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発明の名称 表示装置とその反射防止膜の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−96700
公開日 平成6年(1994)4月8日
出願番号 特願平4−242174
出願日 平成4年(1992)9月10日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】武 顕次郎
発明者 河村 啓溢 / 小原 克美 / 宮▲崎▼ 正広 / 河村 孝男 / 遠藤 喜重
要約 目的
SiO2 超微粒子を用いた反射防止膜の指紋,塵埃付着を弱め、その除去性を高めた表示装置を得る。

構成
パネル1の外面に、塑性変形によりSiO2 超微粒子を配列方向に変形させて相互間隙を埋めた反射防止膜8を設けた。
特許請求の範囲
【請求項1】絶縁体からなるスクリーンを持ち、当該スクリーンに画像等を表示する表示装置において、前記スクリーンの外面にSiO2 超微粒子をSiO2 バインダーで固定した反射防止膜を有し、前記反射防止膜の表面を構成するSiO2 超微粒子相互間が当該SiO2 超微粒子の変形による密着で連続表面を形成してなることを特徴とする表示装置。
【請求項2】絶縁体からなるスクリーンを持ち、当該スクリーンに画像等を表示する表示装置の反射防止膜の製造方法において、前記スクリーンの外面にSiO2 超微粒子をSiO2 バインダーで固定する工程と、前記固定されたSiO2 超微粒子の表面を水等の潤滑液を含む軟質材で擦ることにより前記SiO2 超微粒子を塑性流動させて相互間を密着させ、連続表面を形成する工程とを少なくとも含むことを特徴とする表示装置の反射膜の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、陰極線管,液晶表示装置、その他のスクリーンを有する表示装置とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】陰極線管や液晶表示装置等の表面光沢性を有するスクリーンが外光の反射によりその再生画質が劣化するのを防止するために、各種の反射防止手段を当該スクリーン面に設置することが行われている。その代表的な手段として採用されているものに、スクリーンにセラミックスを多層コートし、入射光と反射光との干渉を利用して反射率を等価的に低減する技術が知られている。
【0003】この従来技術による多層コート反射防止膜は、その表面に凹凸が殆ど存在せず、平滑面を形成するものであるために再生画像等に歪みを与えることが無いので超高精細のカラー陰極線管などに適している。しかし、このような多層コート反射防止膜は製造コストが高いので高級品種に限定して採用されているのが現状である。
【0004】一方、スクリーンの外面に凹凸を付けて、この凹凸による光の拡散を利用し、反射光像の輪郭をぼかして実効的に反射防止効果を得る、所謂ノングレア方式の反射防止膜が汎用の表示装置に採用されている。本出願人は、先に、前記光の干渉を利用する方式として、製造コストが比較的安価な超微粒子を用いた反射防止膜を備えた表示装置を提案した(特開昭63−193101号公報参照)。
【0005】上記提案の反射防止膜は、SiO2 超微粒子を添加したSi(OR)4 (Rはアルキル基)のアルコール溶液をスクリーンを構成する絶縁基体表面に塗布し、これを焼成して、当該スクリーンの外面にSiO2 超微粒子とこれを上記基体表面に固定するSiO2 バインダーとからなる反射防止膜を形成するものである。この反射防止膜は、上記超微粒子と空気で構成される表面層の屈折率が、順次その反射膜の高さ方向に連続的に変化することによる光の干渉を利用するものであり、前記多層コート膜と同じ原理で光反射率を低減するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術においては、SiO2 超微粒子によるものも含め、多層コート膜の光干渉を利用した反射防止膜は、物理的な膜厚をd、屈折率をnとしたとき、光学的膜厚n・dが反射防止特性に極めて敏感に影響する。例えば、その表面に空気中の塵埃付着による汚れや指紋等が付着すると、上記SiO2 超微粒子相互間に存在する隙間に入り込むと共に上記物理的な膜厚dが変化して反射率が一般に増加する。したがって、汚れや指紋が付着した部分だけの反射が増加してその部分が浮き出て見えることになり、表示画像の品質を低下されてしまうという欠点があった。
【0007】また、上記SiO2 超微粒子間の間隙に入り込んだ汚れは除去することが困難であり、一旦付着した汚れは永久的に残留することになり、信頼性を低下させてしまうという問題がある。本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解消し、汚れや指紋の付着を少なくし、それらが付着しても容易に除去することのできる反射防止膜を備えた表示装置とその製造方法を提供するることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明は、絶縁体からなるスクリーンを持ち、当該スクリーンに画像等を表示する表示装置において、前記スクリーンの外面にSiO2 超微粒子をSiO2 バインダーで固定した反射防止膜を有し、前記反射防止膜の表面を構成するSiO2 超微粒子相互間が当該SiO2 超微粒子の変形による密着で連続表面を形成してなることを特徴とする。
【0009】また、本発明は、絶縁体からなるスクリーンを持ち、当該スクリーンに画像等を表示する表示装置の反射防止膜の製造方法において、前記スクリーンの外面にSiO2 超微粒子をSiO2 バインダーで固定する工程と、前記固定されたSiO2 超微粒子の表面を水等の潤滑液を含む軟質材で擦ることにより前記SiO2 超微粒子を塑性流動させて相互間を密着させ、連続表面を形成する工程とを少なくとも含むことを特徴とする。
【0010】
【作用】SiO2 超微粒子とこれをスクリーン基体に固定するSiO2 バインダーからなる反射層のを構成する上記SiO2 超微粒子相互間が連続平面を形成するため、汚れや指紋の塵埃はSiO2 超微粒子表面にのみ付着することになり、たとえ汚れなどが付着してもこれを簡単に除去することができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例につき、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明をカラー陰極線管に適用した1実施例を説明する部分破断した側面図であって、1はスクリーンであるパネル、2はファンネル、3はネック、4はネック3の部分に収納された電子銃、5はシャドウマスク、6は蛍光面、7はファンネルに装架された偏向ヨーク、8はパネルの外面に形成した反射防止膜、9は防爆バンドである。
【0012】なお、パネル1,ファンネル2およびネック3で陰極線管の外周器を構成し、R,G,Bは電子ビームを示す。同図に示したように、パネル1の外面に形成した反射防止膜8により外光の反射を防止するものであり、高コントラストの画像を再生できる陰極線管を構成している。
【0013】次に、上記の反射防止膜8を形成するための製造方法について説明する。まず、反射防止膜を形成する陰極線管のパネル1の表面をアルカリ洗浄剤等により清浄化する。一方、エチルシリケート(Si(OR)4 )(Rはアルキル基)をエタノールに溶解し、さらに加水分解のためのH2 Oと、触媒としてのHNO3 とを添加した溶液を作る。この溶液に80nm±10nmの平均粒径をもつ整粒された略々球形のSiO2 の超微粒子を約5wt%添加する。
【0014】こうして調整した溶液をディップ方式で上記パネル外面に塗布する。塗布後、これを160°Cで約30分間焼成し、エチルシリケート(Si(OR)4 )を分解する。溶液に添加されていたSiO2 の超微粒子は、分解により生成したSiO2 のバインダーによってパネル面に強固に固着される。
【0015】図2は超微粒子による反射防止膜を備えた陰極線管のパネル部分を拡大して示す図1の矢印A部分に相当する従来構造の断面模式図であって、1はパネル、10はSiO2 超微粒子、11はSiO2 バインダー、13は塵埃(汚れ)である。図示したように、上記した製造方法でスクリーンであるパネル1の外面にSiO2 超微粒子10をSiO2 バインダー11で固着した状態では、パネル1の外面に凹凸が形成されて所要の特性をもつ反射防止膜が形成される。
【0016】しかし、このままでは、SiO2 超微粒子10の相互間に間隙が存在しており、指紋等の塵埃が上記間隙に侵入し易くなり、前記したようなスクリーン汚染が発生する。そして、この間隙に侵入した指紋等の塵埃は容易に拭き取り除去することができない。そこで、この欠点を次のようにして解消する。
【0017】図3は超微粒子による反射防止膜を備えた本発明の1実施例の陰極線管のパネル部分を拡大して示す図1の矢印A部分の断面模式図であって、図2と同様に1はパネル、10はSiO2 超微粒子、11はSiO2 バインダー、13は塵埃(汚れ)である。そして、12はSiO2 超微粒子間の密着部分を示す。すなわち、前記図2に示したように、前記パネル1の外面にSiO2 超微粒子10をSiO2 バインダーで固着した後、この固着されたSiO2 超微粒子10の表面を水を含むフェルト布で数回擦ることによりSiO2 超微粒子に塑性流動を起こさせ、配列方向に隣接する超微粒子相互間を図中12で示したように密着させてSiO2 超微粒子の配列方向に連続表面を形成させる。
【0018】これにより、SiO2 超微粒子10の相互間に存在した間隙が埋められ、指紋等の塵埃13の侵入を阻止できることになる。図4は本実施例の効果を説明するためにパネルの外面にSiO2 超微粒子をSiO2 バインダーで固着したままの状態(図2に相当)とこれを水を含むフェルト布で数回擦ることにより配列方向に連続表面を形成させたもの(図3に相当)の塵埃付着性とその除去性を検証した結果の説明図である。
【0019】図示の内容から分かるように、擦り処理を行うことによって指紋等の塵埃付着性が弱められ、また、付着した塵埃は市販のメガネ拭き用の布を用いると完全に除去できる。擦り処理に用いるものとしては、上記のフェルトに限らず、布,化学繊維,ラシャ,紙などの水等の潤滑液を含むことのできる軟質材を用いる。そして、この擦りの圧力は、SiO2 超微粒子に所定の塑性流動を起こさせるものであればよく、実施例では略々1kgとした。
【0020】また、上記擦り処理を施すことにより反射特性は変化するが、この変化は5°正反射率で約0.2%以下であり、実用上問題はない。また、反射防止膜としての強度にも全く変化はない。以上の実施例では、SiO2 超微粒子を含む溶液の塗布をディップ法で行ったが、この他に例えばスピン塗布法等を用いてもよい。
【0021】なお、本実施例は反射防止膜のみを備えたスクリーンを例としたが、反射防止膜の下地に帯電防止膜(導電膜)、その他の機能性膜が存在するものにも適用でき、その塵埃付着性とその除去性は上記と同様である。さらに、上記実施例は陰極線管についてのものであるが、本発明はこれに限らず、液晶表示装置,プラズマディスプレイ装置等の表示装置や、その他の光反射防止対策を必要とする層に適用できるものであることは言うまでもない。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、陰極線管のパネル外面に汚れの付着が殆どなくなり、付着した汚れも簡単に拭き取ることができると共に、高い反射防止効果を得ることができる。特に、多層コートと同原理の光干渉を利用した本発明による反射防止膜を陰極線管に適用することにより、高い解像度特性が得られると共に、パネルが黒く沈むことによる高いコントラストの再生画像を得ることのできる陰極線管を低コストで製造することができる。
【0023】そして、本発明による反射防止膜は指紋等の塵埃の付着性が弱く、また付着した塵埃の除去が極めて容易であるという優れた機能の陰極線管を提供することができる。




 

 


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