成する印刷膜の膜強度が優れたものが得られる。
【0012】セラミックグリーンシートに用いられるセラミック粉末の結合剤である水に可溶性の変性アクリル樹脂とは、ナトリウム塩あるいはアミン塩として水溶性を付与されたアクリル酸エステル樹脂あるいはメタクリル酸エステル樹脂等である。
【0013】グリーンシートに表裏面用配線導電膜を形成するための厚膜導電ペーストを形成するビヒクルの有機ポリマーに含まれるアクリル樹脂は、水への可溶性は必須ではないので、上記ナトリウム塩あるいはアミン塩として水溶性を付与されたアクリル酸エステル樹脂あるいはメタクリル酸エステル樹脂等の他に、アクリル酸エステル樹脂あるいはメタクリル酸エステル樹脂等を使用することができる。
【0014】表裏面用配線導電膜は、裏面においては入出力ピンの接続用端子であり、前記の構成とすることにより、ピン接続強度が優れたものとなり、また、表面において、電子部品との接続用端子あるいは保護キャップの封止接続用端子として接続強度の優れたものが得られる。
【0015】エチルセルロースとアクリル樹脂を含む有機ポリマー総量中のアクリル樹脂の量は、有機ポリマー総量に対して25〜10wt%とするのが望ましく、また、ビヒクルは、有機ポリマー8〜15wt%、高沸点有機溶剤85〜92wt%から構成されるのが望ましい。
【0016】さらに、高沸点有機溶剤としては、図2に示す特定の配合割合、即ち、高沸点有機溶剤全量に対して次の組成点(A),(B),(C),(D)で囲まれる範囲(単位:wt%)にある混合物を用いるのが望ましい。
【0017】
溶剤の種類 (A) (B) (C) (D)
(a)ジエチレングリコール モノブチルエーテルアセテート……15 70 35 15(b)フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)…15 15 50 50(c)α−テルピネオール ……70 15 15 35【0018】
【作用】本発明においては、(1)ペースト用ビヒクルの有機ポリマーとして、エチルセルロースとともにグリーンシートのセラミック粉末の結合剤として用いたアクリル樹脂から成る合成物を用いる。これはグリーンシートへ形成する印刷膜の膜強度の点から選ばれたものであり、エチルセルロース以外の例えば、アクリル系あるいはブチラール系の有機ポリマー単独では印刷乾燥膜自体の強度が弱く、例えば膜厚測定機の走査針の印刷乾燥膜に傷がついて膜厚測定ができないこと、あるいは印刷膜を形成したグリーンシートのプレス処理において金型との間に挟み込むプラスチックフィルムへ印刷膜材料が転写し、印刷膜面の表面粗さが大きくなり、時にはグリーンシート上の印刷膜の欠落を生じること、等の問題が有る。
【0019】しかし、ペースト用ビヒクルの有機ポリマーにおいて、エチルセルロースに加えて、グリーンシートのセラミック粉末の結合剤として用いたアルリル樹脂を用い、望ましくはアクリル樹脂の量を有機ポリマー総量に対して25〜10wt%とすることにより、エチルセルロースを用いた時と同様の乾燥膜の強度を有するとともに、焼結した導体膜の例えばピンのはんだ接続において、有機ポリマーとしてエチルセルロースを単独に用いる場合に比べて、より高い接続強度が得られるようになる。
【0020】(2)また、ペースト用ビヒクルの高沸点有機溶剤をジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート/フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)/α−テルピネオールの図2に示す特定の配合割合の混合物とする。これはパターン印刷膜の乾燥によりグリーンシートに生ずる凹凸を実用上問題のないものとし、グリーンシート上へのパターンの重ね印刷において、パターンのずれやにじみがなく隣接する導体膜が短絡の発生がない。
【0021】(3)さらに、ペースト用ビヒクルの有機ポリマー8〜15wt%と高沸点有機溶剤85〜92wt%の配合量、ならびに導電ペーストのビヒクル85〜45vol%と金属粉末15〜55vol%の配合量は、セラミックグリーンシート上及びグリーンシートに形成したスルーホールへのペースト印刷を良好に行うための適正な粘度を得るためのものである。ここで有機ポリマーあるいは金属粉末が多い(溶剤あるいはビヒクルが少ない)と調製するペーストの粘度が高くなり、印刷スクリーンの版離れ時にグリーンシートが破れる等の不具合を生じる。また有機ポリマーあるいは金属粉末が少ない(溶剤あるいはビヒクルが多い)と調製するペーストの粘度が低くなり、印刷パターンのにじみが増えること、印刷膜が薄く配線抵抗値が高くなること、さらに保管容器からの取り出しあるいは容器への戻し時の回収においてヘラ等での取扱いが困難であること、等の問題が有るが、本発明で規定する範囲ではこれらの問題はない。
【0022】以上により、水溶性アクリル樹脂をセラミック粉末のバインダとするグリーンシートへの良好な厚膜の形成、その複数のシートを高精度に積層し、導体膜とセラミックス基材との密着強度の高い多層配線基板が作製できる。
【0023】
【実施例】次に本発明の実施例を図とともに説明する。
【0024】実施例1本発明の一実施例について説明する。
【0025】1)多層配線基板の構成図1にセラミック回路基板として作製したムライト系多層配線基板の構成を示す。基板の基材1はムライトセラミックスであり、導電膜は厚膜W(タングステン)である。裏面(図の下方の面)の厚膜導電膜2は入出力ピン3の接続用端子であり、表面(図の上方の面)の厚膜導電膜4は、論理演算用LSIチップ等の電子部品5の接続用端子4−1並びに電子部品の保護キャップ6の封止接続用の導体膜4−2である。これらの表裏面の厚膜導電膜にはいずれもめっき処理された後、ろう付けあるいははんだ付けにより、それぞれの部品が接続される。基板内部の厚膜導電膜は、LSIチップ間の電気的接続のための0.1mm幅の微細な信号配線膜7、基板の内層面のほぼ全面を覆う面積の電源層膜8そして、各上下導電膜を電気的に接続する0.11mm径のビア導体9から成る。
【0026】2)多層配線基板の作製2−1)ムライトセラミックグリーンシートの作製ムライト粉末70wt%とAl23−SiO2−MgO粉末30wt%とからなる混合粉末に、有機溶剤と水とに溶解性を有する変性アクリル樹脂としてアミン系メタクリル酸エステル樹脂をグリーンシート用バインダとし、水を加えてボールミルで混練してスラリー(泥しよう)を作製し、ドクタブレード法で0.25mm厚さの帯状のセラミックグリーンシート10を作製した。次いで200mm角に切断した後、NCパンチによりグリーンシートの焼結収縮量を見込んで0.13mm径のスルーホールを形成した。
【0027】2−2)厚膜Wペーストの作製導電膜の導電成分としてW粉末を用い、厚膜スクリーン印刷のための有機ポリマー(ペースト用バインダ)と高沸点有機溶剤からなるビヒクルの材料を次に示す配合比率で秤取し、さらに各種の調整剤等を添加して、3本ロールミルを用いて混合・混練し、所定の粘度の厚膜Wペーストを作製した。
【0028】(1)表・裏面層導体用厚膜Wペーストここでは、基板の裏面に形成し入出力ピン接続する裏面層用導体、及び基板の表面に形成し電子部品及び封止部材を接続する表面層用導体として用い、基板の導体膜としてグリーンシート及び基板との密着強度が最も要求される表・裏面層導体用厚膜Wペーストの構成成分の配合を下記に示す。
【0029】
(a)W粉末 …………………………………… 15vol%(b)ビヒクル ………………………………… 85vol%有機ポリマー ………………… 13wt%高沸点有機溶剤 ……………… 87wt%(c)表面活性剤 ……………………………… 0.1〜1.0wt部なおここで、W粉末は平均粒径0.5μmのW粉末20wt%と平均粒径2.0μmのW粉末80wt%の混合粉末とし、表面活性剤はアルキルアミンである。なお、ビヒクルの有機ポリマーと高沸点有機溶剤の配合組成を本発明の範囲外の参考例と併せて表1に示す。ここで調製したペーストの粘度は概ね100Pa・s(ずり速度:4sec~1)である。
【0030】
【表1】

【0031】さらに以下においては、多層基板の導体膜形成のために使用した各種の厚膜ペーストについて述べる。
【0032】(2)ビア導体用厚膜Wペーストビア導体用厚膜Wペーストの構成成分の配合は下記の通りである。
【0033】
(a)W粉末 ……………………………………… 26vol%(b)ビヒクル …………………………………… 74vol%有機ポリマー ………………… 12wt%高沸点有機溶剤 ……………… 88wt%(c)表面活性剤 ………………………………… 0.1〜0.5wt部(d)ゲル化剤 …………………………………… 0.5〜2.0wt部(e)カップリング剤 …………………………… 0.1〜1.0wt部(f)焼結助剤 …………………………………… 2〜4wt部なおここで、W粉末は平均粒径0.5μmのW粉末20〜25wt%と平均粒径1.0〜2.0μmのW粉末85wt%の混合粉末である。ビヒクルは、有機ポリマーであるエチルセルロースをジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート20wt%/フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)20wt%/α−テルピネーオル60wt%からなる高沸点有機溶剤の混合物に溶解した粘性溶液である。さらに、W粉末とビヒクルとの混合物100wt部に対して、表面活性剤としてアルキルアミン、ゲル化剤としてジ・ベンジリデン−D−ソルビトール、カップリング剤としてイソプロピル・トリイソステアロイルチタネート、焼結助剤としてAl23−SiO2−MgOの混合粉末を1000℃で熱処理し、平均粒径は2.0μmに粉砕したものをそれぞれ加えた。
【0034】そして調製したペーストの粘度は12kPa・s(ずり速度:2sec~1)である。
【0035】(3)信号配線膜用厚膜Wペースト信号配線膜用厚膜Wペーストの構成成分の配合は下記の通りである。
【0036】
(a)W粉末 ………………………………………… 55vol%(b)ビヒクル ……………………………………… 45vol%有機ポリマー ………………… 12wt%高沸点有機溶剤 ……………… 88wt%(c)表面活性剤 ………………………………… 0.1〜1.0wt部なおここで、W粉末の平均粒径は2.0μmである。ビヒクルは、有機ポリマーであるエチルセルロースをジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート20wt%/フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)20wt%/α−テレピネオール60wt%からなる高沸点有機溶剤の混合物に溶解した粘性溶液であり、表面活性剤はアルキルアミンである。
【0037】そして調製したペーストの粘度は120Pa・s(ずり速度:4sec~1)である。
【0038】(4)電源層用厚膜Wペースト電源層用厚膜Wペーストの構成成分の配合は下記の通りである。
【0039】
(a)W粉末 …………………………………………………80〜85wt%(b)ビヒクル …………………………………………… 10〜15wt%有機ポリマー ……… 10〜13wt%高沸点有機溶剤 …… 87〜90wt%(c)表面活性剤 …………………………………… 0.1〜0.5wt%(d)焼結助剤 ………………………………………………… 2〜4wt%なおここで、W粉末の平均粒径は2.0μmである。ビヒクルは、有機ポリマーであるエチルセルロースをジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート20wt%/フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)20wt%/α−テレピネオール60wt%からなる高沸点有機溶剤の混合物に溶解した粘性溶液であり、表面活性剤はアルキルアミン、焼結助剤はAl23−SiO2−MgOの混合粉末を1000℃で熱処理し、平均粒径は2.0μmに粉砕したものである。
【0040】そして調製したペーストの粘度は120Pa・s(ずり速度:4sec~1)である。
【0041】2−3)多層配線基板の作製次いで、先に作製したムライト系セラミックグリーンシートと各種厚膜Wペーストを用いる多層配線基板の作製について述べる。
【0042】穴明け加工したグリーンシートにビア導体用厚膜Wペーストをスクリーン印刷して充填し、乾燥後、信号配線膜用厚膜Wペースト、電源層用厚膜Wペースト、表・裏面用厚膜Wペーストをそれぞれのグリーンシート上にスクリーン印刷し、信号配線層、電源層及び表面層の各導体膜パターンを形成した。そして、電源層を形成した最下層用グリーンシートを反転し、表・裏面層用厚膜Wペーストを印刷して裏面導体膜を形成した。
【0043】次いで裏面導体膜を下面として電源層、信号配線層、表面層の各導体膜を形成したグリーンシートを順次位置合わせて積み上げ、この積層体の両面に離型用耐熱プラスチックフィルムを挟み込み、130℃、100kgで5分間加圧して各グリーンシートの層間接着を行った。冷却後フィルムを剥がし、N2−H2−H2Oの雰囲気を調整しながらで1600℃まで加熱し、その途中でグリーンシート及び厚膜ペーストの有機物(溶剤、ポリマー)を分解、揮散させた後、グリーンシートのセラミック粉末及び厚膜ペーストのW粉末並びに焼結助剤を一体焼結させ、ムライト系多層配線基板を作製した。その後、表裏面の厚膜WにNi−Auめっきを施し、はんだ付け及びろう付けにより、LSIチップ等の電子部品、保護キャップそして入出力ピンを接続した。
【0044】表1には、裏面導体膜としてグリーンシートに裏面用厚膜Wペーストを印刷した時のシートの凹凸の状態と印刷乾燥膜の強度に関する評価、並びに接続したピンの引っ張り強度試験の結果を本発明の実施例(No.1〜7)と本発明の範囲外の参考例(No.8〜13)とを比較して示す。なお、シートの凹凸の状態の評価では、凹凸が5μm以下を良好とし、印刷乾燥膜の強度では、膜の引っ掻き試験における強度が5g以上を良好とした。
【0045】この結果、本発明において、印刷膜を良好に形成できるとともに、ピンの引っ張り強度を高くすることができ、導体膜とセラミックスとの密着強度を向上させた積層精度の高い多層配線基板を作製することができた。
【0046】なお、実施例で示した以外の、図2の組成点(A),(B),(C),(D)に囲まれたジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート/フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)/α−テルピネオールからなる他の組成の高沸点有機溶剤の混合物をビヒクル用溶剤として用いる場合においても、実施例と同様の効果が得られた。さらに、セラミック基材として実施例で用いたムライトセラミックス以外に、ほうけい酸ガラスあるいはコージエライト(2MgO・2Al2 3 ・5SiO2 )を主材とするガラスセラミックスやこれらの混合物、その他のセラミックス粉末を用いて作製したグリーンシート、導電膜材料としてWに代えてセラミックグリーンシートの焼結温度に対応したMo,Au,Ag,Pt,Cuを用いた厚膜ペーストにおいても、本発明を適用することにより実施例と同様の効果が得ることができた。
【0047】
【発明の効果】上記した本発明によれば、水溶性アクリル樹脂をセラミック粉末のバインダとするグリーンシートへの厚膜ペーストの印刷において■表・裏面の各種部品接続端子用導電膜において各種部品の接続強度が確保できることにより、各厚膜においてその導電膜として必要な機能を満たす優れた電気的、機械的特性を有する多層配線基板を作製できるようになった。そして、■印刷パターン部においてグリーンシートの凹凸が小さく、印刷パターンの設計位置からずれが小さく、■グリーンシート上へのパターンの重ね印刷において、パターンのずれやにじみがなく、隣接する導体膜の短絡が無いなど、印刷した導電膜の座標位置精度に優れた良好な厚膜及び良好な基板形状の得られる厚膜ペーストが作製できる。




 

 


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