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発明の名称 半導体薄膜の形成方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−69139
公開日 平成6年(1994)3月11日
出願番号 特願平4−221230
出願日 平成4年(1992)8月20日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 楠川 喜久雄 / 茂庭 昌弘 / 大倉 理
要約 目的
絶縁膜上に多結晶シリコン膜を形成するにおいて、位置制御した大粒径のシリコン結晶粒を有する半導体薄膜の形成方法を提供する。

構成
熱酸化膜2を形成した単結晶シリコン基板1上に堆積した非晶質シリコン膜3の結晶核形成位置に微小な硼素ドープ非晶質シリコン膜5領域及びこれに隣接する燐ドープ非晶質シリコン領域7を形成する。次に、熱処理を行うことによって硼素ドープ非晶質シリコン膜5領域を中心に大粒径のシリコン結晶粒を有する多結晶シリコン膜を形成する。
特許請求の範囲
【請求項1】絶縁膜上に位置制御された結晶粒をもつ多結晶シリコン膜を形成するに際し、(1)絶縁体膜を表面に有する基板上に非晶質シリコン膜を形成する工程、(2)前記非晶質シリコン膜の一部に固相成長の結晶核発生を促進させる不純物を打ち込む工程、(3)前記結晶核発生を促進させる不純物を打ち込んだ非晶質シリコン領域の少なくとも一部に隣接して固相成長の速度を促進する不純物を打ち込む工程、(4)前記基板を熱処理する工程を含むことを特徴とする半導体薄膜の形成方法。
【請求項2】請求項1において、前記非晶質シリコン膜の固相成長の結晶核発生を促進させる不純物に硼素,固相成長の速度を促進させる不純物に燐を用いる半導体薄膜の形成方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は位置制御された大粒径のシリコン結晶粒を有する半導体薄膜を絶縁膜上に形成する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】絶縁膜上に堆積した非晶質シリコン膜に熱処理を施すと、非晶質シリコン膜内に結晶核が発生し、結晶粒として成長する。この結晶核の生成とその結晶核の成長が非晶質シリコン膜の全域に及ぶことによって絶縁膜上に堆積した非晶質シリコン膜が多結晶シリコン膜となる。このようにして形成した多結晶シリコン膜は、通常のCVD(Chemical Vapor Deposition)法で堆積した膜に比べて結晶粒径が大きいため、良好な電気特性が得られる。例えば、通常のCVD法で堆積した多結晶シリコン膜をMOSトランジスタの能動領域に用いると電界効果移動度が30cm2/Vs程度であるが、非晶質シリコン膜の固相成長で形成した多結晶シリコン膜では電界効果移動度が80cm2/Vs程度が得られる。しかし、非晶質シリコン膜の固相成長を用いて形成した多結晶シリコン膜は、シリコン粒径が大きいので素子寸法が小さくなるとその結晶粒の配置によって素子間の特性に大きなばらつきを生じる。
【0003】そこで、絶縁膜上の非晶質シリコン膜の固相成長を利用した多結晶シリコン膜の形成において、ランダムに形成される結晶粒の位置制御を行うことが必要になる。このために結晶成長の種となるシードを非晶質シリコン膜直下の絶縁膜開口部の単結晶シリコン基板接触部を用いる方法(例えば特開昭56−73697号公報)、また、絶縁膜上に形成した多結晶シリコンを微小な島に加工することによってシリコン単一粒を形成し、これをシードとして単一粒と絶縁膜を覆う非晶質シリコン膜を単結晶化させる方法(例えば、特開平1−276615 号公報)、等が提案されている。しかし、堆積した非晶質シリコン膜の固相成長で形成される結晶成長領域はシード部周辺に数μmのみに限られており、これを解決するために、非晶質シリコン膜に不純物を添加して結晶成長領域を拡大する方法が提案されている。例えば、特開平1−276616 号公報では、シリコン単一粒の周辺に1020cm-3程度の燐ドープ非晶質シリコン膜領域を形成することによってその不純物領域全てを急速に結晶成長させてシード領域の拡大を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、絶縁膜上に堆積した非晶質シリコン膜の固相成長による多結晶シリコン膜の形成において、大粒径のシリコン結晶粒の位置を規定するために結晶成長の種(シード)が必要である。
【0005】基板との接触部をシードとする場合、結晶成長はシードの面方位を引き継ぐことが可能であるが、大面積のシード領域を必要とする上、得られる横方向固相成長距離は数μmと短い。横方向固相成長距離は堆積した非晶質シリコン膜内に結晶核が生じて、これが成長することによって多結晶膜になるまでにシード部からその周辺に結晶成長した長さを表わす。絶縁膜上のシリコン単一粒をシードとする非晶質シリコン膜の固相成長では、シードとした多結晶シリコン膜内の単一粒が結晶粒の位置を決定するが、この結晶成長に関してもシードと非晶質シリコン膜の界面部で固相成長の開始が遅延するため固相成長距離は短い。また、不純物ドープした非晶質シリコン膜の固相成長を用いる場合、シードを設けることによって結晶核の発生位置の規定が可能であり、結晶成長距離も数十μmの距離にすることができるが、シリコン単一粒と堆積シリコン膜との界面で結晶成長開始の遅延が生じるのは避けられない。これらのシードを用いた非晶質シリコン膜の固相成長は、シードの加工表面と堆積非晶質シリコン膜との界面が出発点である。この界面における結晶成長開始の遅延が結晶粒の拡大を妨げる要因になっており、結晶粒を拡大する上で重要な課題である。
【0006】
【課題を解決するための手段】絶縁膜上に形成したシリコン単一粒をシードとする非晶質シリコン膜の固相成長におけるシードと非晶質シリコン膜の界面での結晶成長の遅延を無くすため、堆積した非晶質シリコン膜内に位置規定するための結晶核を形成する方法を考案した。
【0007】絶縁膜上に堆積した非晶質シリコン膜の固相成長を用いた多結晶シリコン膜の形成工程は、■非晶質シリコン膜内の結晶核の発生、■各々の結晶核の成長より成る。そして、すべての非晶質シリコン膜が発生した結晶核に取り込まれることによって多結晶シリコン膜になる。この結晶核の発生時刻と結晶核の成長速度が多結晶シリコン膜の粒径を決定する。非晶質シリコン膜内の結晶核の発生を促進する不純物には硼素等があり、結晶成長を促進する不純物には燐等がある。燐には、結晶核の発生時間を遅れさせる効果もある。
【0008】そこで、絶縁膜上に不純物を含まない非晶質シリコン膜を堆積し、この膜内に結晶核の発生が促進される不純物(硼素等)を添加した領域と核発生が遅く成長が促進される不純物(燐等)を添加した領域を隣接して形成した後に固相成長させることにより位置制御された大粒径の多結晶シリコン膜を形成する方法を考案した。
【0009】
【作用】絶縁膜上の非晶質シリコン膜に硼素を添加した領域で結晶粒の位置を規定するための結晶核を発生させる。燐を添加した領域では結晶核の発生が遅れる。したがって、硼素を添加した領域内全域に結晶核が成長する間に燐を添加した領域には結晶核は生じない。そして、硼素を添加した領域内全域に成長した結晶核は、燐を添加した領域へと進行する。この結晶核を発生させる硼素を添加した領域と結晶成長が早い燐を添加した領域の接触部は、堆積非晶質シリコン膜内に形成したものであるため膜の連続性は保たれており、結晶核の成長は硼素を添加した領域から燐を添加領域へと容易に進行していく。この燐を添加した領域では結晶核の発生が遅く結晶成長速度が大きいので、結晶核は発生しておらず硼素を添加した領域で発生した結晶核が急速に成長する。
【0010】従って、このように非晶質シリコン膜内に硼素を添加する領域と燐を添加する領域とを隣接して形成することによって、絶縁膜上に位置制御された大面積シリコン粒を形成することができる。
【0011】
【実施例】<実施例1>図1は本発明の一実施例を示すシリコンウェハの断面図である。単結晶シリコン基板1を1000℃の酸素雰囲気中で熱処理することにより約400nmの熱酸化膜2を形成した。次に、真空蒸着装置内で低エネルギAr(アルゴン)イオンビーム・スパッタ及び800℃,60分の熱処理による試料表面のクリーニングを行ない清浄な試料表面を形成し、超高真空中(2×10-7Pa以下)で電子ビーム蒸着により膜厚が約500nmの非晶質シリコン膜3を堆積した。引き続き真空中で450℃,1時間の熱処理により非晶質シリコン膜3の緻密化を行った(図1(a)参照)。
【0012】非晶質シリコン膜3表面に約30nm厚の低温形成酸化膜4を形成し、この膜4を通して燐イオン打ち込み(140KeV,1×1016cm-2)を行うことによって、非晶質シリコン膜3は燐ドープ非晶質シリコン膜5になった(図1(b)参照)。その後、結晶核形成位置の直上に通常のホトレジスト工程によって1×1μm2 の穴を有するレジスト膜6を形成した。次に、硼素イオン打ち込み(55KeV,5×1015cm-2)を行うことによって、レジスト膜6の穴部の直下に硼素ドープ非晶質シリコン領域7を形成した(図1(c)参照)。
【0013】次に、レジスト膜6及び低温形成酸化膜4を除去し、試料を600℃の窒素雰囲気中で熱処理した。この熱処理を開始して30分後には硼素を含有する非晶質シリコン領域7は単一の結晶粒になった。この結晶粒は、燐ドープ非晶質シリコン膜5中にまで成長し、熱処理時間が増すにしたがって大きくなった。この燐ドープ非晶質シリコン膜5は結晶核の形成が遅く、熱処理開始から約4時間して結晶核が生じることが観察され、それまでの間は非晶質シリコンのまま存在した。従って、熱処理開始直後に硼素ドープ非晶質シリコン領域7内で形成された結晶核は単一の粒に成長し、更に燐ドープ非晶質シリコン膜5内に結晶核が生じて多結晶シリコン膜になるまでの間、結晶成長が進行するので従来のシードを用いた横方向固相成長距離に比べて5倍程度の結晶成長距離(20μm)が形成された。
【0014】<実施例2>図2は本発明の他の実施例を示す断面図である。単結晶シリコン基板11を1000℃の酸素雰囲気中で熱処理することにより約400nmの熱酸化膜12を形成した。次に、ジシラン(Si26)の熱分解を用いる低圧CVD法により膜厚が約400nmの非晶質シリコン膜13を堆積した(図2(a)参照)。
【0015】非晶質シリコン膜13表面に約30nm厚の低温形成酸化膜14を形成し、更に、結晶核形成位置15の直上に開口部を有するレジスト膜16を形成して硼素イオン打ち込み(55KeV,5×1015cm-2)を行った(図2(b)参照)。次に、硼素イオン打ち込みに用いたレジスト膜16を除去した後、結晶核形成位置15の直上に通常のレジストパターン17を形成し、燐イオン打ち込み(140KeV,1×1016cm-2)を行うことによって、燐ドープ非晶質シリコン領域18を形成した(図2(c)参照)。
【0016】次に、レジストパターン17及び低温形成酸化膜14を除去した後、試料を600℃の窒素雰囲気中で熱処理した。この熱処理を開始して30分後には硼素を添加した結晶核形成位置15の非晶質シリコンは単一の結晶粒になった。この結晶粒は、燐ドープ非晶質シリコン領域18中にまで成長し、熱処理時間が増すにしたがって大きくなっていった。この燐ドープ非晶質シリコン領域18は結晶核の形成が遅く、熱処理開始から約4時間して結晶核が生じることが観察され、それまでの間は非晶質シリコンのまま存在した。従って、熱処理開始直後に硼素ドープ非晶質シリコン領域15内で形成された結晶核は単一の粒に成長し、更に燐ドープ非晶質シリコン膜18内に結晶核が生じて多結晶シリコン膜になるまでの間、結晶成長が進行するので従来のシードを用いた横方向固相成長距離に比べて6倍程度の結晶成長距離(25μm)が形成された。
【0017】<実施例3>図3は本発明のさらに他の実施例の断面図を示す。単結晶シリコン基板21を1000℃の酸素雰囲気中で熱処理することにより約400nmの熱酸化膜22を形成した。次に、ジシラン(Si26)の熱分解を用いる低圧CVD法により膜厚が約400nmの非晶質シリコン膜23を堆積した(図3(a)参照)。
【0018】非晶質シリコン膜23表面に約30nm厚の低温形成酸化膜24を形成し、更に結晶核形成位置25の直上に開口部を有するレジスト膜26を形成して硼素イオン打ち込み(55KeV,5×1015cm-2)を行った(図3(b)参照)。次に、硼素イオン打ち込みに用いたホトレジスト膜26を除去した後、結晶核形成位置25の直上に通常のレジストパターン27を形成し、燐イオン打ち込み(140KeV,1×1016cm-2)を行うことによって、燐ドープ非晶質シリコン領域28を形成した(図3(c)参照)。
【0019】次に、レジストパターン27及び低温形成酸化膜24を除去した後、試料を600℃の窒素雰囲気中で熱処理した。この熱処理を開始して30分後には硼素を添加した結晶核形成位置25の非晶質シリコンは単一の結晶粒になり、この結晶粒は燐ドープ非晶質シリコン領域28全域にまで成長した。この時の硼素打ち込みが1×1μm2 ,燐打ち込みをその周辺部の6μm四方とした場合、燐ドープ非晶質シリコン領域28が結晶成長を完了するのに約40分を要する。この後の結晶成長は、結晶化した燐ドープ非晶質シリコン領域28から更に非晶質シリコン膜23へと進行する。したがって、燐ドープ非晶質シリコン領域28周辺の非晶質シリコン膜23に結晶成長が広がり、燐ドープ非晶質シリコン領域28周辺に約8μmの不純物を含有しない結晶粒領域が形成された。この非晶質シリコン膜23の結晶成長領域はMOSトランジスタ等のデバイスにおける能動領域に適用することも可能である。
【0020】<実施例4>図4は本発明のさらに他の実施例の断面図を示す。単結晶シリコン基板31を1000℃の酸素雰囲気中で熱処理することにより約400nmの熱酸化膜32を形成した。次に、ジシラン(Si26)の熱分解を用いる低圧CVD法により膜厚が約400nmの非晶質シリコン膜33を堆積した(図4(a)参照)。
【0021】非晶質シリコン膜33表面に約30nm厚の低温形成酸化膜34を形成し、更に結晶核形成位置35の直上に開口部を有するレジスト膜36を形成して硼素イオン打ち込み(55KeV,5×1015cm-2)を行った(図4(b)参照)。次に、硼素イオン打ち込みに用いたホトレジスト膜36を除去した後、結晶核形成位置35及び素子のチャネル形成位置33との直上に通常のレジストパターン37を形成し、燐イオン打ち込み(140KeV,1×1016cm-2)を行うことによって、結晶核形成位置35に隣接する燐ドープ非晶質シリコン領域38と素子のチャネル領域39の外側に位置する燐ドープ非晶質シリコン領域40を形成した(図4(c)参照)。
【0022】次に、レジストパターン37及び低温形成酸化膜34を除去した後、試料を600℃の窒素雰囲気中で熱処理した。この熱処理を開始して30分後には硼素を添加した結晶核形成位置35の非晶質シリコンは単一の結晶粒になり、この結晶粒は隣接する燐ドープ非晶質シリコン領域38全域にまで成長した。この時の硼素打ち込みが1×1μm2 ,その周辺の燐打ち込み部の幅を6μm四方とした場合、燐ドープ非晶質シリコン領域38が結晶成長を完了するのに約40分を要する。この間、素子のチャネル領域39及び燐ドープ非晶質シリコン領域40は結晶核の発生がなく、非晶質シリコン膜のままで存在する。この後の結晶成長は、結晶化した燐ドープ非晶質シリコン領域38からチャネル領域39、更にその外側に位置する燐ドープ非晶質シリコン領域40へと進行する。したがって、燐ドープ非晶質シリコン領域38周辺のチャネル領域39に結晶成長が広がり、更に燐ドープ非晶質シリコン領域40周辺にまで広がる単一の結晶粒が形成された。
【0023】次に、低温形成酸化膜34を除去した後にゲート酸化膜41及びゲート電極42を形成することによって、素子が単一の結晶粒で形成される(図4(d)参照)。このように素子を形成することによって、ソース及びドレインは高濃度不純物を含有する単結晶となるので低抵抗形成が可能となる効果が付加される。また、この非晶質シリコン膜23堆積後にチャネル領域の不純物濃度の調節用のイオン打ち込みを行うことによってチャネルの不純物濃度制御もできる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、絶縁膜上に形成する多結晶シリコン膜の結晶粒の位置制御,大粒径化が可能となる。したがって、本発明を用いた絶縁膜上の多結晶シリコン膜形成によって、電気的特性の優れた素子が再現性良く形成することが可能である。本発明の効果を用いて形成したシリコン薄膜は、単体MOSトランジスタのみに限らず、CMOS,DRAM,SRAM等の高集積メモリや、半導体装置への適用も可能である。




 

 


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