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発明の名称 非水系二次電池
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−89742
公開日 平成6年(1994)3月29日
出願番号 特願平4−240359
出願日 平成4年(1992)9月9日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 本棒 英利 / 水本 守 / 堀場 達雄 / 後藤 明弘 / 西村 勝憲
要約 目的
逆充電時に正極活物質上にアルカリ金属が直接析出することを防止する。

構成
非水系二次電池の正極にアルカリ金属と合金を形成する金属からなる金網等を配置し正極と導通させることにより、逆充電状態においてアルカリ金属をこの金属上に析出させ事故を防止する。
特許請求の範囲
【請求項1】アルカリ金属,アルカリ金属合金あるいはアルカリ金属を吸蔵させた炭素材料を負極活物質とする電池において、アルカリ金属が溶解析出する平衡電位から1V以内の貴なる電位範囲で、アルカリ金属と合金を形成する金属を正極に備えたことを特徴とする非水系二次電池。
【請求項2】正極にアルカリ金属と合金を形成しうる金属よりなる多孔性板状金属を正極表面に配置し、かつ、該多孔性板状金属を正極端子に導通させたことを特徴とする請求項1記載の非水系二次電池。
【請求項3】アルカリ金属と合金と形成しうる金属を正極の集電体に用い、その一部を電極表面に露出させたことを特徴とする請求項1記載の非水系二次電池。
【請求項4】正極と負極の間に挿入されたセパレーターの正極側に対向する面にアルカリ金属と合金を形成しうる金属を蒸着したセパレーターの蒸着金属を正極端子に導通した請求項1記載の非水系二次電池。
【請求項5】請求項1〜4記載の少なくともいずれか1つに該当する非水系二次電池を2本以上直列接続した構成を有する組電池。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非水系二次電池に係り、特に複数個の電池によって構成される組電池において、逆充電による事故を防止するための電池構造に関する。
【0002】
【従来の技術】アルカリ金属,アルカリ金属合金あるいはアルカリ金属を吸蔵させた炭素材料を負極に用いる非水系二次電池は、従来の水系二次電池に比べ高いエネルギー密度を有し、かつ、高い電池電圧を発生することから、ノート型パソコンや携帯電話等のコードレス機器あるいは電気自動車の電源として利用が期待されている。しかし、これらの電池には、反応性の高いアルカリ金属を負極活物質として使用しているため、発火等の事故を引き起こす危険性がある。上記の用途などでは、数百〜千mAh以上の高容量の円筒型あるいは箱型電池となるため、事故が生じた場合その被害は大きなものとなる。そのため、非水系電池の事故防止に対する技術的課題の解決が重要となっている。
【0003】事故発生の原因の1つに充電時における正極負極間のデンドライトショートが挙げられる。この事故に対する対策として、負極基体にアルカリ金属合金あるいはアルカリ金属を吸蔵させた炭素材料を用いることによってアルカリ金属のデンドライト析出を防ぐ方法などが検討されている。
【0004】これとは別に放電時の事故原因として、複数個の電池を直列接続した組電池において、品質のバラツキあるいは容量低下等により生じる容量の最も小さい電池が、他の電池に先行して放電が終了し、その後他の電池の電圧によって強制放電となり過放電から電池電圧が0V以下に達する、いわゆる逆充電が挙げられる。逆充電状態で放電を続けると、やがて正極電位がアルカリ金属が溶解析出する平衡電位より卑な電位に達し、負極容量に係らずアルカリ金属が正極活物質上に析出する。正極活物質として一般的に用いられるのは金属酸化物あるいは金属カルゴゲナイト等であり、未放電の正極活物質が存在しているとアルカリ金属はこれらと激しく反応し、この時の発熱により事故を誘発する可能性が生じる。
【0005】通常、1個の電池を使用する場合は、負荷に電池をつないだままの放電状態であり、逆充電による事故が発生する可能性はない。また、電圧の異常が検出されやすい。しかし、2本以上の電池を直列に接続した組電池の場合は、組電池の中のいずれかの電池が上述の逆充電状態に陥っても、組電池全体としての電池電圧が発生し放電を続けることが可能なため、事故を防止する手段を講ずる必要がある。
【0006】逆充電による正負両極の電極電位の逆転を解消する方法として抵抗を電池と並列に接続する方法(特開昭61−206178号)、あるいは、逆充電時の異常発熱の放熱方法として集電体に銅製の薄板を利用する方法(特公平4−34265号)が提案されている。しかし、逆充電における異常発熱さらに事故を防止する本質的解決法は見出されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、非水系二電池において上述の逆充電時の異常発熱、さらに事故を防止するための電池構造を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】逆充電状態を防ぐ方法として、第1には、組電池の個々の電池の電圧を検出し電圧が0V以下になる以前に放電を停止することが最も正確である。しかし、この方法は、電池の数が多くなればなるほど、電圧検出器を装備することによって組電池の構造が複雑になること、並びに多数の単電池の電圧を検出すること自体も煩雑となることから現実的なものとは言い難い。
【0009】本質的に逆充電による事故を防ぐためには、正極活物質上にアルカリ金属が析出しないこと、即ち、正極の電極電位をアルカリ金属が溶解析出する平衡電位より常に貴な電位に保持することが肝心である。
【0010】そこで、Al,Pb,Zn,In,Ag等の金属は、アルカリ金属が溶解析出する平衡電位より貴な電位でアルカリ金属と合金化し、この電位が一定の間保持されるので、正極にこれらの金属片を配置すれば、正極の電位は常にアルカリ金属が溶解析出する平衡電位より貴な電位に保たれるため、正極活物質とアルカリ金属との激しい反応を防止することが可能となる。また、そのため電圧の変化にステップが生じ、逆充電の発生検出が容易になる。
【0011】ここで、上記金属とアルカリ金属が合金を形成する際の電位は、アルカリ金属が溶解析出する平衡電位から1V以内の電位範囲であることが望ましい。これは、正常な充放電時において、正極電位の変動幅がアルカリ金属が溶解析出する平衡電位に対し1.5 から4Vの電位範囲内であり、この範囲で合金化反応が進行しないようにするためである。更に、上記金属を備えることによる重量エネルギー密度の低下を抑えるため、その比重は小さいことが望ましく、上記金属材料のうちAlが最も適している。
【0012】また、円筒あるいは箱型電池の電極形状がシート状であることから、正極に取り付けられるアルカリ金属と合金化する金属の形状は、電極製造上正極と一体化できるような板状であることが望ましい。更に、速やかに合金化反応が進むように、この金属板は正極を覆い、セパレーターに含浸させた電解液に面するように配置する必要がある。同時に、これにより通常の充放電時の正極活物質へのアルカリ金属イオンのインターカレーション脱インターカレーション反応が著しく妨げられないように、この金属の形状は金網あるいはパンチングメタル状のような多孔性の形状であることが望ましい。
【0013】また、重量エネルギー密度の低下を最小限にとどめ、正極製造をより簡略化するため、正極の集電体に上記の金属を用いその一部を電極表面に露出させる方法、さらには、正極と負極の間に挿入されたセパレーターの正極側に対向した面に上記の金属を蒸着させ、蒸着した金属面と正極と通電させる方法により上記の電極構造を有した正極と同様な効果が期待出来る。
【0014】さらに、逆充電による事故が発生する可能性を有する組電池において、上述した構造をもつ電池を使用することにより、個々の電池電圧を検出する大がかりな装置の有無によらず、放電中にいずれかの電池が逆充電状態に陥っても、自発的に事故を防止することが可能である。
【0015】
【作用】通常の非水系二次電池の通常の放電では、例えば、正極に二硫化チタン及び負極にリチウム金属を用いる電池系を例にとると、正極においては(1)式で示されるリチウムイオンのインターカレーション反応及び負極においては(2)式で示されるリチウムの溶解反応が起きる。
【0016】
【数1】

【0017】
【数2】

【0018】過放電を経て逆充電状態に至ると、正極では(1)式に示す反応が完了し、(3)式に示すように、正極活物質上にリチウム金属が析出する反応が起こる。その結果、電気的接触を絶った未放電の二硫化チタンとリチウム金属が反応し発熱することによって事故が生じる。
【0019】
【数3】

【0020】これに対し、正極にアルミニウム金属片を備え電気的導通をとった電極構造の電池では、逆充電状態で正極において(4)式に示すように、リチウムとアルミニウムの合金化反応が起きる。
【0021】
【数4】

【0022】上記のように、本発明の電池構造をもった非水二次系電池においては、逆充電状態に陥っても、正極に備えたアルカリ金属と合金化する金属上にアルカリ金属が析出し、合金化する。そこで、正極活物質とアルカリ金属との直接反応を抑制し、逆充電による事故を未然に防ぐことができる。
【0023】
【実施例】以下、図面により本発明の実施例を詳細に説明する。
【0024】実施例1図1は本発明の非水系円筒電池を示す図面であり、図中、1は正極、2は負極、3はセパレーター、4は正極リード線、5は負極リード線、6はガスケット、7は正極端子、8は負極ケースである。正極1および負極2はシート状の電極であり、セパレーター3,正極1,セパレーター3及び負極2の順で重ねあわせ捲回した。正極1および負極2の電池端子への導通は、それぞれ正極リード線4及び負極リード線5によって得た。
【0025】図1の正極及び負極間の構造をより詳細に示したのが図2である。図中、9は正極集電体、10は正極活物質層、11はAl製のパンチングメタル、12は負極集電体、13は負極活物質である。正極集電体9および負極集電体12はステンレス鋼製のエキスパンドメタルである。負極活物質13はリチウム金属箔であり、負極集電体12に圧着しシート状の電極とした。正極活物質層10は、粒子径106μm以下のTiS2 粉末85wt%、導電剤としてアセチレンブラック10wt%および結着剤としてポリテトラフルオロエチレン粉末5wt%から成り、これを混練し、正極集電体9の両面に均一に展開させ加圧成型しシート状の電極とした。更に、この両面に厚さ50μmのAl製のパンチングメタル11を配置し、電極を捲回する開始部分で正極集電体9とAl製のパンチングメタル11をスポット溶接し電気的導通をとった。
【0026】上述した電池構造をもつ容量の異なる2000mAh及び500mAhの電池を直列接続し、25.0℃ の雰囲気下で放電を行った。その際の全電池電圧と容量が500mAhの電池について電池電圧と温度の変化を測定した。500mAh放電した時点において、全電池電圧は1.72 Vであり、容量が500mAhの電池の電圧及び温度はそれぞれ0.04V及び30.3℃であった。以後、容量が500mAhの電池は逆充電状態となり、720mAh通電後放電を終了した。その時、全電池電圧は1.11V 、容量が500mAhの電池の電圧及び温度はそれぞれ−0.80V及び27.5℃であり、逆充電による温度上昇は確認されなかった。
【0027】実施例2正極構造をより簡単化した製造上好ましい正極を作成した。その構造を図3(a)及び図3(b)に示す。図3(b)は図3(a)中に示したA−A′の断面図である。14は厚さ0.5mm のアルミニウム製のエキスパンドメタル、15はアルミニウム製のエキスパンドメタルの側壁面、16はアルミニウム製のエキスパンドメタルの上面である。正極活物質層10は粒子径106μm以下のTiS2粉末73wt%、導電剤としてアセチレンブラック15wt%および結着剤としてポリテトラフルオロエチレン粉末12wt%から成り、十分に混練した。これをアルミニウム製のエキスパンドメタル14の開孔部分に均一に展開し、加圧成型しシート状の電極とした。正極活物質10とアルミニウム製のエキスパンドメタル14の接着及び電気的導通はエキスパンドメタルの側壁面15でとられ、アルミニウム製のエキスパンドメタルの上面16は露出している。
【0028】実施例1と同様に、上記の電池構造をもつ容量の異なる2000mAh及び500mAhの電池を直列接続し、25.0℃ の雰囲気下で放電を行った。その際の全電池電圧と容量が500mAhの電池について電池電圧と温度の変化を測定した。500mAh放電した時点において、全電池電圧は1.78V であり、容量が500mAhの電池の電圧及び温度はそれぞれ0.03V及び28.1℃であった。以後、容量が500mAhの電池は逆充電状態となり、720mAh通電後放電を終了した。その時、全電池電圧は1.24V 、容量が500mAhの電池の電圧及び温度はそれぞれ−0.74V及び26.9℃であり、逆充電による温度上昇は確認されなかった。
【0029】実施例3正極構造を簡単化する実施例2とは異なる方法として、セパレーターにアルミニウムを蒸着し、その蒸着層を正極活物質と接触させた。図4中、17はセパレーター3の正極1と対向する面にアルミニウムを蒸着したアルミニウム蒸着層である。セパレーター3はポリプロピレン製の不織布であり、その片面にアルミニウムを厚さ1.5μm 蒸着しアルミニウム蒸着層17を形成した。正極1及び負極2については、実施例1と同様に作成した。また、正極1,負極2及びセパレーター3を重ね合わせ捲回するするため、蒸着層17と正極1が接触し電気的導通が得られる。
【0030】実施例1と同様に、上述した電池構造をもつ容量の異なる2000mAh及び500mAhの電池を直列接続し、25.0℃ の雰囲気下で放電を行った。その際の全電池電圧と容量が500mAhの電池について電池電圧と温度の変化を測定した。500mAh放電した時点において、全電池電圧は1.71V であり、容量が500mAhの電池の電圧及び温度はそれぞれ0.04V及び30.2℃であった。以後、容量が500mAhの電池は逆充電状態となり、720mAh通電後放電を終了した。その時、全電池電圧は1.24V 、容量が500mAhの電池の電圧及び温度はそれぞれ−0.73V及び29.5℃であり、逆充電による温度上昇は確認されなかった。
【0031】比較例実施例1の正極からAl製のパンチングメタルを除いた電池容量が500mAh及び2000mAhの通常の電池を直列接続し、25.0℃ の雰囲気下で放電を行った。その際の全電池電圧と容量が500mAhの電池について電池電圧と温度の変化を測定した。500mAh放電した時点において、全電池電圧は1.67Vであり、容量が500mAhの電池の電圧及び温度はそれぞれ0.01V 及び30.9℃ であった。以後、容量が500mAhの電池は逆充電状態となり、630mAh放電した時点から電池の温度の急激な上昇が起こった。720mAh通電後放電を終了し、その時の全電池電圧は1.19V 、容量が500mAhの電池の電圧及び温度はそれぞれ−0.81V及び58.6℃であった。
【0032】
【発明の効果】本発明により、非水系電池における逆充電時の反応暴走を抑制し、電池の温度上昇を防ぐことができる。これにより、複数の電池を直列接続して構成される組電池における逆充電による事故の防止に寄与し、安全性の高い非水系二次電池を提供することができる。




 

 


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