米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 電気素子 -> 株式会社日立製作所

発明の名称 フィルタ回路およびその制御方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−61791
公開日 平成6年(1994)3月4日
出願番号 特願平4−208100
出願日 平成4年(1992)8月4日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】富田 和子
発明者 長谷 健一 / 宮沢 章一 / 堀田 龍太郎 / 平野 章彦 / 木村 博 / 浦上 憲
要約 目的
任意の特性を得ることのできるフィルタ回路及びその制御方法を得ることを目的とする。

構成
Gmアンプ1,2を制御する制御回路7,8およびその制御内容を格納したレジスタ10,11をGmアンプ毎に設ける。ROM204に理想とすべき特性を示す情報を予め格納する。基準信号発生回路201の入力に対応した出力信号15の振幅を振幅検出回路202により検出し、その検出結果と、ROM204に格納されている情報とを比較する。そして、該比較結果に応じてレジスタ10,11の内容を、書き替える。
特許請求の範囲
【請求項1】可変コンダクタンスアンプおよび容量を含んで構成されるフィルタ手段と、上記可変コンダクタンスアンプのコンダクタンス値を制御する制御手段と、上記制御手段による制御内容を蓄える記憶手段と、上記記憶手段に蓄えられる制御内容を更新する更新手段と、上記更新手段により更新する新たな制御内容を決定する更新内容決定手段と、を有することを特徴とするフィルタ回路。
【請求項2】上記更新内容決定手段は、上記フィルタ手段の出力信号の振幅を検出する振幅検出手段を含み、該振幅検出手段の検出した振幅を用いて上記新たな制御内容を決定すること、を特徴とする請求項1記載のフィルタ回路。
【請求項3】上記更新内容決定手段は、上記フィルタ手段が目標とするフィルタ特性を示す理想特性情報を記憶した第2の記憶手段を有し、上記振幅検出手段の検出した振幅と該理想特性情報とを比較することにより、上記新たな制御内容を決定すること、を特徴とする請求項2記載のフィルタ回路。
【請求項4】上記更新内容決定手段は、ある特定の基準信号を発生して上記フィルタ手段に入力する基準信号発生手段を有し、上記振幅検出手段は、上記基準信号に対応して出力された出力信号の振幅を検出するものであること、を特徴とする請求項2または3記載のフィルタ回路。
【請求項5】上記基準信号発生手段は、それぞれ単一周波数成分からなる少なくとも3種類の基準信号を発生するものであること、を特徴とする請求項3記載のフィルタ回路。
【請求項6】上記振幅検出手段は、少なくとも、上記フィルタ手段の2次毎の位置における信号の振幅を検出するものであること、を特徴とする請求項1記載のフィルタ回路。
【請求項7】基板と、可変コンダクタンスアンプおよび容量を含んで構成される、上記基板上および/または上記基板内に形成されたフィルタ手段と、上記可変コンダクタンスアンプのコンダクタンス値を制御する、上記基板上および/または上記基板内に形成された制御手段と、上記制御手段による制御内容を蓄える、上記基板上および/または上記基板内に形成された記憶手段と、を含んで構成されることを特徴とする集積回路。
【請求項8】請求項7記載の集積回路において、上記記憶手段に蓄えられる制御内容を更新する、上記基板上および/または上記基板内に形成された更新手段と、ある特定の基準信号を発生して上記フィルタ手段に入力する、上記基板上および/または上記基板内に形成された基準信号発生手段と、上記基準信号に対応して上記フィルタ手段が出力する出力信号の振幅を検出する、上記基板上および/または上記基板内に形成された振幅検出手段と、上記更新手段により更新する新たな制御内容を、上記振幅検出手段の検出した振幅を用いて決定する、上記基板上および/または上記基板内に形成された更新内容決定手段と、のうち少なくとも一つを有すること、を特徴とする集積回路。
【請求項9】可変コンダクタンスアンプおよび容量を含んで構成されるフィルタ手段と、上記可変コンダクタンスアンプのコンダクタンス値を制御する制御手段と、を含んで構成されるn次のフィルタ回路の制御方法において、上記フィルタ手段の2次毎の位置における信号を検出し、その検出結果に基づいて上記制御手段による制御の内容を決定することを特徴とするフィルタ回路の制御方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、任意のフィルタ特性を得ることのできるフィルタ回路およびその制御方法に関し、特に磁気ディスク装置等のリードチャネルで、任意の転送速度に対し、最適な波形整形処理を行い、再生マージン向上を図るためのフィルタ回路およびその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】以下、従来のフィルタ回路およびその制御方法を説明する。
【0003】フィルタには、大きく分けて、抵抗、容量、インダクタ、等の受動素子を組合せた、いわゆるパッシブフィルタと、オペアンプ等のアクティブ素子を組み合わせた、いわゆるアクティブフィルタとがあり、用途に応じたフィルタ特性を得るために、さまざまな構成が考えられている。
【0004】ところで、近年、装置の小型化の要求や、扱う信号の多様化にともなって、LSI化された、オンチップフィルタの必要性がでてきている。この場合、LSI上でインダクタを実現するのは難しいため、抵抗と容量のみでフィルタを構成する必要がある。また、LSI上で実現できる容量の大きさも制限される。従って、これらの条件をすべて満たすことは容易ではないが、それでも、いくつかのアクティブフィルタが考えだされている。
【0005】抵抗と容量で構成するフィルタのうち最も簡単なものは、その時定数を利用したローパスフィルタであるが、その抵抗成分を、電流出力の可変コンダクタンスアンプ(以下、単に”Gmアンプ”という。また、そのコンダクタンスを、単に”Gm”と示す場合がある。)で置き換えた構成のフィルタが、オンチップフィルタに有利であるとして、実現され始めた。
【0006】Gmアンプを用いた1次ローパスフィルタを図13に示す。差動電圧入力、片側電流出力のGmアンプ80、及び、容量(以下、該容量の大きさを単に”C”と示す場合がある。)81からなる。該フィルタの、入力信号Vin82に対する出力電圧Vout83の伝達特性T4(s)は、下記数4に示すとおりであり、遮断周波数fcはGm/(C・2π)となる。
【0007】
【数4】

【0008】
Gm:Gmアンプ80のコンダクタンス値C:容量81の大きさs:時間同じく、Gmアンプを用いた、2次のバイカットローパスフィルタを図14に示す。該フィルタは、差動電圧入力かつ片側電流出力のGmアンプ84,85と、容量86,87とからなる。該フィルタにおける、入力信号Vin88に対するVout89の伝達特性T5(s)は、下記数5に示すとおりである。
【0009】
【数5】

【0010】
Gm1b:Gmアンプ84のコンダクタンス値Gm2b:Gmアンプ85のコンダクタンス値C1b:容量86の大きさC2b:容量87の大きさs:時間このように、Gmアンプと容量を組み合わせることで、様々なフィルタ特性を得ることが出来る。
【0011】次に従来のフィルタ制御回路について図15を用いて説明する。
【0012】制御対象となるフィルタは、n個のGmアンプ(101(1),101(2),…,101(n))、および、n個の容量(104(1),104(2),…,104(n))からなるn次のアクティブフィルタである。そして、このアクティブフィルタを制御するため、各Gmアンプ毎に設けられたn個の制御回路(107(1),107(2),…,107(n))と、各制御回路で使用する制御情報を蓄えるレジスタ110と、該レジスタ110を書換えるためのデータバス113とが設けられている。
【0013】入力信号Vin114は、上記n次のアクティブフィルタによって波形整形され、出力信号Vout115として出力される。この時、制御回路(107(1),107(2),…,107(n))は、レジスタ110の情報に従ってGmアンプ(101(1),101(2),…,101(n))のコンダクタンスを設定することにより、該フィルタを制御している。なお、該レジスタ110の内容は、必要に応じて、データバス113を通じて書換えられるものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来技術では、レジスタ110を書き替えることによってGmを制御し、遮断周波数を任意に設定することは出来たが、フィルタ特性そのものは、あらかじめ定められた特性に限定され、入力される信号の変化にたいして最適化したり、システムに応じて、汎用性を持たせることが出来なかった。すなわち、Gmアンプ毎に制御内容を変えて、別個独立してGmを変更することができなかった。
【0015】また、実際の回路における、各構成素子の特性のバラツキや寄生容量の影響を補正し、より理想的なフィルタ特性に近づけることが出来なかった。磁気記録装置等におけるデ−タの高速転送においては、わずかな条件の違いで、読み出し波形の周波数成分が微妙に異なる。そのため、磁気記録装置等においては、フィルタ特性の最適化を可能とすること特に求められていた。この場合、さらに、フィルタ特性の設定や、構成素子バラツキ等の補正を自動的に精度よく行うシステムが求められていた。
【0016】本発明の第1の目的は、入力される信号に応じてフィルタ特性の最適化が可能で、汎用性の高いフィルタ回路およびその制御方法を実現することにある。
【0017】本発明の第2の目的は、実際の回路における、各構成素子のバラツキや、寄生容量の影響を補正し、より理想的なフィルタ特性に近づけることのできるフィルタ回路およびその制御方法を実現することにある本発明の第3の目的は、上記目的を達成する際のフィルタ制御の自動化を図ることにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するためになされたもので、その一態様としては、可変コンダクタンスアンプおよび容量を含んで構成されるフィルタ手段と、上記可変コンダクタンスアンプのコンダクタンス値を制御する制御手段と、上記制御手段による制御内容を蓄える記憶手段と、上記記憶手段に蓄えられる制御内容を更新する更新手段と、上記更新手段により更新する新たな制御内容を決定する更新内容決定手段と、を有することを特徴とするフィルタ回路が提供される。
【0019】上記更新内容決定手段は、上記フィルタ手段の出力信号の振幅を検出する振幅検出手段を含み、該振幅検出手段の検出した振幅を用いて上記新たな制御内容を決定するものであってもよい。
【0020】上記更新内容決定手段は、上記フィルタ手段が目標とするフィルタ特性を示す理想特性情報を記憶した第2の記憶手段を有し、上記振幅検出手段の検出した振幅と該理想特性情報とを比較することにより、上記新たな制御内容を決定するものであってもよい。
【0021】上記更新内容決定手段は、ある特定の基準信号を発生して上記フィルタ手段に入力する基準信号発生手段を有し、上記振幅検出手段は、上記基準信号に対応して出力された出力信号の振幅を検出するものであってもよい。
【0022】上記基準信号発生手段は、それぞれ単一周波数成分からなる少なくとも3種類の基準信号を発生するものであってもよい。
【0023】上記振幅検出手段は、少なくとも、上記フィルタ手段の2次毎の位置における信号の振幅を検出するものであることが好ましい。
【0024】本発明の他の態様としては、基板と、可変コンダクタンスアンプおよび容量を含んで構成される上記基板上および/または上記基板内に形成されたフィルタ手段と、上記可変コンダクタンスアンプのコンダクタンス値を制御する、上記基板上および/または上記基板内に形成された制御手段と、上記制御手段による制御内容を蓄える上記基板上および/または上記基板内に形成された記憶手段と、を含んで構成されることを特徴とする集積回路が提供される。
【0025】この場合、上記記憶手段に蓄えられる制御内容を更新する、上記基板上および/または上記基板内に形成された更新手段と、ある特定の基準信号を発生して上記フィルタ手段に入力する、上記基板上および/または上記基板内に形成された基準信号発生手段と、上記基準信号に対応して上記フィルタ手段が出力する出力信号の振幅を検出する、上記基板上および/または上記基板内に形成された振幅検出手段と、上記更新手段により更新する新たな制御内容を、上記振幅検出手段の検出した振幅を用いて決定する、上記基板上および/または上記基板内に形成された更新内容決定手段と、のうち少なくとも一つを有するものであってもよい。
【0026】本発明の他の態様としては、可変コンダクタンスアンプおよび容量を含んで構成されるフィルタ手段と、上記可変コンダクタンスアンプのコンダクタンス値を制御する制御手段と、を含んで構成されるn次のフィルタ回路の制御方法において、上記フィルタ手段の2次毎の位置における信号を検出し、その検出結果に基づいて上記制御手段による制御の内容を決定することを特徴とするフィルタ回路の制御方法が提供される。
【0027】
【作用】更新内容決定手段の基準信号発生手段は、基準信号を発生しフィルタ手段に入力する。すると、更新内容決定手段の振幅検出手段は、該フィルタからの出力信号の振幅を検出する。そして、第2の記憶手段に記憶されている理想特性情報と比較し、制御手段による制御内容を決定する。すると、更新手段がこれを、記憶手段に書き込む。制御手段は、該記憶手段に書き込まれている情報に従ってフィルタ手段を制御し、そのコンダクタンスを変更する。
【0028】この場合、振幅情報検出手段による振幅の検出は、フィルタ手段2次毎に行なえば、制御内容決定の演算処理が複雑化することがない。
【0029】これにより、フィルタ特性を任意に設定し、入力される信号の変化にたいして最適化したり、システムに応じて、汎用性を持たせることができる。さらに、実現回路における、各構成素子のバラツキや、寄生容量の影響を補正することにより、より理想的なフィルタ特性に近ずけることができる。
【0030】
【実施例】本発明の一実施例を図面を用いて説明する。
【0031】本実施例のフィルタ回路は、図1に示すとおり、n次のアクティブフィルタ部100と、該アクティブイルタ部100のフィルタ特性を制御する制御部200とから構成される。
【0032】アクティブフィルタ部100は、n個のGmアンプ(1(1),1(2),…,1(n))と、n個の容量(4(1),4(2),…,4(n))とからなるもので、該アクティブフィルタ部100自体は、基本的には従来技術と同様のものである。本実施例のGmアンプ(1(1),1(2),…,1(n))の内部構成については、後ほど図2を用いて説明する。
【0033】制御部200は、制御回路(7(1),7(2),…,7(n))、レジスタ(10(1),10(2),…,10(n))と、データバス13とを含んで構成される。
【0034】制御回路(7(1),7(2),…,7(n))は、Gmアンプ(1(1),1(2),…,1(n))を制御し、そのコンダクタンスを変更する機能を有する。該制御回路の内部構成については、後ほど図3を用いて説明する。
【0035】レジスタ(10(1),10(2),…,10(n))は、制御回路(7(1),7(2),…,7(n))による制御の内容に関する情報を格納するものである。本実施例においては、上述した制御回路(7(1),7(2),…,7(n))のみならず、該レジスタも、n個、言い替えれば、Gmアンプ(1(1),1(2),…,1(n))毎に設けている。従って、各Gmアンプ(1(1),1(2),…,1(n))毎に異なる内容の制御を行なうことができる。
【0036】なお、上記説明した構成はすべて同一基板の上あるいは内部に形成している。
【0037】動作を説明する。
【0038】入力信号Vin14は、アクティブフィルタ部100で波形整形され、出力信号Vout15として出力される。この場合該アクティブフィルタ部100の、フィルタ特性は、各Gmアンプ(1(1),1(2),…,1(n))のコンダクタンス値(Gm)を用いて、次式で示される伝達特性を持つ。
【0039】
【数1】

【0040】
T1(s):伝達特性s:時間Gm1:Gmアンプ1(1)のコンダクタンス値Gm2:Gmアンプ1(2)のコンダクタンス値Gmn:Gmアンプ1(3)のコンダクタンス値C1:容量4(1)の大きさC2:容量4(2)の大きさCn:容量4(n)の大きさこの場合、各Gmアンプ(1(1),1(2),…,1(n))のGmは、各制御回路(7(1),7(2),…,7(n))により、各々任意の値に設定可能である。そして、該Gmの設定は、各制御回路(7(1),7(2),…,7(n))に対応したレジスタ(10(1),10(2),…,10(n))の情報に従って行なわれるものである。従って、レジスタ(10(1),10(2),…,10(n))の内容を書換えることにより、任意のフィルタ特性を得ることが出来る。
【0041】レジスタの書換えは、必要に応じて、該データバス13に接続されたCPU(図示せず)が、適時に行なう。なお、その内容は、同じく該データバス13に接続された、ROM、RAM、あるいは、他のメディアの一部領域等に、予め定められた値、あるいは、必要に応じて更新された値を使用する。
【0042】図1に示した例は、n次のアクティブフィルタ部100を、Gmアンプによる抵抗成分と、容量と、を梯子状に接続した、はしご型のn次ローパスフィルタであった。しかし、フィルタの構成はこれに限定されるものではなく、例えば、前述した2次フィルタを一組としたバイカッド型で構成してもよい。また、ハイパスフィルタ、バンドパスフィルタ、ノッチフィルタ等の各種フィルタ、あるいは、さらに、これらを組み合わせたものでもよい。また、Gmアンプ自身についても、差動出力、片側出力のいずれでも構わない。
【0043】Gmアンプ(1(1),1(2),…,1(n))の詳細を図2を用いて説明する。
【0044】該Gmアンプ1は、ギルバートマルチプライヤ回路であり、入力段は、一組のバイポーラトランジスタ16,17と、そのエミッタ間に接続するエミッタ抵抗22と、一組の基準電流源23,24と、ダイオード接続された一組のバイポーラトランジスタ18,19とからなる。また、出力段は、一組のバイポーラトランジスタ20,21と、基準電流源25と、一組の電流源26,27とからなる。
【0045】該Gmアンプ1においては、入力された差動信号Vin28は、バイポーラトランジスタ16,17で差動電流に変換される。該変換後の信号は、さらに、バイポーラトランジスタ18,19で、対数変換され、出力段に渡される。
【0046】出力段において、該信号はバイポーラトランジスタ20,21により逆対数変換され、差動電流Iout29として出力される。
【0047】この時、GmアンプのGmは、下記数2に示すようなものとなる。
【0048】
【数2】

【0049】
Gm:コンダクタンス値Iout:差動電流29Vin:差動信号28I0:基準電流源23,24の電流値I1:基準電流源25の電流値Re:エミッタ抵抗22の抵抗値従って、基準電流源23,24の電流I0と、基準電流源25の電流I1との比を変更することにより、Gmの値を変化させることができる。
【0050】本実施例のGmアンプ1では、Gmの値が、基準電流I0と基準電流I1との比で定まるため、該基準電流を変化させる際に、Gmのリニアリティが取りやすい。また、基準電流の生成方法によっては、温度依存性や、素子バラツキ等をキャンセルできることである。
【0051】なお、Gmアンプ1の構成は、該図2に示したものに限定されるものではなく、一般的な差動アンプでも構成可能である。この場合には、基準電流を変化させることでコンダクタンスを変更する。ただし、図2の例に比べて、回路が簡略化される反面、基準電流を変化させた場合のリニアリティや、入出力ダイナミックレンジの点で不利となる。
【0052】本実施例の制御回路(7(1),7(2),…,7(n))の詳細を図3を用いて説明する。
【0053】制御回路7は、レジスタ10に接続された電流DAC(電流 デジタル/アナログ コンバ−タ)38と、バイポーラトランジスタ(30,31,32)およびエミッタ抵抗(33,34,35)からなるカレントミラー回路と、で構成されている。なお、電流出力37が、図2に示したGmアンプの基準電流源23,24の電流I0、基準電流源25の電流I1、に該当する。
【0054】動作を簡単に説明する。
【0055】基準電圧Vref36は、バイポーラトランジスタ30、エミッタ抵抗33で電流に変換されて、DAC38に入力される。すると、DAC38は、該電流を、レジスタ10の内容に応じて決定されるミラー比で折り返し、バイポ−ラトランジスタ31のコレクタに入力する。この出力電流は、該バイポーラトランジスタ31,32、および、エミッタ抵抗34,35が構成するカレントミラーで折り返す。その結果、該エミッタ抵抗35のコレクタにおいて、制御された電流出力37を得る。
【0056】従って、該レジスタ10の内容を変更すれば、DAC38のミラー比が変わり、電流出力37、すなわち、Gmアンプ1のGmを変更することができる。
【0057】なお、前述のように、本実施例のGmアンプ1は、基準電流I0、または、基準電流I1のどちらか一方を変化させるだけで、Gmの値を変化させることが出来る。そのため、他方は固定電流としても構わない。
【0058】また、基準電圧Vref36は、必要に応じて最適な方法で発生させるのが好ましい。例えばバンドギャップ電圧源で生成し、温度や電源電圧依存性をなくしてもよい。あるいは、逆抵抗バラツキを持たせて、抵抗バラツキをキャンセルしてもよい。さらには、容量バラツキ補償用PLL回路を用いて容量補償をおこなってもよい。
【0059】電流DAC38は、カスコード型カレントミラーDACで構成する等により、電源電圧依存性をなくすのが好ましい。
【0060】表1にGmの具体的な設定例を示す。
【0061】
【表1】

【0062】この表1は、バイカット構成の4次のアクテイブフィルタを用いて、応答特性として代表的な、バタワースフィルタ(Butterworth filter)、チェビシェフフイルタ(Tchebycheff filter、 0.5dB)、ベッセルフィルタ(Bessel filter)を構成する場合の、各次のGmの設定値を示したものである。なお、該設定値は、遮断周波数fcを1MHzに固定し、容量C=1μFとした場合のものである。
【0063】このように、各GmアンプのGmの値を任意に設定することで、その扱う信号に応じて最適のフィルタ特性を得ることが出来る。例えば、扱う信号の帯域が広く、利得の平坦性が重要な場合は、バタワースフィルタとなるようにする。遮断周波数付近の選択性が重要な場合は、チェビシェフフィルタとする。また、後述するように、遮断周波数付近での利得を変化させ、イコライザ機能を持たせるような場合は、群遅延特性に優れるベッセルフィルタとする。
【0064】各Gmの比率を一定にしたままで、その絶対値変化させることにより、フィルタ特性を変えずに、遮断周波数を任意に設定することも可能である。
【0065】更に、各Gmアンプ毎にGmを微調整することにより、素子バラツキや、寄生容量等を補正し、より理想的なフィルタ特性を得ることも可能である。
【0066】次に、上記実施例のフィルタ回路の適応制御、言い替えれば、レジスタ10の書換えの具体的な例を説明する。
【0067】適応制御を行う場合のシステム構成図を図4に示す。この例では、適応制御におけるレジスタ10(1),10(2)の書換えのために、上記実施例で説明したフィルタ回路に加えて、基準信号発生回路201と、振幅検出回路202と、データバス13に接続するCPU203、ROM204と、を備えている。なお、図1でアクティブフィルタ部100をn次としていたが、該図4では、適応制御の概要をより判り易くするため、2次のアクティブフィルタ部100’としている。
【0068】基準信号発生回路201は、任意の周波数の単一周波数成分の基準信号を発生する回路である。該基準信号は、切り替えスイッチ214を介して、入力信号Vin14に代わって、Gmアンプ1(1)に入力される。
【0069】振幅検出回路202は、フィルタ出力信号Vout15の振幅を検出するものである。該振幅検出回路202は、図5に示すとおり、ピークホールド回路205、A/D変換回路206、及び、レジスタ207からなる。ピークホールド回路205は、該フィルタ出力信号Vout15のピーク値を検出し、アナログ振幅情報として出力するものである。A/D変換回路206は、該アナログ振幅情報をディジタル情報に変換して出力するものである。レジスタ207はデジタル化された振幅情報を1つあるいは複数個蓄えるものである。なお、該レジスタ207は、該データバス13と接続されており、CPU203はその内容を読み出すことができる。
【0070】ROM204は、理想とするフィルタ特性の情報が格納されている。また、該フィルタ特性を実現するために、制御回路7等に与える制御値を、レジスタ207の内容に基づいて算出するためのソフトウエアが格納されている。なお、当然ながら、該理想とするフィルタ特性は、該フィルタの用途、入力される信号の特性等によって異なるものである。該ROM204については、書換え可能なタイプ、いわゆるフラッシュ・メモリを使用すればシステムの汎用性が高まる。
【0071】CPU203は、レジスタ207、ROM204に格納されているプログラム等を実行することによって上記制御値を算出し、レジスタ10(1),10(2)に書き込む構成となっている。なお、該制御値は、制御回路7(1),7(2)毎に、すなわちGmアンプ1(1),1(2)毎に、異なるものとすることができる。
【0072】なお、図には示していないが、本実施例においては、基準信号発生回路201、振幅検出回路202、デ−タバス13、CPU203、ROM204についても上記フィルタ回路と同一基板の上あるいは内部に形成し、該システム全体を一つの集積回路としている。但し、必ずしもすべてを同一の基板に形成する必要はない。
【0073】適応制御の原理を図6を用いて説明する。なお、具体的な制御動作については、後ほど詳細に述べる。
【0074】図6は、従来技術の説明(図13、数5)において示した2次バイカットローパスフィルタの伝達特性T5(s)の遮断周波数fc付近の特性を表したものである。この図からわかるように、クオリティファクタQを変化させると遮断周波数fc付近の特性も変化する。具体的に言えば、遮断周波数fcは、Gm1bとGm2bの積の平方根に、クオリティファクタQは、Gm1bとGm2bの比の平方根に比例する。従って、Gm1bとGm2bの値を変化させるとでfc付近の特性を変化させることができる(注:ここに示したGm1b、Gm2bの意味については、数5の記号説明を参照のこと。)また、図7に示すとおり、同じ入力信号Vin14でも、クオリティファクタQを変化させると出力信号Vout15の振幅が変化する。なお、図7は、遮断周波数f、および、その近傍のfc±Δfcにおける、入力信号Vin14と出力信号Vout15との振幅特性を示したものである。Q=0.707の時には振幅211a,b,cであったものが、Q=1.25においては振幅212a,b,cとなり、振れが大きくなる。
【0075】従って、フィルタ特性の理想値と振幅情報とを比較し、その差分や大小関係等に基づいて、遮断周波数fcやクオリティファクタQ、すなわちGm1bとGm2bの積や比を変化させれば、適応制御を行うことができる。
【0076】適応制御の動作をより具体的に説明する。
【0077】基準信号発生回路201は、遮断周波数fcの基準信号を発生しアクティブフィルタ部100’に入力する。すると、該基準信号は、該アクティブフィルタ部100’による処理を受けた後、出力信号Vout15として出力される。該振幅検出回路202は、この出力信号Vout15の振幅を検出し、該振幅検出回路202自身の有するレジスタ207に振幅情報として蓄える。周波数fc+Δfc、およびfc−Δfcについても同様に、基準信号発生回路201が基準信号を発生し、その出力信号Vout15の振幅情報がレジスタ207に蓄えられる。
【0078】CPU203は、レジスタ207に蓄えられた該振幅情報と、該ROM204に予め格納されている理想値と比較し、その差分から該各Gmアンプ1(1),1(2)の制御量を算出する。そして、該制御量を制御部200’のレジスタ10(1),10(2)に書き込む。例えば、周波数fc−Δfcの振幅値が理想値に近く、fc及びfc+Δfcの振幅値が理想値より大きい場合は、フィルタの遮断周波数fcが大きく設定されていると判断し、理想値と振幅値の差分に応じてGmの値を全体的に下げるようにする。なお、具体的なΔfcの値や、理想値と振幅情報の差分から制御量を算出する算出式は、必要とするフィルタ特性に応じて最適化するのが好ましい。また、前述の2次バイカットフィルタのように、クオリティファクタQを有するフィルタでは、より複雑な制御を行うことになる。
【0079】これらの動作を繰返し行い、振幅情報と理想値の差分がある一定値より小さくなったところで適応動作は終了する。
【0080】この例では、アクティブフィルタ部100’は2次であるため、遮断周波数fcとその前後各1点(fc−Δfc,fc+Δfc)との合計3点における振幅情報に基づいて、適応性御を行っている。しかし、3次、4次、あるいはさらに多次のフィルタを構成している場合、あるいは、より精度の高い制御が必要な場合は、より多くの周波数について振幅情報を検出・確認することが好ましい。また、この場合、振幅検出回路202の配置等については、図8、図9、図10に示すような構成をとることができる。
【0081】図8は、振幅検出回路202’をGmアンプ1’の2段毎に設けたものである。この場合には、図4と同様の2次のアクティブフィルタを1ユニットとして、これを直列に多段化したことに相当する。従って、上記例と同じ制御アルゴリズムを、各ユニット毎に実行すれば良い。
【0082】図9は、図8に示した例に、振幅検出回路202’および切り換えスイッチ214’をGmアンプ1の2段毎に設けたものである。
【0083】図10は、振幅検出回路202”を、最終出力位置1ヵ所だけに設けたものである。この場合には、適応制御の精度を高めるためには、より多くの周波数点について振幅を確認する必要がある。また、ここでは詳細には述べないが、その演算もより複雑なものとなる。
【0084】上記実施例のフィルタを磁気ディスク装置に適用した場合のシステム概要を図11を用いて説明する。
【0085】該磁気ディスク装置は、ヘッド46と、信号の増幅を行うR/Wアンプ47と、読み出した信号からコードパルスを生成する波形整形48と、コードパルスに同期したクロックを生成するデータセパレータ49と、記録符号への符号化/復号を行うエンコーダ・デコーダ50と、データのコントロールを行うHDC(ハードディスクコントローラ)51と、データのやり取りを行うI/F(インタフェース)52と、HDC51およびI/F52の制御を行うCPU53と、データの処理を行うホスト54とで構成される。また、本発明を適用した可変アクティブフィルタ44は、上記波形整形48に接続されており、コ−ドパルスの生成に際して使用されている。
【0086】該可変アクティブフィルタ44は、図12に示すとおり、内部に複数のフィルタ(イコライザフィルタ41、ロ−パスフィルタ42、ピ−ク検出フィルタ43)が構成されている。なお、他の構成要素については、特に特徴を有するものではないため詳細な説明は省略する。
【0087】可変アクティブフィルタ44は、イコライザフィルタ41、ローパスフィルタ42、ピーク検出フィルタ43、からなる。そして、その前側は波形成形回路48に内蔵されているAGC(Auto Gain Control)アンプ40と、また、後側はピーク検出回路45と接続されている。なお、この図における、ピ−ク検出フィルタ43、ピ−ク検出回路45は、上述した振幅検出回路202とは全く関係はない。
【0088】ヘッド46によってディスクから読みだされたデータ信号は、リード/ライトアンプ47で増幅された後、波形成形回路48に入力される。
【0089】波形成形回路48においてはAGCアンプ40により一定振幅に増幅される。そして、その後、可変アクティブフィルタ44に入力される。
【0090】可変アクティブフィルタ44では、イコライザフィルタ41でスリミングを、また、ローパスフィルタ42で高周波ノイズの除去を行なう。さらに、ピーク検出フィルタ43で微分を行い、ピ−ク検出回路45に出力する。
【0091】ピーク検出回路45は、ピーク検出フィルタ43の出力が0となる点を検出することにより、ピーク検出を行なう。
【0092】なお、イコライザフィルタ41で、下記数3に示すような伝達特性を持つ、二次微分によるスリミングを行う場合は、遮断周波数fc付近の利得が増幅される。従って、該可変アクティブフィルタ44全体を、ベッセルフィルタで構成するのが好ましい。
【0093】
【数3】

【0094】
T2(s):伝達特性s:時間ω0:特性周波数(=2π・fc)
k:定数Q:クオリティファクタの値また、読み出された信号波形の周波数成分によっては、イコライザフィルタ41のスリミング効果が小さい場合もある。このような場合には、選択性の高い、チェビシェフフィルタで構成することが好ましい。このように、再生された信号波形の周波数成分に応じて、最適のフィルタ特性を設定することにより、再生マージンを向上することが出来る。
【0095】該磁気ディスク装置においても、上述した適応制御のシステムを併用すれば、フィルタ特性をより理想的なものに近付けることができる。この場合、適応動作は、出荷時、あるいは電源投入時に行うのが好ましい。
【0096】
【発明の効果】本発明によれば、使用するシステムに応じてその特性を変更可能な汎用性の高いフィルタおよびその制御方法が得られる。この場合、実際の回路における各構成素子のバラツキや、寄生容量の影響を補正し、より理想的なフィルタ特性に近づけることが可能になる。
【0097】また、フィルタ特性を入力信号の変化に応じて最適化できるため、該フィルタを磁気ディスク装置に適用すれば記録容量増大を図ることができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013