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発明の名称 薄膜多層配線基板とそれを用いたモジュール
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−53684
公開日 平成6年(1994)2月25日
出願番号 特願平4−202312
出願日 平成4年(1992)7月29日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 明夫 (外1名)
発明者 佐通 祐一 / 三輪 崇夫 / 鈴木 正博 / 三浦 修 / 宮崎 邦夫 / 高橋 昭雄 / 向尾 昭夫 / 小林 二三幸 / 大木 伸昭 / 今井 勉 / 竹中 隆次
要約 目的


構成
絶縁層の表面に微細配線パターンが形成された薄膜配線層が複数積層され、該薄膜配線層の層間に弾性率が100GPa以上の低熱膨張金属からなる配線層(シールド層)が絶縁層を介して形成され、全体の熱膨張係数が常温で1×10~5K~1以下であることを特徴とする薄膜多層配線基板。
特許請求の範囲
【請求項1】絶縁層の表面に微細配線パターンが形成された薄膜配線層が複数積層され、該薄膜配線層の層間に弾性率が100GPa以上の低熱膨張金属からなる配線層(シールド層)が絶縁層を介して形成され、全体の熱膨張係数が常温で1×10~5K~1以下であることを特徴とする薄膜多層配線基板。
【請求項2】請求項1において、前記絶縁層の膜厚が5〜90μmである薄膜多層配線基板。
【請求項3】請求項1において、薄膜配線層の微細配線パターンを構成する金属層がAg,CuまたはAlであり、前記配線層(シールド層)を構成する金属層がW,Mo,Fe−Ni系合金またはFe−Ni−Co系合金で、かつ、基板全体の熱膨張係数を常温で1×10~5K~1以下とする金属から選ばれた薄膜多層配線基板。
【請求項4】請求項1において、前記薄膜配線層の微細配線パターン2層に対し、前記配線層(シールド層)1層を1ユニットとして、該ユニットの1組以上を積層してなる薄膜多層配線基板。
【請求項5】請求項1において、前記薄膜配線層の微細配線パターン2層の上下に前記配線層(シールド層)が設けられたものを1ユニットとして、該ユニットの1組以上を積層してなる薄膜多層配線基板。
【請求項6】請求項1において、前記絶縁層がポリイミド,ポリアミド,ポリナジイミド,ポリマレイミドまたはポリビシクロブタジエンからなる絶縁層である薄膜多層配線基板。
【請求項7】絶縁層の表面に微細配線パターンが形成された薄膜配線層が複数積層され、該薄膜配線層の層間に弾性率が100GPa以上の低熱膨張金属からなる配線層(シールド層)が絶縁層を介して形成され、全体の熱膨張係数が常温で1×10~5K~1以下の薄膜多層配線基板の少なくとも一方の面にLSIが直接またはチップキャリヤー介して搭載されていることを特徴とするモジュール。
【請求項8】絶縁層の表面に微細配線パターンが形成された薄膜配線層が複数積層され、該薄膜配線層の層間に弾性率が100GPa以上の低熱膨張金属からなる配線層(シールド層)が絶縁層を介して形成され全体の熱膨張係数が常温で1×10~5K~1以下の薄膜多層配線基板が、配線を有し熱膨張係数が常温で1×10~5K~1以下のプラスチック,ガラスまたはセラミック基板からなる厚膜基板上に搭載され電気的に接続されていることを特徴とするモジュール。
【請求項9】請求項8において、前記薄膜多層配線基板上にLSIが直接またはチップキャリヤー介して搭載されていることを特徴とするモジュール。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、LSIを直接搭載できる薄膜多層配線基板並びにそれを用いたモジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子装置の小型化、高速化に伴いLSIを実装したモジュールが高密度化の一途をたどっている。そこで多層配線基板の絶縁層に低誘電率のポリイミドを用いた配線基板の多層化が進んでいる(特開平2−45998号公報)。
【0003】また、高密度化に伴い、LSIチップと多層配線基板との接続には半田ボールを用いる方法が採用されている。この接続方式ではLSIチップと多層配線基板の熱膨張係数との差が小さくないと接続が難しい。しかし、電気抵抗が小さい金属はLSIチップのSi基板に比べて熱膨張係数が大きく、また、金属より弾性係数が小さい有機樹脂では、低熱膨張性のものを選択して用いても多層配線基板とした場合、全体の熱膨張係数を小さくすることは難しい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、こうした配線基板にはセラミック基板上に有機絶縁層からなる多層配線層を配置したものが提案されている(特開昭63−50094号公報)。これは、セラミック基板に比べるとはるかに大きな熱膨張係数を有する多層配線層を接着したものであるが、両者の間の熱膨張係数の差に基ずく熱応力によって、多層配線層がセラミック基板から剥離したり、あるいはセラミック基板にクラック等が発生する等問題が多かった。これを防ぐには多層配線層の積層数が制限されるという問題があった。また、セラミック基板と多層配線層の熱膨張係数の差によって、製造時の加熱,冷却によってもクラック等が発生し易く、製品としての信頼性においても問題があった。また、セラミックのみで形成された多層配線基板もないではないが、セラミックはその誘電率が高いために電気信号の伝送特性にも問題があった。
【0005】本発明の第1の目的は、低熱膨張係数の薄膜多層配線基板を提供することにある。
【0006】本発明の第2の目的は、電気信号伝送特性の優れた高密度実装が可能な薄膜多層配線基板を提供することにある。
【0007】本発明の第3の目的は、上記薄膜多層配線基板にLSIを搭載した高密度実装モジュールを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発明の要旨は次のとおりである。
【0009】(1)絶縁層の表面に微細配線パターンが形成された薄膜配線層が複数積層され、該薄膜配線層の層間に弾性率が100GPa以上の低熱膨張金属からなる配線層(シールド層)が絶縁層を介して形成され、全体の熱膨張係数が常温で1×10~5K~1以下であることを特徴とする薄膜多層配線基板。
【0010】(2)前記薄膜多層配線基板の少なくとも一方の面にLSIが直接またはチップキャリヤー介して搭載されていることを特徴とするモジュール。
【0011】(3)前記薄膜多層配線基板が、配線を有し熱膨張係数が常温で1×10~5K~1以下のプラスチック,ガラスまたはセラミック基板からなる厚膜基板上に搭載され電気的に接続されていることを特徴とするモジュール。
【0012】(4)上記(3)の薄膜多層配線基板上にLSIが直接またはチップキャリヤー介して搭載されていることを特徴とするモジュール。
【0013】前記絶縁層としては、ポリイミド,ポリアミド,ポリナジイミド,ポリマレイミドまたはポリビシクロブタジエン等が用いられる。
【0014】前記薄膜配線層の微細配線パターン2層に対し、前記配線層(シールド層)1層を1ユニットとして、該ユニットの1組以上を積層して構成してもよい。
【0015】また、前記薄膜配線層の微細配線パターン2層の上下に前記配線層(シールド層)が設けられたものを1ユニットとして、該ユニットの1組以上を積層して構成してもよい。
【0016】前記弾性率が100GPa以上の低熱膨張金属には、W、Mo、Fe−Ni系合金(インバー、42アロイ等)、Fe−Ni−Co系合金(コバール、フェルニコ等)がよい。さらに、低熱膨張金属層を複数用いる際には、多層配線層中に極力、均等に配置するのがよい。
【0017】図1に本発明の薄膜多層配線基板の模式断面図を示す。有機樹脂からなる絶縁層1と低熱膨張金属配線層(シールド層)3とを複数積層することによって形成される。樹脂層1上には低電気抵抗金属からなる微細配線パターンの配線層4が存在する。なお、図2の模式断面図に示すように、有機樹脂の絶縁層1と低熱膨張金属配線層(シールド層)3との間に有機接着材からなる接着層2が介在されていてもよい。
【0018】本発明の薄膜多層配線のラインとピッチは、10〜70μmの微細配線パターンを有し、前記絶縁層の膜厚は5〜90μm、好ましくは5〜50μmである。
【0019】
【作用】本発明の薄膜多層配線基板は、高弾性率(100GPa以上)の低熱膨張金属配線層(シールド層)3が、有機樹脂の絶縁層1(または接着層2)および低電気抵抗金属配線層4の熱膨張を拘束することにより、配線基板全体の熱膨張を抑え、薄膜多層配線の層間の剥離または絶縁層のクラックを防止し、また、該基板上に搭載されたLSIチップの剥離等を防止するものである。
【0020】また、シールド層に用いる金属と信号層に用いる金属との間に若干の熱膨張係数の差があるが、これら間で層間剥離が起らない理由は、両者の間に柔軟性のある有機樹脂層(絶縁層または接着層)が存在するためと考える。
【0021】
【実施例】〔実施例1〕銅貼りポリイミドフィルム(膜厚20μmのポリイミドフィルムと膜厚20μmの銅箔との貼り合せ)の200mm角のものの表面に、液状レジストを塗布しレジスト膜(フィルム状レジストあるいは電着レジスト膜でもよい)を形成し、露光,現像して所定のパターンを形成する。次いで、塩化第二銅溶液によりレジスト膜が形成されていない部分の銅をエッチアウトして銅配線パターンを形成した。溶剤を用いて残っているレジストを溶解除去し、銅配線膜面の接着性を向上するため公知の方法により黒化処理を施し薄膜多層配線基板を得た。
【0022】次に、配線が形成されている(ムライト製)厚膜多層配線基板(ムライト製)上にポリイミド系フィルム接着材(膜厚25μm)を配置し、その上に前記銅配線パターンが形成された銅貼りポリイミドフィルムを配置し、位置合せ後加熱プレスして両者を積層接着した。
【0023】前記ポリイミドフィルムに対して、KrFエキシマレーザーを用いて下部の厚膜多層配線基板上のパッド部(信号線の接続端子)が露出するように直径50μmのスルーホールを穿けた。次いでPd触媒溶液で処理した後、銅配線側全面に前記と同様にしてレジスト膜を形成し、露光,現像してスルーホール部のみレジスト膜を除去し、該スルーホール部に無電解銅めっき法によって導体層を形成し、厚膜多層配線基板のパット部とポリイミドフィルムの銅配線層とを電気的に接続した。
【0024】別に、銅配線を形成したポリイミドフィルム面上にポリイミド系フィルム接着材(膜厚25μm)を配置し、その上に予めパターンを形成した厚さ25μmのインバー(Fe−Ni系合金:熱膨張係数1.4×10~6K~1)箔を配置し、位置合せ後加熱プレスして積層接着した。
【0025】次に、上記薄膜多層配線層に直径50μmのスルーホールを下部の銅配線が露出するようにKrFエキシマレーザーで孔を穿けた。次いでPd触媒溶液で処理した後、銅配線側にレジスト膜を形成し、露光,現像してスルーホール部分のレジストを除去した部分に、無電解銅めっき法により導体を形成し、上記2層間の配線を電気的に接続した。
【0026】以上の操作を繰り返して銅配線層、インバー配線層(シールド層)を有し、かつ、金属配線層が20層の200mm角の厚膜−薄膜の混成された多層配線基板を作製した。
【0027】前記多層配線基板において、低熱膨張金属であるインバーと低抵抗金属の銅の体積百分率比と該多層配線基板の熱膨張係数との関係を図3に示す。
【0028】図3から明らかなように、多層配線基板の熱膨張係数は銅の体積百分率の低下に比例して低下することが分かった。
【0029】上記薄膜多層配線基板の最上層に半田ボールによりLSIと接続するためのパッド部を設け、LSIを搭載して半田接続を行った。これを−65℃〜+150℃のヒートサイクル試験を500サイクル行い、該基板の熱膨張係数と層間剥離、基板クラックおよび半田クラック発生の割合を図4、図5および図6に示す。
【0030】図4,5および6から明らかなように、薄膜多層配線基板全体の熱膨張係数が常温で2×10~6K~1〜1×10~5K~1においては、層間剥離、基板クラックおよび半田クラック等の発生は認められなかった。
【0031】〔実施例2〕配線を有する厚膜(ムライト)多層配線基板(200mm角)面上に、Cuをスパッタにより成膜(5μm)し、ポジ型レジスト膜を設け、露光、現像後、塩化第二銅溶液を用いて銅のエッチングを行い、銅配線パターンを形成した。
【0032】銅配線パターンの形成面上にポリアミック酸ワニスを硬化後の膜厚が10μmになるよう塗布し加熱,硬化した。次いで、ネガ型レジストを成膜後、露光、現像し、直径50μmのスルーホールを下部の銅配線が露出するまでエチレンジアミン−ヒドラジン系のエッチング液を用いて穿け、レジスト膜を除去した。その後、O2アッシャー、Arスパッター処理を施し、次いで、膜厚5μmのインバー膜をスパッタにより形成した。これに、ポジ型レジスト膜を設け露光,現像後、インバー膜のエッチングを行った。なお、エッチングには塩化第二鉄溶液を用いた。インバー配線パターンが施された面上に、ポリアミック酸ワニスを硬化後の膜厚が10μmになるように塗布し加熱,硬化したポリイミド膜にスルーホールを形成した。
【0033】前記の操作を繰り返して、銅配線層とインバー配線層(シールド層)が積層された20層の配線層を有する200mm角の厚膜−薄膜混成の多層配線基板を作製した。
【0034】前記において、インバーとCuの体積百分率比と該多層配線基板の熱膨張係数との関係は、図3と同じ結果であった。
【0035】前記薄膜多層配線基板の最上層に半田ボールによりLSIと接続するためのパッド部を設け、LSIを搭載し半田接続した。これを−65℃〜+150℃のヒートサイクル試験を500サイクル行い、該基板の熱膨張係数と層間剥離、基板クラックおよび半田クラックの発生との関係を図7、図8および図9に示す。
【0036】図7,8および9から明らかなように、薄膜多層配線基板全体の熱膨張係数が常温で2×10~6K~1〜1×10~5K~1の時、層間剥離、基板クラックおよび半田クラック等が発生しないことが分かる。
【0037】〔実施例3〕配線層を有する厚膜(ムライト)多層配線基板(200mm角)面上に、めっき下地膜用のCuをスパッタにより成膜(0.5μm)した。該Cu膜上にめっきレジストを成膜し露光,現像後、膜厚20μmの配線用のCu膜を電気めっきにより形成した。実施例1と同様にスルーホールを穿け、次いでめっきレジストを成膜し、露光,現像後、スルーホールに膜厚20μmのCu膜の電気めっきを行った。めっきレジスト膜を除去後、上記めっき下地Cu膜をエッチアウトした。なお、エッチング液には過硫酸アンモニウム−塩化アンモニウム溶液を用いた。
【0038】次に、絶縁膜としてポリアミック酸ワニスを硬化後の膜厚が60μmになるように塗布後、加熱硬化してポリイミド膜を形成した。基板表面の平坦化およびスルーホールの頭出しのためにCu表面が表れるまで表面を研磨した。
【0039】研磨後の基板上にめっき下地膜用のインバー膜をスパッタにより成膜(0.5μm)した。該インバー上にめっき用レジストを成膜し露光,現像後、膜厚20μmの配線用のインバー膜を電気めっきにより形成した。実施例1と同様にスルーホールを形成し、めっきレジストを成膜し露光,現像後、スルーホールに膜厚20μmのCu膜を電気めっきにより形成した。めっきレジスト膜を除去後、前記めっき下地膜のインバーをエッチアウトした。なお、エッチングには塩化第二鉄溶液を用いた。
【0040】次に、絶縁膜として硬化後の膜厚が60μmのポリイミド膜を形成した。基板表面の平坦化およびスルーホールの頭出しのため、Cu表面が表れるまで研磨を行った。
【0041】前記薄膜多層配線基板において、インバーとCuとの体積百分率比と基板全体の熱膨張係数との関係は図3と同じであった。
【0042】上記薄膜多層配線基板の最上層に半田ボールによりLSIと接続するためのパッド部を設け、LSIを搭載し半田接続した。これを−65℃〜+150℃のヒートサイクル試験を500サイクル行い、該配線基板全体の熱膨張係数と層間剥離、基板クラックおよび半田クラックの発生の割合を図10、図11および図12に示す。
【0043】図10,11および12から明らかなように、薄膜多層配線基板全体の熱膨張係数が常温で2×10~6K~1〜1×10~5K~1の時、層間剥離、基板クラックおよび半田クラックの発生がないことが分かる。
【0044】
【発明の効果】本発明の薄膜多層配線基板は、LSIと熱膨張係数がほぼ等しいため、LSIと薄膜多層配線基板との間に存在する半田ボールのクラックの発生が少なく、信頼性の高いものが得られる。
【0045】本発明の薄膜多層配線基板は低誘電率の有機樹脂材料を絶縁層に用いることにより、信号の高速伝送が可能となり、また、基板の大型化および多層化が可能のためLSIの搭載数の増加が可能となり、それに伴って回路の配線長が短縮され、信号遅延時間も更に短縮できる。更に、これを用いることによって電子装置の小型軽量化を図ることができる。




 

 


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