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マグネトロン陽極の製造方法 - 株式会社日立製作所
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発明の名称 マグネトロン陽極の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−96666
公開日 平成6年(1994)4月8日
出願番号 特願平4−241728
出願日 平成4年(1992)9月10日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 小黒 友勝
要約 目的
発振モードの分離が良く、発振効率が高い、切欠き部のあるストラップリングを用いたマグネトロンの陽極を、自動機により効率良く量産できる製造方法を提供することにある。

構成
部材としてのストラップリングを切欠き部のない状態で完成させたものを用いて、ストラップリングの陽極円筒ベイン端面の溝内への組込工程を最終的に完了するまでの間に、切欠き部を形成させるようにした。
特許請求の範囲
【請求項1】陽極円筒の内周から偶数枚のベインを放射状に突出させ、陽極円筒とベインとで空洞共振器群を形成させ、隣接空洞間で逆位相となるπモード振動を安定化させるために、ベインの円筒軸方向端面で、直径が互いに異なる内、外ストラップリングにより各ベインを一つおきに同じ部位で相互に電気的に接続させ、且つ内、外ストラップリングに夫々1個所ずつ内外互いに接近させてベイン1枚を股ぐ切欠き部を設けたマグネトロン陽極を自動機械により製造するときに、部材としてのストラップリングを切欠き部のない状態で完成させたものを用いて、ストラップリングの、陽極円筒ベイン端面の溝内への組込工程を最終的に完了するまでの間に、切欠き部を形成させるようにしたことを特徴とするマグネトロン陽極の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、内、外ストラップリングに夫々1個所ずつ内外互いに接近させてベイン1枚を股ぐ切欠き部を設け、発振特性が改善され、しかもストラップリングの疲労破壊の恐れが低減されたマグネトロン陽極を、自動機械により効率良く製造できるマグネトロン陽極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図4は、電子レンジなどに用いられている従来の例えば特開平1−63245号公報に開示されているマグネトロンの、管軸を通る平面による断面図である。陰極1の周囲を、陽極円筒2の内周面から放射状に突出した偶数枚のベイン3の端部が取り囲み、陽極円筒とベイン群とで偶数個の空洞共振器が形成されている。陰極1の周囲のベイン3の端部との間の空間は作用空間と呼ばれ、ここには環状の永久磁石4を起磁力源、ヨーク5を外部磁気回路にして、磁極6によって管軸方向の静磁界が形成されている。陰極1から放出された電子は、陰極に対して高い直流正電圧が印加されている陽極ベイン側へ吸引され加速されて行くが、運動方向に直角に管軸方向の磁界が存在するため運動方向と磁界とに直交する方向の力に作用され、べインの先端を円周方向に横切って陰極側へ戻ろうとする電子も現れ、作用空間内に電子密度が高い部分と疎な部分が生じ、高電子密度の電子雲が作用空間内を高速で周回して上記空洞共振器群内にマイクロ波電気振動が励振されるようになる。空洞共振器群内の電気振動のうち、最も強く安定して発振されるのは、隣接空洞間で逆位相となる所謂πモードの振動である。このπモード振動で同電位(同位相)となる点を互いに電気的に接続して、πモードの振動を、特に発振初期に早急に安定化させるために、ベインを一つおきに交互に接続する内ストラップリング8と外ストラップリング9とが、ベインの管軸方向端面に設けた収納溝7の内部に収納設置されている。マイクロ波電気振動を、一つのベインの端面に接続したアンテナ10によってマイクロ波出力取出部11に導いて、外部で例えば電子レンジで、食物加工用に利用する。なお、陰極1は加熱用給電線を介して陰極ステムによって支持されている。図5(a)は上記従来のマグネトロンの陽極円筒2に内ストラップリング8、外ストラップリング9を組合せた状態を示す上面図、図5(b)はその円筒軸を含む平面による断面図である。なお、図5(b)で、3はベイン、12はアンテナ10の端部を接続するためのアンテナ係合溝で、陽極円筒とベインを一体に整形した場合には、この溝は旋盤加工して形成されるため、全ベインの端面にできる。なお、今日、電子レンジ用マグネトロンは量産品であるから、図6(a)にフローチャートを示すように、プレスにより成形されたストラップリング8、9は、洗浄処理してからベイン3との接続に備えて厚目の硬ろう(大抵は銀ろう)めっきを施した後、一旦ストッカに入れ、その後、必要に応じてストッカから自動組立装置へ自動的に供給され、先ず所定の向きに位置決めされた後、所定位置に所定の状態に置かれた陽極円筒2のベイン3の端面に形成された溝7の内部に自動的に組み込まれた後、全体を非酸化雰囲気で満たした炉内で加熱して前記めっきした硬ろう材を溶かしてストラップリングのベインに接続するための突出部をベイン3の収納溝の壁面に固着接続させる。こうしてストラップリングを陽極円筒内周から放射状に突出したベイン端面の収納溝に組み込んだマグネトロン陽極は、一応マグネトロンとして完成した時の状態に近く、この状態で共振周波数をチェックすれば実用時の共振周波数に近く、それと所定の関係にある測定値が得られるので、ここでチェックを行い、ストラップリングをベイン端面に近付けるなどの方法で、完成時に所望周波数で発振するように調整する。
【0003】一般にN個の空洞共振器が互いに結合されていれば、N個の異なった基本周波数が存在することになるが、マグネトロンでは共振器群が環状に配列結合されているから、ベイン数をNとしたとき、N/2個の基本振動モードがある。実際には、製造誤差により各空洞共振器単独の周波数はそれぞれ異なっており、また、マイクロ波出力を取り出すアンテナは一つのベインだけに接続され、回路としての対称性がなく、空洞共振器群に生ずる定在波の分布は複雑である。従来のマグネトロンの完全円環状で切欠き部のないストラップリングは各空洞共振器それぞれの特定点に同電位、同位相を強制してN/2次モード即ちπモード発振を安定化しようとするものである。しかし、N/2−1次モードなどN/2次に近いモードの周波数はπモードの周波数にかなり近く、動作条件の僅かな変動によって周波数の飛びなどの不安定な現象が現れるという問題があった。かかる問題に対して、昭和31年12月に無線従事者教育協会で刊行した相浦正信著「マイクロ波真空管」の164〜165頁に、ストラップリングに切欠き部を設け、陽極円筒中心に対しストラップリング切欠き部反対側のベインにアンテナを結合するのが良く、実行もされている旨、理論的説明を添えて記載されている。
【0004】しかし、本願出願人が多数の実験を繰り返したところ、上記記載に反して、アンテナを、切欠き部に隣接するストラップリングの端部が接続されているベインに接続した方が、モード分離も発振効率も良好になることが発見、確認されたので、これを特願平4−201002号として出願した。しかし、この出願の願書の明細書にも記載したように、切欠き部を設けたストラップリングを用いてマグネトロンを量産することは容易ではなく、上記出願時に本願出願人が調査した範囲では、少なくとも量産品である電子レンジ用マグネトロンには切欠き部のあるストラップリングを用いた市販品は見当らなかった。予め切欠き部のあるストラップリングをプレス成形することは極めて容易であるが、完全円環状で切欠き部のないストラップリングの場合とは異なり、ストラップリング自体の取扱いに際して、例えば、切欠き部があるために互いにからまってしまったり、容易に変形したりするなど問題が生ずる。本出願人が上記実験を繰り返したときには、結局、図6(b)にフローチャートを示すように、ストッカからベインの収納溝内に配置するまでの工程を手動で行うのが、結局もっとも効率の良い製造方法であった。しかし、これでは電子レンジ用など量産が必要なマグネトロンの製造には不向きである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題を解決して、切欠き部のあるストラップリングを備えた、しかも量産性の高いマグネトロンの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明においては、陽極円筒の内周から偶数枚のベインを放射状に突出させ、陽極円筒とベインとで空洞共振器群を形成させ、隣接空洞間で逆位相となるπモード振動を安定化させるために、ベインの円筒軸方向端面で、直径が互いに異なる内、外ストラップリングにより各ベインを一つおきに同じ部位で相互に電気的に接続させ、且つ内、外ストラップリングに夫々1個所ずつ内外互いに接近させてベイン1枚を股ぐ切欠き部を設けたマグネトロン陽極を自動機械により製造するときに、部材としてのストラップリングを切欠き部のない状態で完成させたものを用いて、ストラップリングの、陽極円筒ベイン端面の溝内への組込工程を最終的に完了するまでの間に、切欠き部を形成させるようにした。
【0007】さらに具体的には、切欠き部のない状態で単独部材としての最終処理である接続用硬ろうめっきまで終了したストラップリングを、ベイン端面の収納溝内に配置して相手ベインに接続したのち、他部分に応力を生じ難い手段により切欠き部を形成するか、又は、切欠き部のない状態で単独部材としての最終処理である接続用硬ろうめっきまで終了したストラップリングを、その接続用突出部を相手ベインと同方向に位置決めしてベイン端面の収納溝内に配置する直前に、局部的に短時間で溶断できるレーザビームによる切断手段により切欠き部を形成させてから、収納溝内に配置してベインとの接続作業を行うようにした。
【0008】
【作用】既述のように、切欠き部を設けたストラップリングは、そのようなものを部材として製造することに何等困難はないが、その後の取扱いを慎重に行わなければ複数個がからまってしまったり、一寸した外力で変形したりする。これに対して、本発明では、単体部材としては切欠き部のない完全円環状のストラップリングを製造し、最終処理である、ベインとの接続を行うための硬ろうめっきまで、そのまま行ってしまうから、上記のような問題は起こらない。
【0009】切欠き部を設けてないストラップリングをベインの収納溝内に設置し、ベインに接続してから切欠き部を形成する場合は、ベインに接続するまでの作業は従来と全く同様であるから問題はない。また、ベインに接続してから、ストラップリングを切断して切欠き部を形成させる作業も比較的容易である。しかし、切欠き部形成のために、例えば、常温で剪断するような加工法では、ストラップリングの切欠き部以外の個所に応力を残留させる恐れがあるから好ましくない。なるべくは、レーザビームを照射して局部的に短時間で溶断するのが好ましい。
【0010】切欠き部のないストラップリングを、その接続用突出部を相手ベインと同方向に位置決めしてベイン端面の収納溝内に配置する直前に切欠き部を形成させる場合には、局部的に短時間で溶断できるレーザビームでストラップリングを切断するのが、自動機で良く用いられる真空吸着でストラップリングを保持している場合でも保持状態に影響が及ばずに済み、実用的であった。
【0011】なお、切欠き部を形成するときに、ベインの収納壁面に接続するためストラップリングに設けた突出部の直ぐ近くで切断して切欠き部を長くすると共振周波数が高く例えば2470±10MHzとなり、前記突出部からかなり離れた個所で切断して切欠き部を短くすると共振周波数が低く例えば2460±10MHzになるので、ストラップリングの切断範囲の仕様を変えるだけで用途別、仕向け地別などに、発振周波数の微調整をすることもできる。
【0012】
【実施例】図1は本発明を実施して製造したマグネトロン陽極の上面図、図2(a)は此の実施例で用いている切欠き部を設けた外ストラップリング19の上面図、図2(b)は切欠き部を設けた内ストラップリング18の上面図である。但し、このような切欠き部のあるストラップリングが部品として単独に存在するわけではなく、単に説明用に示したものである。これらの図において、2は陽極円筒、3はベイン、10はアンテナ(断面)、12はアンテナ係合溝、18は切欠き部のある内ストラップリング、18Aは内ストラップリングのベインとの接続用突出部、18Bは内スラップリングの切欠き部形成のための切断部、19は切欠き部のある外ストラップリング、19Aは外ストラップリングのベインとの接続用突出部、19Bは外ストラップリングの切欠き部形成のための切断部である。なお、図3(a)は切欠き部のないストラップリングをベインの収納溝内に設置してベインに接続してから切欠き部を形成させる実施例のフローチャート、図3(b)は切欠き部のないストラップリングのベインとの接続に備えた位置決め(接続用突出部の方向を合わせる)を終了したのち切欠き部を形成させてからストラップリングをベインの収納溝内に設置してベインに接続する実施例のフローチャートである。
【0013】切欠き部のないストラップリングをベインの溝内に設置してベインに接続してから切欠き部を形成する場合でも、ストラップリングのベインへの装着位置(方向)決めを済ませてから、切欠き部を形成したのち、ベインの溝内に設置してベインに接続する場合でも、既述のように、切欠き部を他部分から切断するのにレーザビームを用いれば、ストラップリングの保持に真空吸着装置を用いている場合でも問題が生じない。
【0014】ストラップリングの両端で切断された切欠き部を除去するのには、鉛直下方に何もない場合(ストラップリングの接続用突出部の方向をベインとの接続に適した方向に合わせる作業は陽極円筒のベインの溝の上で行わなくても、方向を確実に保持したままベインの溝の上まで搬送すれば差し支えないから、この搬送途中で切欠き部を形成する方法をとる場合などが該当する)には自然落下させるのが最も簡単であるが、一旦ストラップリングをベインに接続したのちベインの溝内で切断する場合には前記真空吸着装置を用いるとか、又はストラップリングを収納した溝のあるベインの端面を鉛直下方に向けた状態で切断作業を行って切欠き部分を下方へ自然落下させても良い。後者の方法はベインのアンテナ取付側端面だけにストラップリングがあるような場合に好適である。
【0015】マグネトロン実用時には、通常ベインは、先端部を電子に叩かれて温度上昇するけれども、冷却手段に囲まれた陽極円筒の内壁に固着されており良く冷却されるので、結局ストラップリングよりは低温である。そのために、平均的にストラップリングがベインよりも高温であるから、ストラップリングの方が大きく膨張し、断面積の小さいストラップリング内部にストレスが生じ、この繰返しで疲労し破壊する場合が従来からあった。切欠き部のないストラップリングをベインの溝内に設置しベインに接続する際、現在は大きな力をかけて押し込むような作業はしていないが、その代りベインの収納溝の近傍のベイン端面にノッチを入れて接続部を密着させる手段を採っている。このノッチの入れ方でストラップリングを変形させてしまって応力が残留することがある。この応力自体は、硬ろう付けするために加熱する段階で、殆ど除去されてしまうが、多少なりとも変形して接続されていると、上記実用時の温度差、それによる膨張差の繰返しによる疲労が大きくなり破壊され易い。ストラップリングに切欠き部があれば、ない場合に比べると、幾分変形の自由度が大きくなり、疲労破壊が軽減される。特に、ストラップリングをベインの溝内に設置して接続する直前に、切欠き部を設ける方法をとれば、ストラップリングのベインへの接続作業時に弾性的に変形させることができ、この弾性的変形の復元力を利用してストラップリングとベインの接続部を密着させることが出来る。(勿論、上記ノッチなどは不要である。)しかも、その変形はストラップリング全体に一様に分散するので、実用時にベインとストラップリングの温度差で生ずる応力も1個所に集中するようなことがなく、従来よりも疲労破壊が生じ難くなる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、マグネトロン陽極の完成時にストラップリングに切欠き部があるためのモード分離や発振効率が良いという利点は享受しながら、部品単体としてのストラップリングには切欠き部を設けないので其の取扱いは容易であり、切欠き部の長短を加減することにより同一部品を用いながら共振周波数の微調整が可能になり、しかもストラップリングの繰返し応力による疲労破断の恐れが低減するなどの効果が得られる。




 

 


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