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発明の名称 イオンビームデポジション装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−96713
公開日 平成6年(1994)4月8日
出願番号 特願平4−243026
出願日 平成4年(1992)9月11日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 三宅 潔
要約 目的
本発明の目的は、成膜室内での基板の保持機構,加熱機構の構成を簡単で高信頼性のものとし、広範囲の材料から成る薄膜を成膜するのに好適なイオンビームデポジション装置を提供することにある。

構成
本発明のイオンビームデポジション装置は、薄膜を形成すべき基板を成膜室内において水平に配置し、あるいは、質量分離したイオンビームを鉛直下方より±90度未満の角度内で成膜室に導入する構成とする。
特許請求の範囲
【請求項1】質量分離したイオンビームにより薄膜を形成するイオンビームデポジション装置において、薄膜を形成すべき基板を成膜室内に水平に配置したことを特徴とするイオンビームデポジション装置。
【請求項2】質量分離したイオンビームにより薄膜を形成するイオンビームデポジション装置において、質量分離したイオンビームを成膜室内に鉛直下方より±90度未満の角度内で導入したことを特徴とするイオンビームデポジション装置。
【請求項3】請求項1、又は2に記載のものにおいて、成膜室内に蒸発源、あるいはスパッタ粒子源のいずれか、あるいは両者を備えたことを特徴とするイオンビームデポジション装置。
【請求項4】請求項1、又は2に記載のものにおいて、質量分離したイオンビームを発生する部分を1階部分に配置し、薄膜を形成するための成膜室を2階部分に配置した構成にしたことを特徴とするイオンビームデポジション装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、質量分離されたイオンビームを用いて半導体,誘電体,金属,絶縁物,有機物などの薄膜を形成するイオンビームデポジション装置に係り、特に広範囲の材料から成る薄膜を成膜するのに好適なイオンビームデポジション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、質量分離されたイオンビームを用いて半導体,誘電体,金属,絶縁物,有機物などの薄膜を形成するイオンビームデポジション装置においては、清水三郎,塚越 修,小宮宗治,牧田雄之助、Proc. International EngineeringCongress-ISIAT '83 & IPAT'83,Kyoto(1983) ,pp.1087−1090.の図1や写真1に記載されているように、薄膜を形成すべき基板表面の方向を鉛直方向斜めに配置し、それらの基板表面に対し、斜めに質量分離されたイオンビームを照射するために、薄膜を成膜するための成膜室の側面より水平方向に質量分離されたイオンビームを導入する方法が用いられるか、あるいは、徳山巍,矢木邦博,三宅潔,田村誠男,夏秋信義,田地新一、Nuclear Instruments and Methods, Vol.182/183(1981)242頁の図1に記載されているように、薄膜を形成すべき基板表面の方向を鉛直方向に配置し、それらの基板表面に対し垂直に質量分離されたイオンビームを照射するために、薄膜を成膜するための成膜室の側面より水平方向に質量分離されたイオンビームを導入する方法が用いられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術においては、清水三郎,塚越 修,小宮宗治,牧田雄之助、Proc. International Engineering Congress- ISIAT '83 & IPAT'83,Kyoto(1983),pp.1087−1090.の図1に記載されているように、薄膜を成膜するための質量分離されたイオンビームを水平方向より成膜室に導入していたため、薄膜を成膜すべき基板表面の向きを垂直方向に対し45度斜めに配置する必要があった。その結果、基板を保持する機構や、加熱する機構の構成が複雑となるという欠点があった。
【0004】本発明の目的は、前記の欠点をなくし、簡単な機構により基板を保持し加熱することのできる高信頼性のイオンビームデポジション装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、質量分離したイオンビームにより薄膜を形成するイオンビームデポジション装置において、薄膜を形成すべき基板を水平に配置することを特徴とし、あるいは、質量分離したイオンビームを鉛直下方より±90度未満の角度内で成膜室に導入することを特徴とし、あるいは、成膜室内に蒸発源、あるいは、スパッタ粒子源のいずれかあるいは両者を備えたことを特徴とし、あるいは、質量分離したイオンビームを発生する部分を1階部分に配置し、薄膜を形成するための成膜室を2階部分に配置した構成にしたことを特徴とする。
【0006】
【作用】質量分離したイオンビームにより薄膜を形成するイオンビームデポジション装置において、薄膜を形成すべき基板を成膜室内において水平面内に配置することにより、基板は斜めにずりおちる重力成分を受けないため、基板を単に鉛直方向に落ちないための基板保持機構のみで簡単かつ信頼性高く保持することができる。また、水平に保持された加熱ヒータにより基板背後より基板の加熱を容易に行うことが出来る。
【0007】さらに、質量分離したイオンビームを鉛直下方より±90度未満の角度内で成膜室に導入することにより、基板表面に対し、垂直あるいはある一定角度でイオンビームを照射することが容易となる。
【0008】そして、成膜室下部に蒸発源やスパッタ粒子源を取り付けることで、傾斜機能性材料のような異種の材料から成る複合薄膜を作成することがきわめて容易となる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図3を参照して説明する。
【0010】[実施例1]図1は、質量分離した【0011】
【外1】

【0012】によりシリコン基板2上にGe薄膜3を形成する場合を例にとり、本発明の原理を示したイオンビームデポジション装置の構成図である。
【0013】イオン源4でGeCl4 放電により発生したイオンビーム5を、引出電圧20kVで引き出したのち、60度偏向電磁石6により質量分離し、【0014】
【外2】

【0015】のみを選択し、イオン減速レンズ7により、【0016】
【外3】

【0017】のエネルギを100eVまで減速し、真空排気ポンプ(図示しない)により真空度を2x10-6Paに保った成膜室8に導入した。
【0018】このとき、導入した【0019】
【外4】

【0020】と成膜室8の鉛直線とのなす角度θは30度であった。成膜室8内で直径3インチのシリコン基板2を基板保持機構9上に保持し、背後に配置したハロゲンランプヒータ10よりの輻射加熱によりシリコン基板2の温度を300℃に保った。以上の配置で100eVまで減速した電流量が100μAの【0021】
【外5】

【0022】をシリコン基板2上に、1時間照射したところ、膜厚が400nmの単結晶ゲルマニウム薄膜が得られた。
【0023】本発明においては、成膜室8に導入する【0024】
【外6】

【0025】と成膜室8の鉛直線とのなす角度θは30度であったが、0度より90度未満の範囲であればいずれでもよい。
【0026】[実施例2]図2は、質量分離した【0027】
【外7】

【0028】によりシリコン基板2上にFe薄膜22を形成する場合のイオンビームデポジション装置の構成図である。
【0029】本イオンビームデポジション装置は、1階部分にイオン源4,イオン引出部23,質量分離部6,イオン減速部7を、そして、2階部分に成膜室8,加熱機能付き基板保持機構および成膜室の真空を保持しながら基板を取り替えるための基板ロードロック室24を配備し、それぞれにそれらの真空排気装置と電源等(図示せず)を接続する構成とした。
【0030】まず、イオン源4においてFe23+CCl4 ガス放電をおこし、引出し電源25を用いて引出し電圧Vext=20kVで引出し、電流量5mAのイオンビーム26を発生させた。このイオンビームを偏向半径50cm,偏向角度90度の質量分離電磁石27を用いて質量分離し、【0031】
【外8】

【0032】のみを分離し取り出した。
【0033】このときイオン源の電位は加速電源28により加速電圧Va=100eVに保った。質量分離した【0034】
【外9】

【0035】をイオン減速レンズ7を通過させ、エネルギを100eVまで減速し、直径が400mmφの成膜室8の下部に取り付けたフランジ29より真空度を2x10-6Paに保った成膜室8に導入した。
【0036】成膜室8内には、加熱機能付き基板保持機構9に、基板ロードロック室24より直径が2インチのSi(100)基板2を導入、薄膜を成膜すべき表面を下向けにして、その表面が図に示すように水平方向の位置になるように保持した。
【0037】加熱機能付き基板保持機構に取り付けた基板背面に位置するハロゲンランプヒータ10に通電を行い、シリコン基板温度を300℃に保った。
【0038】このようにして水平方向に配置された直径2インチのシリコン基板2に対し直角に方向より、質量分離された【0039】
【外10】

【0040】を60分照射した。その結果、(110)結晶方向にエピタキシャル成長した純鉄の薄膜を得ることができた。その時の膜の直径は20mmで膜厚は500nmであった。
【0041】本実施例においては、鉄イオンのエネルギを100eVとしたが、イオンビームデポジション法により薄膜が堆積すればそれ以上でも差し支えない。イオンのエネルギが低ければより薄膜として堆積しやすいので低いのはいっこうに差し支えない。
【0042】[実施例3]図3は、鉄基板31上に質量分離した【0043】
【外11】

【0044】と蒸着源33よりのFe蒸気34を、また、スパッタ源35よりのMo原子36を同時に照射し、高耐食性Fe−C−Mo低合金鋼薄膜37を室温で形成するのに本発明を適用したときの装置構成図である。
【0045】真空度を2x10-3Paに保った成膜室8内に水平に配置した大きさが直径50mmの鉄基板31上に30分間、成膜室8下部より鉛直上方に質量分離した【0046】
【外12】

【0047】をイオンエネルギ1000eVで照射し、かつ、蒸着源33よりFe蒸気34を蒸着速度5μm/hで斜め下より照射し、それと同時に、スパッタ源35よりMo原子36を蒸着速度0.1μm/h で照射した。
【0048】その結果、鉄基板上31に膜厚が2μmの高耐食性Fe−C−Mo低合金鋼薄膜37を基板温度が室温にて形成することができた。形成した薄膜37の飽和食塩水中での腐食進行速度は、通常の鉄合金薄膜が2mm/yearであるのに対し、2桁の小さな値を示し、耐食性が改善された。基板31に対する付着力は薄膜の上よりスコッチテープを貼り付け剥がすというピールテストを行ったが、スコッチテープが剥がれるのみで形成した薄膜はまったく剥がれなかった。
【0049】本実施例においては、【0050】
【外13】

【0051】のエネルギを1000eVとしたが、イオンエネルギが50−1200eVの範囲で同等の効果があった。
【0052】また、本実施例においては同時に3つの粒子線を照射したが、時間的にこれらの粒子線の量を制御することにより任意の設計値の組成で傾斜材料を薄膜で作成することが出来る。
【0053】
【発明の効果】本発明のイオンビームデポジション装置によれば、薄膜を形成すべき基板を成膜室内において水平面内に配置することにより、基板の保持機構が簡単かつ信頼性が高くなり、また、水平に保持された加熱ヒータにより基板背後より基板の加熱を容易に行うことが出来るようになる。
【0054】さらに、質量分離したイオンビームを鉛直下方より±90度未満の角度内で成膜室に導入することにより、基板表面に対し、垂直あるいはある一定角度でイオンビームを照射することが容易となり、成膜室下部に蒸発源やスパッタ粒子源を取り付けることことが容易となり、傾斜機能性材料のような異種の材料から成る複合薄膜を作成することがきわめて容易となるので工業上非常に有効である。




 

 


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