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発明の名称 半導体レーザ素子
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−97580
公開日 平成6年(1994)4月8日
出願番号 特願平4−246171
出願日 平成4年(1992)9月16日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 中塚 慎一 / 内田 憲治 / 矢野 振一郎
要約 目的
焦点位置を光出力と独立に制御可能な半導体レーザ素子をあたえる。

構成
半導体レーザのストライプ構造をMOCVD法による選択成長により光導波路及び電流狭搾を行う構造とし、光導波路の形成後選択成長マスクをサイドエッチングにより細くする。この構造の端面領域のみ素子全体とは独立に電流注入量を変調できるように電極を形成する。
特許請求の範囲
【請求項1】少なくとも半導体結晶により構成された通電により光利得を発生し、光を導波する機能を有するストライプ状の構造と、該構造に光を反射する反射体を有する半導体レーザにおいて、該ストライプ状の構造の少なくともレーザが出射する位置の近傍においては該ストライプ状の構造により形成される光導波路の断面内において電流注入が均一にならないような電流阻止構造を有する変調領域を持ち、且つ該変調領域への電流注入が半導体レーザ全体への電流注入と独立に制御できることを特徴とした半導体レーザ素子。
【請求項2】上記電流阻止構造はストライプ状導波路の両側に設けられており、導波路の中央部分のみに電流注入を行う請求項1記載の半導体レーザ素子。
【請求項3】上記電流阻止構造は素子端部で拡がったストライプ状導波路の中央部分のみに電流注入を行う請求項1記載の半導体レーザ素子。
【請求項4】上記導波路の中央部と独立にその周辺部に電流を注入する請求項3記載の半導体レーザ素子。
【請求項5】上記電流阻止構造はストライプ状導波路の中央に設けられており、導波路の外側にのみに電流注入を行う請求項1記載の半導体レーザ素子。
【請求項6】上記変調領域とレーザ光出射位置の間に一定距離の均一な電流注入を持つ領域を有する請求項1記載の半導体レーザ素子。
【請求項7】上記半導体レーザの活性層は多重量子井戸構造となっており、上記変調領域において該多重量子井戸構造を構成する層のうち少なくとも光利得に直接寄与する層が変調領域以外の領域に比べ薄くなっている請求項1記載の半導体レーザ素子。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザビームプリンタ等の光源として使用する焦点位置が可変の半導体レーザに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の焦点可変レーザは図12に示すようなものであった。(S.Mukai他 Appl.Phys. Lett. 46(9)(1985))本構造は半導体レーザの端面近傍にホトレジストによる電流阻止構造を設け、ストライプ内の電流不均一により発生する屈折率の変化を利用してレーザ光の波面を曲げ実効的な焦点位置を変化して光収束効果を得るものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の焦点可変半導体レーザにおいては、焦点位置の変化を引き起こす屈折率の変化は半導体レーザ全体に注入される電流により引き起こされるので焦点位置を光出力と独立に制御することはできなかった。このため、レーザビームプリンタ等への応用において出力一定のもとでレーザビームの焦点を変化する必要がある場合等には使用できなかった。また、従来構造の電流阻止構造はホトリソグラフ技術によりストライプ内での位置を合わせる必要が有り、精度の良い位置制御が難しいという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記従来の技術の問題点を解決するため本発明においては半導体レーザのレーザ光が出射する位置の近傍において、光導波路の断面内において電流注入が均一にならないような電流阻止構造を形成し、且つこの領域への電流注入が半導体レーザ全体と独立に制御できるようにすることを考案した。このような電流阻止構造はストライプ状導波路の両側に設け、導波路の中央部分のみに電流注入を行うものおよび、ストライプ状導波路の中央に設け導波路の外側にのみに電流注入を行う構造いずれも可能である。また、本発明の電流阻止構造はレーザストライプ形成時の選択成長マスクを利用して形成できるため、自己整合的な位置合わせが可能である。また、変調領域とレーザ光出射位置の間に一定距離の均一な電流注入を持つ領域を形成することによりレーザビームの近視野像を変調する構造も可能であった。さらに、より良好な変調特性を得るため半導体レーザの活性層を多重量子井戸構造とし、変調領域において多重量子井戸構造のウエル層を変調領域以外の領域に比べ薄くすることも合わせて考案した。
【0005】
【作用】本構造に依れば半導体レーザの端面近傍においてレーザストライプの一部に電流注入を阻止する電流ブロック層が形成されるため電流注入によりレーザストライプ内部に屈折率分布を形成できる。この時の電流ブロックは電極とは独立に行われるため、素子全体を駆動する電流とは独立に端面領域に電流注入を行うことにより光出力と焦点を独立に制御できる。しかも、本発明の場合微細な電流注入の制御を電極によって行う必要がないので素子最上部のコンタクト層を厚くでき素子の接触抵抗を下げる働きもある。レーザストライプ中央に非通電部分を設けた場合は、端面領域に通電することにより光を収束する方向の屈折率変化をあたえ、レーザストライプの中央のみに通電を行う構造とした場合は端面領域に通電することにより光を広げる方向の屈折率変化をあたえることができる。
【0006】さらに、量子井戸活性層において半導体の選択成長を利用して端面近傍の井戸層の厚さを薄くすることにより禁制帯幅を広くすれば端面領域の電流注入が素子全体の発光強度におよぼす影響を最低限に抑えることが可能となる。また、電流ブロック層としてAlGaAsなどのレーザ光に対し透明な半導体層を用いることにより、より活性層に近い位置で電流狭策ができるようになるのでさらに強い焦点制御効果が得ることができる。
【0007】
【実施例】実施例1本発明第1の実施例を図1に従い説明する。本構造ではまずn−GaAs基板1上にn−Al0.5Ga0.5Asクラッド層2,多重量子井戸活性層3,p−Al0.5Ga0.5Asクラッド層4,p−GaAsコンタクト層5を順次結晶成長した後、気相化学成長法を用いてSiO2 膜を形成し、その上にホトリソグラフ技術これを用いて約6μmのストライプ状のホトレジストパタンを形成する。多重量子井戸活性層3はAl0.1Ga0.9Asウエル層4層6とAl0.3Ga0.7Asバリア層5層7からなっている。次にこの構造にSiO2 膜を熱CDV法により設けホトレジストパタンをマスクとしてSiO2 膜,p−GaAsコンタクト層5及びp−Al0.5Ga0.5Asクラッド層4の一部をエッチングした後、さらにフッ酸系エッチング液によりSiO2 膜のみサイドエッチングを行い幅約3μmに加工する。ホトレジストマスクを取り除いた後、有機金属気相成長法によりn−GaAsブロック層8をSiO2 膜のない領域に選択的に成長した。素子の直列抵抗低減のため、SiO2 膜を除去した後p−Al0.5Ga0.5As埋込層9及びp−GaAsキャップ層10を形成した。次に、p−Al0.5Ga0.5As埋込層9及びp−GaAsキャップ層10に図1のような形状の溝を形成した後、ウエハの表面に図1のような主電極11と端部電極12の二つの領域に分離された電極を形成しレーザチップとした。主電極と端部電極を分離するための溝はAlGaAsの選択エッチングを用いることにより正確にAlGaAs層までエッチングを停止できる。本構造の断面構造を図2に示す。本構造の両電極に同一の電流密度の電流を流した場合、レーザストライプ内部に電流注入による屈折率の分布が発生し、レーザの波面が曲がるためいわゆる非点収差が発生する。一方、端部電極の通電量を少なくすると端部において波面を曲げていた電流注入による屈折率の分布がなくなるため非点収差が小さくなる。これにより、半導体レーザの焦点の位置を電流により制御することが可能となる。
【0008】実施例2本発明第2の実施例を図3,図4に従い説明する。本構造ではまずn−GaAs基板1上にn−Al0.5Ga0.5Asクラッド層2,多重量子井戸活性層3,p−Al0.5Ga0.5Asクラッド層4,p−GaAsコンタクト層5を順次結晶成長した後、気相化学成長法を用いてSiO2 膜を形成し、ホトリソグラフ技術を用いてSiO2 膜を図3(a)のような形状に加工する。次に、再びホトリソグラフ技術を用いて図3(a)の電流ブロック領域14にホトレジスト膜を設けた後、p−GaAsコンタクト層5及びp−Al0.5Ga0.5Asクラッド層4の一部をエッチングした。次に、有機金属気相成長法によりn−GaAsブロック層8をSiO2膜のない領域に選択的に成長し、素子の直列抵抗低減のため、SiO2膜を除去した後p−Al0.5Ga0.5As埋込層9及びp−GaAsキャップ層10を形成した。次に、p−Al0.5Ga0.5As埋込層9及びp−GaAsキャップ層10に図3(b)のような形状の溝11を形成した後、ウエハの表面に図3(b)のような主電極12と端部電極13の二つの領域に分離された電極を形成しレーザチップとした。本構造の端面領域及び素子中央領域の断面構造は図4(a)(b)のようになった。本構造の両電極に同一の電流密度の電流を流した場合、レーザストライプの中央部に電流注入が行われないためストライプ中央部の屈折率が大きくなり、レーザ光を収束する効果が発生する。一方、端部電極の通電量を少なくすると端部において光収束効果が消滅する。これにより、半導体レーザの焦点の位置を電流により制御することが可能となる。
【0009】実施例3本発明第3の実施例を図5に従い説明する。本構造ではまずn−GaAs基板1上にn−Al0.5Ga0.5Asクラッド層2,多重量子井戸活性層3,p−Al0.5Ga0.5Asクラッド層4,p−GaAsコンタクト層5を順次結晶成長した後、気相化学成長法及びホトリソグラフ技術を用いて図3(a)のようなSiO2 膜を形成し、これをマスクとしてp−GaAsコンタクト層5及びp−Al0.5Ga0.5Asクラッド層4の一部をエッチングした。次に、有機金属気相成長法によりn−Al0.5Ga0.5Asブロック層15を成長する。この場合、SiO2膜上にn−AlGaAsの析出が起こるがSiO2膜上のn−AlGaAsが薄くさらにAlAs組成が大きいため容易に化学的に除去することが可能であり、以降の工程は実施例2と同様に実行可能である。すなわち、素子の直列抵抗低減のため、SiO膜を除去した後p−Al0.5Ga0.5As埋込層11及びp−GaAsキャップ層12を形成し、次に、p−Al0.5Ga0.5As埋込層9及びp−GaAsキャップ層10に図3(a)のような形状の溝を形成した後、ウエハの表面に図3(b)のような主電極11と端部電極12の二つの領域に分離された電極を形成しレーザチップとした。本構造の端面領域及び素子中央領域の断面構造は図5(a)(b)のようになった。本構造の両電極に同一の電流密度の電流を流した場合、レーザストライプの中央部に電流注入が行われないためストライプ中央部の屈折率が大きくなり、レーザ光を収束する効果が発生する。一方、端部電極の通電量を少なくすると端部において光収束効果が消滅する。これにより、半導体レーザの焦点の位置を電流により制御することが可能となる。本構造の場合、電流ブロックの位置がより活性層に近接しているため電流の拡がりが小さく、より大きな光収束効果が得られる。
【0010】実施例4本発明第4の実施例を図6に従い説明する。本構造の作成工程は実施例2及び3と同様であるが光収束の効果によりレーザの近視野像の形状を変化させることが可能となる。本構造のストライプ形状は図6のようなものであり、レーザ端部にフレア状に拡がったストライプを有し、フレアの根本に実施例2あるいは3と同様の主電極とは別個に駆動可能なストライプ中央に電流ブロック構造を有する領域が存在する。この領域の電流を変調することによりフレア領域でのレーザビームの広がりが変化するので半導体レーザの近視野像を変調することが可能となる。
【0011】実施例5本発明第5の実施例を図7,8に従い説明する。本発明1〜4の実施例においては半導体レーザのストライプの一部を他の部分と異なる電流密度で駆動するため、この部分の駆動状態により素子全体の出力が変動する問題があった。そこでn−GaAs基板1上にあらかじめ図7(a)のようなSiO2 パタン17を設けておき、この上に実施例1から4と同様の結晶成長を行うことにより、駆動電流の変調を行う部分の活性層の厚さをその他の部分に比べて薄くすることによりレーザ光にたいしこの部分が光吸収も利得も持たず屈折率のみ変化する領域とすることを考案した。図8は本構造を本発明実施例2の構造に適応した例である。基板に幅約30μmのストライプ状の窓を有するSiO2 膜を設け、Al0.2Ga0.8Asバッファー層を成長した上に実施例1と同様の構造を形成した。ストライプ状のSiO2窓の領域に形成された結晶は、SiO2上の結晶析出速度が遅いため、SiO2 がまったくない領域に比べ成長速度が約50%早くなる。このため、この領域の多重量子井戸活性層の禁制帯幅が図8に示すように、SiO2 のまったくない変調領域に比べ狭くなり、この部分で発生したレーザ光が変調領域の電流注入にかかわらず利得も損失も受けなくなる。この結果、変調領域はレーザ光にたいし屈折率のみを変調する構造となり、光出力を変動させずにレーザの焦点位置のみを変調することが可能となった。
【0012】実施例6本発明第6の実施例として本発明第1の実施例と同様の構造においてレーザ光出射部分の近傍の導波路の形状を図9に示すようなフレア状の形状とした例を示す。本構造の場合、p−GaAsコンタクト層5までの結晶成長は実施例1と同様に行いフレア状の形状を持つストライプとその中央に位置するストライプよりも幅が狭くフレア構造をもたないSiO2 マスクを形成し、以下の選択成長工程を実施例1と同様に行う。この半導体レーザの端部に電流の注入を行わない場合にはレーザ光はフレア構造の中を拡がり発光スポット形状が大きくなるが、端部に通電を行った場合にはフレア構造の内側に利得導波による導波路が形成されるため発光スポット形状が小さくなり、端部の通電の有無によりスポット形状を制御可能となる。なお、本構造は端部の利得導波の有無によりスポット形状を制御するものであり端部のフレア形状の導波構造は必ずしも必要ないが、フレア構造の導波路を用いることによりスポット形状が拡がった状態で端面より反射した光がより効率良くレーザストライプに帰還ししきい電流を低減する効果がある。
【0013】実施例7本発明第7の実施例として本発明第6の実施例と同様の構造においてレーザ端部のフレア状の導波路の中央部に主電極11がつきだして、フレア中央部に電流を供給しており、フレア周辺部にこれと独立に電流を注入する端部電極11をもつ図10のような構造を試作した。主電極11と端部電極11の電器的分離はレーザストライプを(110)方向に形成し、両電極間に成長するp−GaAs結晶が(111)B面19上でとぎれるようにすることで容易に行なえる。半導体レーザのフレア周辺部に電流の注入を行った場合にはレーザ光はフレア構造の中を拡がり発光スポット形状が大きくなるが、端部に通電を行わない場合にはフレア構造の内側に利得導波による導波路が形成されるため発光スポット形状が小さくなり、端部の通電の有無によりスポット形状を制御可能となる。
【0014】実施例8以上本発明の実施例をAlGaAs系の材料を例にとって説明したが、同様の効果はいかなる材料を用いた半導体レーザにおいても実現可能である。本発明第8の実施例として実施例3と同様の構造をAlGaInP系の材料により形成した例を図11に示す。本構造の作成方法は実施例3と同様であり、実施例3と同様の焦点位置変調効果が得られた。
【0015】
【発明の効果】本発明によれば半導体レーザの出射ビームの焦点位置やビーム形状を電流注入により変調することが可能となり、高精彩レーザビームプリンタや光ディスクの自動焦点化のために有効である。




 

 


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