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発明の名称 半導体発光装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−97598
公開日 平成6年(1994)4月8日
出願番号 特願平4−244497
出願日 平成4年(1992)9月14日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 大歳 創 / 右田 雅人 / 高井 厚志
要約 目的
室温連続発振が可能な緑色や青色の光を発する半導体レーザを提供する。

構成
例えば、p−GaAsとp−ZnSeの間に、GaAsとZnSeで構成される超格子を導入する。あるいは、p−GaAsとp−ZnSeの間に、Iny(Ga1-xAlx1-yP(0≦x≦1,0≦y≦1)の中間層を導入する。
特許請求の範囲
【請求項1】少なくとも、p型伝導型のIII −V族化合物半導体1とp型伝導型のII−VI族化合物半導体2とから成り、上記半導体1がp型電極と接触した構造において、実効的な禁制帯幅が上記半導体1と上記半導体2の間で徐々に変化するように、両者の間に超格子を設けたことを特徴とする半導体発光装置。
【請求項2】上記第1半導体がGaAs、上記第2半導体がZnSxSe1-x(0≦x≦1)であり、また上記超格子がGaAsとZnSxSe1-x(0≦x≦1)で構成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体発光装置。
【請求項3】少なくとも、p型伝導型のIII −V族化合物半導体1とp型伝導型のII−VI族化合物半導体2とから成り、上記半導体1がp型電極と接触した構造において、上記半導体1の禁制帯幅Eg1と上記半導体2の禁制帯幅Eg2の間の禁制帯幅Eg3(Eg1<Eg3<Eg2)をもつ半導体中間層を、上記半導体1と上記半導体2の間に1層以上設けたことを特徴とする半導体発光装置。
【請求項4】上記半導体中間層がIny(Ga1-xAlx1-yP(0≦x≦1,0≦y≦1)であることを特徴とする請求項3記載の半導体発光装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体発光装置に係り、特に緑色もしくは青色の光を発する半導体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体レーザは、InxGa1-xyAs1-y/GaAs,GaxAl1-xAs/GaAs及びInAl1-xP/InyGa1-yP(0<x,y<1)等のIII −V族化合物半導体材料よりなるダブルヘテロ接合構造で構成され、その発振波長は赤外から赤色可視域に限られている。
【0003】これに対して、黄橙色,緑色,青色の短波長可視域や紫外領域に発振波長を有する半導体レーザが実用化されれば数多くの利点が有る。例えば、青色半導体レーザは、光ディスクに利用する際、記録密度を上げることができるほか、紫外から緑にかけての半導体レーザは光プリンターの高感度化を可能にする。また、短距離通信用に注目されているプラスチック光ファイバーは、赤外領域に強い損失を有し、550nm付近に低損失領域が存在するので、緑色半導体レーザは、短距離通信用光源としても注目されている。また紫外半導体レーザは、蛍光体励起光源,感光性材料を用いたプロセス技術や研究用光源としての応用も考えられる。このように0.5μm 帯よりも短波の可視光半導体レーザは、数多くの利点を有し、その実用化が強く望まれている。
【0004】活性層にII−VI族化合物半導体を有するキャリア注入型の半導体レーザにおいて、GaAs上にZnSeを直接形成する構造はアプライド・フィジクス・レターズ第59巻(第11号)1272〜1274頁(1991年)で報告されている。
【0005】また、III −V族化合物半導体を用いたアバランシェフォトダイオード(APD)において、キャリアのパイルアップを防ぐため、InPとInGaAsの間に、禁制帯幅が徐々に変化したInP/InGaAs超格子を設ける構造は、アプライド・フィジクス・レターズ第45巻(第11号)1193〜1195頁(1984年)に開示されている。
【0006】さらに、同じようにAPDでのパイルアップを防ぐため、InPとInGaAsの間に、両者の中間の禁制帯幅を有するIn1-xGaxAsy1-yの中間層を設ける構造は、アプライド・フィジクス・レターズ第51巻(第18号)1454〜1456頁(1987年)で報告されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】p型GaAs基板上にp−ZnSeもしくはp−ZnSSeを直接形成する注入型のII−VI族半導体レーザでは、直列抵抗が極めて高くなってしまう。これは、GaAs/ZnSe間もしくはGaAs/ZnSSe間の価電子帯側のバンドオフセットΔEVが大きいからである。
【0008】本発明の目的は、上記問題を解決し、室温連続発振が可能なII−VI族半導体レーザを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、少なくとも、p型伝導型のIII −V族化合物半導体1とp型伝導型のII−VI族化合物半導体2とから成り、上記半導体1がp型電極と接触した構造において、実効的な禁制帯幅が上記半導体1と上記半導体2の間で徐々に変化するように、両者の間に超格子を設けたことを特徴とする半導体発光装置を考案した。
【0010】また、本目的は、上記第1半導体をGaAs、上記第2半導体をZnSxSe1-x(0≦x≦1)とし、また上記超格子をGaAsとZnSxSe1-x(0≦x≦1)で構成することで効果的に達成できる。
【0011】さらに、上記目的を達成する他の構造として、少なくとも、p型伝導型のIII−V族化合物半導体1とp型伝導型のII−VI族化合物半導体2とから成り、上記半導体1がp型電極と接触した構造において、上記半導体1の禁制帯幅Eg1と上記半導体2の禁制帯幅Eg2の間の禁制帯幅Eg3(すなわちEg1<Eg3<Eg2)をもつ半導体中間層を、上記半導体1と上記半導体2の間に1層以上設けたことを特徴とする半導体発光装置を考案した。
【0012】また、本目的は、上記半導体中間層がIny(Ga1-xAlx)1-yP(0≦x≦1,0≦y≦1)であることを特徴とする半導体発光装置で効果的に達成できる。
【0013】
【作用】図3は、従来のII−VI族半導体レーザの断面模式図である。本構造では、p−ZnSe37に対し、直接Auのp型電極39を設けている。しかし、ZnSeは禁制帯幅が2.67eV 程度と大きいため、オーム性接触が得られておらず、接触抵抗は極めて高いものになっている。従って、電流注入による発熱量が大きく、室温連続発振が困難であった。
【0014】一方、図4は、p型GaAs基板を用いた、従来のII−VI族半導体レーザの断面模式図である。この構造では、p型GaAs基板1に対しp型電極11を設けているため、オーム性接触が得られている。しかし、p−GaAsバッファ層2とp−ZnSe層4の間において、価電子帯側のバンド不連続値ΔEV が約1eVもあるため、正孔の注入が阻害されている。すなわち、p−GaAsバッファ層2とp−ZnSe層4の間に極めて大きな抵抗が存在することになり、図3の場合と同様に、電流注入による発熱量が大きくなり、室温連続発振は難しい。
【0015】本発明の構造では、図1に示してある通り、p−GaAsバッファ層2とp−ZnSe層4の間の抵抗を低減するために、両層の間に超格子3を導入している。この超格子は、図2のエネルギーバンド図に示すように、p−GaAs21とp−ZnSe22を交互に8周期形成したものである。各層の膜厚は、p−GaAsバッファ層2に接触した側(図の左側)から、p−ZnSe4に接触した側(図の右側)へ、禁制帯幅が徐々に変化するように決めている。この例では、1周期の厚さを45Åに固定し、5Å〜40Åの間で5Åピッチで厚さを変化させた。従って、この超格子は、GaAsとZnSeを擬似的に混晶したものとみなすことができる。本発明の構造では、p−GaAsバッファ層2からp−ZnSe層4へ正孔をスムーズに注入できるため、直列抵抗が低く、室温連続発振が可能になる。
【0016】また、図5は、p−GaAsバッファ層2とp−ZnSe層4の間に、p−GaInP層51とp−AlInP層52の2つの中間層を設けた例である。ここで、GaInP,AlInPともにGaAsに格子整合するように混晶比を設定している。この場合、GaAs/GaInP界面の価電子帯側のバンド不連続値ΔEVは0.30eV、GaInP/AlInP界面のΔEVは0.32eV、そしてAlInP/ZnSe界面のΔEVは0.38eVと見積もることができる。このように、従来構造(図4)では、GaAs/ZnSeの単一の界面に1.0eVのΔEV があったのに対し、本構造では三つの界面にそのバンド不連続値が分散されている。従って、p−GaAsバッファ層2からp−ZnSe層4への正孔の注入が容易になるため、直列抵抗が低く、室温連続発振が可能になる。
【0017】
【実施例】実施例1本発明の第1の実施例を図1および図2を用いて説明する。まず、本発明の半導体レーザの作製方法について述べる。
【0018】p−GaAs(100)面の基板1上に、有機金属分子線エピタキシ法により、p−GaAsバッファ層2(アクセプタ濃度NA=1×1018[/cm3],厚さ2.0μm)およびp−GaAs/p−ZnSe8周期から成る超格子3,p−ZnSe層4(NA=5×1017[/cm3 ],厚さ0.04μm)を順次形成する。ここで、超格子の構造は図2に示した通りであり、p−GaAs21のアクセプタ濃度NAは1×1018[/cm3]、p−ZnSe22のNAは5×1017[/cm3 ]とする。また、各層の膜厚は、p−GaAsバッファ層2に接触した側(図の左側)から、p−ZnSe4に接触した側(図の右側)へ、禁制帯幅が徐々に変化するように決めている。この例では、1周期の厚さを45Åに固定し、5Å〜40Åの間で5Åピッチで厚さを変化させた。すなわち、図2において、ZnSe/GaAsの厚さは、左側から(5Å/40Å),(10Å/35Å),(15Å/30Å),(20Å/25Å),(25Å/20Å),(30Å/15Å),(35Å/10Å),(40Å/5Å)である。
【0019】続いて、p−ZnS0.07Se0.93層5(NA=5×1017[/cm3],厚さ2.0μm),Cd0.2Zn0.8Se活性層6(アンドープ,厚さ100Å),n−ZnS0.07Se0.93層7(ドナー濃度ND=1×1018[/cm3 ],厚さ2.0μm),n−ZnSe層8(ドナー濃度ND=1×1018[/cm3],厚さ0.04μm)、を順次形成する。なお、ドーパントとしては、p型層には窒素、n型層には塩素を用いた。次に、SiO2 の絶縁膜9をCVD法で設け、通常のエッチング法で幅15μmのストライプを形成する。最後に、蒸着法を用いてn型電極10とp型電極11を形成することにより、図1に示す実施例の半導体レーザ装置を作製する。
【0020】上記実施例の装置において、40℃での連続発振が可能であり、光出力10mWが得られる。従来は、パルス動作のみ可能であり、最大動作温度は5℃程度の低温に限られていた。
【0021】実施例2本発明の第2の実施例を図5を用いて説明する。まず、本発明の半導体レーザの作製方法について述べる。
【0022】p−GaAs(100)面の基板1上に、有機金属分子線エピタキシ法により、p−GaAsバッファ層2(アクセプタ濃度NA=1×1018[/cm3],厚さ2.0μm)およびp−Ga0.5In0.5P層51(NA=1×1018[/cm3 ],厚さ0.1μm),p−Al0.5In0.5P層52(NA=1×1018[/cm3 ],厚さ0.1μm)を順次形成する。続いて、p−ZnSe層4(NA=5×1017[/cm3],厚さ0.04μm),p−ZnS0.07Se0.93層5(NA=5×1017[/cm3],厚さ2.0μm),Cd0.2Zn0.8Se活性層6(アンドープ,厚さ100Å),n−ZnS0.07Se0.93層7(ドナー濃度ND=1×1018[/cm3],厚さ2.0μm),n−ZnSe層8(ドナー濃度ND=1×1018[/cm3],厚さ0.04μm)、を順次形成する。次に、SiO2の絶縁膜9をCVD法で設け、通常のエッチング法で幅15μmのストライプを形成する。最後に、蒸着法を用いてn型電極10とp型電極11を形成することにより、図5に示す実施例の半導体レーザ装置を作製する。
【0023】上記実施例の装置において、30℃での連続発振が可能であり、光出力10mWが得られる。
【0024】なお本発明は、実施例に示した以外の構造にも有効である。例えば、第2の実施例で示した中間層であるGaInPやAlInP以外にも、Iny(Ga1-xAlx1-yP(0≦x≦1,0≦y≦1)の4元系化合物も適用できる。また、必ずしもGaAs基板に格子整合している必要はなく歪み系でもよい。また、混晶比を厚さ方向でグレーデッドに変化させた構造も効果がある。さらに、第1の実施例と第2の実施例を組み合わせた構造、例えば第2の実施例において、GaInP/AlInP界面にさらにGaInPとAlInPから成る超格子を用いることもできる。
【0025】また、本発明は、実施例で示したレーザ構造に限らず、様々な半導体レーザ、例えば分布帰還型レーザ,ブラッグ反射型レーザ,波長可変型レーザ,外部共振器付きレーザ,面発光型レーザ等にも適用できる。
【0026】さらに、本発明は、半導体レーザに限らず、電流注入を必要とする各種の半導体装置、例えば発光ダイオード(LED),光変調器,光スイッチ等にも適用できる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、直列抵抗を大幅に低減できるので、緑色もしくは青色の光を発する半導体レーザの室温連続発振が可能になる。これにより高密度光ディスク用光源,緑色や青色のLEDの代替光源,高感度レーザプリンタ用光源,ディスプレイ用光源などに適用できる半導体レーザ装置が提供できる。




 

 


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