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発明の名称 パターン形成方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−61160
公開日 平成6年(1994)3月4日
出願番号 特願平4−211214
出願日 平成4年(1992)8月7日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 吉村 俊之 / 三浦 尚子 / 岡崎 信次
要約 目的
極微細パターン形成に当たり、表面凹凸を抑制したパターン形成を高感度で実現すること。

構成
基板11に極薄膜の種材料膜12を形成した後に、エネルギー線13の照射により所望のパターンの潜像14を形成する。ここで潜像14を除去した後に、パターンを構成する配向性材料15を付着させる。この付着に当たっては基板11と種材料膜12の表面性質の違いにより、選択的に配向性材料15が付着する。
特許請求の範囲
【請求項1】基板上に微細なパターンを形成するパターン形成方法において、表面性質が該基板とは異なる薄膜を形成する工程と、選択的に所望の部分の薄膜を除去する工程と、該表面性質の違いにより配向性材料を付着させる工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項2】請求項1に記載のパターン形成方法において、上記配向性材料を付着させる工程として、上記薄膜の除去部分に配向性材料を付着させることを特徴とするパターン形成方法。
【請求項3】請求項1に記載のパターン形成方法において、上記配向性材料を付着させる工程として、上記薄膜上に配向性材料を付着させることを特徴とするパターン形成方法。
【請求項4】基板上に微細なパターンを形成するパターン形成方法において、該基板にエネルギー線を選択的に所望の部分に照射して表面性質が該基板とは異なる物質層を新たに形成する工程と、該表面性質の違いにより配向性材料を付着させる工程を含むことを特徴とするパターン形成方法。
【請求項5】請求項4に記載のパターン形成方法において、上記配向性材料を付着させる工程として、上記物質層上に配向性材料を付着させることを特徴とするパターン形成方法。
【請求項6】請求項4に記載のパターン形成方法において、上記配向性材料を付着させる工程として、上記基板上に配向性材料を付着させることを特徴とするパターン形成方法。
【請求項7】請求項1から請求項6のいずれかに記載のパターン形成方法において、上記薄膜を形成する工程として、低分子材料を用いることを特徴とするパターン形成方法。
【請求項8】請求項1又は請求項4に記載のパターン形成方法において、該表面性質が水との親和性であることを特徴とするパターン形成方法。
【請求項9】請求項1から請求項8のいずれかに記載のパターン形成方法において、特許請求の範囲第1項から第8項に記載のパターン形成方法において、該パターンを形成する該配向性材料がラングミュアーブロジェット(LB)膜であることを特徴とするパターン形成方法。
【請求項10】請求項1から請求項9のいずれかに記載のパターン形成方法において、該薄膜又は該物質層を構成する分子、またはイオン性あるいは共有結合性結晶の基本単位の長さまたは幅が10nm以下であることを特徴とするパターン形成方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体リソグラフィ技術におけるパターン形成方法に関し、特に0.1μm(100nm)程度以下の極微細パターン形成に好適なパターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体リソグラフィ技術の微細パターン形成方法において、現在用いられている方法は図5に示す手順に従っている。まず加工すべき半導体の基板51上に疎水化処理を施してレジストと呼ばれる有機あるいは無機薄膜の基板51への接着性を高める処理を行う。次に図5(a)に示すように回転塗布等の方法でレジスト52を基板51に被着させる。そしてレジスト中の溶媒を飛散させるため、一般に加熱処理(以下、ベークとする)を行う。このベークは一定の温度に設定されたホットプレート上で基板を一定時間静置することにより行なわれる。そして図5(b)に示すように紫外線や電子線等のエネルギー線53を所望のパターンに従い選択的に照射し、パターンの潜像54を形成する。次いで現像液中に基板51を浸漬する。ここで上記のエネルギー線53の照射によりレジスト52内に化学変化が発生し、この現像処理においてパターン照射部である潜像54部とパターン未照射部とに現像液への溶解速度に差が生じることから、所望のパターンを形成することができる。潜像54部の溶解速度が小さくなってこの部分が残存する場合、図5(c)に示すようにネガ型のレジストパターンが得られる。一方、潜像54部の溶解速度が大きくなってこの部分が溶解する場合、図5(d)に示すようにポジ型のレジストパターンが得られる。このようにしてパターンを形成した後に、ドライエッチングによる基板の加工や、イオン打ち込みによる不純物領域の選択的な導入が行われてきた。
【0003】しかし、形成するパターンが微細化するとともに以下の問題が生じてきた。一般に形成パターンが微細化する程、それに要する照射エネルギー量は増加する。パターン形成に要する照射エネルギー量が増加することを感度が低下するという。形成パターンが大きい場合には、エネルギー線照射によるレジスト内のある点での蓄積エネルギー量は、エネルギー線の散乱等による隣接照射部分からの影響を受けて実効的に増加する。このためにパターン形成に要する照射エネルギー量は小さくて良い。しかし、逆に形成パターンが小さい場合には、隣接照射部分からの影響を受けにくいので蓄積エネルギー量が増加しないため、パターン形成に要する照射エネルギー量が増加する。即ち、一般に形成パターンが微細化する程、パターン形成に要する照射エネルギー量が増加する。このことは、単位面積に対し、所定の感光度を得るために多くのエネルギー量を必要とすることを意味する。即ち、感度が低下することになる。そこでこの問題に対し、レジスト自体に新たな特性を持たせて感度の向上を図ることが考えられてきた。例えば、ジャーナル オブ バキューム サイエンス アンド テクノロジー、B 第6巻 379頁から383頁(1988年)(J. Vac. Sci. Technolo. B6, 379-383(1988). )にあるように、「化学増幅系レジスト」と呼ばれるレジストがあげられる。
【0004】エネルギー線照射部が現像時に残存するネガ型レジストの場合には、レジスト骨格を構成するノボラック樹脂、酸発生物質、及び架橋物質からなる。電子線等のエネルギー線が照射されると、照射部に含まれていた酸発生物質から酸(水素イオン)が発生し、エネルギー線照射後に行なうベーク処理時にこの酸が触媒となって架橋物質に作用してノボラック樹脂の架橋反応が進行する。これによってエネルギー線照射部のノボラック樹脂が高分子化し、現像液への溶解度が著しく低下してパターンが現像後に残存する。その結果ネガ型のパターンが得られる。
【0005】一方、エネルギー線照射部が現像時に溶解するポジ型レジストの場合では、架橋物質の代わりに溶解抑止物質が含まれており、ノボラック樹脂の現像液への溶解を抑制している。エネルギー線照射部に発生した酸が、エネルギー線照射後に行なうベーク処理時に溶解抑止物質に作用し、溶解抑止物質の分解反応等によって溶解抑止効果を低下させる触媒として働く。その結果、周辺のノボラック樹脂が現像液に溶解してポジ型のパターンが得られる。
【0006】従来のレジストでは架橋物質あるいは溶解抑止物質にエネルギーが直接付与されて反応が進行していたが、化学増幅系レジストでは酸発生物質にエネルギーが付与されることになる。酸が発生し触媒反応が進行すればパターンを得ることができる。一般に低エネルギーの付与で酸発生物質から酸が発生することが知られている。従って一般に化学増幅系レジストは高感度となる可能性を有したレジストと言える。
【0007】そして、このような化学増幅系レジストを用いて0.1μm(100nm)レベルの微細パターンを形成することができ、小さい照射エネルギー量で、即ち高感度に微細パターンを形成できることがわかった。例えば、ジャパニーズ ジャーナル オブ アプライド フィジックス 第30巻 3277頁から3281頁(1991年)(Jpn. J. Appl. Phys. 30, 3277-3281 (1991).)にあるように、化学増幅系ネガ型電子線レジストとして知られているSAL601−ER7(シップレイ社の登録商標)を用い、0.1μmレベルの微細パターンを形成した後、素子を形成するに至っている。
【0008】しかし、最近の本発明者等の研究によれば次のことが明らかになってきた。パターン形成材料として、現在は化学増幅系レジストを含め、主として高分子有機材料から成るレジストが主に用いられている。これらの高分子レジストでは構成する高分子の大きさが数nmから10nm程度であることが知られており、0.1μm(100nm)程度以下の極微細なパターン形成では分子の大きさが無視できなくなるということである。即ち、これらの高分子が切断あるいは重合することによりレジストパターンが形成されるが、回転塗布のレジスト内ではこれらの分子を秩序良く配置することが困難であるために、分子が乱雑に配置されているものと考えられている。そこでパターンを形成した後の状態では、パターンの端部にあたるパターン上面あるいは側面に構成高分子の形状を反映した数nmから10nm程度の微細なパターン表面凹凸が生じてしまうことになる。
【0009】一般に半導体プロセスにおいては、パターン寸法の変動は形成パターン寸法の10%程度までが許容される。例えばパターン寸法が0.5μmの場合、パターン寸法の変動は0.05μm(50nm)程度まで許容される。この程度の寸法では上記の構成高分子の形状を反映した微細なパターン表面凹凸は影響が小さい。しかし、0.1μm(100nm)程度以下の極微細パターンが要求される場合には、許容される寸法変動が10nm程度になるため、上記の構成高分子の分子の大きさが形成パターン寸法に影響を及ぼし、分子の大きさに起因する数nmから10nm程度の微細なパターン表面凹凸が無視できないことになる。従って従来の高分子レジストを用いての微細パターン形成において、上記のパターン表面凹凸を抑制することは重要な課題であった。
【0010】上述したように、レジストの微細な表面凹凸は、数nmから10nm程度の大きさを有する高分子がレジスト内で無秩序に配置されているために生じたものと考えられている。そこで、レジスト内に分子の向きで表される配向性という秩序性を導入することによって、表面凹凸は緩和あるいは抑制されると考えられる。即ち、パターン形成時にレジスト内の配向性を反映し、パターンの端部にあたるパターン上面あるいは側面部に生じる表面凹凸が小さくなると予想されるからである。
【0011】分子の配向性を有したレジスト膜形成についての報告としては、例えばシンソリッド フィルムズ 第205巻 109頁から112頁(1991年)(Thin Solid Films 205, 109-112 (1991).)がある。これは分子鎖の両端に親水性の部分と疎水性の部分を有したポリイミド前駆体分子の向きを揃えて、形成したレジスト膜内に配向性を実現しようとするものである。この配向性膜は一般にラングミュアーブロジェット膜(以下、LB膜)と呼ばれている。
【0012】一般にLB膜を構成する分子は、上述のように水に対する親和性の高い「親水性」の部分と親和性の低い「疎水性」の部分から成っている。ここで親水性の部分としては例えばOH基(水酸基)やCOOH基(カルボキシル基)があげられ、疎水性の部分としてはCH3基(メチル基)、C25基(エチル基)等の直線状のアルキル基や環状のC65(フェニル基)等があげられる。LB膜を形成する分子として、例えば上述のポリイミド前駆体やカルボキシル基とアルキル基が結合したアラキジン酸やステアリン酸及びω−トリコセン酸等の直鎖脂肪酸がある。その他に、一般的な高分子レジストの構成物質であるフェノール樹脂等も親水性部分と疎水性部分を合わせ持つ材料としてあげられる。
【0013】図6にLB膜の形成法について説明する。LB膜を形成するには、多くの場合水面上に展開した単分子膜をすくい取る方法が用いられている。まず、図6(a)に示すように溶剤に溶かした構成分子61を水槽62に満たした純水等の下層液63上に滴下し展開する。構成分子61は水面上で乱雑に配置された状態となっているが、下層液63中に溶解することはなく下層液63面上に浮遊した状態をとる。構成分子61は上述の親水性部分64と疎水性部分65から成っている。ここで水槽62には圧縮板66が付加されており、一方向から下層液面を圧縮して液面の面積を狭める働きをする。ここで膜を付着させる基板67を下層液63上に設置しておく。面積が減少すると共に構成分子61は力を受けて再配列するようになる。徐々に圧縮板66が移動するにつれて、図6(b)に示すように構成分子61は親水性部分64を液面に接した状態で、そして疎水性部分65を液面から離した配向性単分子状態で配列するようになる。そして図6(c)に示すように表面に疎水化処理を施した基板67を降下させると、構成分子61は基板67表面に疎水性部分65が接した状態で付着し始める。その結果、親水性部分64が基板67の上面に出た状態となる。次に基板67を上昇させると、この際には図6(d)に示すように親水性部分が基板67の上面に出た親水性部分64に付着し始める。この工程を繰り返すことにより、下層液63面上の秩序が保たれた状態で図6(e)に示すように構成分子61の配向性膜であるLB膜が得られる。
【0014】ここでは、始めに基板67を下層液63の上に設置した場合について述べた。しかし、始めに基板67を下層液63の中に設置しておき、構成分子61の滴下、展開を行なってもよい。そして基板67を上昇させてLB膜の形成を開始する。この場合に均一なLB膜を得るためには、基板67の表面が親水性である必要がある。構成分子61の滴下、展開後、圧縮板65の移動による配向性単分子状態が得られた後に基板67を上昇させる。これにより、上記とは逆に基板表面に親水性部分が接した形態のLB膜が得られる。これに続き基板の上昇、降下の工程を繰り返すことにより図6(f)に示すLB膜が得られる。このように、構成分子61の基板67への付着時には、基板の表面性質と同一の性質の部分が基板に付着する。
【0015】ここでLB膜の形態は上記のみに限られず以下のものがある。図7(a)に示すように基板71に疎水性部分72を接した状態で付着し、次の層も表面に出た親水性部分73に疎水性部分72が付着するX膜、上述したように図7(b)に示す基板74に疎水性部分75が接した状態で付着し、次の層で表面に出た親水性部分76に親水性部分が付着し、以下構成分子の向きが層毎に交互に変わって付着するY膜、図7(c)に示すようにX膜とは逆に親水性部分78を接した状態で付着し、次の層も表面に出た疎水性部分79に親水性部分77が付着するZ膜である。LB膜が上記の何れになるかは、構成分子の分子構造や基板の上下の仕方及び基板の処理により異なる。
【0016】LB膜を構成する分子は一般に直線状の形状をしており、膜が付着した上方から見た実効的な分子の大きさ(円状と仮定すると直径)は約2nm以下である。このように実効的な分子サイズが小さな配向性膜をパターニング材として用いることにより、100nm程度以下の極微細パターンを表面凹凸を抑制して形成することが可能となる。
【0017】しかし、このような配向性レジストを用いても膜厚を厚くした場合には、エネルギー線として例えば電子線を用いた場合に入射した電子線がレジスト内で散乱されるため、実効的な照射領域が広がる「近接効果」を大きく抑制することはできず、微細加工性を飛躍的に向上することは困難であった。このため近接効果の低減のためには膜厚を薄くすることが必要な条件である。
【0018】この点に対する方法として、特開昭60−211828号公報、特開昭60−211831号公報、特開昭60−211920号公報、特開昭60−211921号公報、特開昭60−211922号公報、特開昭60−211923号公報、特開昭60−211926号公報、特開昭60−211927号公報、特開昭60−211928号公報、特開昭60−211929号公報、特開昭60−211930号公報及び特開昭60−211931号公報に、薄膜のLB膜あるいは導電性酸化物ガラスの表面をガンマ線またはX線で改質し、非改質部分のみにLB膜を付着させるパターン形成方法が記載されている。このように薄膜レジストを用いることにより解像性が向上することが一般に知られている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの公知例には次の問題点がある。即ち上記公知例に記載された内容に従えば、まず図10(a)に示すように基板120上に形成したLB膜あるいは導電性酸化物ガラス121に、ガンマ線またはX線等のエネルギー線122を照射して下地改質部分123を形成する。そして図10(b)に示すように下地非改質部分124のみにLB膜である単分子膜又は単分子累積膜125を付着させることによってパターンを形成する。これからわかるように、表面が改質されたLB膜あるいは導電性酸化物ガラスはパターン形成後も除去されておらず少なくとも数nm以上の物質層が残存する。このために形成パターンをマスクとしてエッチングを行なうことやイオンを打ち込む際に、LB膜あるいは導電性酸化物ガラスが残存しているために障害となり、形成パターンやイオン打ち込み後の特性に影響を与えることになる。
【0020】一方、上記公知例では、パターン形成時におけるパターン表面の凹凸に関しては何ら記載がない。そこで、本発明では、このパターン表面に生じる凹凸現象を新たな課題として認識し、これを解決するための方法を見出した。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するためには、基板上に微細なパターンを形成するパターン形成方法において、表面性質が上記該基板とは異なる薄膜を形成する工程と、該薄膜にエネルギー線を選択的に所望の部分に照射して該部分の薄膜を除去する工程と、該薄膜が除去された領域あるいは除去されていない領域に該表面性質の違いにより配向性材料を選択的に付着させる工程を含むパターン形成方法、あるいは基板上に微細なパターンを形成するパターン形成方法において、該基板にエネルギー線を選択的に所望の部分に照射して表面性質が該基板とは異なる物質層を新たに形成する工程と、該物質層が形成された領域あるいは形成されていない領域に該表面性質の違いにより配向性材料を選択的に付着させる工程を含むパターン形成方法で、該表面性質が水との親和性であり、該パターンを形成する該配向性材料がラングミュアーブロジェット(LB)膜であり、該薄膜又は該物質層を構成する分子、またはイオン性あるいは共有結合性結晶の基本単位の長さまたは幅が10nm以下であるパターン形成方法を取れば良い。
【0022】
【作用】上記課題の解決に当たり、本発明ではLB膜等の配向性材料を用いてのパターン形成を二段階に分けた。まず第一段階としてエネルギー線を照射して、配向性材料よりも低分子又はイオン性あるいは共有結合性結晶の基本単位の長さ又は幅が小さい物質からなるパターンの種部分を基板上に形成する。これらの物質を以下総称して低分子材料とする。ここで種部分の形成方法としては、表面性質が基板とは異なる低分子材料の薄膜を形成して、これにエネルギー線を選択的に所望の部分に照射してその部分の薄膜を除去する方法、又は基板にエネルギー線を選択的に所望の部分に照射して表面性質が基板とは異なる低分子材料の極めて薄い物質層を新たに形成する方法がある。ここでこれらの薄膜あるいは物質層の膜厚は高々1nmである。そして第二段階としてこの種部分を元に配向性材料を付着させる。配向性材料を付着させるのは、上記の薄膜が除去された部分あるいは除去されていない部分、又は物質層が形成された部分あるいは物質層が形成されていない部分である。これによれば低分子材料からなる極薄膜あるいは物質層にパターンの種部分を形成するために、始めに形成するパターンの種部分の表面凹凸は小さくなり、かつ上記公知例に比べ薄膜を用いている。このために、入射したエネルギーが近傍部に影響を与える近接効果が低減する。従って、解像度が向上する。ここでは、電子線について記載しているが、同様の効果はイオン線、X線についても得られることは明らかである。また、種部分形成後のパターン形成に配向性材料を用いているため、上述のパターン表面の凹凸を低減することが可能である。それに加えて極薄膜にパターンの種部分を形成できるために、パターン形成に要するエネルギーが低くでき、感度の向上が可能となる。従って100nm程度以下の極微細パターンを形成する上で、パターン表面凹凸の問題を回避することができる。そして、上記種部分は除去されているか又は極めて薄いために、エッチングやイオン打ち込み等のパターン形成後の工程に障害を及ぼすことがない。
【0023】図1から図4を用いて説明する。まず図1(a)に示すように基板11にパターンの種部分を形成するための低分子材料からなる種材料膜12を形成する。これに図1(b)に示すようにパターン形成のためのエネルギー線13を照射してパターンの潜像14を形成する。ここで種材料膜12の条件としては膜厚が10nm程度と非常に薄いことと、表面の性質として例えば水との親和性が基板11とは異なることである。水との親和性の基板11との違いは、例えば水の接触角を測定することによって知ることができる。ここで種材料膜12はドライエッチング耐性を必ずしも有する必要はない。そして図1(c)に示すようにエネルギー線13の照射自体による種材料膜12の飛散によりパターンの潜像14の領域部分を除去する。この際にパターンが除去された部分とそれ以外の部分が現われるが、両者にこの場合は水との親和性の違いが生じていることになる。そこで図1(d)に示すように、上記除去部分にこの部分の表面性質、例えば親水性あるいは疎水性に合う配向性材料15を成長させることにより微細パターンを形成することができる。配向性材料15がLB膜の場合には、公知のLB膜形成法を用いて形成することが可能である。あるいは図2に示すように、基板21上の種材料膜22部分に配向性材料23を成長させることもできる。これによりポジ型及びネガ型の両方のパターン形成が可能となる。
【0024】また次のような場合も考えられる。図3(a)に示すように基板31にパターン形成のためのエネルギー線32を照射する。そして図3(b)に示すようにエネルギー線32のエネルギーにより照射領域に表面性質が該基板とは異なる物質層である種材料膜33を選択的に形成する。一般に種材料膜33の形成は、浮遊した材料ガスがエネルギー線32のエネルギーにより分解して、基板31上に付着することによりなされる。その後図3(c)に示すように、上記物質層である種材料膜33の形成部分に配向性材料34を成長させることにより微細パターンを形成する。あるいは図4に示すように、基板41上の物質層である種材料膜42以外の部分に配向性材料43を成長させることもできる。これによりポジ型及びネガ型の両方のパターン形成が可能となる。
【0025】ここでのポイントは、従来では基板上のレジストへのエネルギー線照射後の現像等の処理によりレジストのパターンを得ていたのに対して、本発明では始めにパターンの種部分を基板上に選択的に形成した上で、これにパターンを構成する配向性材料を新たに選択的に付着させることである。これにより始めのパターンの種部分形成は構成する分子あるいは基本単位の大きさが小さい、極めて薄い膜に行うことから、表面凹凸が抑えられた上で、解像性の向上と同時に近接効果の低減が可能となる。また、感度の向上の可能性もある。そして実際のパターン形成には配向性材料を用いていることから、形成後のパターンの表面凹凸の問題を抑制することができる。それに加えて、上記種部分は除去されているかあるいは極めて薄いため、パターン形成に続くエッチングやイオン打ち込みに対して障害を与えることがない。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。
【0027】(実施例1)図1を用いて説明する。まず基板11に種材料膜12を形成する。ここで基板11としてはシリコン、GaAs、InP等の半導体基板の他に、Al等の金属基板や二酸化珪素等の絶縁体基板やそれらの積層基板を用いることも可能である。ここではシリコンを仮定して説明する。種材料膜12としては基板11の表面性質と異なる表面性質を有するものを用いる。ここでは表面性質として水との親和性とする。一般にシリコンの表面には自然酸化膜が成長しており、水との親和性が高い親水性の状態となっている。上記の目的のために、例えば通常の半導体プロセスでの基板表面の疎水化処理に用いられているヘキサメチルジシラザン(以下、HMDS)を用いると良い。まず基板11を例えば100℃に保たれ真空ポンプに接続された真空容器内のホットプレート上に設置し、その後真空ポンプを稼働させて例えば10-3Paの真空に基板11を置く。そしてここに気化したHMDSを流し、基板11上にHMDSを付着させる。その後真空ポンプから遮断し、大気圧に戻すことにより処理された基板11を得る。ここで図1(a)に示すように、基板11の表面を種材料膜12であるHMDSが被った状態が得られる。これにより基板11の表面に比べ、水との親和性の低い疎水性の表面が得られる。ここで用いたHMDSはプラズマ中の反応性イオンによるドライエッチングに対して耐性は極めて小さい。また、HMDSの分子量は161と小さく、その分子一つの大きさは約2nmと小さく、また厚さも約1nmと非常に薄い。このような基板11及び種材料膜12をパターンを形成するためのエネルギー線の照射装置に設置する。ここではエネルギー線13として電子線を用いた場合について説明する。通常の高真空を有する電子線描画装置に上記の基板11及び種材料膜12を設置した後に、図1(b)に示すようにエネルギー線13として例えば加速電圧5kVの電子線を所望のパターンに従い選択的に照射し、パターンの潜像14を形成する。ここで電子線エネルギーの付与により、種材料膜12であるHMDSの内で電子線が照射された潜像14部分が選択的に気化し除去される。それに要する電子線の照射量は0.1μC/cm2であった。これにより図1(c)に示すようにエネルギー線13の照射領域が除去された構造を得て、パターンの種部分を得る。ここで上述のように、基板11の表面は親水性の状態であり、HMDSで被われた部分は疎水性の状態である。このためHMDSが除去された部分の表面は親水性であり、一方それ以外の部分の表面は疎水性となり水との親和性が異なる部分を選択的に得ることができる。従って、このように基板の疎水性の部分と親水性の部分とが共存する場合、各々に親和性が高いLB膜を選択的に付着させることができる。
【0028】このようになった基板11及び種材料膜12を大気中に戻し、LB膜形成装置に設置する。パターン形成材料である配向性材料15として、ここでは例えば直鎖脂肪酸であるアラキジン酸について述べる。アラキジン酸は直線状の分子であり、その長さは約2.5nm、その幅は約0.5nmである。このため配向性単分子膜は約0.5nmの周期を持って揃っており、均質に形成されたLB膜においても同様な周期構造を有している。下層液としてカルシウムイオンを例えば4×10-4モル/lの濃度で含む純水を用い、これを例えば20℃に保っておく。上記の基板11及び種材料膜12をあらかじめ下層液中に降下させておく。そして溶剤として例えばクロロホルムを用い、これに例えば3×10-3モル/lの濃度でアラキジン酸を溶解する。これを下層液上に滴下、展開する。そして圧縮板を徐々に移動させ、アラキジン酸の配向性単分子膜を得る。圧縮により配向性単分子膜が生じる表面圧が例えば30mN/mとなるまで圧縮し、膜の安定化を図る。そして、例えば10mm/分の速さで基板11を上昇させる。基板の上昇の完了後、図1(d)に示すように電子線が照射されHMDSが除去された領域のみに選択的に付着した1層のアラキジン酸のLB膜を得ることができる。
【0029】ここで用いた電子線は細く絞り込むことが可能であり、例えば5nmの照射領域を形成することができる。種材料膜12であるHMDSは上述のように厚さが約1nmと非常に薄いために電子線の散乱による近接効果が低減され、電子線により除去される領域は照射領域に等しいと考えることができる。またHMDSは分子単位に除去されるが、その分子の大きさは約2nmと小さいために除去される領域の端部の凹凸は分子の大きさ程度に抑えることができる。そして、このようにパターン端部の凹凸が小さい領域に周期約1nmの配向性材料であるアラキジン酸を付着させて所望のパターンを形成することになる。このためにパターンの表面凹凸が抑えられた極微細パターンを得ることができた。ここではエネルギー線照射領域にパターンが形成されることから、ネガ型のパターン形成と言うことができる。
【0030】以上のように選択的にパターンが得られた後に、公知の高選択比を有する反応性イオンエッチング等により基板を加工して、所望の形状を得ることができる。また、イオン打ち込みあるいは拡散等により不純物領域の選択的な導入を行うこともできる。
【0031】以上の実施例では種材料膜12としてHMDS、エネルギー線13として電子線、配向性材料15としてアラキジン酸を用いた場合について述べたが、これに限られないことは言うまでもない。種材料膜12としては上記のように水との親和性という表面性質が基板と異なる材料であればよく、HMDSを含む一般にシランカップリング剤と呼ばれる物質を用いることができる。例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシランがあげられる。またその他に一般にレジストの感光剤として用いられているポリメチルペンテンスルホン(PMPS)等の有機物でもよい。また塩化銀(AgI)、塩化ナトリウム(NaCl)のようなイオン性結晶やセレン化銀(Ag2Se)、セレン(Se)、テルル(Te)のような共有結合性結晶の無機物であってもよい。これらの分子または基本単位の長さまたは幅は10nm以下であるため、加工寸法が100nm程度以下のパターンを形成するために適当である。またその形成方法も上記のように気化した物質を付着させ形成するのみならず、回転塗布法による形成や陽極酸化等の溶液中での反応、あるいは蒸着を利用した形成を行ってもよい。エネルギー線13としては電子線の他に紫外線、遠紫外線、X線、イオン線、ガンマ線等のエネルギーを種材料膜12に付与できるものであればよい。また配向性材料15としてアラキジン酸以外にベヘン酸等の直鎖脂肪酸やトリコセン酸等の二重結合を含む脂肪酸、あるいはポリイミドやノボラック樹脂等の高分子材料のLB膜を用いてもよい。また配向性材料としてLB膜に限定されることはなく、p−アゾキシ安息香酸エチル、p−アゾキシケイ皮酸エチル、p−アゾキシケイ皮酸オクチル等の液晶や、塩化銀(AgI)、塩化ナトリウム(NaCl)のようなイオン性結晶やセレン化銀(Ag2Se)、セレン(Se)、テルル(Te)のような共有結合性結晶を用いてもよい。
【0032】(実施例2)上記の実施例では図1(d)に示すように、種材料膜12が除去された領域に配向性材料15が付着する場合について述べた。しかし前述のように、配向性材料15の形成の際に基板をあらかじめ下層液中に降下させておくか下層液上に上昇させておくかにより基板への付着の仕方を変えることができる。
【0033】ここでは実施例1と同様に種材料膜にパターンの種部分を形成した基板を用いるが、配向性材料の滴下、展開前に基板を下層液上に上昇させておく。ここで実施例1と同様に圧縮板を徐々に移動させ、アラキジン酸の配向性単分子膜を得る。圧縮により配向性単分子膜が生じる表面圧が例えば30mN/mとなるまで圧縮し、膜の安定化を図る。そして、例えば10mm/分の速さで基板を降下させる。この際に、実施例1とは逆にアラキジン酸は疎水性の部分であるHMDSに被われた部分、即ち電子線が照射されていない領域に選択的に付着する。基板の降下の完了後、基板に付着していない下層液面上の配向性単分子膜を吸引して取り除く。そして基板を下層液から例えば10mm/分の速さで上昇させて大気中に取り出す。このようにして図2に示すように、基板21上に形成された種材料膜22の内で電子線が照射されずに残存した領域のみに選択的に付着した1層の配向性材料23であるアラキジン酸のLB膜を得ることができる。
【0034】ここではエネルギー線照射領域のパターンが消失することから、ポジ型のパターン形成と言うことができる。ここでパターン形成後にHMDSが残存するが、これはエッチング耐性を有していないこと及び極薄膜であることから、パターン形成以降のエッチングやイオン打ち込みあるいは拡散等による不純物領域の選択的な導入に影響を与えない。
【0035】(実施例3)上記の実施例では種材料膜でエネルギー線が照射された部分が除去される場合について述べたが、ここでは照射された部分が残存する場合について述べる。
【0036】ここでも基板としてシリコン、エネルギー線として電子線を用いた場合について説明する。図3(a)に示すように、通常の電子線描画装置を用いて基板31であるシリコン上にエネルギー線32である電子線を選択的に照射する。ここで電子線は例えば5kVで加速されており、所望のパターンに従い選択的に基板31を照射する。ここで電子線描画装置内は真空ポンプにより高真空に保たれているが、二酸化炭素等の炭素化合物が微少量残留している。電子線が基板を照射すると、そのエネルギーを吸収して上記炭素化合物が分解し、炭素極薄膜が照射領域に付着する。その厚さは真空度と電子線照射量によるが、真空度10-5及び電子線照射量1μC/cm2の時に2nmの炭素極薄膜が得られる。炭素極薄膜は表面が疎水性の性質を有している。そのため自然酸化膜が成長し親水性となったシリコン基板とは表面性質が異なる物質層を選択的に新たに導入したことになる。そこで図3(b)に示すようにエネルギー線照射領域に選択的にパターン形成のための種材料膜33としての炭素極薄膜が選択的に形成された構造が得られる。
【0037】このようになった基板31及び種材料膜33を大気中に戻し、LB膜形成装置に設置する。パターン形成材料である配向性材料34として、ここでも例えば直鎖脂肪酸であるアラキジン酸を用いる。下層液としてカルシウムイオンを例えば4×10-4モル/l含む純水を用い、これを例えば20℃に保っておく。アラキジン酸の滴下、展開前に基板を下層液上に上昇させておく。溶剤として例えばクロロホルムを用い、これに例えば3×10-3モル/lの濃度でアラキジン酸を溶解する。これを下層液上に滴下、展開する。そして圧縮板を徐々に移動させ、アラキジン酸の配向性単分子膜を得る。圧縮により配向性単分子膜が生じる表面圧が例えば30mN/mとなるまで圧縮し、膜の安定化を図る。そして、例えば10mm/分の速さで基板を降下させる。この際に、上述のようにアラキジン酸は疎水性の部分である炭素極薄膜が形成された部分、即ち電子線が照射された領域に選択的に付着する。基板の降下の完了後、基板に付着していない下層液面上の配向性単分子膜を吸引して取り除く。そして基板を下層液から例えば10mm/分の速さで上昇させて大気中に取り出す。このようにして図3(c)に示すように、基板31上に形成された種材料膜33の形成された領域のみに選択的に付着した1層の配向性材料34であるアラキジン酸のLB膜を得ることができる。ここではエネルギー線照射領域にパターンが形成されることから、ネガ型のパターン形成と言うことができる。
【0038】ここでは新たな物質層として残留炭素化合物から形成された炭素極薄膜について説明したが、これに限られないことは言うまでもない。エネルギー線の照射装置にCH4(メタン)等の炭素含有ガスを希釈して導入し、これにエネルギー線を照射することにより炭素極薄膜形成に要する電子線照射量を0.5μC/cm2と減少させることができ高感度化が可能となる。また、SiH4(シラン)等のシリコン含有ガスを導入することで、シリコン極薄膜を得ることができた。ここで得られたシリコン表面は酸化されていないため、疎水性を示し本発明の用途として十分である。その他エネルギー線の照射により分解し含有元素化合物を生成するガスであって、その化合物の水との親和性が基板と異なるものであれば使用することができる。上記の分子または基本単位の長さまたは幅は10nm以下であるため、加工寸法が100nm程度以下のパターンを形成するために適当である。
【0039】(実施例4)上記の実施例では図3(c)に示すように、種材料膜33が形成された領域に配向性材料34が付着する場合について述べた。しかし前述のように、配向性材料34の形成の際に基板をあらかじめ下層液中に降下させておくか下層液上に上昇させておくかにより基板への付着の仕方を変えることができる。
【0040】ここでは実施例3と同様にパターンの種部分を形成した基板を用いるが、配向性材料の滴下、展開前に基板を下層液下に降下させておく。ここで実施例3と同様に圧縮板を徐々に移動させ、アラキジン酸の配向性単分子膜を得る。圧縮により配向性単分子膜が生じる表面圧が例えば30mN/mとなるまで圧縮し、膜の安定化を図る。そして、例えば10mm/分の速さで基板を上昇させる。この際に、実施例3とは逆にアラキジン酸は親水性の部分である炭素極薄膜に被われていない部分、即ち電子線が照射されていない領域に選択的に付着する。このようにして図4に示すように、基板41上に形成された種材料膜42が形成されていない領域のみに選択的に付着した1層の配向性材料43であるアラキジン酸のLB膜を得ることができる。
【0041】ここではエネルギー線照射領域のパターンが消失することから、ポジ型のパターン形成と言うことができる。ここでパターン形成後に物質層が残存するが、これは極薄膜であることから、パターン形成以降のエッチングやイオン打ち込みあるいは拡散等による不純物領域の選択的な導入に影響を与えない。
【0042】以上の実施例ではY膜のLB膜を前提に説明したが、これに限られないことも言うまでもなく、その他のX膜、Z膜のLB膜材料についても同様のことが成り立つ。
【0043】(実施例5)以上の実施例においては1層の配向性膜形成によるパターン形成について述べた。しかし本発明の適用対象が1層に限られず多層膜にしてもよいことは言うまでもない。ただし形成するLB膜がY膜の場合、上記の実施例において説明した基板の上昇、降下を単純に繰り返すのみでは不十分である。例えば実施例1で述べた基板11の上昇後では、種材料膜12及び配向性材料15の表面が疎水性となっている。このため基板11上での表面性質の異なる領域が選択的に得られない。従って、直ちに基板を降下させた場合には選択的な配向性材料の付着を行えなくなる。
【0044】そこで基板11、種材料膜12及び配向性材料15の表面に波長365nmの紫外線を1秒間照射する。これにより1層目を付着する際に得られた表面性質の違いの選択性が回復する。これにより基板11を降下させて2層目を付着させることが可能となる。3層目以降も同様に紫外線の照射により選択性を確保しながらの付着が可能となる。このようにして図8(a)に示すように、基板81上に形成された種材料膜82で被われていない部分に選択的に配向性材料83を多層膜状に選択的に付着することが可能となる。このようにして形成後のパターンを厚膜化することが可能となる。
【0045】他の場合も同様にして、図8(b)から(c)に示すように、基板84、87、90上に形成された種材料膜85、88、91からなるパターンを元に、配向性材料86、89、92を多層膜状に選択的に付着させることが可能となる。
【0046】基板を照射する光としては365nmの紫外線に限られないことも言うまでもなく、他の波長を有する光の照射であってもよい。そして、選択性の回復のためには光の照射のみならず、基板の過熱や電圧の印加を行ってもよい。
【0047】(実施例6)上記の実施例5と異なり形成するLB膜がX膜あるいはZ膜の場合には、一旦1層目が付着すると、この部分に2層目以降は特異的に付着することになる。従って実施例5で行なった紫外線の照射は不要であり、通常の基板の上昇、下降を繰り返すことによって多層膜形成が可能となる。このようにして図8(a)に示すように、基板100上に形成された種材料膜101で被われていない部分に選択的に配向性材料102を選択的に付着することが可能となる。このようにして形成後のパターンを厚膜化することが可能となる。
【0048】他の場合も同様にして、図9(b)から(d)に示すように、基板103、106、109上に形成された種材料膜104、107、110からなるパターンを元に、配向性材料105、108、111を多層膜状に選択的に付着させることが可能となる。
【0049】以上の実施例では平坦な基板について説明したが、段差がある場合も同様に扱うことができる。基板に段差がある場合も種材料膜2が薄く一様に付着しているため、上記と同様な微細加工が可能となる。そして、LB膜の形成方法としても基板が下層液に対して垂直に設置された場合について述べたが、これに限られないことも言うまでもなく、基板が下層液に対して水平に設置された場合や、基板が斜めに設置された場合についても成り立つ。
【0050】また以上の実施例では上述のようにエネルギー線として電子線、配向性材料としてアラキジン酸を用いた場合について述べたが、これに限られないことは言うまでもない。エネルギー線としては電子線の他に紫外線、遠紫外線、X線、イオン線、ガンマ線等のエネルギーを種材料膜に付与できるものであればよい。また配向性材料としてアラキジン酸以外にベヘン酸等の直鎖脂肪酸やトリコセン酸等の二重結合を含む脂肪酸、あるいはポリイミドやノボラック樹脂等の高分子材料のLB膜を用いてもよい。また配向性材料としてLB膜に限定されることはなく、pーアゾキシ安息香酸エチル、p−アゾキシケイ皮酸エチル、p−アゾキシケイ皮酸オクチル等の液晶や、塩化銀(AgI)、塩化ナトリウム(NaCl)のようなイオン性結晶やセレン化銀(Ag2Se)、セレン(Se)、テルル(Te)のような共有結合性結晶を用いてもよい。
【0051】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば始めにパタ−ンの種部分を形成し、その後パターンを構成する配向性材料を付着させることによりパターン形成を行うため、パターンの表面凹凸が抑制された極微細パターンを高感度で実現することに大きな効果がある。




 

 


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