米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 電気素子 -> 株式会社日立製作所

発明の名称 電子装置およびその製造に用いるワイヤボンディング装置ならびに電子装置に組み込まれる電子部品および配線基板
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−69271
公開日 平成6年(1994)3月11日
出願番号 特願平4−218981
出願日 平成4年(1992)8月18日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】秋田 収喜
発明者 武井 栄治
要約 目的
電子装置におけるワイヤボンディングの信頼性の向上。

構成
第1ボンディング部となる半導体素子4のボンディング部を複数のワイヤボンディング領域10で構成するとともに、第2ボンディング部となるリード3のボンディング部を複数のワイヤボンディング領域10で構成する。前記ワイヤボンディング領域10は正式ボンディング箇所および予備ボンディング箇所からなる。正式ボンディング箇所に汚れ(塵)15が存在した場合、ワイヤ6は予備ボンディング箇所に接続される。正式・予備ボンディング箇所が何れも汚れ(塵)がある場合は、ワイヤボンディングはされない。別の手段としては、汚れ(塵)をレーザ光照射によって消滅させ、その後ワイヤボンディングを行う。
特許請求の範囲
【請求項1】 電子部品や配線基板のワイヤ接続部となるボンディング部と、配線基板やリードのワイヤ接続部となるボンディング部を導電性のワイヤで接続してなる電子装置であって、前記ボンディング部は単一のワイヤの接続対象として相互に電気的に繋がる複数のワイヤボンディング領域で構成されているとともに、前記ワイヤの先端は前記ボンディング部の一つのワイヤボンディング領域に接続されていることを特徴とする電子装置。
【請求項2】 ワイヤ接続部となるボンディング部を有する電子部品であって、前記ボンディング部は単一のワイヤの接続対象として相互に電気的に繋がる複数のワイヤボンディング領域で構成されていることを特徴とする電子部品。
【請求項3】 ワイヤ接続部となるボンディング部を有する配線基板であって、前記ボンディング部は単一のワイヤの接続対象として相互に電気的に繋がる複数のワイヤボンディング領域で構成されていることを特徴とする配線基板。
【請求項4】 電子部品や配線基板のワイヤ接続部となるボンディング部と、配線基板やリードのワイヤ接続部となるボンディング部を導電性のワイヤで接続してなり、かつ前記ボンディング部は単一のワイヤの接続対象として相互に電気的に繋がる複数のワイヤボンディング領域で構成されている電子装置の製造に用いられるワイヤボンディング装置であって、前記ボンディング部におけるワイヤ接続部の表面を検出する表面検出装置と、この表面検出装置による情報によってワイヤボンディングをしないことを含みワイヤボンディング箇所を決定する制御部と、前記制御部の制御によって所望のワイヤボンディング領域間のワイヤボンディングを行うボンディングツールとを有することを特徴とするワイヤボンディング装置。
【請求項5】 二箇所のワイヤ接続部をワイヤで接続するワイヤボンディング装置であって、前記ワイヤ接続部のボンディング表面の塵や汚れを検出する表面検出装置と、前記ボンディング表面に塵や汚れが存在した際動作して前記ボンディング表面にレーザ光を照射して塵や汚れを消滅させるレーザ装置とを有することを特徴とするワイヤボンディング装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子装置およびこの電子装置を製造するワイヤボンディング装置に関し、特にワイヤボンディングの信頼性向上が図れるワイヤボンディング技術に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置,混成集積回路装置等電子装置の組立において、半導体素子(チップ)や配線基板の電極(パッド)等の第1ボンディング部と、リード等の第2ボンディング部とをワイヤで接続する工程がある。このワイヤボンディング工程において、前記第1ボンディング部と第2ボンディング部を金線やアルミニウム線で自動的に接続する装置として、ワイヤボンディング装置(ワイヤボンダ)が知られている。従来のワイヤボンダについては、たとえば、工業調査会発行「電子材料1991年別冊号、平成3年11月22日発行、P92〜P97に記載されている。この文献には、超音波熱圧着法(TS法)、熱圧着法(TC法)および超音波法(US法)の内、特に超音波熱圧着法について記載されている。また、この文献には、ワイヤボンダ主要ユニットにおける認識装置にあっては、「現在ほとんどのワイヤボンダがCCDカメラを搭載し,記憶したパターンと明暗度の一致度が高いパターンを画素毎にスキャン,演算検出し位置決定する多値化相関方式をとっている。また、階調や画素数を増加させ,認識分解能0.2μmを達成するメーカーもある。」旨記載されている。
【0003】一方、九州松下電器株式会社発行のカタログ「SMT高密度実装システム’91−11」のP29には、プラズマクリーニング装置が紹介されている。このカタログには、このプラズマクリーニング装置は、センサ,サーマル,各種COB,HIC等のボンディングパッド表面洗浄活性化を目的として開発された装置である旨記載されている。そして、ダイマウンタ,ワイヤボンダの前工程として、アルゴンプラズマ中で基板をドライ洗浄することにより、高いボンディング信頼性が実現できると記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来のワイヤボンディング装置は、ローディング位置にある半導体素子(チップ)が固定されたリードフレームを、ローダによって順次ワイヤボンディング位置に送り出すとともに、認識装置によってチップやリードフレームのワイヤボンディング位置を検出し、かつワイヤボンディング位置を自動的にアライメントしてワイヤボンディングする構造となっている。また、ワイヤボンディング処理されたリードフレームは、順次アンローダによってアンローディング位置に送られて所定のマガジン等に収容されるようになっている。このようなワイヤボンディング装置にあっては、チップやリードフレームのボンディング領域(パッド:ボンディング点)に塵や汚れが付いていてもワイヤボンディングが行われる。塵や汚れが付いている部分にワイヤが接続されるとボンディングの信頼度が低下する。ワイヤボンディング後に目視によって外観検査を行い、ワイヤボンディング領域に塵や汚れの有るものは不良として排除できるが、ボンディング部分に隠れた塵や汚れがある場合は目視できないため次工程に運ばれてしまう。これにより、ボンディングの信頼性が低くなるとともに、ワイヤボンディング歩留りも低下してしまう。
【0005】一方、ワイヤボンディングの信頼性を高くするために、前記文献に記載されているように、ワイヤボンディング前にワイヤボンディングパッド表面を清浄化し、その後ワイヤボンディングを行う技術が開発されている。
【0006】本発明の目的は、ワイヤボンディングの信頼性が高い電子装置を提供することにある。
【0007】本発明の目的は、ワイヤボンディングの信頼性が高いワイヤボンディング装置を提供することにある。
【0008】本発明の目的は、電子装置におけるワイヤボンディングの信頼性を高めることができる電子部品および配線基板を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、ワイヤボンディング歩留りの向上を達成できるワイヤボンディング技術を提供することにある。本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面からあきらかになるであろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記のとおりである。半導体素子等の電子部品や配線基板のワイヤ接続部(ボンディング部:第1ボンディング部)と、配線基板の配線層やリードフレームにおけるリードのワイヤ接続部(ボンディング部:第2ボンディング部)をワイヤで接続してなる電子装置において、前記ボンディング部は単一のワイヤの接続対象として相互に電気的に繋がる複数のワイヤボンディング領域で構成されているとともに、前記ワイヤの先端は前記ボンディング部における複数のワイヤボンディング領域の一つに接続されている。ワイヤが接続されたワイヤボンディング領域は塵や汚れが存在しない面となっている。このような電子装置に組み込まれる電子部品および配線基板ならびにリードフレームのボンディング部は、単一のワイヤの接続対象として相互に電気的に繋がる複数のワイヤボンディング領域で構成されている。前記電子部品の一つとして半導体素子があり、半導体素子の各ボンディング部もそれぞれ複数のワイヤボンディング領域で形成されている。
【0011】前記電子装置の製造に使用される本発明のワイヤボンディング装置は、前記ワイヤ接続部の表面を検出する表面検出装置と、この表面検出装置による情報によってワイヤボンディングをしないことを含みワイヤボンディング箇所を決定する制御部と、前記制御部の制御によって所望のワイヤボンディング領域間のワイヤボンディングを行うボンディングツールとを有し、塵や汚れのないワイヤボンディング領域にワイヤを接続するようになっている。
【0012】本発明の他のワイヤボンディング装置は、前記ワイヤ接続部(ボンディング部)の表面の塵や汚れを検出する表面検出装置と、前記ワイヤ接続部表面に塵や汚れが存在した際動作して前記ワイヤ接続部表面にレーザ光を照射して塵や汚れを消滅させるレーザ装置とを有し、塵や汚れのないワイヤ接続部にワイヤを接続するようになっている。
【0013】
【作用】上記した手段によれば、本発明の電子装置にあっては、第1ボンディング部および第2ボンディング部は単一のワイヤの接続対象として相互に電気的に繋がる複数のワイヤボンディング領域で構成されていて、塵や汚れの存在しないワイヤボンディング領域にワイヤが接続されていることから、ワイヤボンディングの信頼性が高くなる。また、この電子装置に組み込まれる半導体素子等の電子部品および配線基板ならびにリードフレームは、そのワイヤ接続部が、単一のワイヤの接続対象となる複数のワイヤボンディング領域で構成されていることから、塵や汚れのないワイヤボンディング領域を探してワイヤボンディングできるため、電子装置の組み立てに使用された場合、電子装置におけるワイヤボンディングの信頼度を高くできる。
【0014】上記した手段によれば、本発明のワイヤボンディング装置は、単一のワイヤの接続対象となる相互に電気的に繋がる複数のワイヤボンディング領域で構成されたボンディング部に対してワイヤボンディングを行うようになっているとともに、ワイヤボンディング領域の表面の塵や汚れの有無を検出し、塵や汚れの存在しないワイヤボンディング領域にワイヤを接続するため、ワイヤボンディングの信頼性の高い電子装置を製造することができる。
【0015】上記した手段によれば、本発明の他のワイヤボンディング装置は、ワイヤ接続部の表面の塵や汚れの有無を検出し、塵や汚れが存在した場合、塵や汚れにレーザ光を照射して前記塵や汚れを消滅させ、その後ワイヤを接続するため、ワイヤボンディングの信頼性の高い電子装置を製造することができる。
【0016】
【実施例】以下図面を参照して本発明の一実施例について説明する。図1は本発明による半導体装置の要部を示す平面図、図2は同じく模式的断面図、図3は同じく半導体装置の断面図、図4は本発明による半導体素子および一部のリードの模式的平面図、図5は本発明のワイヤボンディング装置の要部を示す正面図、図6は同じくワイヤボンディング装置の平面図である。
【0017】本発明の電子装置、すなわち集積回路装置等からなる半導体装置1は、外観的には図3に示すように、パッケージ2と、このパッケージ2の周囲から突出するリード3とからなっている。また、前記パッケージ2内の中央には半導体素子(チップ)4が位置している。前記チップ4はタブ5上に固定されている。このチップ4の表面には多数のワイヤ接続部(ワイヤボンディング領域)が設けられているが、これらのワイヤボンディング領域の幾つかに、図1に示すようにワイヤ6の一端が固定されている。前記ワイヤ6の他端は図1にも示すように、前記タブ5の周囲に内端を臨ますリード3の内端部分に接続されている。
【0018】半導体装置1にあっては、図1に示すように、ワイヤ6は半導体素子4およびリード3において、あらかじめ設定された複数のワイヤボンディング領域のどれかに接続されている。すなわち、ワイヤボンディングにおいて、たとえば半導体素子4のワイヤボンディングパッド(ワイヤ接続部)を第1ボンディング部(ボンディング部)とし、リード3の内端部分表面(ワイヤ接続部)を第2ボンディング部(ボンディング部)とした場合、従来は前記第1ボンディング部および第2ボンディング部は、単一のワイヤボンディング領域となっている。これに対して本発明では第1ボンディング部および第2ボンディング部は、単一のワイヤの接続対象とするワイヤボンディング領域10が、図4において示すように、半導体素子4においては2箇所、リード3においては3箇所設定されている。このワイヤボンディング領域10は、ワイヤ6の太さによっても異なるが、たとえば直径25μmの場合には、一辺が80〜100μmの正方形領域となる。
【0019】本発明の半導体素子4にあっては、単一のワイヤの接続対象となる第1ボンディング部(ボンディング部)は、2箇所のワイヤボンディング領域10で形成されている。この2つのワイヤボンディング領域10は、長方形パターン内に隣合って設けられるパターン(隣接パターン11)と、離れた位置に設けられたパターン(分離パターン12)とからなっている。前記分離パターン12では、相互に離れた位置に設けられたワイヤボンディング領域10は、連結部13によって電気的に接続されている。なお、説明の便宜上、隣接パターン11においては、隣合う二つのワイヤボンディング領域10の境界を示すため線を記入してある。また、前記隣接パターン11および分離パターン12において、1つは正式ボンディング箇所となり、他は予備ボンディング箇所となっている。図4において、正式ボンディング箇所にはAなる文字を付し、予備ボンディング箇所にはBなる文字を付してある。この例では説明の便宜上、予備ボンディング箇所は1つとなっているが、半導体素子4の表面の面積によってはさらに多数設けるのが望ましい。また、この例では、図1および図2に示すように、半導体素子4における右側中央の第1ボンディング部において予備ボンディング箇所にワイヤ6が接続され、他の第1ボンディング部においては全て正式ボンディング箇所にワイヤ6が接続された例を示す。したがって、前記予備ボンディング箇所にワイヤ6が接続された右側中央の第1ボンディング部の正式ボンディング箇所には汚れ(塵)15が存在していることになる。しかし、半導体素子4において、ワイヤ6の全ては塵や汚れのないワイヤボンディング領域10に接続されていることになる。ワイヤボンディングはクリーンルームやクリーンな雰囲気で行われるが、クリーン化は必ずしも完全ではなく、前記のように一部で塵等が付着する場合がある。また、リードフレームの取扱時に塵や汚れが付着する場合もある。
【0020】一方、前記リード3の内端表面部分もワイヤ接続部(ボンディング部:第2ボンディング部)となる。この第2ボンディング部は、一般にリード3が長くかつその幅も0.15〜0.25mmと広い。したがって、従来の場合は、第2ボンディング部として所定の一箇所をワイヤ接続部として設定している。これに対して本発明では、実際には線で示されているわけではないが、説明の便宜上枠線で示すが、図4に示すように、リード3の第2ボンディング部には三つのワイヤボンディング領域10が設けられている。このワイヤボンディング領域10は、実施例では連続的に設けられているが、リードにあってはボンディング部としての面積に余裕があることから、連続的に設けられていても良く、また一定間隔離して設けられていても良い。図4において、リードにおける正式ボンディング箇所にはAなる文字を付し、予備ボンディング箇所にはBなる文字を付してある。そして、たとえば先端側のワイヤボンディング領域10が正式ボンディング箇所となり、残りの二つのワイヤボンディング領域10が予備ボンディング箇所となっている。ワイヤ6は正式ボンディング箇所に優先的に接続されるが、正式ボンディング箇所に塵や汚れがある場合は、二つの予備ボンディング箇所のいずれにか接続される。そして、製品状態にある半導体装置1にあっては、ワイヤ6は全て塵や汚れのないリード3におけるワイヤボンディング領域10に接続されている。この例では、図1および図2に示すように、ワイヤ6は左側中央のリード3にあっては予備ボンディング箇所に接続されているが、他のリード3では全て正式ボンディング箇所に接続されている。したがって、図1に示す左側中央のリード3の正式ボンディング箇所には、汚れ(塵)15が存在していることになる。また、図2における破線で示すワイヤ6は、半導体素子4およびリード3の正式ボンディング箇所にワイヤ6が接続される場合の状態を示すものである。
【0021】このような半導体装置1にあっては、半導体素子4における第1ボンディング部と、リード3における第2ボンディング部とを接続するワイヤ6は、塵や汚れのないワイヤボンディング領域に接続されていることから、ワイヤボンディングの信頼性が高くなる。
【0022】前記半導体装置1に組み込まれる半導体素子4は、半導体装置1の組立におけるワイヤボンディングにおいて、塵や汚れの存在しないワイヤボンディング領域にワイヤ6を接続できるため、ワイヤボンディングの信頼性の高い半導体装置1を製造できることになるとともに、半導体装置1の製造歩留りを向上させることができる。
【0023】前記半導体装置1の組立に使用されるリードフレームは、半導体装置1の組立におけるリードフレームのリードに対するワイヤボンディングにおいて、塵や汚れの存在しないワイヤボンディング領域にワイヤ6を接続できるため、ワイヤボンディングの信頼性の高い半導体装置1を製造できることになるとともに、半導体装置1の製造歩留りを向上させることができる。
【0024】つぎに、このような半導体装置1、すなわち、ボンディング部が複数のワイヤボンディング領域で形成されている半導体素子4やリード3を有する半導体装置1の製造に使用されるワイヤボンディング装置について説明する。ワイヤボンディング装置は、図5の正面図および図6の平面図に示すように、左側から右側に向かってローダ20,ガイドテーブル21,アンローダ22が並ぶとともに、前記ガイドテーブル21の後側には表面検査機構25,ワイヤボンディング機構26,制御部27が配設されている。また、前記ガイドテーブル21の両側には、フレームフィーダ28が設けられ、前記ローダ20の図示しないマガジンから送り出されたリードフレーム30をガイドテーブル21に沿って間欠的に移動させるようになっている。前記リードフレーム30は、前記表面検査機構25が配設された検査ステーションでワイヤボンディング領域に塵や汚れが存在するか否かを検査され、前記ワイヤボンディング機構26が配設されたボンディングステーションでワイヤボンディングがなされるようになっている。また、前記ワイヤボンディングステーション部分においては、前記フレームフィーダ28から水素等の還元ガスが噴射され、リードフレーム30は還元性ガス雰囲気に晒される。一方、ワイヤボンディングが終了したリードフレーム30は、前記フレームフィーダ28によってアンローダ22の図示しないマガジンに順次収容されるようになっている。
【0025】前記表面検査機構25は、XYテーブル31上に設置された本体32と、この本体32から前記ガイドテーブル21の上方に延在するアーム33と、このアーム33の先端に取り付けられた表面検査装置34とからなっている。前記表面検査装置34は、検査ステーションに静止したリードフレーム30を検査する。すなわち、この表面検査装置34は、前記リードフレーム30のタブ5上に固定された半導体素子4およびリード3を検出し、かつ半導体素子4およびリード3におけるワイヤボンディング領域10の表面の塵や汚れの有無を検出する。そして、これらワイヤボンディング領域10の塵や汚れの有無の情報は、前記制御部27に入力される。前記表面検査装置34は、たとえば多値化パターン認識装置やレーザ光変位センサ等で構成され、微細パターンの認識も可能となっている。
【0026】前記ワイヤボンディング機構26は、XYテーブル36上に設置されたボンディングヘッド37と、このボンディングヘッド37から前記ガイドテーブル21上方に延在するボンディングアーム38と、このボンディングアーム38の先端に取り付けられたボンディングツール39とからなっている。また、前記ボンディングヘッド37からアーム40が延在するとともに、このアーム40の先端には認識カメラ41が取り付けられている。この認識カメラ41は、ボンディングステーションに位置した半導体素子4やリード3のワイヤボンディング領域10の位置を検出(認識)し、前記ボンディングツール39によるワイヤボンディングが正しく行われるようになっている。前記ボンディングツール39は、たとえば、ワイヤ6を案内する筒状のキャピラリーとなっている。なお、このワイヤボンディング機構26は、超音波熱圧着式であるが、熱圧着式あるいは超音波式であっても良い。
【0027】前記ワイヤボンディング機構26は、前記表面検査機構25による情報に基づいて第1ボンディング部および第2ボンディング部におけるワイヤ接続箇所を選択する。これらの制御は制御部27によって行われる。すなわち、半導体素子4にあっては、第1ボンディング部はそれぞれ二つのワイヤボンディング領域10によって形成されている。そこで、前記表面検査機構25は二つのワイヤボンディング領域10のうち正式ボンディング箇所の表面を検査し、この正式ボンディング箇所の表面に塵や汚れが存在するか否かを検出する。塵や汚れが存在しない場合は、正式ボンディング箇所がワイヤボンディングに適した第1ボンディング部と決定される。そして、表面検査はリードまたは半導体素子の他のボンディング部の検査に移る。また、塵や汚れが存在した場合は、前記表面検査機構25は残りの予備ボンディング箇所の表面を検出し、塵や汚れが存在するか否かを検出する。塵や汚れが存在しない場合は、ワイヤボンディングに適した第1ボンディング部と決定される。しかし、この予備ボンディング箇所の表面に塵や汚れが存在した場合には、前記制御部27において第1ボンディング部にはワイヤボンディングに適した第1ボンディング部が存在しないと判断される。したがって、この半導体素子4がボンディングステーションに到った際、ワイヤボンディング作業は停止される。また、この際、作業者に異常を知らせる異常警報が作動する。
【0028】このようなワイヤボンディング領域10の表面の塵や汚れの有無の検出は、リード3における第2ボンディング部においても同様に行われる。すなわち、リード3の第2ボンディング部は正式ボンディング箇所および二つの予備ボンディング箇所からなっている。そこで、最初に正式ボンディング箇所の表面の塵や汚れの有無が検出され、塵や汚れが存在しない場合はワイヤボンディングに適した第2ボンディング部と決定されて表面検査動作は次のワイヤ張り箇所に移る。しかし、正式ボンディング箇所に塵や汚れが存在した場合には二つの予備ボンディング箇所の一方の表面の検出がなされる。塵や汚れが存在しなければ、この予備ボンディング箇所がワイヤボンディングに適した第2ボンディング部と決定され、塵や汚れが存在する場合には残っている予備ボンディング箇所の表面の検出が行われる。塵や汚れが存在しなければ、この予備ボンディング箇所が第2ボンディング部と決定され、塵や汚れが存在する場合にはこのリード3には、ワイヤボンディングに適する第2ボンディング部が存在しないと判断される。
【0029】このようなワイヤボンディング装置にあっては、検査ステーションで半導体素子4の第1ボンディング部およびリード3の第2ボンディング部が検査され、次のボンディングステーションで塵や汚れが存在しないワイヤボンディング領域10にワイヤボンディングがなされる。また、第1ボンディング部または第2ボンディング部におけるワイヤボンディング領域10が、ワイヤボンディングに適さない塵や汚れがある面である場合は、自動的にワイヤボンディングが停止される。したがって、一連のワイヤボンディングが終了して製造された半導体装置1にあっては、ワイヤボンディング部分には塵や汚れが介在しないため、ワイヤボンディング各部の信頼性は高いものとなる。
【0030】
【発明の効果】(1)本発明の電子装置は、ワイヤは塵や汚れの存在しないワイヤ接続部に接続されていることから、ワイヤボンディングの信頼性が高くなるという効果が得られる。
【0031】(2)本発明の半導体素子は、ワイヤを接続する第1ボンディング部が複数のワイヤボンディング領域で形成されていることから、半導体装置(電子装置)の組立におけるワイヤボンディングにおいて、塵や汚れの存在しないワイヤボンディング領域を選択してワイヤ接続できるため、半導体装置におけるワイヤボンディングの信頼性を高めることができるとともに、半導体装置の製造歩留りを向上させることができるという効果が得られる。
【0032】(3)本発明のリードフレームは、ワイヤを接続するリードにおける第2ボンディング部が複数のワイヤボンディング領域を有するように形成されていることから、半導体装置(電子装置)の組立におけるワイヤボンディングにおいて、塵や汚れの存在しないワイヤボンディング領域を選択してワイヤ接続できるため、半導体装置におけるワイヤボンディングの信頼性を高めることができるとともに、半導体装置の製造歩留りを向上させることができるという効果が得られる。
【0033】(4)本発明のワイヤボンディング装置は、第1ボンディング部および第2ボンディング部における正式ボンディング箇所の表面状態を検出し、塵や汚れが存在しない場合はボンディング部と決定し、塵や汚れが存在する場合は予備ボンディング箇所の表面検出に移行する。そして、第1ボンディング部および第2ボンディング部に塵や汚れが存在しないワイヤボンディング領域が存在するときにのみワイヤボンディングを行うようになっていることから、半導体装置(電子装置)におけるワイヤボンディングの信頼性が向上するという効果が得られる。
【0034】(5)本発明のワイヤボンディング装置は、第1ボンディング部または第2ボンディング部のワイヤボンディング領域、すなわち、一組の正式ボンディング箇所および予備ボンディング箇所が何れも塵や汚れが存在している場合、ワイヤボンディング動作を終了して作業者に知らせるようになっていることから、その後の調整(修正)が可能となるため、ワイヤボンディングの歩留り向上が達成できるという効果が得られる。
【0035】(6)上記(1)〜(5)により、本発明によればワイヤボンディングの信頼性が高い電子装置を高歩留りで製造できるという相乗効果が得られる。
【0036】以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない、たとえば、前記実施例では、第1ボンディング部においては二つのワイヤボンディング領域を用意するとともに、第2ボンディング部においては三つのワイヤボンディング領域を用意したが、さらに多くのワイヤボンディング領域を用意しても良い。
【0037】図7は本発明によるワイヤボンディング装置によって製造された混成集積回路装置の要部を示す模式的平面図である。この図では、タブ5上に固定された配線基板43と、前記タブ5の周囲に内端を臨ませるリード3の一部と、前記配線基板43の表面に固定された半導体素子4と、前記配線基板43の一部の配線層等を示すものである。この混成集積回路装置にあっては、ワイヤ接続部は、配線基板43の周囲に設けられた第1ボンディング部となるアウターボンディングパッド44と、前記タブ5の周囲に内端を臨ませるリード3の先端表面部で形成される第2ボンディング部とがある。また、配線基板43内におけるワイヤ接続部は、前記配線基板43に固定された半導体素子4等の電子部品の電極、すなわち第1ボンディング部となるボンディングパッド45と、このボンディングパッド45にワイヤ6を介して接続される導体層46で形成される第2ボンディング部となるインナーボンディングパッド47がある。そして、この例では前記第1ボンディング部および第2ボンディング部は、何れも二つのワイヤボンディング領域10で形成されている。また、二つのワイヤボンディング領域10は、一方が正式ボンディング箇所となり、他方が予備ボンディング箇所となる。図7において丸印を付けたワイヤボンディング領域10が正式ボンディング箇所である。したがって、第1ボンディング部および第2ボンディング部が複数のワイヤボンディング領域10で形成される混成集積回路装置は、その組立において前記実施例と同様にワイヤ接続箇所を選択するワイヤボンディングが可能となる。この結果、このような混成集積回路装置のワイヤボンディングにあっては、塵や汚れの存在しないワイヤボンディング領域10にワイヤ6を接続することができる。なお、図7においては、電子部品として半導体素子4のみを示してあるが、ワイヤボンディングを必要とする他の電子部品、たとえば、コンデンサー等においても同様に適用できる。
【0038】前記混成集積回路装置に組み込まれる配線基板にあっては、ワイヤを接続する第1ボンディング部および第2ボンディング部が、複数のワイヤボンディング領域で形成されていることから、混成集積回路装置(電子装置)の組立におけるワイヤボンディングにおいて、塵や汚れの存在しないワイヤボンディング領域を選択してワイヤ接続できるため、混成集積回路装置におけるワイヤボンディングの信頼性を高めることができるとともに、混成集積回路装置の製造歩留りを向上させることができるという効果が得られる。
【0039】図8〜図10は本発明の他の実施例によるワイヤボンディング装置を示すものである。このワイヤボンディング装置は、構成的には前記図5および図6で示すワイヤボンディング装置と略同様であるが、図8および図9に示すように、検査ステーションに配設された表面検査機構25において、アーム33の先端に表面検査装置34と並んでレーザ装置50を配設した点が異なる。このワイヤボンディング装置は、前記ワイヤボンディング装置のようにワイヤボンディング領域を選択しない。すなわち、図8および図9で示されるこの実施例のワイヤボンディング装置は、第1ボンディング部および第2ボンディング部がそれぞれ一箇所となる従来の電子装置の組立(製造)に使用される。このワイヤボンディング装置は、検査ステーションにおいて表面検査装置34によって第1ボンディング部(ボンディング部)および第2ボンディング部(ボンディング部)の表面の検出を行う。そして、塵や汚れが存在した場合には、前記レーザ装置50からレーザ光を照射して瞬時に塵や汚れを消滅させる。すなわち、図10は概念的な図であるが、ボンディング部51の表面に汚れ(塵)15が存在している場合、上方のレーザ装置50からレーザ光52が汚れ(塵)15に対して照射される。この結果、前記汚れ(塵)15は灰化しかつ気化して消滅する。なお、前記リードフレーム30の表面には、前記フレームフィーダ28から窒素等の還元ガスが噴射されているため、レーザ光52が半導体素子4やリード3のワイヤボンディング領域10に照射されても、レーザ光照射によって製品が損なわれることはない。このようなワイヤボンディング装置によれば、ワイヤボンディングの寸前でワイヤボンディング領域10の表面の塵や汚れが除去されることから、ワイヤボンディング前の段階で半導体素子やリードのワイヤボンディング領域に塵や汚れが付着した場合でも、塵や汚れの存在しないワイヤボンディング領域(ボンディング部)にワイヤを接続でき、ワイヤボンディングの信頼性を高めることができるとともに、ワイヤボンディングの歩留りも向上することになる。
【0040】以上の説明では主として本発明者によってなされた発明をその背景となった利用分野であるIC等の半導体装置の製造技術や混成集積回路装置の製造技術に適用した場合について説明したが、それに限定されるものではなく、たとえば、他の電子装置の製造技術にも適用できる。本発明は少なくとも二点間をワイヤで接続する技術には適用できる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013