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発明の名称 無電解めっき方法及び装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−97631
公開日 平成6年(1994)4月8日
出願番号 特願平4−271039
出願日 平成4年(1992)9月14日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 哲朗
発明者 菊地 哲郎 / 川窪 鐘治 / 鳥羽 律司
要約 目的
スルーホール内に均一なめっき層が形成でき、かつ必要以上の厚さの銅めっき層が基板表層に析出せずに均一なめっき層が形成でき、その上にめっき液中に生じる銅粉やごみなどがプリント基板に付着するのを防止できる無電解めっき方法及び装置を提供すること。

構成
循環するめっき液中の金属イオンを還元剤の作用により還元してプリント基板上に析出させることにより該プリント基板上にめっきを施す無電解めっき方法において、無電解めっき槽内に懸架されて多数並べられた前記プリント基板に対して該めっき槽内下方から多数の微細気泡からなる気泡流を供給するとともに、前記めっき槽に設けたオーバーフロー堰により前記めっき液の外部循環量に対し内部循環量を5〜10%に調整することを特徴とした無電解めっき方法及びその装置。
特許請求の範囲
【請求項1】 循環するめっき液中の金属イオンを還元剤の作用により還元してプリント基板上に析出させることにより該プリント基板上にめっきを施す無電解めっき方法において、無電解めっき槽内に懸架されて多数並べられた前記プリント基板に対して該めっき槽内下方から多数の微細気泡からなる気泡流を供給すると共に、前記めっき槽に設けたオーバーフロー堰により前記めっき液の外部循環量に対し内部循環量を5〜10%に調整することを特徴とした無電解めっき方法。
【請求項2】 循環するめっき液中の金属イオンを還元剤の作用により還元してプリント基板上に析出させることにより該プリント基板上にめっきを施す無電解めっき装置において、無電解めっき槽内に前記プリント基板を多数並べて懸架し、該プリント基板に対して該めっき槽内下方から多数の微細気泡からなる気泡流を供給する複数のエアレーションパイプを外部循環流路から該めっき槽へ戻るめっき液供給口より上の位置に設け、かつ該めっき槽の外部循環用オーバーフロー堰より低い内部循環用オーバーフロー堰を設けたことを特徴とする無電解めっき装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプリント基板上にめっきを施すための無電解めっき方法及び装置に係り、特に、プリント基板の上面と下面の回路の間にあけられた小孔(スルーホール)を銅めっきで導通させるスルーホールめっきに最適な無電解めっき方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、無電解めっき法(化学めっき方法)は、金属塩、還元剤、pH調整剤、錯化剤及び安定剤等の成分を含むめっき液中に被めっき物を浸潰し、前記金属塩のイオンを還元剤の作用によって被めっき物上に析出させるようにしたものである。
【0003】この無電解めっき法は、電気めっき法に比較して析出が均一に行われるので欠陥が少なく、硬度、耐食性、耐摩耗性、磁気特性、ハンダ付け性等に優れていると共に、整流器等が不要である等の利点を有しているために、近年多くの分野で用いられるようになってきている。例えば、電子デバイス製造分野においては、ガラス基板やセラミック基板上に形成された透明導電膜(ITO膜、酸化インジウム膜、酸化スズ膜等)上に金めっきを施す場合の下地材等に利用されている。
【0004】ところで、無電解銅めっき法(化学銅めっき方法)は、プラスチックの下地めっきとしても使われるが、無電解銅めっき法では小孔の内面に所定のめっき層を形成できるので、現在ではプリント基板の製造に不可欠なものとなっている。今後プリント配線板に高密度化が要求された場合、多層化、小径化のいずれの手段を用いても、板厚/孔径比、すなわちアスペクト比は従来のプリント基板のアスペクト比に比べ2倍以上となる。
【0005】そのため従来の無電解銅めっき法を用いた場合には、スルーホール内へのめっきつきまわり性が極端に低下してしまい、スルーホール内に均一なめっき層を形成することが困難となる。
【0006】そこで、無電解銅めっき法を用いた場合において、スルーホール内に均一なめっき層を形成することを目的とした発明には、特開昭59−161895号公報、特開昭63−83282号公報、特開昭63−312983号公報、特開平1−263278号公報などに開示されたものがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特開昭59−161895号公報に開示された発明は、温度および濃度が一定の無電解銅めっき液をめっき槽中の基板に対して平行に流すことにより基板全面におけるめっき液の流速を均等にし、これにより基板全面におけるめっき液の温度および濃度分布を平均化して、スルーホール内のめっき槽を均一の厚さに形成しようとするものである。
【0008】また、特開昭63−83282号公報に開示された発明は、酸化銅添加により硫酸ナトリウムが化学銅めっき液中に蓄積するのを防止し、めっき液の寿命延長を可能ならしめる銅イオン補給方法を確立し、併せて槽壁への銅異常析出や液の分解を防止する円滑な銅イオン補給方法である。
【0009】また、特開昭63−312983号公報に開示された発明は、微細回路を有するアディティブ法プリント配線板の無電解銅めっき法として、めっき液中に気泡径0.5mm以下の酸素含有ガスを分散して、無電解銅めっき槽内の溶存酸素濃度を局所的に均一かつ一定に保ち、微細かつ高密の配線パターンのめっきを行う際のめっき反応の停止やめっきの異常な析出を抑制しようとするものである。
【0010】また、特開平1−263278号公報に開示された発明は、従来のめっき液にはめっき作業中、あるいは保存中に、わずかずつ分解反応が進行して1〜2週間後にはめっき槽壁等への銅の析出が著しくなることがあるので、これらを防ぐために自己分解反応を抑制し、安定性を向上せしめ、長期にわたって支障なく使用することができ、しかもすぐれためっき皮膜を形成し得る無電解銅めっき液を提供しようとするものである。
【0011】しかしながら、上記公報に開示された発明は、いずれも循環するめっき液の外部循環流量と内部循環流量との割合やその流速については全く配慮されていなかったために、従来の無電解銅めっき法を用いた場合には、めっき液の攪拌が均一になされずに、5μm/hr程度の析出速度の場合でも膜厚が一様にならないし、プリント基板のスルーホール内の液の流れが悪くハイアスペスト比の基板では表面に比べスルーホール内の膜厚が薄くなる欠点があり、まためっき液の循環が完全でないためにめっき槽内で液が滞留する部分が発生し、その液が滞留する部分でめっき液中に生じる銅粉やごみなどがプリント基板に付着して、その表面にざらつきが発生するという問題があった。
【0012】そこで、本発明者らが無電解めっき槽内の循環するめっき液を均一になるように外部循環流と内部循環流を形成させ、その割合やその流速に着目して研究を重ねた結果、それらの流量の割合やその流速を特定の値にし、かつ気泡流を併用することによって、スルーホール内に均一なめっき層が形成でき、さらにめっき液中に生じる銅粉やごみなどがプリント基板に付着するのを防止でき、表層回路の高密度化が可能となることが判った。
【0013】本発明は上記知見に基づくものであり、無電解めっき槽内の循環するめっき液の外部循環流量と内部循環流量との割合やその流速を特定の値に保ち、かつ気泡流を併用することによって、スルーホール内に均一なめっき層が形成でき、かつ必要以上の厚さの銅めっき層が基板表層に析出せずに均一なめっき層が形成でき、その上にめっき液中に生じる銅粉やごみなどがプリント基板に付着するのを防止できて、表層回路の高密度化が可能となる無電解めっき方法及び装置を提供することを目的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を達成するために、循環するめっき液中の金属イオンを還元剤の作用により還元してプリント基板上に析出させることにより該プリント基板上にめっきを施す無電解めっき方法において、無電解めっき槽内に懸架されて多数並べられた前記プリント基板に対して該めっき槽内下方から多数の微細気泡からなる気泡流を供給すると共に、前記めっき槽に設けたオーバーフロー堰により前記めっき液の外部循環量に対し内部循環量を5〜10%に調整することを特徴とした無電解めっき方法である。
【0015】また、本発明は循環するめっき液中の金属イオンを還元剤の作用により還元してプリント基板上に析出させることにより該プリント基板上にめっきを施す無電解めっき装置において、無電解めっき槽内に前記プリント基板を多数並べて懸架し、該プリント基板に対して前記めっき槽内下方から多数の微細気泡からなる気泡流を供給する複数のエアレーションパイプを外部循環流路から該めっき槽へ戻るめっき液供給口より上の位置に設け、かつ該めっき槽の外部循環用オーバーフロー堰より低い内部循環用オーバーフロー堰を設けたことを特徴とする無電解めっき装置である。
【0016】
【作用】次に、本発明の作用について説明すると、めっき液の入った無電解めっき槽に外部循環用オーバーフロー堰よりも低い内部循環用オーバーフロー堰を設け、一方多数の微細気泡からなる気泡流を供給する複数のエアレーションパイプをめっき液が清浄化されて外部循環流路からめっき槽へ戻るめっき液供給口より上の位置に設けてエアレーションを行ない、同時に槽内のめっき液をポンプ装置により循環させながら前記めっき液中にプリント基板を多数並べて懸架する。そして、めっき液の循環用ポンプ装置を調節して、めっき槽に設けた外部循環用オーバーフロー堰を越えて外部循環流路へ流れるめっき液の量に対して、内部循環用オーバーフロー堰を越えて内部循環流路内からめっき槽内へ戻るめっき液の量が5〜10%になるように調整する。この結果、めっき液中に生じる銅粉やごみなどがプリント基板に付着せず、またスルーホール内に均一なめっき層が形成さる。
【0017】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本実施例の縦断面図であり、図2はその上面図である。本実施例はめっき液を満たした無電解めっき槽1内に外部循環用オーバーフロー堰2を設け、この外部循環用オーバーフロー堰2よりも低い内部循環用オーバーフロー堰3をその内側に設け、外部循環用オーバーフロー堰2を越えためっき液は、循環ポンプ4に連通した外部循環流路5に導かれ、循環ポンプ4によってフィルター6を通った後、前記めっき槽1へ戻る外部循環戻り流路7のめっき液供給口8からめっき槽の底部に循環される。また内部循環用オーバーフロー堰3と外部循環用オーバーフロー堰2との間で形成される内部循環流路9に内部循環用オーバーフロー堰3を越えためっき液が流れ込む。
【0018】また一方、図示しない圧縮機によって造られた圧搾空気により多数の微細気泡からなる気泡流を発生させるための複数のエアレーションパイプ10を上記めっき槽1の底部で、めっき液がめっき槽1へ戻る外部循環戻り流路7のめっき液供給口8より上の位置に設ける。なお、本実施例においては前記外部循環流路5と外部循環戻り流路7とはそれぞれ3本ずつとしてある。
【0019】次に、本実施例の効果を確かめるために行った基礎実験について説明する。第1の実験は、内外循環用オーバーフロー堰を設けた場合において、無電解めっき槽1内のめっき液の流れを均一にするために無電解めっき槽1内に設ける2つのオーバーフロー堰の高さに関する相互関連性を調べた実験である。なお、この実験には透明な実験槽を作成して観察した。図3は内外循環用オーバーフロー堰2,3の高さを等しくした場合のめっき液の流れの状況を示しており、無電解めっき槽1内のめっき液の流れは良いが、液面が2つのオーバーフロー堰2,3の間で段ができ、無電解めっき中にめっき槽内に生じる銅粉やごみなどの排出にはやや問題がある。
【0020】図4は内循環用オーバーフロー堰3を外循環用オーバーフロー堰2より高くした場合のめっき液の流れの状況を示しており、この場合には液面が2つのオーバーフロー堰2,3の間で段ができ、しかも内部循環流路9内に逆流が発生したために無電解めっき槽1内のめっき液の流れに停滞や逆流が発生し、無電解めっきには適さないことが判った。
【0021】図5は内循環用オーバーフロー堰3を外循環用オーバーフロー堰2より低くした場合のめっき液の流れの状況を示しており、この場合には液面が平らに形成され、無電解めっき槽1内のめっき液の流れが良好で、めっき液の流れに停滞や逆流が発生しにくいことが判った。この場合には液面が平らで2つのオーバーフロー堰2,3の間にも段ができないため、無電解めっき中にめっき槽内に生じる銅粉やごみなどの排出も良好であった。
【0022】第2の実験は、内外循環用オーバーフロー堰を設けた場合に無電解めっき槽1内に設けるエアレーションパイプの位置についての実験であり、外部循環戻り流路7のめっき液供給口8に対するエアレーションパイプ10の位置に関する相互関連性を調べた実験である。図6は戻り流路7のめっき液供給口8に対してエアレーションパイプ10を低く設けた場合のめっき液の流れの状況を示しており、この場合にはめっき槽1に供給されためっき液はエアレーションパイプ10からのエアレーションの上昇力が強すぎてめっき槽1の奥まで届かないために、槽1内のめっき液の流れは均一にならないことが判った。
【0023】図7は戻り流路7のめっき液供給口8とエアレーションパイプ10とを同じ高さに設けた場合のめっき液の流れの状況を示しており、この場合にもめっき槽1に供給されためっき液はエアレーションパイプ10からのエアレーションの上昇力が強すぎてめっき槽1の奥まで届かないために、槽1内のめっき液の流れは均一にならないことが判った。
【0024】図8は戻り流路7のめっき液供給口8に対してエアレーションパイプ10を高く設けた場合のめっき液の流れの状況を示しており、この場合にはめっき槽1に供給されためっき液はエアレーションパイプ10の下を通ってめっき槽1の奥まで届くために、槽1内のめっき液の流れは均一に上昇することが判った。
【0025】次に、以上の第1および第2の基礎的実験結果を基として本発明の効果を明らかにするための実験について説明する。図9は本発明の実施例を示しており、図10は比較例を示している。本実験に使用しためっき液はKC−500(日鉱)であり、その内容はCuSO4・5H2O 10g/l,EDTA 28g/l,ホルマリン 2ml/l,PH 12.5,添加剤 適量であり、 めっき液温は72℃に設定した。
【0026】図9に示した本実施例はめっき槽1内に多数のプリント基板11を上から懸架して設置し、内循環用オーバーフロー堰3を外循環用オーバーフロー堰2より低くしてめっき槽1の外部循環用オーバーフロー堰2を越えて外部循環流路5へ流れるめっき液の量に対して、内部循環用オーバーフロー堰3を越えて内部循環流路9内からめっき槽内へ戻るめっき液の量が5〜10%になるように外循環用オーバーフロー堰2の高さより内循環用オーバーフロー堰3の高さを10cm低く調整した。また外部循環流路5から戻るめっき液の量を毎分750リッタとし、戻り流路7のめっき液供給口8の高さに対して、エアレーションパイプ10を高い位置に設置し、図示しない圧縮機により圧搾空気を送り、エアレーションを行った。
【0027】一方、図10に示す比較例は従来のめっき槽を使用し、本実施例と同様にめっき槽1内に多数のプリント基板11を上から懸架して設置し、図の右側からめっき液を入れ、図の左側から排出させて循環させた。また、エアレーションパイプ10はめっき槽の底部近くに設置して図示しない圧縮機により圧搾空気を送り、エアレーションを行った。本実施例と比較例との上記実験結果を表1に示す。
【0028】
【表1】

【0029】上記表1中のスローイングパワーとはプリント基板の表面に形成されるめっき膜の厚さaとスルーホール内のめっき膜の厚さbとの比であり、すなわちスローイングパワー=b/a×100で示されるものであるから、この値は高い方がよい。また表面の膜厚差とはプリント基板の表面に形成されるめっき膜の最大値と最小値との差であるから、これは低い方がより均一なめっき層が形成されたことになる。また、比較例ではめっき液の循環による液の上昇のほかにエアーによるめっき液の巻き上げがかなり多く、この巻き上げられためっき液は行き場所を失い、槽の底方向に移動し、液溜りとなることが観察された。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、めっき液の入った無電解めっき槽に外部循環用オーバーフロー堰よりも低い内部循環用オーバーフロー堰を設け、多数の微細気泡からなる気泡流を供給する複数のエアレーションパイプをめっき液が清浄化されて外部循環流路からめっき槽へ戻るめっき液供給口より上の位置に設け、外部循環用オーバーフロー堰を越えて外部循環流路へ流れるめっき液の量に対して、内部循環用オーバーフロー堰を越えて内部循環流路内からめっき槽内へ流れるめっき液の量が5〜10%になるように調整するから、めっき槽内のめっき液の流れが槽内のどこでも一定流速になるためスルーホール内に均一なめっき層が形成でき、かつ必要以上の厚さの銅めっき層が基板表層に析出せずに均一なめっき層が形成でき、しかもめっき液中に生じる銅粉やごみなどがエアーとともに浮上し、外部循環流路内に流れフィルターによって捕獲されてプリント基板に付着するのを防止できる効果がある。




 

 


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