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発明の名称 薄膜形成方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−69189
公開日 平成6年(1994)3月11日
出願番号 特願平4−219996
出願日 平成4年(1992)8月19日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 三浦 尚子 / 吉村 俊之 / 鳥海 実 / 白石 洋 / 岡崎 信次
要約 目的
LB法による薄膜形成において、製膜物質の成分の割合を制御することにより、均一且つ高配向な薄膜を形成する方法を提供する。

構成
膜形成物質、クレゾールノボラック樹脂11のパラクレゾールノボラック12とメタクレゾールノボラック13、14、15の割合を制御し、LB膜形成を行う。
特許請求の範囲
【請求項1】半導体の像形成材料として、ラングミュアーブロジェット(LB)法を用いて基板上に薄膜を形成する方法において、該薄膜物質がクレゾールノボラック樹脂であり、該樹脂におけるパラクレゾールノボラックとメタクレゾールノボラックの割合を制御することを特徴とする薄膜形成方法。
【請求項2】該樹脂におけるパラクレゾールノボラックの割合が、20パーセント以上100パーセント未満であることを特徴とする請求項1記載の薄膜形成方法。
【請求項3】該樹脂におけるパラクレゾールノボラックの割合が、50パーセント以上100パーセント未満であることを特徴とする請求項1記載の薄膜形成方法。
【請求項4】該樹脂におけるパラクレゾールノボラックの割合が、60パーセント以上80パーセント以下であることを特徴とする請求項1記載の薄膜形成方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体の像形成材料としての薄膜形成方法に関し、特に配向性を有し、分子オーダーでの膜厚制御可能であるラングミュアーブロジェット法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来半導体形成プロセスにおいては、回転塗布膜が主に利用されてきた。この方法は簡便で、比較的均質な膜を得るのに適した方法であった。しかし近年半導体素子の寸法が微細化すると共に、従来の回転塗布膜では塗布膜中の高分子の向きが揃っていなかったり、高分子自体の大きさが不揃いであることから、解像性が低減してしまうなどの問題が生じている。この問題を解決するためには分子の大きさを揃え、分子を一定の方向に配向させることが望ましい。この配向性を持った薄膜の形成法として、一般にラングミュア・ブロジェット法(以下LB法と略す)といわれる方法がある。LB法により形成された膜を、一般にLB膜という。LB膜は分子オーダでの膜厚制御可能な薄膜形成法として知られたものである。
【0003】図2にLB膜の形成方法について説明する。まず、膜を付着させる基板47を下層液45上に設置しておく。つぎに図2(a)に示すように溶剤に溶かした製膜分子41を水槽44に満たした純水等の下層液45上に滴下、展開する。製膜分子41は水との親和性の高い親水性部分42と水との親和性の低い疎水性部分43から成っている。ここで水槽44にはバリア46が付加されている。これは製膜分子41を展開した水面の面積を狭める圧縮の働きをする。徐々にバリア46が移動するにつれて、図2(b)に示すように製膜分子41は親水性部分42を下層液45面に向けて、疎水性部分43を気相側に向けた秩序を持った構造をとる。このように秩序を持った状態を配向性状態という。そして図2(c)に示すように、表面に疎水化処理を施した基板47を下降させると、基板47表面に疎水性部分43が向いた状態で付着し始める。次に基板47を上昇させると、今度は親水性部分42が基板47に向いた方向で付着し始める。この工程を繰り返すことにより、下層液45面上に構成された配向性単分子膜をその配向を保持したまま、図2(d)に示すように製膜分子41サイズの厚みの配向性薄膜であるLB膜を形成できる。このように膜を形成することを累積という。ここでは表面に疎水化処理を施した基板47について述べたが、表面に親水化処理を施した基板を用いても良い。この場合均一な膜を得るためには、基板47の設置は下層液45の下である必要がある。またこのため製膜分子41を展開する前に基板を設置する必要がある。製膜分子の滴下、展開、圧縮後、配向性単分子膜が得られた時点で、基板47を上昇させる。これにより上記とは逆の基板表面に親水性部分42が向いた、LB膜が得られる。
【0004】基板上にLB膜を累積する方法としては、上記のように基板を液面に垂直に引き上げる垂直浸漬法もあるが、基板を液面に平行に設置して薄膜を累積させる平行付着法などもある。
【0005】ところでこのようなLB膜形成に適した材料としては、炭素鎖が直鎖上に並び、端部にカルボキシル基が結合した直鎖脂肪酸といわれる低分子量のものが代表的なものである。しかし半導体形成プロセスにおける像形成材料として考えた場合、直鎖脂肪酸はその炭素鎖の部分がプラズマ内イオン線などのエネルギー線で分解されやすいためドライエッチング耐性が低いという問題がある。一方、芳香環を含んだ高分子は、ドライエッチング耐性を持つことが知られている。従って、半導体素子の加工に用いるには、芳香環を含んだ高分子のLB膜が好ましい。例えば、エス ピー アイ イー 第1466巻 アドバンシィズ イン レジスト テクノロジー アンド プロセッシング 8 309頁(1991年)(SPIE vol.1466 Advances in Resist Technology and Processing VIII,309(1991))にあるように、既存物質である従来レジストの主成分であるノボラック樹脂のLB膜の形成が試みられている。ところがこの研究の目的は、LB膜によるレジスト内の感光剤の分布の制御により、溶解抑制の機構を知ることにある。その一連の研究の上で、1〜2μmのパターン形成が実現することが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、LB膜における均一性や配向性については何ら検討されていず確認されていない。一方我々はLB膜の配向性を利用した0.1μm以下のレベルでのパターン形成の実現を課題としている。従って、芳香環を含んだ高分子の均一且つ高配向であるLB膜形成が望まれる。そこで本発明の目的は、このような芳香環を含んだ高分子材料を用いたLB膜において、その製膜物質の成分の割合を制御することにより、高解像レジストに適用できる均一且つ高配向な膜形成を可能にすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を実現するためには、発明者の検討の結果、パラクレゾールノボラックとメタクレゾールノボラックが混合したクレゾールノボラック樹脂において、パラクレゾールノボラックとメタクレゾールノボラックの割合を制御することにより、高解像レジストに適用できる配向性の高い均一な膜となることがわかった。
【0008】
【作用】本発明によれば、製膜物質の成分の割合を制御することにより、高解像レジストに適用できる均一且つ高配向な膜形成が可能になる。
【0009】これを図を用いて詳しく説明する。図1(a)に製膜物質であるクレゾールノボラック樹脂の構造式を示す。これは図1(b)に示すようなパラクレゾールノボラックと図1(c)、(d)及び(e)に示すメタクレゾールノボラックの2つの異性体の混合物である。パラクレゾールノボラックとメタクレゾールノボラックは、図1(b)及び図1(c)、(d)及び(e)に示すとおりOH基とCH3基の位置関係の違いによる異性体である。ここでメタクレゾールノボラックは、図1(c)、(d)及び(e)のどれかであればよく、混合物中の構造は1種類である必要はない。
【0010】パラクレゾールノボラックは図1(b)に示すように親水性基であるOH基と疎水性基であるCH3基が芳香環を間に挟んで対称に結合している。水面上に展開した際は、OH基が水面に接した形で配列するため、分子が同一方向に並びやすい。ところでパラクレゾールノボラックだけで構成されているクレゾールノボラック樹脂は、原子間の相互作用により環を巻く構造が安定であることが発明者などの検討により明らかとなった。
【0011】ここでLB膜を形成する際、均一且つ高配向な膜を形成可能にするためには、水面上に展開後、圧縮された分子が周期性を持つ整然と並んだ構造を取ることが大切であることは周知である。従って、上述したパラクレゾールノボラック樹脂だけで構成されているクレゾールノボラック樹脂を用いた場合、水面上で環状構造を取り、周期構造を取らないため配向性が低くなり、均一なLB膜は得られにくいことがわかった。
【0012】またメタクレゾールノボラックは図1(c)、(d)及び(e)に示すようにどの異性体においても親水性基であるOH基と疎水性基であるCH3基が芳香環を間に挟んで対称に位置していない。そのため水面上に展開した際、分子の並ぶ方向が無秩序になり、水面上に均一な単分子膜が形成される可能性は低い。
【0013】ところがパラクレゾールノボラックとメタクレゾールノボラックが混合したクレゾールノボラック樹脂において、パラクレゾールノボラックとメタクレゾールノボラックの割合を制御したノボラック樹脂、例えばパラクレゾールノボラックの割合が20パーセント以上100パーセント未満のものを用いると親水性基と疎水性基のバランスがうまく取れ、水面上に単分子膜を形成でき、親水性基を一方向に向けた周期性を持つ配向性構造を取ることがわかり、膜形成が可能であることを実験により確認できた。また、パラクレゾールノボラックの割合が50パーセント以上100パーセント未満のものを用いると、より安定な膜形成が可能なことが実験によりわかった。更に好ましくは、パラクレゾールノボラックの割合が60パーセント以上80パーセント未満のものを用いると、分子構造モデルの検討及び実験により累積基板上に均一且つ最も安定な膜を形成できることがわかった。これによりクレゾールノボラック樹脂を用いたLB法による薄膜形成に関しては、製膜物質の成分を制御することにより、高解像レジストに適用できる均一且つ高配向な薄膜を形成することができる。
【0014】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳細に説明する。
【0015】(実施例1)図2を用いて、詳しく説明する。パラクレゾールノボラックの割合が50パーセントであるクレゾールノボラック樹脂を、溶媒に例えば酢酸イソアミルを用いて、例えば1.0mg/mlの濃度に溶解する。またこれを精製するために例えば0.2μmのフィルターを通し、これを製膜物質41溶液とした。基板としては、シリコン、GaAs、InP等の半導体基板の他に、Al等の金属基板や二酸化珪素などの絶縁体基板やそれらの積層基板を用いることも可能である。ここではシリコン基板を仮定して説明する。例えばヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面を疎水化処理したシリコン基板を用いる。
【0016】既存のラングミュア・ブロジェット累積装置で例えば上記のクレゾールノボラックー酢酸イソアミル溶液25μlを例えば下層液45に純水を用い、例えば温度30.0℃の下層液45上に展開し、表面圧を例えば5mN/mまで高め水面上に配向性単分子膜を得る。表面圧を一定に保ちながら上記基板47を水面を垂直に横切る方向に例えば2mm/分の速さで下降させる。基板47の下降後、基板47に付着していない下層液45上の単分子膜を吸引により取り除いた後に、基板47を下層液45から例えば10mm/分の速さで上昇させて気相中に取り出す。このようにして基板47上にクレゾールノボラック樹脂の1層のLB膜を得た。膜形成後の表面を、公知の原子間力顕微鏡(AFM)を用いて評価したところ、均一で配向性の高い膜が形成されていることを確認した。
【0017】以上の実施例では、溶媒に酢酸イソアミル、展開量に25μl、下層液に純水、下層液温に30.0℃、表面圧に5mN/m、基板移動速度に2mm/分と10mm/分を用いた場合ついて述べたが、これに限られないことはいうまでもない。 上記の実施例では、パラクレゾールノボラックの割合を50パーセントの場合について述べたが、これに限られないことはいうまでもなく、20パーセント以上100パーセント未満であれば同様の結果が得られる。
【0018】上記の実施例では、疎水化処理された基板を用いた場合について述べたが、これに限られないことはいうまでもなく、親水化処理された基板についても同様の結果が得られる。
【0019】(実施例2)上記の実施例では、1層のLB膜形成について述べた。しかし本発明の適用対象が1層に限られないことはいうまでもない。例えば実施例1で述べた基板の上昇、下降の工程を繰り返して累積した、多層膜の場合についても成り立つ。
【0020】多層のLB膜形成方法を、図2を用いて以下に説明する。実施例1と同様に、例えばヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面を疎水化処理したシリコン基板を用い、この基板47を下層液45に対して垂直に設置する。またここで実施例1と同様に製膜物質41にクレゾールノボラック樹脂を用い、その配向性単分子膜を得る。表面圧を一定に保ちながら、例えば2mm/分の速さで基板47を下降させる。基板47の下降後、表面圧を一定に保ちながら例えば2mm/分の速さで基板47を上昇させる。このようにして2回の累積を行った結果、2層のLB膜を得た。1層形成の際は、基板47の下降後に下層液45上の単分子膜を吸引により取り除いた後に、基板47を上昇させていたが、多層膜形成の際は、基板47の下降後に単分子膜の吸引をせずに、続けて基板47の上昇を行っても良い。
【0021】以上の実施例では、2回の累積で2層のLB膜を形成した場合について述べたが、これに限られないことはいうまでもなく、基板47の上昇、下降の工程を繰り返すことにより累積した多層膜の場合についても成り立つ。
【0022】以上の実施例では、基板移動速度に2mm/分を用いた場合ついて述べたが、これに限られないことはいうまでもない。
【0023】以上の実施例では、図2(d)に示すようなLB膜の形態を取る場合について述べたが、本発明の適用対象がこれに限られないことはいうまでもない。LB膜は図2(d)に示すような形態に限られず、図5(a)、(b)及び(c)に示す形態もある。LB膜が上記の何れかになるかは、製膜物質の分子構造や基板の処理及び基板の上下の仕方により異なる。
【0024】(実施例3)上記の実施例では、LB膜の形成方法として、基板が下層液面に対して垂直に設置された場合について述べたが、本発明の適用対象がこれに限られないことはいうまでもない。例えば図3に示すように基板52が下層液53面に対して水平に設置された場合や図4に示すように基板62が下層液63面に対して斜めに設置された場合についても成り立つ。
【0025】図3に示すような基板52が下層液53面に対して水平に設置された場合のLB膜形成方法を、以下に説明する。実施例1と同様に、例えばヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面を疎水化処理したシリコン基板を用い、この基板52を下層液53面に対して水平に設置する。またここで実施例1と同様に製膜物質51にクレゾールノボラック樹脂を用い、その配向性単分子膜を得る。表面圧を一定に保ちながら、例えば2mm/分の速さで基板52を下降させる。下層液53表面に基板52が接したら、基板52を例えば5秒間停止させ、その後例えば2mm/分の速さで基板を上昇させる。このようにして基板52上に1層のLB膜を得た。
【0026】以上の実施例では、基板移動速度に2mm/分、基板の停止時間に5秒間を用いた場合ついて述べたが、これに限られないことはいうまでもない。
【0027】図4に示すような基板62が下層液63面に対して斜めに設置された場合のLB膜形成方法を、以下に説明する。実施例1と同様に、例えばヘキサメチルジシラザン(HMDS)で表面を疎水化処理したシリコン基板を用い、この基板62を下層液63面に対して例えば45度に設置する。またここで実施例1と同様に製膜物質61にクレゾールノボラック樹脂を用い、その配向性単分子膜を得る。表面圧を一定に保ちながら、例えば2mm/分の速さで基板62を下層液63面に対して45度上方に引き上げる。このようにして基板62に1層のLB膜を得た。
【0028】以上の実施例では、基板の下層液面に対する角度に45度、基板移動速度に2mm/分を用いた場合ついて述べたが、これに限られないことはいうまでもない。 以上の実施例では、1層のLB膜形成について述べたが、これに限られないことはいうまでもない。例えば基板の上昇、下降の工程を繰り返して累積した多層膜の場合についても成り立つ。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、製膜物質であるクレゾールノボラック樹脂の成分の割合を制御することにより、高解像レジストに適用できる均一且つ高配向なLB膜を容易に形成することができた。
【0030】またこの膜を利用したリソグラフィにおいて、エネルギー線として例えば電子線を用いてパターン形成を行えば、0.1μm以下のパターンが形成できる。ここでエネルギー線としては電子線に限られないことは言うまでもなく、電子線の他に紫外線、遠紫外線、X線、イオン線、ガンマ線等のエネルギーを膜に付与できるものであれば良い。




 

 


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