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発明の名称 発光ダイオード
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−61525
公開日 平成6年(1994)3月4日
出願番号 特願平4−211229
出願日 平成4年(1992)8月7日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 石谷 善博 / 皆川 重量 / 田中 俊明 / 矢野 振一郎
要約 目的
発光ダイオードの発光波長を短くし黄色から黄緑色の光を得ることを可能とする。

構成
従来のGaAs基板の代わりにGaAsX1-X(0≦X<1)基板上にAlGaInP系の結晶を成長し、高濃度ドーピングのAlYGa1-YP(0≦Y≦1)により電極とコンタクトを取る。また、基板面方位を選択し、AlGaInP系結晶のEgを大きくし、発光波長を短くする。DH構造にした場合、活性層はGa0.7In0.3Pまたはこれにアルミニウムを低濃度でいれることもできる。さらに基板に格子整合したAlGaInP系結晶からInを徐々に減らしたグレーデッド層を経て単一超薄膜AlZIn1-ZP(0≦Z≦1)層またはGaP/AlZIn1-ZP超格子構造を上記AlGaP層にいれる。DBR反射膜を用いることにより外部量子効率をさらに上げることができる。
特許請求の範囲
【請求項1】GaAsまたはGaP基板上にGaAs1-XX(0<X≦1)結晶の燐の組成Xを徐々に変えたグレーデッド層を介して成長した組成一定のGaAsY1-Y(0≦Y<1)結晶基板上に、これと格子整合するAlGaInP系半導体結晶をエピタキシャル成長し、(AlXGa1-XYIn1-YP(0≦X≦0.8、0.52<Y≦0.80)をそれよりバンドギャップエネルギーEgの大きい(AlXGa1-XYIn1-YP(0<X≦1、0.52<Y≦1)で挾んだDH構造を作ることにより得られる発光ダイオード。
【請求項2】上記GaAsP基板の結晶面方位を選択することにより、エピタキシャル成長したAlGaInP系半導体結晶の長距離秩序度を制御し、もってその発光波長を制御してなる請求項1記載の発光ダイオード。
【請求項3】電極とオーミックコンタクトを取る層としてEgが活性層のそれより大きいnまたはp型のAlXGa1-XP層(0≦X≦0.3)を成長した請求項1又は2記載の発光ダイオード。
【請求項4】結晶の成長方向上側の面(上記AlGaP層側)より主に光を取り出す場合には基板を取り除いてあり、この面にDBR反射膜を有すことを、結晶の成長方向下側の面(基板側)より主に光を取り出す場合には、Egが基板より小さい(AlYGa1-YXIn1-XP(0.52<X≦0.8、0≦Y≦0.8)を活性層とし、この活性層の厚さを50nm以下で歪を有すものとし、さらにAlGaPの上にDBR反射膜を有すことを特徴とした請求項3記載の発光ダイオード。
【請求項5】GaAsP結晶に格子整合したAlGaInP結晶と、その上に成長したGaAsPとは格子整合しないAlXGa1-XP(0≦X≦0.3)層の間にGaAsP基板と格子整合するAlGaInPからはじめて(AlYGa1-YZIn1-ZP(0≦Y≦1)のZを1.0まで徐々に変化させたグレーデッド層を成長して得られる請求項3又は4記載の発光ダイオード。
【請求項6】AlXGa1-XP層(0≦X≦0.3)に歪緩衝層であるAlYIn1-YP(0≦Y≦1)の厚さ80〜150Åの単一超薄膜層またはAlXGa1-XP(厚さ80〜150Å)/AlYIn1-YP(厚さ80〜150Å)の超格子(20周期以内)をいれた請求項3又は4記載の発光ダイオード。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は屋内外における文字・図形表示板、自動車の方向指示器等に使用される発光ダイオードに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のp−AlGaInP/u−GaInP/n−AlGaInP DH構造を有す発光ダイオードはGaAs基板上に形成されている。GaAs基板結晶と格子整合するGaInPの組成はGa0.52In0.48Pであって、Eg=1.92eVである。従って波長645nm以下の発光波長を持つ発光ダイオードを得るには、図2に示すように、活性層にアルミニウムを添加して(AlXGa1-X0.52In0.48Pとし、Egのより大きな活性層を有する素子を作る必要が有った(例えば R.M.Fletcherら J.Elec.Mat 20 〔12〕 1125-1130 (1991);H.SugawaraらThe 22nd Conf.Sol. Stat. Mat., Ext.Abstracts 1175-1176 (1990))。しかしAl濃度の増加とともに発光強度が急激に減少するので高輝度の発光ダイオードを得ることに問題が有る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】波長645nmより短い高輝度・高効率の発光ダイオードを得るためには■GaXIn1-XP(X>0.52)なる組成の、すなわちEg>1.92eVなる結晶を用いる。■さらに短波長化を図るために4元混晶AlGaInPを用いる場合、同一波長を発光するのであれば、できるだけAl濃度が低いAlGaInPを採用し発光効率の低下を防ぎたい。そのために、GaAsより格子定数が小さい基板結晶上にこれと格子整合するGaInP結晶を成長すれば、その組成はGaXIn1-XP(X>0.52)となり、その組成に応じてEgが大、すなわち発光波長が短くなる。■また、この結晶系では成長条件により長距離秩序構造が発生し、このためEgが縮小し、従って発光波長が長くなる。発光波長を短くするには長距離秩序構造の発生を低減しなくてはならない。■一方高輝度の発光を得るためには電極とオーミックコンタクトをとる層として電流がチップ全面に広がるような低抵抗の層を付けなければならず、発光を効率よく取りだすためには、この層が大きなEgを持ち、発光波長における吸収が少ないことが必要である。AlGaInP結晶でこの層を構成すると結晶にさらにAlを添加してEgを大きくしなくてはならない。しかしAl組成が大きい結晶では、p型のキャリア密度を大きくすることは難しいので、この二つを同時に満足する結晶が必要となる。また外部量子効率を上げ発光強度を増加するには、活性層から電極を有す2つの面方向に放出される光の両方を、結晶による発光の吸収少なくして取り出す必要がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】AlGaInP系結晶をエピタキシャル成長するときに、GaAsまたはGaPを基板結晶として用い、格子定数差を緩和するためにまずGaAs1-XX(0<X≦1)結晶のXを徐々に変えたグレーデッド層を介してその上に組成一定のGaAs1-XX層を成長したものを基板として用いる。この基板と格子整合するGaXIn1-XPの組成X>0.52、つまりEg>1.92eV、発光波長<645nmの活性層を用いることができる。さらに短波長化するためには長距離秩序度を低減するため基板の結晶面方位を選択して用いる。
【0005】電極とオーミックコンタクトをとる層は、キャリア密度を大きくでき、かつDH構造において活性層からの発光にたいし吸収が十分小さくなるような結晶として、AlYGa1-YP(0≦Y≦0.3)を高濃度ドーピングして成長すれば良い。しかし、これらの結晶はGaAsX1-Xと格子整合しないので結晶欠陥を少なくして成長するためには格子整合した結晶から組成を徐々に変えたグレーデッド層を介して成長し、歪緩衝層となるAlZIn1-ZP(0≦Z≦1)の超薄膜層またはAlYGa1-YP/AlZIn1-ZPの超格子構造をいれる。また、活性層からの発光を結晶の基板からの成長方向上側(上記AlGaP層側)から取りだす場合には、基板を取り除き、この面にDBR反射膜を付け、下側の面から光を取り出す場合にはEgが基板より小さい結晶を活性層に用い、このとき活性層となる結晶は基板と格子整合しないので、これを厚さを50nm以下の歪量子井戸構造とし上記AlGaP層の上にDBR反射膜を付ける。
【0006】
【作用】■図3に示すように、例えばGaAs基板上に燐を徐々に増加して成長した上記GaAsX1-X基板結晶を用い、この結晶に格子整合したAlGaInP系の結晶を成長すれば、AlやGaの濃度はGaAs基板に格子整合した結晶より大きくなり、従ってEgが大きくなって発光波長を短波長化することが可能である。
【0007】■GaXIn1-XPでは原理的に、直接遷移から間接遷移にバンド構造が変わるX=0.73、すなわちEg=2.23eV未満のEgをもつ結晶はAlを添加する必要はなく、GaAs基板に格子整合したAlGaInP結晶に比べ、高い発光効率を保ったまま短波長化を図ることができる。例えば上記GaAs基板上に成長したGaInPからの赤色の発光に対し、GaAs0.610.39上に成長したGa0.7In0.3Pでは黄緑色から黄色の発光ダイオードを得ることができる。さらに短波長化を図る場合にはAlを添加したAlGaInPの4元結晶を採用すればよいが、この場合GaAs基板上に格子整合したAlGaInPを用いるより低いAl濃度で同一波長の発光を得ることができる。従ってAl濃度の低い分だけ高効率の発光が可能となる。
【0008】■AlGaInP系結晶のEgは長距離秩序構造の程度により同じ組成の結晶でも異なった値をとりうる。図4に示すように、基板結晶の面方位を選択することによりその上に成長するAlGaInP系結晶の長距離秩序構造の発生の程度を調節し、Egそして発光波長の値を選択できるので、同一組成の結晶でLEDを作る場合、基板面方位を変えると発光波長の短波長化が可能となる。例えばGaInPでは700゜C成長で、基板面方位を(100)面から(511)A面に傾けることにより長距離秩序構造の発生を抑制し、Egを数十〜百meV程度大きくでき、その分短波長化が可能となる。
【0009】■〜■により、GaAsX1-X基板結晶のXを選択することにより、この結晶に格子整合するGaYIn1-YP(Y>0.52)のYを決定し、基板結晶の面方位を選択して長距離秩序構造を制御し、DH構造における活性層のAl濃度を選択しEgの増加を図ることができる。本発明による発光ダイオードの発光波長はこれら3つの自由度により制御可能である。
【0010】■電極とのオーミックコンタクトをとる層として高濃度ドーピングの可能なAlXGa1-XP(0≦X≦0.3)を成長することにより、電流が素子全面に広がるようにできる。かつこの結晶は間接遷移型であるので吸収係数が小さく活性層からの光を素子が有す電極と接触する面のうち基板と反対側の面からも効率良くとりだすことができる。基板側の面から光を取り出す場合には基板のEgより小さいEgを持つ活性層とすることにより基板は発光波長に対し吸収が小さくなり、さらにAlGaP側に反射膜を用いることにより活性層から両方向へ放出された光を取りだすことができ外部量子効率を上げることができる。
【0011】■GaAsZ1-Z(0≦Z<1)基板結晶に格子整合したAlGaInP系結晶からInの組成を徐々に減らしたグレーデッド層を介して上記AlXGa1-XPを成長し、またこの層に歪緩衝層としてAlYIn1-YP(0≦Y≦1)単一の超薄膜層または、AlXGa1-XP/AlYIn1-YPの超格子構造をいれることにより、AlXGa1-XP層の転位などの結晶欠陥を低減でき、素子寿命、発光効率を向上できる。
【0012】
【実施例】(実施例1)図1に示した素子断面図に従い説明する。n−GaAs0.610.39基板(n=7×1017cm3)上に有機金属気相成長法によりSiをドープしたn−(Al0.7Ga0.30.7In0.3P層(1×1018cm3)を1.0μm,ドーピングしていないGa0.7In0.3Pを0.5μm、Znをドープしたp−(Al0.7Ga0.30.7In0.3P層(p=1.2×1017cm3)を0.2μm、同じく(p=5×1017cm3)を0.8μm成長する。(以下p型は全てZnドープである。)その上にInの組成を徐々に減らしたp−(Al0.7Ga0.3XIn1-XPグレーデッド層(X:0.7→1.0、p=5×1017cm3)を2.0μm、そしてp−Al0.8In0.2P(80Å)/p−GaP(80Å)の超格子を10周期成長した後p−GaP層(p=3×1018cm3)を8μm成長する。ここで成長温度は700゜Cである。この場合、活性層であるGa0.7In0.3P層からの発光波長は583nmであり黄色の発光が得られる。このグレーデッド層及び超薄膜層をいれることによGaP層の結晶欠陥は少なくなり発光効率は上昇する。
【0013】(実施例2)実施例1において基板結晶の面方位を(511)A面にすることにより発光波長は560nm台の黄緑色の発光が得られる。ここで、GaAs基板の同じ(511)A面上でのGaInPの発光に比べ300meV程度短波長化される。また、GaAs基板に格子整合した4元AlGaInPを活性層とした場合、Al濃度の増加とともに発光の外部量子効率は減少し発光波長560nmでは0.1%になるが、本実施例では2%程度の比較的大きな値となる。
【0014】(実施例3)実施例2において活性層を(Al0.05Ga0.950.7In0.3Pの4元混晶とすることにより発光波長が550nm台の緑色の発光が得られる。
【0015】(実施例4)実施例1から3において基板結晶をn−GaP結晶基板を用い、その上にGaAsX1-X(0≦X<1)のXを徐々に増やしたグレーデッド層10μmを介して組成Xの一定なGaAsX1-X層5μmを成長しその上に、これに格子整合するAlGaInP系結晶を成長する。
【0016】(実施例5)基板結晶をn型GaAs0.080.92としこの上にこれと格子整合するn−(Al0.4Ga0.60.96In0.04P(1×1018cm3)を1μm、u−Ga0.7In0.3Pを40nm、p−(Al0.4Ga0.60.96In0.04P(p=1.2×1017cm3)を0.2μm、おなじくp=5.0×1017cm3を0.8μm、p−GaP層(p=3×1018cm3)を8μm成長し、この面にDBR反射膜を付け、その一部を取り除きp電極を形成する。この構造により活性層から出る光のうちn,p両電極側に出る光を取りだすことができるので外部量子効率はさらに上がり4%ほどになる。
【0017】
【発明の効果】GaAsX1-X基板結晶上に成長したAlGaInPからの発光はGaAs基板上に成長したAlGaInPからの発光に比べ短波長であり、基板結晶面を変えることにより、それ以外の素子の構造・成長条件は同じでも長距離秩序構造の発生を低減し発光波長を短くしDH構造の活性層にAlを添加すること無く発光波長560nm台の発光を取りだすことができる。
【0018】また、上記GaAsP基板に格子整合した組成からInに組成を徐々に変えたグレーデッド層を経て高キャリア濃度のAlYGa1-YP層を成長することにより低抵抗で電極と十分なオーミックコンタクトがとれ、電流は素子の広範囲に広がり、発光波長に対する吸収が少なく、転位など結晶欠陥の少ない結晶から成る高発光効率の素子が得られる。従来の活性層にAlを添加した素子に対し、発光効率の高効率化は短波長になるほど大きく、560nm付近では外部量子効率は10倍以上になる。
【0019】さらに光を取り出す面を電極と接する2つの面のうち片方に決め、これと反対側の面への発光をDBR反射膜を用いて取りだすことにより外部量子効率はさらに1.8倍ほどになる。また基板側から光を取り出す際に上記のように活性層のEgを小さくすることにより基板での光の吸収を少なくすることが可能となる。




 

 


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