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発明の名称 イオンビーム発生装置及びその制御方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−68827
公開日 平成6年(1994)3月11日
出願番号 特願平4−221412
出願日 平成4年(1992)8月20日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】鵜沼 辰之
発明者 有松 啓治 / 石川 靖
要約 目的
イオンビーム発生装置の使用に際して、設定値を少なくし、かつ最適な加速電圧、イオン電流を自動設定する。

構成
イオン源は、ビーム引出しの光学系が一定であれば、加速電圧と最適イオン電流とは一定の関係をもつ、この関係を制御装置の記憶手段に予め入力しておき、エネルギーあるいは、加速電圧の設定だけで、イオン電流を自動設定し、一定制御する。
特許請求の範囲
【請求項1】 真空容器中にガスを導入し、該ガスをプラズマ化して、設定したイオン加速電圧を電極に印加して電界を与え、設定したイオン電流値に応じて該プラズマを生成する電子の量を制御して、該プラズマ中のイオンをイオンビームとして引出すイオンビーム発生装置の制御方法において、イオン加速電圧と該イオン加速電圧のもとで直進性のよいイオンビームが発生されるときのイオン電流の関係をあらかじめ関係式もしくはテーブルの形で保持しておき、電極に与えるイオン加速電圧のみを初期設定することにより、前記関係式もしくはテーブルを参照して最もイオン電流を引出しやすいイオン電流値に自動的に設定することを特徴とするイオンビーム発生装置の制御方法。
【請求項2】 イオン源から引出すイオン電流が、前記加速電圧の3/2乗にほぼ比例する値に設定されることを特徴とする請求項1に記載のイオンビーム発生装置の制御方法。
【請求項3】 真空容器中にガスを導入し、該ガスをプラズマ化して、設定したイオン加速電圧を電極に印加して電界を与え、設定したイオン電流値に応じて該プラズマを生成する電子の量を制御して、該プラズマ中のイオンをイオンビームとして引出すイオンビーム発生装置の制御方法において、引出されるイオンビームのエネルギー値と該イオンビームエネルギー値を持つイオンビームを発生させるイオン加速電圧値とイオン電流値の組合せを関係式もしくはテーブルの形で保持しておき、イオンビームエネルギー値を初期設定することにより、前記関係式もしくはテーブルを参照して設定されたイオンビームエネルギー値を持つイオンビームを発生させるイオン加速電圧値及びイオン電流値に自動的に設定することを特徴とするイオンビーム発生装置の制御方法。
【請求項4】 ガスが導入される真空容器中に配置され少なくとも一つの面に複数の開口を有する加速電極を備えた箱状のアノードと、該加速電極に対向して配置され該加速電極の開口に対向する位置に同様に複数の開口を有する減速電極と、前記アノードの内部に配置されたフィラメントと、該フィラメントの両端に接続して配置されたフィラメント電源と、前記フィラメントの一端と前記アノードに接続して配置されたアーク電源と、一端を前記アノードに接続され他端を接地された加速電源と、一端を前記減速電極に接続され他端を接地された減速電源と、前記フィラメント電源とアーク電源と加速電源と減速電源とに接続され、イオン加速電圧値及びまたはイオン電流値を入力設定する入力手段を備え、設定された加速電圧値及びまたはイオン電流値に基づいてそれら電源を制御する制御装置とを含んでなるイオンビーム発生装置において、前記制御装置は、イオン加速電圧値と該イオン加速電圧値において最も直進性のよいイオンビームが発生するときのイオン電流値の組合せを関係式もしくはテーブルの形で格納する記憶手段と、入力されたイオン加速電圧値またはイオン電流値に基づいて、前記記憶手段に記憶されたデータを参照してイオン電流値またはイオン加速電圧値を算出設定する演算手段と、入力されたイオン加速電圧値及びまたはイオン電流値と算出されたイオン加速電圧値及びまたはイオン電流値を表示する表示手段とを含んでなることを特徴とするイオンビーム発生装置。
【請求項5】 記憶手段が、イオン加速電圧値と該イオン加速電圧値に対応するイオン電流値に加え、前記イオン加速電圧値とイオン電流値の組合せに対応するイオンビームエネルギー値を関係式もしくはテーブルの形で格納するものであることを特徴とする請求項4に記載のイオンビーム発生装置。
【請求項6】 記憶手段が、ミリング加工速度と、該ミリング加工速度を実現するのに必要な加工対象の材料種別ごとのイオンビームエネルギー値を関係式もしくはテーブルの形で格納するものであることを特徴とする請求項5に記載のイオンビーム発生装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオンビーム発生装置とその制御方法に係り、特に、イオン源を適正な運転条件で使用するように配慮されたイオンビーム発生装置とその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の装置は、イオン源をミリング装置に適用した例では、日立評論Vol.68.No.6(1966−6)「大口径イオンビームミリング装置の開発」52ページ、図8の制御パネルに示すようにイオンビームの加速電圧、イオン電流は、それぞれ独自に設定されるようになっている。
【0003】イオン源は、設定された加速電圧条件のもとで、設定されたイオン電流が引出せるよう、フィラメント電流を制御し、プラズマ密度を制御する。通常イオン源には、この過程を自動的に行い、設定されたイオン電流が安定に引出されるようにする、フィードバック制御系が付属している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】イオン源をミリング装置に適用した場合、使用者にとって最も重要なことは、イオンビームによって被加工物が加工される加工速度であり、通常、被加工物の許容温度範囲内で、質の良い、言い換えると発散角の小さいイオンビームをなるべく大量に引出せることが望ましい。従来のイオン源は、イオン加速電圧(以下、単に加速電圧という)を設定し、その電圧に対して、適当と思われるイオン電流を計算、実測あるいは使用者の経験から、それぞれ独自に設定するようになっており、設定電圧が異なると、同質のイオンビームが得られているかどうか、また最適条件で運転されているかどうか、が使用者によくわからない、という欠点があった。
【0005】また、イオン源をイオンビームスパッタ装置のスパッタ用イオン源として使用する場合には、使用者にとって必要なのは、ほとんどの場合、イオンビームのエネルギーのみであって、常に、イオンビームがターゲット上に集束されていることが望ましい。従って、加速電圧、イオン電流のそれぞれを設定することなく、エネルギーのみを設定することによって、そのエネルギーに最適の加速電圧及びイオン電流が自動設定されることが望ましい。
【0006】本発明の目的は、イオンビーム発生装置を使用目的に合った条件で運転するとともに、使用者がイオンビーム発生装置に対して設定すべき項目を少なくするにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、真空容器中にガスを導入し、該ガスをプラズマ化して、設定したイオン加速電圧を電極に印加して電界を与え、設定したイオン電流値に応じて該プラズマを生成する電子の量を制御して、該プラズマ中のイオンをイオンビームとして引出すイオンビーム発生装置の制御方法において、イオン加速電圧と該イオン加速電圧のもとで直進性のよいイオンビームが発生されるときのイオン電流の関係をあらかじめ関係式もしくはテーブルの形で保持しておき、電極に与えるイオン加速電圧のみを初期設定することにより、前記関係式もしくはテーブルを参照して最もイオン電流を引出しやすいイオン電流値に自動的に設定する手順を備えることにより達成される。
【0008】上記の目的はまた、前記イオン源から引出すイオン電流が、前記加速電圧の3/2乗にほぼ比例する値に設定されることを特徴とする請求項1に記載のイオンビーム発生装置の制御方法によっても達成される。
【0009】上記の目的はまた、真空容器中にガスを導入し、該ガスをプラズマ化して、設定したイオン加速電圧を電極に印加して電界を与え、設定したイオン電流値に応じて該プラズマを生成する電子の量を制御して、該プラズマ中のイオンをイオンビームとして引出すイオンビーム発生装置の制御方法において、引出されるイオンビームのエネルギー値と該イオンビームエネルギー値を持つイオンビームを発生させるイオン加速電圧値とイオン電流値の組合せを関係式もしくはテーブルの形で保持しておき、イオンビームエネルギー値を初期設定することにより、前記関係式もしくはテーブルを参照して設定されたイオンビームエネルギー値を持つイオンビームを発生させるイオン加速電圧値及びイオン電流値に自動的に設定する手順を備えることによっても達成される。
【0010】上記の目的はまた、ガスが導入される真空容器中に配置され少なくとも一つの面に複数の開口を有する加速電極を備えた箱状のアノードと、該加速電極に対向して配置され該加速電極の開口に対向する位置に同様に複数の開口を有する減速電極と、前記アノードの内部に配置されたフィラメントと、該フィラメントの両端に接続して配置されたフィラメント電源と、前記フィラメントの一端と前記アノードに接続して配置されたアーク電源と、一端を前記アノードに接続され他端を接地された加速電源と、一端を前記減速電極に接続され他端を接地された減速電源と、前記フィラメント電源とアーク電源と加速電源と減速電源とに接続され、イオン加速電圧値及びまたはイオン電流値を入力設定する入力手段を備え、設定された加速電圧値及びまたはイオン電流値に基づいてそれら電源を制御する制御装置とを含んでなるイオンビーム発生装置において、前記制御装置を、イオン加速電圧値と該イオン加速電圧値において最も直進性のよいイオンビームが発生するときのイオン電流値の組合せを関係式もしくはテーブルの形で格納する記憶手段と、入力されたイオン加速電圧値またはイオン電流値に基づいて、前記記憶手段に記憶されたデータを参照してイオン電流値またはイオン加速電圧値を算出設定する演算手段と、入力されたイオン加速電圧値及びまたはイオン電流値と算出されたイオン加速電圧値及びまたはイオン電流値を表示する表示手段とを含んで構成することによっても達成される。
【0011】上記の目的はまた、記憶手段が、イオン加速電圧値と該イオン加速電圧値に対応するイオン電流値に加え、前記イオン加速電圧値とイオン電流値の組合せに対応するイオンビームエネルギー値を関係式もしくはテーブルの形で格納するものである請求項4に記載のイオンビーム発生装置によっても達成される。
【0012】上記の課題はまた、記憶手段が、ミリング加工速度と、該ミリング加工速度を実現するのに必要な加工対象の材料種別ごとのイオンビームエネルギー値を関係式もしくはテーブルの形で格納するものである請求項5に記載のイオンビーム発生装置によっても達成される。
【0013】
【作用】フィラメントを流れる電流によってフィラメントが加熱され、該フィラメントから熱電子が放出される。放出された熱電子が真空容器中に導入されたガスの分子と衝突して、ガスを電離し、プラズマが生成される。フィラメントとアノードの間を流れるアーク電流によってこのプラズマは維持される。プラズマの密度は、一定のガス圧のもとでは、このフィラメント電流とアーク電流によって決まる。従って、引出されるイオン電流を観測し、シーケンサーなどによって、フィラメント電流、従ってアーク電流をフィードバック制御することにより、イオン電流は設定値に保たれる。
【0014】プラズマから、複数の電極を利用してイオンを引出す、プラズマ型のイオン源では、電極の光学系が同じであれば、イオン電流の引出しやすさ(パービアンス)は、加速電圧の3/2乗に比例する。従って、加速電圧を設定すれば、最も引出しやすいイオン電流の値は理論的には一意的に決定できる。ある加速電圧での、最も引出し易いイオン電流値は、イオンビームの発散角、イオン電流、減速電流などを測定することにより予め求められる。あるいは、処理中に測定することも可能である。実際には、いろいろな運転条件におけるイオンビームの発散角、イオン電流分布を測定することによって、加速電圧に対して、最も適切な、イオン電流値を求めることができる。得られた加速電圧値とイオン電流値の関係を予めプログラム化(関係式の形もしくはテーブルの形に)しておき、記憶手段に格納しておけば、加速電圧を設定することにより、対応するイオン電流を自動設定することが可能である。
【0015】加速電圧とそれに対応するイオン電流の組合せが定まれば、その組合せに対応して生成されるイオンビームのエネルギーが定まる。従って、加速電圧とそれに対応するイオン電流の組合せ及びこの組合せに対応するイオンビームエネルギーを記憶手段に格納しておけば、イオンビームエネルギーを設定するのみで、該記憶手段を参照して加速電圧、イオン電流を自動設定することができる。
【0016】イオン源の制御装置は、予め組込まれたプログラムに従って、あるいは、処理中の測定値をフィードバックすることによって、設定された加速電圧から、最適のイオン電流を自動設定したり、設定されたビームエネルギー値から、最適の加速電圧とイオン電流を自動設定し、設定されたイオン電流を維持するようにイオン源を運転する。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
【0018】図1は、本発明の一実施例を示すイオンビーム発生装置の要部構成を示す模式図である。真空容器内に取付けられるイオン源1には、一方の面に複数の開口(アパーチャ)11を有する加速電極2を設けた箱状のアノード(イオン源室)4と、該加速電極2に対向する位置に配置され該加速電極2のアパーチャに対向する位置にアパーチャ11を設けた減速電極3と、前記イオン源室内に配置されたフィラメント5と、が内装されている。前記フィラメント5の両端に接続してフィラメント電源6が配置され、前記アノード4と前記フィラメント5の一端に接続してアーク電源7が配置され、前記アノード4に接続して加速電源9が配置され、該加速電源9の他端は接地されている。また、前記減速電極3に接続して減速電源10が配置され、該減速電源9の他端は接地されている。フィラメント電源6、アーク電源7、加速電源9、減速電源10は、シーケンサなどを用いた制御装置8に接続されており、該制御装置8によって、設定されたイオン電流を維持するようにそれぞれの発生電圧及びまたは発生電流を制御される。
【0019】制御装置8は、加速電圧と、加速電圧に対して一意的に設定されるイオン電流の関係を表す式(もしくはテーブル)と、イオンビームエネルギーに対して一意的に設定される加速電圧及びイオン電流の値の関係を表す式を格納する記憶手段8A、イオンビームエネルギー、加速電圧及びイオン電流のうちのいずれか一つの値を入力する入力手段8B、入力された加速電圧またはイオン電流から該加速電圧またはイオン電流に対して一意的に決まるイオン電流値または加速電圧値を前記記憶手段に格納されたデータを参照して読みだしてイオン電流設定値または加速電圧設定値とするとともに、入力されたイオンビームエネルギーから該イオンビームエネルギーに対応して一意的に決まる加速電圧及びイオン電流値を前記記憶手段に格納されたデータを参照して読みだし、それぞれ加速電圧設定値及びイオン電流設定値とする演算手段8C、及び設定もしくは入力された加速電圧、イオン電流及びイオンビームエネルギーを表示する表示手段8Dとを備えている。言うまでもなく、制御手段8は、上記各手段以外に、設定された加速電圧、イオン電流を維持するように、装置の各状態量を検知し制御量を操作する手段を備えている。
【0020】発明者らの知見によれば、加速電極2と減速電極3の間隙、及びそれぞれの電極に設けられている複数のアパーチャ11の径やプラズマの条件等、他の条件に変化がなければ、図2に示すように、与えられた加速電圧に対して、引出しやすいイオン電流、言いかえれば直進性の良いイオンビームを発生するときのイオン電流の値は一定の関係をもつ。従って、加速電圧Aを設定すれば、その加速電圧に対して最適のイオン電流Bは一義的に決定される。逆にイオン電流が決まると、そのイオン電流を出すのに最適な加速電圧の値が決まる。
【0021】イオンビームエネルギーは、加速電圧とイオン電流の積であり、加速電圧と該加速電圧において直進性のよいイオンビームが発生されるときのイオン電流の間には図2に示されるような直線的な関係があるから、イオンビームエネルギーが与えられると、与えられたイオンビームエネルギーを発生し、かつ図2の関係を満足する加速電圧とイオン電流の組合せも、図3のように、一義的に決まる。
【0022】最適のイオン電流は、加速電圧の3/2乗にほぼ比例するが、装置の条件によって、多少異なることが考えられるので、予め実験により、図2のグラフを求めておくとよい。
【0023】また、加速電圧とイオン電流の関係が、時間的に変化することも考えられるので、イオンビームの被照射物の近傍にファラデーカップ等のイオンビームのセンサを設け、処理中あるいは処理前に、設定された加速電圧に対してイオン電流値を変化させつつイオンビームプロファイルを観測し、設定された加速電圧に対応する最適イオン電流値、つまり最も直進性のよいイオンビームが発生されるイオン電流値を設定することもできる。
【0024】イオン源を微細加工を行うミリング装置に適用した場合、使用者にとって必要なことは、常に、特性のすぐれた、言いかえると直進性の良いイオンビームが基板に照射されることであり、上記構成の装置によれば、加工速度を決定するイオンビームエネルギー値を設定するだけで、イオン源を常に最適条件で運転することができる。
【0025】イオン源を高機能成膜を行うイオンビームスパッタ装置に適用した場合には、使用者にとって重要なことは、ターゲット以外のものを照射することのない、集束性にすぐれたイオンビームを常に発生することであり、ミリング装置の場合と同様、成膜速度を決定するイオンビームエネルギー値を設定するだけで、常に最適条件でイオン源を運転することができる。
【0026】このプロセスフローを図4にまとめて示す。
【0027】制御装置の記憶手段8Aには、先に述べたように、加速電圧と、加速電圧に対して一意的に設定されるイオン電流の関係を表す式(もしくはテーブル)と、イオンビームエネルギーに対して一意的に設定される加速電圧及びイオン電流の値の関係を表す式が格納されている。格納手段8Aにはさらに、ミリング加工を行う場合のミリング速度Å/minとイオンビームエネルギーW/(平方センチメートル)の関係が材料の種類その他の条件ごとに格納されている。
【0028】ミリング加工を行う場合、まず、手順41でミリング速度Å/min、材料種別等が入力手段8Bを介して入力設定される。設定されたミリング速度、材料種別等の条件は、表示手段8Dに表示される。ミリング速度、材料種別等の条件が設定されると手順42にすすみ、演算手段8Cは記憶手段8Aを参照して設定されたミリング速度、材料種別等の条件に対応して定まるイオンビームエネルギーW/(平方センチメートル)を読みだす。読みだされたイオンビームエネルギーの値も前記表示手段8Dに表示される。演算手段8Cは次いで手順43に進み、記憶手段8Aに格納されているイオンビームエネルギーに対して一意的に設定される加速電圧及びイオン電流の値の関係を表す式を参照して、読みだされた前記イオンビームエネルギーの値に対応する加速電圧を算出し、算出した加速電圧値を制御データとして設定する。演算手段8Cは加速電圧値を設定したら手順44に進み、記憶手段8Aに格納されている加速電圧とイオン電流の値の関係を表す式を参照して、設定された加速電圧に対応するイオン電流を算出し、算出したイオン電流を制御データとして設定する。算出設定された加速電圧及びイオン電流は、表示手段8Dに表示される。手順44で設定作業は終わり、手順45では設定された制御量に基づいて制御が実行される。
【0029】ミリング速度、材料種別等の条件を入力設定するのでなく、直接必要なイオンビームエネルギーの値を設定してもよい。手順46は、直接必要なイオンビームエネルギーの値を設定する場合の手順で、必要なイオンビームエネルギーの値が入力手段8Bを介して入力設定される。イオンビームエネルギーの値が入力設定されると手順43に進み、設定されたイオンビームエネルギーの値に対応する加速電圧の値が演算手段8Cにより算出され、表示される。以後の手順44,45は前述の通りである。それまでの経験で加工対象の材料及び条件における必要イオンビームエネルギーの値がわかっている場合には、直接イオンビームエネルギーの値を入力設定することにより、材料の種別その他の多数の条件を入力しないでも、最適のイオン電流値に設定することができる。
【0030】何らかの条件で加速電圧を特定の値に設定する必要があるときは、手順47からスタートする。手順47で加速電圧が入力設定されると、ただちに手順44に進み、演算手段8Cは、前記記憶手段8Aに格納されたデータを参照して設定された加速電圧に対応するイオン電流を算出する。設定された加速電圧と算出されたイオン電流は制御量として設定、表示され、手順45で制御が開始される。この場合、加速電圧の代わりにイオン電流が入力設定されても、同様手順で加速電圧が算出、設定される。
【0031】本実施例によれば、ミリング速度と材料種別等の条件、イオンビームエネルギーの値、加速電圧値またはイオン電流値のいずれかが入力されれば、最適の組合せの加速電圧値とイオン電流値が算出設定され、設定された加速電圧値とイオン電流値を維持するように制御が行われるから、装置の操作者は基本的に要求されるデータのみを入力すればよく、イオン源を効率のよい運転状態で運転できる。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、イオンビームエネルギーあるいは、イオン加速電圧を設定するだけで、イオン源を常に最適条件で運転できるので、ミリング装置に適用した場合には、加速電圧と関係なく、再現性の良い、加工性にすぐれた微細加工が可能となり、イオンビームスパッタ装置に適用した場合には、常に高純度成膜を可能とすることができる。




 

 


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