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発明の名称 2要素式サーマルプロテクタ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−68759
公開日 平成6年(1994)3月11日
出願番号 特願平4−224269
出願日 平成4年(1992)8月24日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】武 顕次郎
発明者 島田 俊雄 / 多田 武美 / 菅原 渉
要約 目的
コンプレッサの異常発熱やコンプレッサモ−タ通電電流の異常増大に対するコンプレッサモータを保護能力を高める。

構成
主プロテクタPを構成する皿形バイメタル2は電源とモータMとの間に接続され、発熱要素R1と常開のバイメタルからなる温度スイッチTHとの直列回路が皿形バイメタル2のモータM側でモータMに並列に接続されている。また、発熱要素R2はこの直列回路に並列に接続されている。発熱要素R1,R2は皿形バイメタル2の近傍に配置され、主プロテクタPがオンしている限り、発熱要素R2が通電されて発熱し、皿形バイメタル2をある程度加熱している。これにより、モータMの通電電流が異常になると、皿形バイメタル2により、主プロテクタPが直ちにオフする。また、コンプレッサが異常発熱すると、温度スイッチTHがオンし、発熱要素R1も発熱して主プロテクタPが直ちにオフする。
特許請求の範囲
【請求項1】 ケース内に、該ケースの底部に植設されて固定接点が固着された固定端子板と該ケースに保持されて該固定接点に離接する可動接点を備えた皿形バイメタルと該皿形バイメタルの近傍に配置された第1,第2の発熱要素とからなる主プロテクタと、所定温度で閉成する温度スイッチとが一体収納され、該第1の発熱要素は該温度スイッチと直列に接続され、第2の発熱要素は該温度スイッチと第1の発熱要素との直列回路に並列に接続され、該第2の発熱要素は該皿形バイメタルを介して通電され、該第1の発熱要素は該温度スイッチが閉じたときに該皿形バイメタルを介して通電されることを特徴とする2要素式サーマルプロテクタ。
【請求項2】 ケース内に、該ケースの底部に植設されて固定接点が固着された固定端子板と該ケースに保持されて該固定接点に離接する可動接点を備えた皿形バイメタルと該皿形バイメタルの近傍に配置された第1,第2の発熱要素とからなる主プロテクタと、所定温度以下で常時開接点側に閉じ該所定温度以上で常時閉接点に閉じる温度スイッチとが一体収納され、該常時開接点側に該第1の発熱要素が、該常時閉接点側に該第2の発熱要素が夫々接続され、該温度スイッチの状態に応じて該第1,第2の発熱要素のいずれか一方が該皿形バイメタルを介して通電されることを特徴とする2要素式サーマルプロテクタ。
【請求項3】 請求項1または2において、前記第1,第2の発熱要素は夫々、炭素皮膜抵抗器,金属皮膜抵抗器,炭素体抵抗器,もしくは巻線抵抗器からなることを特徴とする2要素式サーマルプロテクタ。
【請求項4】 請求項1または2において、前記第1,第2の発熱要素は夫々、ニッケル−クロム合金,ニッケル−クロム−鉄合金,鉄−クロム−アルミ合金,炭化ケイ素,銅−ニッケル合金,もしくは銅合金等からなることを特徴とする2要素式サ−マルプロテクタ。
【請求項5】 請求項1,2,3または4において、前記第1,第2の発熱要素を、前記皿形バイメタルの投影面積にほぼ等しい範囲内に前記皿形バイメタルと対面して配設したことを特徴とする2要素式サーマルプロテクタ。
【請求項6】 コンプレッサモータの保護回路として用いたことを特徴とする請求項1,2,3,4または5に記載の2要素式サーマルプロテクタ。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気調和機等の密閉形コンプレッサのモータを保護するのに好適な2要素式サーマルプロテクタに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、セパレート形の空気調和機は、室内機と室外機が配管で結ばれるが、その工事が不完全であると、冷媒であるフレオンが漏れることがある。この場合、空気調和機のコンプレッサは過熱するが、そのモータの電流は略ぼ無負荷電流から増加することなく、従来の電流のみに応動する実開昭59−72641号公報等に開示されたプロテクタでは保護が不可能であった。
【0003】そこで、従来では、実開昭60−95183号公報,実開昭62−38090号公報,実開昭63−5422号公報及び特開昭63−61783号公報等に開示されているように、プロテクタをハーメチック形としてコンプレッサに内蔵取り付け、コンプレッサの温度を直接検知するようにしていた。これによると、前述の冷媒漏れによる過熱焼損は防止できても、ハーメチック形のプロテクタはそのもの自身が高価であるばかりか、その取付けの複雑さから工数が増加し、コストアップを招く欠点があった。
【0004】また、コンプレッサに内蔵取付けのため、プロテクタの不具合発生時には、コンプレッサ単体でのサービス交換を必要とし、サービス費用の増大を招く等の不利益が生じていた。
【0005】これ等の問題を解決する手段として、コンプレッサモ−タの外殻に取り付けるものでは、実開平1−79240号公報に示されるように、皿形の主バイメタル等からなる主プロテクタを収納した筒形ケースの開放端側に温度スイッチを配設したプロテクタが提案されている。これは、常時開路で所定温度に上昇のときに閉成する温度スイッチTHを設けるとともに、これにより付勢されるヒータRを主プロテクタPの主バイメタルの近傍に設けて、主接点を備えた主バイメタルを温度のみ上昇時にも反転動作させることにより、回路を遮断するサーマルプロテクタを構成するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の手段では、多種、多様のコンプレッサモータに対応するには不充分であった。即ち、通常の電流検知動作において、主バイメタルに流れる電流のみでこの主バイメタルを反転動作させるには、一般に知られているJIS C 2530「電気用バイメタル板」の中で最も固有抵抗の高い「電気用バイメタル板1種」を用いたとしても、例えばその製作できる範囲は図10に示す通りである。ここで、1.バイメタルの板厚は、皿形バイメタルの皿部の直径16mmの条件下を示す。
2.バイメタル反転動作温度は、バイメタルに通電することなく、周囲温度だけで閉路状態から開路状態に変化する温度範囲を示す。
3.最低作動電流は、前述のバイメタル反転動作温度範囲のものを、周囲温度60℃の一定件下において、バイメタルに電流を通電したとき、閉路状態から開路状態に変化する最も小さな電流値を示す。
【0007】従って、上述の最低作動電流以上の電流が流れる回路でないと使用できない制限が付いていた。もし、無理やり使用したとすると、温度スイッチTHが動作してヒータRが通電され、主プロテクタの主バイメタルが反転動作する動作モードでしかその動作が期待できず、その間の動作するまでの時間内にコンプレッサモータが焼損してしまうことになり、コンプレッサモータを保護できず、実用上問題があった。
【0008】本発明の目的は、かかる問題点を解消し、負荷となるコンプレッサモータの回路電流に左右されず、大電流から小電流の全ての領域に対応できるようにした、簡単かつ安価な2要素式サーマルプロテクタを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明は、ケース内に、該ケースの底部に植設されて固定接点が固着された固定端子板と該ケースに保持されて該固定接点に離接する可動接点をもつ皿形バイメタルと該皿形バイメタルの近傍に配置された第1,第2の発熱要素とからなる主プロテクタと、所定温度で閉成する温度スイッチとが一体収納されており、該第1の発熱要素は該温度スイッチと直列に接続され、該第2の発熱要素は該温度スイッチと第1の発熱要素との直列回路に並列に接続されてなり、該第2の発熱要素は該皿形バイメタルを介して通電され、該第1の発熱要素は該温度スイッチが閉じたときに該皿形バイメタルを介して通電されるようにする。
【0010】また、本発明は、ケース内に、該ケースの底部に植設されて固定接点が固着された固定端子板と該ケースに保持されて該固定接点に離接する可動接点をもつ皿形バイメタルと該皿形バイメタルの近傍に配置された第1,第2の発熱要素とからなる主プロテクタと、所定温度以下で常時開接点側に閉じ該所定温度以上で常時閉接点に閉じる温度スイッチとが一体収納されており、該常時開接点側に該第1の発熱要素が、該常時閉接点側に該第2の発熱要素が夫々接続されてなり、該温度スイッチの状態に応じて該第1,第2の発熱要素のいずれか一方が該皿形バイメタルを介して通電されるようにする。
【0011】
【作用】上記いずれの発明も、皿形バイメタルがそれ自身の自己発熱エネルギーだけでは反転動作できない領域においては、第2の発熱要素が連続通電されていて該皿形バイメタルの周囲温度を上昇させているため、コンプレッサモータの過負荷状態や回転子が拘束されたロック状態になることによって電流が増大の場合には、従来と同様、該皿形バイメタルは、それ自身の発熱が増加すれば、速やかに反転動作して可動接点を固定接点から開離させる。
【0012】冷媒漏れ等によってコンプレッサの温度のみが上昇する場合には、これによって温度スイッチが所定の動作温度に達すると、温度スイッチの状態が切り替わるが、上記前者の発明では、温度スイッチが閉成され、第2の発熱要素と共に第1の発熱要素が通電されて皿形バイメタルの周囲温度が急上昇して、これが迅速に皿形バイメタルの反転動作温度に達する。このため、コンプレッサの温度が上昇すると、即座に皿形バイメタルが反転動作して可動接点を固定接点から開離させることになる。
【0013】また、後者の発明では、温度スイッチが常時開接点から常時閉接点に切り替わり、第2の発熱要素の代わりに第1の発熱要素が通電されることになる。第1の発熱要素は第2の発熱要素に比べて発熱量が大きく、このため、皿形バイメタルの周囲温度が急上昇して、これが皿形バイメタルの反転動作温度に達する。このため、コンプレッサの温度が上昇すると、即座に皿形バイメタルが反転動作して可動接点を固定接点から開離させることになる。
【0014】このようにして、モータの通電電流が異常に増加しても、また、コンプレッサの温度が異常に高くなっても、モータは電源から遮断されることになり、モータの過熱焼損を防止することができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面によって説明する。
【0016】図1〜図5は本発明による2要素式サーマルプロテクタの一実施例の構造を示すものであって、図1はその内部平面図、図2は図1での分断線I−Iからみた断面図、図3は図1での反対側からみた背面図、図4は図1での分断線II−IIからみた断面図、図5は図1での分断線III−IIIからみた断面図であり、1はケース、2は主バイメタル、3は固定接点、4は固定端子板、5は可動接点、6はねじ、6Aはねじ6の頭部、7は圧縮バネ、8はタブ端子、9はセパレ−タ、10はカバー、11,12は端子、13はバイメタル、14は可動接点、15は固定接点、16はタブ端子、17は導電板、18,19は支持体、20は当接片、Pは主プロテクタ、R1,R2は発熱要素、THは小形温度スイッチである。
【0017】図1〜図5において、ケース1は絶縁物製で一端開放の角筒状をなし、その開放端にカバー10が取り付けられていることにより、内部空間が形成されており、図1及び図2から明らかなように、この内部空間が主プロテクタPの配置空間と小形温度スイッチTHの配置空間とに区分され、これらの境界に、例えば、不織布等のセパレ−タ9が設けられて、これら主プロテクタPと小形温度スイッチTHとが互いに絶縁されている。
【0018】ここで、まず、主プロテクタPについて説明すると、図1,図2及び図4から明らかなように、ケース1の底部に設けられた貫通孔に嵌合し、この底部の外面側にボルト6Bが螺合されたねじ6に皿状の主バイメタル2が取り付けられ、さらに、このねじ6の主バイメタル2とケース1の底部との間に圧縮バネ7が取り付けられている。そして、ボルト6Bを所定量締め付けられており、これによって生ずる圧縮バネ7の弾性力により、主バイメタル2はねじ6の頭部6Aに押しつけられ、ケース1の底部から所定の距離を保って配置されている。このとき、主バイメタル2は、窪んだ方の面(以下、窪み面という)がケース1の底部側を向くように、ねじ6に取り付けられている。
【0019】また、図1及び図2から明らかなように、主バイメタル2とケース1の底部との間で、ねじ6を挾んで図1の分断線I−Iに沿う方向に発熱要素R1,R2が配置されている。
【0020】図4に示すように、主バイメタル2の窪み面の外周部には、ねじ6を挾んで図1の分断線II−IIに沿う方向に(即ち、発熱要素R1,R2の配置方向とは直交する方向に)可動接点5A,5Bが設けられている。また、ケース1の底部の周辺部を貫通して固定端子板4A,4Bが設けられ、夫々の一端に形成された固定接点3A,3Bがケース1の内部底面に、主バイメタル2に設けられた可動接点5A,5Bに対向して固定されている。これら固定端子板4A,4Bの他端は、図2や図3に示すように、ケース1の底部を通して外部に突出しており、夫々にタブ端子8A,8Bが固着されている。
【0021】以上が主プロテクタPの構成であるが、次に、小形温度スイッチTHの構造について説明する。
【0022】図5から明らかなように、カバー10の内面に端子11,12を一部に挾んで2つの絶縁性支持体19,18が設けられ、一方の支持体19上に弾性を有する導電板17の一端が固着されている。この一端は図示しない手段によって端子11と電気的に接続されている。この導電板17の他端カバー10側の面には可動接点14が設けられている。また、他方の支持体18上のこの導電板17の可動接点14に対向した位置に固定接点15が設けられている。この固定端子15も図示しない手段によって端子12と電気的に接続されている。さらに、導電板17のカバー側の面略中央部に突出状の当接片20が設けられ、支持体18,19にまたがって設けられた、曲面状に撓んだバイメタル13の突出面がこの導電板17の当接片20に当接している。このバイメタル13は、通常、大きく撓んでおり、これにより、可動接点14が固定接点15から離されるように、導電板17が付勢されている。
【0023】端子11,12は、主プロテクタPの固定端子板4A,4Bと同様に、ケース1の底部を通して外部に突出しており、端子12にタブ端子16が固着されている。
【0024】以上が小形温度スイッチTHの構成である。以上説明した主プロテクタPと小形温度スイッチTHの構成において、通常では、主バイメタル2とバイメタル13の撓みは大きく、図4に示すように、主バイメタル2に設けられた可動接点5A,5Bは夫々固定端子板4A,4Bの固定接点3A,3Bに接触し、バイメタル17に設けられた可動接点14が支持体18の固定接点15に接触している。このため、タブ端子8A,8Bが固定端子板4A,4B及び主バイメタル2を介して電気的に接続されており、小形温度スイッチTHはオフとなっていて端子11,12間が開放されている。なお、これら主バイメタル2,バイメタル13は、周囲温度が高められる程、撓み量が小さくなる。
【0025】図6はかかる構成の実施例の回路構成を示す図であって、SWは電源スイッチ、Mはモータであり、前出図面に対応する部分には同一符号をつけている。
【0026】同図において、主プロテクタPの一方のタブ端子8Aが電源スイッチSWを介して一方の電源端子A1に接続され、他方のタブ端子8BがモータMの一方の端子に接続される。また、小形温度スイッチTHの一方の端子11は発熱要素R1を介して主プロテクタPのタブ端子8Bに接続され、小形温度スイッチTHのタブ端子16は、発熱要素R2を介して主プロテクタPのタブ端子8Bに接続されるとともに、モータMの他方の端子と他方の電源端子A2とに接続されている。従って、主プロテクタPがモータMに直列に接続され、小形温度スイッチTHは発熱要素R1,R2ととともに、主プロテクタPよりもモータM側でこのモータMに並列に接続されている。
【0027】かかる回路構成において、正常な動作状態では、上記のように、主プロテクタPがオンしており、電源端子A1,A2からモータMに駆動電流が供給されてモータMは回転する。このとき、小形温度スイッチTHがオフしており、発熱要素R2は、これに電流が流れないため、発熱しない。しかし、発熱要素R2は小形温度スイッチTHを介さずに直接モータMに並列に接続されているので、この発熱要素に常時電流が流れ、この発熱要素R2は発熱している。この熱によって主バイメタル2(図2,図4)の周囲温度は高められているが、その可動接点5A,5Bが固定接点3A,3Bから離れる程には、主バイメタル2は温められていない。
【0028】この実施例が空気調和機のコンプレッサ等に取り付けられていて、冷媒洩れ等によってこのコンプレッサの温度が異常に上昇し、バイメタル13(図5)の周囲温度が異常に高まると、このバイメタル13の撓みが小さくなり、これによる導電板17(図5)への付勢力が次第に小さくなって、遂には、固定接点15に可動接点14が接触する。この結果、小形温度スイッチTHがオンし、発熱要素R1にも電流が流れることになる。これによって発熱要素R1は発熱し、主バイメタル2の周囲温度が上昇する。この場合、上記のように、発熱要素R2によって熱バイアスが掛けられているので、この発熱要素R1の発熱によって主バイメタル2の周囲温度がわずかにでも上昇すると、この主バイメタル2の撓みが小さくなり、その可動接点5A,5Bが固定接点3A,3Bから離れる。このため、主プロテクタPはオフし、これによって、モータMへの通電が中止する。
【0029】このようにして、コンプレッサが異常発熱すると、バイメタル13がこれを検知し、この検知に伴って即座に主プロテクタPがオフすることになり、モータMの電流の大きさに関係なく、コンプレッサの迅速な保護が図れることになる。
【0030】なお、発熱要素R1,発熱要素R2には、炭素皮膜抵抗器,金属皮膜抵抗器,炭素体抵抗器或いは巻線抵抗器等の抵抗器が用いられるが、ニッケル−クロム合金,ニッケル−クロム−鉄合金,鉄−クロム−アルミ合金,炭化ケイ素,銅−ニッケル合金或いは銅合金等の通電して発熱源になるものであれば、どのようなものであってもよい。また、発熱要素R1と発熱要素R2との結線方法は、図6に示したものに限らず、必要に応じて任意に決めることができる。さらに、発熱要素R1,発熱要素R2を主バイメタル2の下面投影面積にほぼ等しい範囲内に対面して配置することにより、主バイメタル2を加熱するときの熱損失を少なくでき、応答性を向上させることができる。
【0031】ところで、図7は主バイメタル2の周囲温度に対する通電電流の関係を示す特性図であって、実線並び破線は主プロテクタPの動作特性を示し、その下方範囲が不動作領域を、上方範囲が動作領域を夫々表わしている。また、一点鎖線は小形温度スイッチTHの動作特性を示し、その左範囲が不動作領域を、右範囲が動作領域を夫々表わしている。
【0032】かかる特性では、例えば、主プロテクタPの周囲温度X℃に於ける実線時の不動作、動作の境界電流はY(A)となり、破線時の不動作、動作の境界電流はZ(A)となる。夫々Y(A)、Z(A)未満の電流通電では不動作状態を示し、Y(A)、Z(A)を超える電流通電では動作状態を示すものである。従って、破線の動作特性では、実線で示す動作特性に比べ、同じ周囲温度であるとき、小さい通電電流で動作状態となる。
【0033】そこで、例えば主バイメタル2のみのとき(即ち、図6において、主バイメタル2のみが設けられて発熱要素R1,R2や小形温度スイッチTHが設けられていないとき)の動作特性、不動作特性が、図7に示す実線の如くものとすると、図6に示すように上記実施例を用いたときには、第2の発熱要素R2の発熱を加えた主バイメタル2の見掛け上の動作特性、不動作特性が図7の矢印の破線方向に変化する。即ち、発熱要素R2の発熱エネルギ−によって主バイメタル2での周囲温度が高くなり、その分だけ主バイメタル2の発熱エネルギ−が少なくても主バイメタル2が動作しやすくなることになる。換言すると、主バイメタル2の動作,不動作電流は、主バイメタル2での周囲温度を変化させることにより、通電電流による動作点を低い任意の電流にシフトさせることができるものである。
【0034】従って、モ−タMに流れる定常電流が小さい場合でも、発熱要素R2の加熱作用効果によって適正な2要素式サ−マルプロテクタを得ることができる。その結果、過負荷或は回転子拘束等によってモ−タMに定常電流に比べて過大な電流が流れると、主バイメタル2が発熱して反転動作し、可動接点5A,5Bが固定接点3A,3Bから開離してモータMの電流が遮断されることになり、このようにしてモ−タMが過熱焼損から保護される。
【0035】そこで、万一冷媒漏れ等により、モータMの電流が増加せず温度が上昇するのみである場合には、この温度が所定の温度W(℃)になると小形温度スイッチTHが閉路し、発熱要素R1が通電されて主バイメタル2を熱する。この結果、主バイメタル2が反転動作をして可動接点5A,5Bが固定接点3A,3Bから開離し、電流が遮断されてモ−タMが過熱焼損から保護される。
【0036】また、上記実施例では、図8(A)(B)に示すように、その取付方向がコンプレッサモ−タの外殻に対して垂直面であっても、水平面であってもよく、取付方向によって保護特性が変化するものではない。従って、あらゆる密閉形コンプレッサモ−タに取付け、特性共に対応できるものであり、その利用範囲が限定されるものではない。
【0037】図9は本発明による2要素式サーマルプロテクタの他の実施例を示すブロック図であって、21,22は固定接点、23は可動接点であり、図6に対応する部分には同一符号をつけて重複する説明を省略する。
【0038】この実施例が先に説明した実施例と異なる点は、先の実施例では、小形温度スイッチTHとして、常時開の単極単投スイッチを用いたのに対し、この実施例では、常時開及び常時閉の単極双投スイッチを用いるようにした点である。
【0039】図9において、小形温度スイッチTHは単極双投スイッチであり、その一方の固定接点21に発熱要素R1が、他方の固定接点22に発熱要素R2が夫々接続されている。この場合、固定接点21は常時可動接点23から開放されている常時開接点であり、固定接点22は常時可動接点23に閉路されている常時閉接点である。この実施例では、図5において、当接片20が図示する状態で図9に示すように発熱要素R2が通電されるように構成されている以外、先に説明した実施例と同様の構成をなしている。
【0040】かかる構成によると、通常では、先の実施例と同様に発熱要素R2が通電されているが、小形温度スイッチTHが作動すると、通電が発熱要素R2から発熱要素R1に切り替わることになる。しかし、この場合でも、発熱要素R1の発熱量を発熱要素R2よりも大きくすることにより、やはり発熱要素R1が主バイメタル2の周囲温度を上昇させることになる。この結果、主バイメタル2は加熱されて反転動作し、モ−タMは通電が遮断されて過熱焼損から保護するものである。
【0041】以上のように、上記各実施例においては、モータMの通電電流が異常に大きくならなくとも、冷媒漏れによってコンプレッサが異常加熱した場合には、自動的に主バイメタル2が開放することになり、その熱によるモータMの過熱焼損を防止することができる。
【0042】なお、モータMが過負荷状態やロック状態になるなどしてこのモータMに異常電流が流れるような場合には、この異常電流によって主バイメタル2自体が発熱して温度上昇し、主プロテクタPがオフとなる。従って、このような場合にも、モータMの保護が図れることになる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、主バイメタルの通電電流による発熱エネルギ−ではその反転動作をするのに製作不可能な領域に於いて、主バイメタルの近傍に配設した第2の発熱要素の発熱効果により、主バイメタルの周囲温度を上昇せしめて反転動作に必要な通電電流を任意にコントロ−ルできるようにしたことから、1.主バイメタルに組合せる第2の発熱要素の発熱エネルギ−を変えるだけで、 従来不可能とされた動作電流の小さなものが得られる。
2.その結果、あらゆるコンプレッサモ−タと合致する特性のものが得られることから、冷媒漏れの予想される全ての分野に同一構成で適用できる。
3.また、上記原理から取付方向等が左右されないのでその利用範囲が広い。
4.従って、同一構成のもので大量に製作供給できることから、大量生産によるコスト低減に結び付く等種々の効果を奏するものであり、その実用的効果に大なるものがある。




 

 


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