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発明の名称 放電励起エキシマレーザ発振装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−90047
公開日 平成6年(1994)3月29日
出願番号 特願平4−239827
出願日 平成4年(1992)9月8日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】富田 和子
発明者 佐々木 弘治 / 久保田 善征 / 小倉 聰 / 川久保 幸雄 / 竹森 聖
要約 目的
本発明の目的は、高効率でパルス毎の安定なレーザ出力が得られるエキシマレーザ装置を提供することである。

構成
主放電回路部Aと予備電離回路部Bを分離し、予備電離回路部Bは可飽和リアクトル13を設けて構成され、主放電回路部Aのスイッチング素子5をスイッチングするパルス発振器3、予備電離回路部Bのスイッチング素子17をスイッチングするパルス発振器4、パルス発振器3、4にスイッチング指令を出す制御装置2、及び主放電用ピーキングコンデンサ8の充電電圧を充電電圧測定素子18を介して制御装置2に取り込む構成である。
特許請求の範囲
【請求項1】レーザガス中に主放電電極と主放電開始前に主放電空間を予備電離する予備電離手段を有するパルスレーザ発振装置において、主放電電源と予備電離電源を分離し、予備電離電源にパルス圧縮回路を設けたことを特徴とする放電励起エキシマレーザ発振装置。
【請求項2】前記予備電離電源が、予備電離用コンデンサ、可飽和リアクトル、電源スイッチング素子とから構成される請求項1記載の放電励起エキシマレーザ発振装置。
【請求項3】前記予備電離電源のパルス時間幅を、主放電用ピーキングコンデンサ充電時間未満としたことを特徴とする請求項1記載の放電励起エキシマレーザ発振装置。
【請求項4】主放電開始時点を起点として、前記予備電離電源の電源スイッチング素子のスイッチング開始時間を調整する予備電離制御装置を備えたことを特徴とする請求項1記載の放電励起エキシマレーザ発振装置。
【請求項5】前記記載の予備電離手段が、一対で構成される予備電離電極を一個以上有するスパーク放電UV予備電離方式である請求項1記載の放電励起エキシマレーザ発振装置。
【請求項6】前記記載の予備電離がコロナ放電電極を備えたコロナ放電UV予備電離方式である請求項1記載の放電励起エキシマレーザ発振装置。
【請求項7】一対の予備電離電極に少なくとも一個以上の可飽和リアクトルを設けたことを特徴とする請求項5記載の放電励起エキシマレーザ発振装置。
【請求項8】予備電離電極、予備電離用コンデンサ及び可飽和リアクトルを電気絶縁物の埋め込み成型によって一体に構成したことを特徴とする請求項8記載の放電励起エキシマレーザ発振装置。
【請求項9】請求項8記載の電気絶縁物が無機物であることを特徴とする請求項8記載の放電励起エキシマレーザ発振装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放電励起エキシマレーザ発振装置に関し、特に、安定なパルスレーザ出力を得るのに好適なエキシマレーザ発振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】放電励起エキシマレーザ発振装置の放電回路の一例を、図5と図6に示す。主放電用コンデンサであるピーキングキャパシタ8に主放電エネルギーを充電していく過程で、予備電離電極11a、11bを放電させ、その放電電流を利用して、主放電空間の予備電離を行う自動予備電離方式が採用されていた。また、主放電は、予備電離された放電空間においてピーキングキャパシタ8に並列に接続された主電極間の自爆放電で形成される。この自爆放電によってレーザガスを励起してレーザ光を出す。また、主放電回路に、可飽和リアクトル22を用いたパルス圧縮回路を付加し、電極間電圧の立上り時間を圧縮することにより自爆放電電圧つまり主放電開始電圧を高めている。なお、この種の装置として関連するものには、例えば特開昭60-96182号、特開昭64-20684号公報等が挙げられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術において、主放電回路と予備電離回路が一体に構成できることから回路構成が簡便であるが、主放電開始電圧は、電極の表面状態や放電空間の予備電離状態、ガス流速分布の乱れ等によりパルス放電毎に変化する。そのため、レーザ出力は、主放電開始電圧の2乗に比例して変化することになり、安定なレーザ出力を得ることが困難である。また、主放電電源の充電電圧を変えた場合には、予備電離電流は、充電電圧に比例して自動的に変化し、放電空間の予備電離量も自動的に変化させることができるものの、主放電空間に適切な予備電離量を供給することについて考慮されていなかった。さらに、主放電回路に、可飽和リアクトルを用いたパルス圧縮回路を付加し、電極間電圧の立上り時間を圧縮することにより、自爆放電電圧つまり主放電開始電圧を高めることで、高効率のレーザ出力を得ることは可能であるが、主放電空間の予備電離量の最適化や安定なレーザ出力を提供することについては考慮されていなかった。
【0004】本発明の目的は、放電励起エキシマレーザ装置において、パルス放電毎に安定なレーザ出力を得る手段を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、主放電電源と予備電離電源を分離し、予備電離電源にパルス圧縮回路を設けたものである。また、予備電離電源装置は、予備電離電源電圧の調整機能を有するものとした。
【0006】さらに、主放電電源のスイッチング時間と予備電離電源スイッチング時間とを調整する同期装置を設けている。
【0007】
【作用】本発明では、主放電電源と予備電離電源を分離し、予備電離電源にパルス圧縮回路を設けることで、数10nsのパルス電流または、パルス電圧で放電空間を予備電離すると同時に主放電をトリガすることができる。また、予備電離電源装置に予備電離電源電圧の調整機能をもたせることにより、主放電空間の予備電離量を最適化することができるようにしている。さらに、主放電電源のスイッチング時間と予備電離電源スイッチング時間とを調整する同期装置を設けることにより、主放電開始電圧を調節することができ、この機能によってレーザ出力を微調可変することができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1に基づいて具体的に説明する。
【0009】本実施例のレーザ装置は、レーザ発振管1を介して主放電回路部Aと予備電離回路部B及び制御装置2、パルス発振部3,4、主放電電圧を測定する充電電圧測定素子18から構成されている。
【0010】主放電回路部Aは、主放電回路部Aの動作を開始する固体スイッチング素子5、固体スイチッング素子5に流れる電流の初期上昇率を抑制するリアクトル9、主放電エネルギーを充電しておく主放電用充電コンデンサ6、充電用リアクトル7、主放電回路を構成する主放電用ピーキングコンデンサ8、レーザガスを放電により励起するための主放電電極10a、10bによって構成されている。
【0011】予備電離回路部Bは、予備電離回路部Bの動作を開始するスイッチング素子17、予備電離放電エネルギーを充電しておく予備電離放電用充電コンデンサ14、充電用リアクトル16、パルス圧縮用コンデンサ15、パルス圧縮用可飽和リアクトル13、予備電離放電回路を構成する予備電離放電用ピーキングコンデンサ12、スパーク放電UV予備電離放電電極11a,11bから構成されている。
【0012】又、主放電回路部A、予備電離回路部Bのそれぞれには、直流高電圧電源接続端子20、21が設けられ、各々の直流高電圧電源に接続されている。予備電離回路部Bを上記構成にすることにより、予備電離回路部Bに用いる直流高電圧電源の電源容量を主放電空間を予備電離するだけの容量にすることが可能になる。
【0013】以下に本実施例の作用を具体的に説明する。図2には、回路動作原理図を示す。 主放電回路部A及び予備電離回路部Bの直流高電圧電源接続端子20、21に、各々の直流高電圧電源より直流高電圧を印加することにより、主放電回路部Aでは、主放電用充電コンデンサ6が充電用リアクトル7を通して高電圧に充電され、予備電離回路部Bでは、予備電離放電用充電コンデンサ14が充電用リアクトル16を通して高電圧に充電されている。この時点で、制御装置2より、トリガ信号がパルス発振器3に入力され、パルス発振器3から出たパルス信号によって固体スイッチング素子5をオンさせると、主放電用充電コンデンサ6に蓄えられたエネルギーは、リアクトル9、固体スイッチング素子5を通じて主放電用ピーキングコンデンサ8の充電を開始する。その充電時の経過を図2のvCPに示す。
【0014】vCPが暫時上昇していく過程で、充電電圧測定素子18によりvCPを測定し、制御装置2にvCPに対応した信号を取り込む。制御装置2には、予め希望する主放電開始電圧VBに対応する数値データを入力しておき、このデータとvCPに対応した信号データとを制御装置2で比較し、適当な時点で制御装置2よりパルス発振器4にトリガ信号を出し、パルス発振器4より予備電離回路部Bのスイッチング素子17のオン信号パルスを出す。スイッチング素子17がオンすることで、予備電離放電用充電コンデンサ14に蓄えたエネルギーは、スイッチング素子17を通じて、予備電離放電用充電コンデンサ15に移行されていく。この移行過程で、予備電離放電用充電コンデンサ15の充電電圧は上昇していくが、この時点では、可飽和リアクトル13は、磁束密度が未飽和の高インピーダンス状態にあり、予備電離放電用ピーキングコンデンサ12には充電電流はほとんど流れ込まない。
【0015】予備電離放電用充電コンデンサ15の充電電圧がさらに上昇し、可飽和リアクトル13の磁束密度が飽和状態になると、可飽和リアクトル13のインピーダンスは、高インピーダンスの状態から急激に低インピーダンス状態となる。つまり、スイチッングオフの状態からオンの状態になり、予備電離放電用充電コンデンサ15に蓄えられたエネルギーは、急速に予備電離放電用ピーキングコンデンサ12に移行する。
【0016】予備電離放電用ピーキングコンデンサ12の充電電圧が予備電離放電用ピーキングコンデンサ12と並列に接続された予備電離放電電極11a,11b間の自爆放電電圧に達すると、予備電離放電がおこり予備電離電流iPが流れ始める。主放電回路部Aの固体スイッチング素子5がスイッチオンしてからt1の時間後に、iPが流れ始める。予備電離放電電極11a,11b間の自爆放電は、アーク放電であり、この放電光に含まれる紫外光線によって、主放電電極10a、10bで挟まれた主放電空間を短時間t2で予備電離する。これにより、主放電がトリガされ主放電用ピーキングコンデンサ8の充電電圧VBで主放電が開始し、主放電電流idが流れ、主放電空間にあるレーザガスを励起する。
【0017】このとき発生する誘導放出光を、レーザ光反射ミラーによって構成する光共振器内で往復反射させることで増幅して、光共振器外部にレーザ光として取り出し、そのレーザ光ELの時間幅がt3である。
【0018】予備電離電源のパルス時間幅は、主放電用ピーキングコンデンサ充電時間未満とすることが望ましい。この理由は、予備電離電源のパルス幅が小さくなることによって、主放電開始のタイミングのばらつきの幅が小さくなるからである。例えば、このパルス時間幅が主放電ピーキングコンデンサ充電時間の1/10以下であれば、主放電開始タイミングのばらつきの幅も1/10以下に抑えられる。例えば、上記実施例を用いた場合、主放電用充電コンデンサ6の充電電圧を30kV、予備電離放電用充電コンデンサ14の充電電圧を3kVとしたときの、発明者等の実験によれば、t1がほぼ1μs、t2を100ns、VBを28kVとした条件で、時間幅t3=100ns程度のレーザ光ELが得られている。
【0019】本実施例によれば、主放電回路部Aと予備電離回路部Bが分離されていることにより、主放電空間の予備電離量に必要なだけのエネルギーを予備電離放電用コンデンサに充電すればよく、必要以上の予備電離放電をしなくてよい。
【0020】本発明の他の実施例を図3により説明する。図1の予備電離回路部Bは、予備電離放電用充電コンデンサ14に、予備電離に必要なエネルギーを充電しておき、充電コンデンサ15にそのエネルギーをスイッチング素子17を通して移行し、さらに、そのエネルギーを予備電離放電用ピーキングコンデンサ12に移行する容量移行型の配置構成にしている。これに対し、図3の予備電離放電回路部13では、予備電離に必要なエネルギーをコンデンサ14と15の両方に充電しておき、そのエネルギーを予備電離放電用ピーキングコンデンサ12に移行する倍電圧容量移行回路を用いた実施例である。以下に予備電離放電回路部の具体的な動作を説明する。
【0021】コンデンサ14は、充電用リアクトル16をとおして、コンデンサ15は直接に、直流高電圧に充電される。その状態で、パルス発振器4より、スイッチング素子17にスイッチオンパルスが入力されると、スイッチング素子17がオンし、スイッチング素子17とコンデンサ15で直列回路を構成する。そのことで、コンデンサ15の電位が急速に反転し、それによって、A−B間の電位は充電電圧のほぼ倍の電位差となる。
【0022】この電位差がピーク値に達した時点で、可飽和リアクトル13はスイッチングオン、つまり、高インピーダンスから低インピーダンスへ急激に変化する。これによって、コンデンサ14、15、及び可飽和リアクトル13、予備電離放電用ピーキングコンデンサ12よる直列回路を構成することになり、コンデンサ14、15に蓄えたエネルギーは、予備電離放電用ピーキングコンデンサ12に容量移行される。そして、予備電離放電用ピーキングコンデンサ12の充電電圧が予備電離放電用ピーキングコンデンサ12と並列に接続された予備電離放電電極11a,11b間の自爆放電電圧に達すると、予備電離放電がおこり、予備電離電流iPが流れ始める。以下の動作は、図1の実施例と同様である。
【0023】本実施例によれば、予備電離放電用ピーキングコンデンサ12に予備電離放電エネルギーを移行するための回路構成がコンデンサ14、15と直列に構成されることから、エネルギーの移行周波数が図1に示した実施例に比較して早くなり、予備電離放電が開始する予備電離放電用ピーキングコンデンサ12の電圧を高くすることができ、コンデンサ14、15の充電電圧を、図1の実施例でのコンデンサ14への充電電圧の半分程度でも同等の効果が得られる。
【0024】さらに、本発明の他の実施例としては、予備電離電極部Bを図1、図3に示した11a、11bのスパーク放電型予備電離電極に変えて、コロナ放電によって発生する紫外線を用いて、主放電空間の予備電離を行うコロナ放電予備電離電極を予備電離電極部に設ける方式にしても良い。この方式によれば、予備電離放電によるレーザガスの劣化を無視することができる。
【0025】図4には、実施例図1、図3での、可飽和リアクトル13、予備電離放電用ピーキングコンデンサ12、予備電離電極11a、11bを電気絶縁物19で埋め込み成型して一体化した場合の実施例を示す。電気絶縁物19としては、ガラス繊維樹脂、炭素系樹脂、フッ素系樹脂、塩素系樹脂等を用いることができる。また、セラミックス等の無機物で高誘電率材料を使用してもよい。以上のように、電気絶縁物19によって一体化することで、レーザ装置の一つの構成部品として取り扱うことができるようになり、装置を簡便、小型にすることができる。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、主放電回路と予備電離回路を分離し、予備電離回路に可飽和リアクトルを設けることにより、予備電離放電よって主放電をトリガすることができ、レーザガス圧力などに影響されずに主放電開始電圧を一定にできることから、安定なパルスレーザ出力が得られる。
【0027】また、主放電電圧測定素子からの電圧値を制御装置に取り込み、それによって、パルス発振器をトリガし、スイッチング素子をオンすることで、主放電開始電圧制御できるように構成されていることから、レーザの発振効率を高めることができる。
【0028】さらに、主放電電極に印加される主放電電圧の立上り時間を数μs以上にできることから、主放電回路のスイッチグ素子に固体スイチッグ素子を使用することが可能となり、スイッチング素子の長寿命化が図れる効果がある。




 

 


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