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発明の名称 配線の信頼性評価法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−97254
公開日 平成6年(1994)4月8日
出願番号 特願平4−242992
出願日 平成4年(1992)9月11日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 深田 晋一 / 工藤 一恵 / 峯村 哲郎
要約 目的


構成
配線の通電試験を異なる電流A,B(A<B,電流Aでの一回の通電時間Ta>電流Bでの一回の通電時間Tb)をA,Bの順に少なくとも一度試料に印加しておこない、試料の通電寿命Lsを通電により試料抵抗が試験開始時に比べ一定比率以上に上昇するまでの電流Aを通電した延べ時間とする。電流Aの通電に先立ち電流C(A<C,電流Aでの通電時間Ta>電流Cでの通電時間Tc)を通電し、この最初の電流Cの通電時に断線する試料を初期欠陥品として結果から除く。
特許請求の範囲
【請求項1】電流印加用端子及び試料抵抗測定用端子を試料両端に有し前記電流印加用端子間を通電部とする試料と前記試料に電流印加する電源端子間電圧を測定する電圧計により、異なる電流A,B(A<B,電流Aでの一回の通電時間Ta>電流Bでの一回の通電時間Tb)をA,Bの順に少なくとも一度前記試料に印加しながら試料抵抗の経時変化を測定し、通電により試料抵抗が一定比率以上に上昇するまでの時間を求めそのうち電流Aを通電した延べ時間Lsを前記試料の寿命とし、複数の試料の中で寿命に至る前記試料が一定比率以上発生するまでの時間を前記試料を構成する配線の寿命Lとすることを特徴とする配線の通電寿命評価法。
【請求項2】電流印加用端子及び試料抵抗測定用端子を試料両端に有し前記電流印加用端子間を通電部とする試料と、前記試料に電流印加する電源端子間電圧を測定する電圧計により、異なる電流A,B(A<B,電流Aでの通電時間Ta>電流Bでの通電時間Tb)をA,Bの順に前記試料に印加し、電流Bの通電後の試料抵抗を測定し、前記試料の抵抗が試験開始時に比べ一定比率以上上昇した場合に前記試料の寿命Lsを電流Aでの通電時間Ta以下、試料抵抗の上昇が一定比率未満の場合に前記試料の寿命Lsを電流Aでの通電時間Taより大きいとし複数の試料の中で寿命に至る試料が一定比率以上発生するまでの時間を前記試料を構成する配線の寿命Lとする配線の通電寿命評価法。
【請求項3】電流印加用端子及び試料抵抗測定用端子を試料両端に有し前記電流印加用端子間を通電部とする試料と、前記試料に電流印加する電源端子間電圧を測定する電圧計により、一定電流を印加しながら試料抵抗の経時変化を測定し、通電により試料抵抗が一定比率以上に上昇するまでの時間Lsを前記試料の寿命とする配線の通電寿命試験において、同一の組成及び断面構造を持ちながら前記試料の長さに依存して通電寿命が異なり少なくとも一部の長さ領域で試料が長くなるのに伴い通電寿命が長くなる傾向を有する配線に対し、前記試料の長さmの等しい複数の試料の通電寿命Lsのうち最短のものLt(m)を、mを短くする方向にLt(m)がmに依存せず一定値Lt0をとるまで変化させて測定し、Lt0をこの配線の配線長に依存しない寿命Loとすることを特徴とする配線の通電寿命評価法。
【請求項4】請求項1において、電流Aが直流,電流Bが一定周期を有するパルス電流であり、電流Bのピーク値Bp>直流A,電流Aでの通電時間Ta>電流Bでの通電時間Tb(パルス電流通電時間とパルスオフ時間の和)とする配線の通電寿命評価法。
【請求項5】請求項1において、通電試験を電流Aの通電に先立つ電流C(A<C,電流Aでの通電時間Ta>電流Cでの通電時間Tc)の通電より開始し、この最初の電流Cの通電時に断線する試料を初期欠陥品として試験結果から除く配線の通電寿命評価法。
【請求項6】請求項1または2において、通電寿命評価法による寿命Lもしくは請求項3に記載の通電寿命評価法による寿命Loを通電寿命とし、この通電寿命が別に定められた環境温度及び電流密度において予め定められた時間Lspec 以上である高信頼性配線。
【請求項7】請求項6において、Si集積回路素子において、使用する配線である高信頼性Si集積回路素子。
【請求項8】少なくとも一層のAl合金層を含む集積回路素子用積層配線において、請求項1もしくは請求項2に記載の通電寿命評価法による寿命Lもしくは請求項3に記載の通電寿命評価法による寿命Loをこの配線の通電寿命とし、配線の通電寿命が別に定められた環境温度及び電流密度において予め定められた時間Lspec 以上である高信頼性Al積層配線。
【請求項9】少なくとも一層のAl合金層を含む積層配線を使用するSi集積回路素子において、この積層配線が請求項8に記載のAl積層配線である高信頼性Si集積回路素子。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、配線特に半導体装置配線の信頼性評価法及びその評価法により信頼性を保障された薄膜配線に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体装置配線の通電寿命評価法はT.Kwok,“EFFECT OF METAL LINE GEOMETRY ON ELECTROMIGRATION LIFETIME IN Al−Cu SUB−MICRON INTERCONNECTIONS”,IEEE IRPS,p.185(1988).のFig.2に示されるような4端子の試料を用い、実使用条件以上の高密度の一定電流を印加し、配線層中の原子のエレクトロマイグレーションを加速する加速寿命試験が用いられてきた。この評価法では、試料が断線に到るまでの時間を試料の通電寿命とするが、現在使用されているAl合金/高融点金属積層構造の配線ではJ.C.Ondrusek etal.,“EFFECTIVE KINETIC VARIATIONS WITH STRESS DURATION FOR MULTILAYEREDMETALLIZATIONS",IEEE IRPS,p.179(1988).に記載されているようにAl合金よりなる配線層が断線しても残された高融点金属層により導通が保たれ、試料抵抗は幾分上昇するものの断線には到らない。そこでこの場合、通電寿命は試料抵抗が通電開始時に比べ一定比率以上に上昇するまでの時間で測定されている。こうして複数試料の通電寿命を求め、全試料のうち一定比率以上が通電寿命に到るまでの時間を使用した配線の通電寿命としてきた。また、印加する電流としては直流以外にJ.S.SuehleandH.A.Schafft,“CURRENT DENSITY DEPENDENCEOF ELECTROMIGRATION t50 ENHANCEMENT DUE TO PULSED OPERATION”,IEEE IRPS,p.106(1990).に記載のようにパルス電流も使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では配線の一部に損傷が発生しても、それが配線全体のごく一部であり、それによる抵抗上昇が小さいうちは配線は正常に機能するという仮定に立っている。しかし、たとえば半導体集積回路素子では個々の素子間をつなぐ配線の長さは様々である。数mmもある寿命評価用配線試料では配線全体の抵抗に比べて無視できる小さな抵抗上昇しか生まない損傷でも短い配線に発生した場合には相対的に大きな抵抗増加となり半導体集積回路素子は動作不良となってしまう。そのため従来技術によっては、損傷の発生がそのまま断線に結び付かない積層配線の信頼性を正確に評価することはできていない。
【0004】本発明の目的は、積層構造の配線においても配線長に依存せず通電寿命を評価する方法と、その評価法により通電寿命を保証された高信頼性配線を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、二つの異なる方法で達せられる。その一つは、通電試験を異なる電流A,B(A<B,電流Aでの一回の通電時間Ta>電流Bでの一回の通電時間Tb)をA,Bの順に少なくとも一度試料に印加しておこない、試料の寿命Lsを通電により試料抵抗が試験開始時に比べ一定比率以上に上昇するまでの電流Aを通電した延べ時間とするものである。この場合、特に電流Aの通電に先立ち電流C(A<C,電流Aでの通電時間Ta>電流Cでの通電時間Tc)を通電し、この最初の電流Cの通電時に断線する試料を初期欠陥品として結果から除くことにより試験結果に対する信頼性はさらに高いものとなる。また、この電流Bには一定周期を有するパルス電流を用いることもできる。この方法の変形として、電流A,Bの印加は一回のみとし試料抵抗の測定を電流Bの通電後に行い、この試料抵抗が試験開始時に比べ一定比率以上上昇した場合にその試料の寿命Lsを電流Aでの通電時間Ta以下、試料抵抗の上昇が一定比率未満の場合にその試料の寿命Lsを電流Aでの通電時間Taより大きいとする方法もある。これらの方法で複数の試料の寿命を求め、寿命に至る試料が一定比率以上発生するまでの時間を試料を構成する配線の寿命Lとするものである。
【0006】もう一つの方法は、一定電流を印加しながら試料抵抗の経時変化を測定し、通電により試料抵抗が一定比率以上に上昇するまでの時間Lsを試料の寿命とする通電寿命試験において、試料配線の長さmの等しい複数の試料の通電寿命Lsのうち最短のものLt(m)を、mを短くする方向にLt(m)がmに依存せず一定値Lt0をとるまで変化させて測定し、Lt0をこの配線の配線長に依存しない寿命Loとして配線の通電寿命を評価するものである。
【0007】
【作用】上記配線寿命評価法のうち前者では、電流Aの印加が従来の通電試験に相当し電流Aより高密度の電流Bの印加により配線中に発生する損傷を顕在化させるものである。電流Aの印加により配線中に損傷が発生していなければ電流Bを短時間印加しても配線にはそれ程影響はない。それに対し通電中に配線中に半断線等の損傷が発生した場合には、損傷の成長速度が印加する電流密度が大きくなるに従い急激に大きくなるため、電流Bの印加時に損傷部の成長が加速され急激に抵抗が上昇する。依って、従来の通電寿命評価法では見出すことのできなかった長い配線中の小さな損傷でも検出可能となり、積層構造の配線においても配線長に影響されない通電寿命評価をすることができる。
【0008】一方、後者の方法では、従来より短い試料配線を使用し試料数を増やし寿命評価することを想定している。通常、通電中の配線中に半断線等の損傷が発生すると損傷部の抵抗が正常部に比べ大きいため配線抵抗は増加するが、配線長が大きい場合には配線の全抵抗に比べ増加分の割合が小さいため検出できない。そこで試料配線の長さmを短くし、損傷発生に対する感度を高くして測定する。この方法では異なるmに対して測定が必要なため試料総数が多くなる一方、全ての試料が寿命に到るまで測定するのではなく、複数の試料の通電寿命Lsのうち最短のものLt(m)を求めた時点で試料配線の長さmの試料に対する測定が終了するため、測定を短時間で済ますことが可能である。mを短くしてもLt(m)がそれ以上短くならなければ、このLt(m)を通電により損傷が発生するまでの時間と考えることができる。この方法によれば、積層構造の配線においても短時間で効率的に配線長に依存しない通電寿命評価が可能である。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図により説明する。図1は本発明に使用した配線試料及び評価装置の構成を示す説明図である。Si基板1上に形成された配線試料2の両端には電流印加用端子3,4及び電圧測定用端子5,6が設けられている。通電寿命評価試験時は試料2はSi基板1もろとも恒温槽7中に設置し、電流印加用端子3,4よりプログラマブル電源8から電流を印加し試験を実施する。同時に電圧測定用端子5,6間の電圧を直流電圧計9で測定し、印加電流と電圧の関係より試料抵抗を算出する。
【0010】図2は配線試料2の図1中直線A−Bでの断面図である。以下、配線試料の作製フローを示す図3に従い配線試料2の作製法を説明する。Si基板1を熱酸化し、表面に熱酸化SiO2 膜10の5000nmを形成する(図3(a))。その基板上にDC−マグネトロンスパッタ法で10%Ti−W合金膜11を200nm、Al−1%Si−1%Cu膜12を500nmを真空を破らず連続的に膜形成する(図3(b))。ホトリソグラフィ技術とドライエッチング法によりこの積層膜を試料形状にパターニングする(図3(c))。形成される配線の幅は500nmである。こうして形成された配線パターン13の上に常圧CVD法によりリンケイ酸ガラス膜14の1000nmを形成し、パッシベーション膜とする。ホトリソグラフィ技術とドライエッチング法により電流印加用端子3,4及び電圧測定用端子5,6のパッド部を開口する(図3(d))。さらに450℃H2 雰囲気中で30分アニールし、配線試料を作製する。この段階で評価試験に使用することが可能となるが、通常はこうして形成された試料をダイシングし、セラミックパッケージに搭載ワイヤボンディングした状態で試験する。
【0011】図4は従来の直流連続印加による通電寿命評価を配線試料に対し実施した際の抵抗変化を示す図である。この通電寿命評価試験をAl合金単層配線に対し実施した場合(A)には通電寿命は断線によって判明するが、積層配線試料では配線抵抗が徐々に増加するのみである(B)。そこで本実施例では、Si半導体素子の動作に影響を及ぼさない配線抵抗の変動を最大20%とし、通電開始後抵抗値が安定し一定値を取った時点を基準に配線抵抗が20%上昇した時点を配線寿命とした。図5,図6は試料の配線長が通電寿命評価結果に及ぼす影響を示す図である。試料がAl合金単層配線の場合(図5)には配線長が大きくなるに従い通電寿命は全体に短くなり、その分布も小さくなる傾向にある。一方、試料が積層配線の場合(図6)には配線長が大きくなるに従いやはり通電寿命の分布は小さくなるものの、これは配線長が小さい場合に比べ短寿命の試料,長寿命の試料とも少なくなるためである。配線の通電寿命は試料の一定比率以上が通電寿命に到るまでの時間で決められ、本実施例ではこの比率を1%とする。この時、積層配線では(図6)配線長が大きくなるに従い配線の通電寿命も長くなる傾向にある。実際の半導体集積回路素子では多様な長さの配線が使用されており、信頼性はその中で最も寿命の短い配線に対しなされるべきであり、図6のような場合にむやみに長い配線を用い寿命評価しても配線の信頼性を保証することにつながらない。
【0012】それに対し本発明は、電流印加の方法を従来技術と異ならせることにより問題点の解決を図るものである。図7は本発明により試料に電流印加する場合の印加電流の時間変化を従来技術と比較し示した図である。従来は図7(a)のように一定電流A(10mA)を印加するものであった。それに対し本実施例では、図7(b)に示す通りAと同一の電流を2時間印加後Aより大きな電流B(20mA)を1分間印加し、以後これを繰り返す。本発明の別な実施法として、図7(c)では図7(b)に示す電流系列に加え最初に電流C(15mA)を2分間印加するものである。さらに本発明は、図7dに示すように図7(b)の電流Bに代えてパルス電流D(ピーク電流60mAオン時間1μsec周期100μsec)を1分間印加することでも実施できる。
【0013】以下、本発明の方法で試料配線の通電寿命を評価した結果を説明する。図8は通電寿命試験を積層配線試料に対し図7(b)の電流系列を印加し実施した際の抵抗変化を示す図である。通電により配線抵抗が漸増し寿命に到ることは従来と変わらないが(A)、配線抵抗が上昇し始めてから寿命に到るまでの時間が従来(B)に比べ短くなっている。図9は試料の配線長が図7(b)に示す電流系列による積層配線通電寿命評価結果に及ぼす影響を示す図である。配線長が大きくなるに従い通電寿命の分布は小さくなる傾向にあるが、配線寿命を決める短寿命側の分布はあまり大きな影響は受けない。そのため、従来の積層配線評価の場合(図6)と異なり長い配線試料を使用して評価試料の総延長を大きくし通電寿命評価の信頼性を高めることが可能である。
【0014】ここで、本発明の要点を説明する。本発明では、試料に短時間大電流印加することが重要である。大電流印加であっても1分間程度の短い時間であれば配線に新たに損傷を発生させることは殆どない。しかし一方で、半断線等の損傷部の成長速度は印加電流密度に大きく影響され、電流密度の4〜6乗で加速される。そのため、配線内に損傷がある場合には大電流印加により損傷の成長が加速され、たとえ印加時間が短くとも損傷の成長により配線抵抗は急激に増加する。従来の一定電流印加ではたとえ通電により損傷が発生しても損傷の成長速度が小さいため、通電寿命に到るまでにはさらに長時間電流を印加しこの損傷部による抵抗増加分を大きくするもしくは多数の損傷を発生させる必要がある。それに対し本発明では、通電により一つでも損傷が発生すると引き続く短時間の大電流印加により損傷は急速に成長し、配線抵抗を増加させ試料を通電寿命に到らすことができる。そのため、試料の配線長に影響されず配線の寿命評価が可能となるのである。
【0015】損傷部の成長を加速させる短時間印加の電流(図7(b)での電流B)としては、試験電流(図7(b)での電流A)の1.5 倍以上好ましくは2倍以上の電流を使用し一回の印加時間は試験電流の一回の印加時間の1/10以下の時間とすることが好ましい。また、この損傷加速用電流の印加回数は少なくとも10回程度必要であり好ましくは一回の試験電流印加時間を数十分〜数時間の間で変えて事前試験を実施し、通電寿命が損傷加速用電流の印加回数に影響されない範囲を選択して本試験を実施する。また、図7(c)での電流Cの印加によれば通電前にすでに損傷を有していた試料はこの時点で抵抗上昇するため試験電流の印加前に除くことができ、評価試験結果の信頼性をさらに高いものとすることができる。損傷加速用電流としては、図7(d)での電流Dのように直流電流の代わりにパルス電流を用いることも可能である。パルス電流を使用するメリットにはパルスピーク電流ならば直流電流では不可能な大電流印加が可能な点にある。損傷部の成長は電流密度の4〜6乗で加速されるため、損傷加速用電流は大電流の方が有利である。しかし、ジュール発熱の影響が大きいため直流では電流密度として1×107A/cm2程度が上限である。それに対し、パルス電流印加によればパルス周期及びパルスオン時間を選択することでジュール発熱を抑えながらピーク電流密度1×108A/cm2程度までの印加が可能である。図10は各種の損傷加速用電流を使用し通電寿命試験を実施した際の試料の抵抗変化を示す図である。損傷加速にパルス電流(周期100μsec )を用いても直流を用いた場合と殆ど変わらない結果が得られることがわかる。またパルス電流を用いる場合時間平均した電流密度が同じでも、パルスオン時間を短くしピーク電流密度を高くした方が、抵抗上昇が始まってから寿命に到るまでの時間が短くなっており損傷の成長がより加速されていることを示している。
【0016】以下、本発明の第二の実施例を図により説明する。本実施例で使用する配線試料及び評価装置の構成は実施例1と同一であり、概略図1,配線の断面図2,試料の作製フローを示す図3は実施例1と共通である。
【0017】図11は本発明により試料に電流印加する場合の印加電流の時間変化を示す図である。試験電流Aとして10mAの電流を一定時間(図11ではTa時間)印加後、Aより大きな損傷加速電流B(20mA)を一定時間(図11ではTb時間:本実施例では10分間)印加する。その後試料抵抗を測定し抵抗上昇の大きさにより寿命に到っているか否か判定する。本実施例では通電開始後抵抗値が安定し一定値を取った時点を基準に試料抵抗が20%増加した時点を通電寿命とした。本発明によれば、一度損傷加速電流Bを印加した試料はその時点で評価を終了するため損傷加速電流Bによる新たな損傷の発生に配慮する必要がない。ただし、事前検討として試験電流印加前の試料に電流BをTb時間(本実施例では10分間)印加しても寿命に到らないことを確認しておく必要がある。これは、試験電流印加前の損傷のない試料では損傷加速電流BをTb時間印加しても寿命に到らないことを確認するものである。試験電流AをTa時間印加後に損傷加速電流Bを印加しても、Taが十分小さい間は通電による損傷の発生がないため殆どの試料は寿命に到らない。しかし、Taが大きくなると試験電流Aの印加中に損傷を受けるようになり損傷加速電流B印加により抵抗が上昇する試料が現われる。ここで、本実施例では試料全体の1%が寿命に到るまでの時間を配線寿命とする。本発明では一つのTaに対し多数の試料を評価する必要があるため、あまり多数のTaに対し評価試験を実施することは困難である。他方、短寿命の試料で試験時間が決まるため短時間で評価可能である。
【0018】表1に図11に示した電流印加により配線寿命を評価した結果を示す。
【0019】
【表1】

【0020】試験電流通電時間Taを3段階に変え、各Taに対し400個の試料を評価し寿命に達している試料の比率を示した。Taが100時間では0.5% の試料しか寿命に到っていないが、Taが200時間では4%の試料が寿命に到っており、配線寿命が100時間より長く200時間未満であることがわかる。
【0021】以下、本発明の第三の実施例を図により説明する。図12は本発明に使用した配線試料及び評価装置の構成を示す概略図である。Si基板21上に形成された配線試料22の両端には電流印加用端子23,24及び電圧測定用端子25〜29が設けられている。通電寿命評価試験時は試料22はSi基板21もろとも恒温槽30中に設置し、電流印加用端子23,24よりプログラマブル電源31から一定電流を印加し試験を実施する。同時に等間隔に設けられた各電圧測定用端子25〜29間の電圧を直流電圧計32で順次測定し、印加電流と電圧の関係より各電圧測定端子間の抵抗を算出する。電圧測定端子間距離は100〜1000μmで変化させ評価した。
【0022】配線試料22の断面構造及び配線試料の作製手順は実施例1と同一であり、配線の断面図2、試料の作製フローを示す図3は実施例1と共通である。図13は試料の配線長が通電寿命評価結果に及ぼす影響を示す図である。通電開始後抵抗値が安定し一定値を取った時点を基準に配線抵抗が20%上昇した時点を試料の通電寿命とした。本発明では試料の配線長を従来に比べ短くしており、従来法では2000μm程度で一個の配線試料であったものについて等間隔に電圧測定端子を設け各電圧測定端子間を一個の試料として扱っている。そのため、従来法に比べ一台のプログラマブル電源で多数の試料数を評価していることになる。
【0023】図13より配線長を短くしていくと通電寿命の分布は大きくなるが、通電寿命は限度なく短くはならず最短値Lt0 が存在する。すなわち、通電寿命は配線長にかかわらずLt0より長い。このLt0で配線寿命を見積もることにより、信頼性の高い寿命評価が可能である。また、本発明では通電寿命の短い試料に着目しており寿命−累積不良率曲線を外挿して配線寿命を決める従来法と異なり必ずしも全試料の通電寿命を知る必要はない。全体の20%程度の寿命が判明すれば十分である。そのため従来の方法に比べ短時間で評価することができる。
【0024】以下、本発明の第四の実施例を図により説明する。図14,図15は実施例1において異なる条件でAl−1%Si−1%Cu膜12を形成した二種の試料に対し、通電寿命試験を実施した結果を示す図である。試料AではAl合金膜形成時の基板温度50℃、試料Bでは300℃である。この二種の試料に対し従来の定電流印加による通電寿命試験結果(図14)では、配線寿命は試料Aで69時間試料Bで58時間であり基板温度50℃でAl合金膜を形成した試料Aの方が長寿命である。それに対し、実施例1図7(b)に示す電流を印加して通電寿命試験を実施した本発明の場合(図15(B))には配線寿命はそれぞれ33時間及び53時間となり、従来法での評価結果とは両者の大小関係が逆転している。そこでこの二種の配線を用いてSi半導体集積回路素子を作製し、環境温度80℃で連続動作させ素子の信頼性評価試験を実施した。表2に配線の導通不良による動作不良を生じた素子数を示す。
【0025】
【表2】

【0026】基板温度300℃で作製した配線を使用した素子の方が不良発生数が少なく、信頼性の高いことがわかる。すなわち、従来の配線寿命評価法では配線の寿命を正しく評価していることにはならず、その配線寿命によって配線の信頼性を保証できない。それに対し本発明による配線寿命評価法は半導体集積回路素子の信頼性評価試験結果を反映しており、本発明により決定した配線寿命が長い程信頼性の高い配線といえる。また、使用した配線の本発明に従って求められる寿命が長い程高信頼性の半導体集積回路素子であるといえる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、配線長に影響されない配線寿命を求めることができる。そのため、多様な長さの配線が使用されている半導体集積回路素子の信頼性も本発明に従い求められた通電寿命により保証することができる。




 

 


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