Warning: copy(.htaccess): failed to open stream: Permission denied in /home/jp321/public_html/header.php on line 8
半導体装置及び電気回路 - 株式会社日立製作所
米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 電気素子 -> 株式会社日立製作所

発明の名称 半導体装置及び電気回路
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−53227
公開日 平成6年(1994)2月25日
出願番号 特願平4−39692
出願日 平成4年(1992)2月26日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】薄田 利幸 (外1名)
発明者 望月 和浩 / 増田 宏 / 田上 知紀 / 草野 忠四郎
要約 目的
高電流密度動作時の特性変動の極めて少ないヘテロ接合バイポーラトランジスタを有する半導体装置及びこのトランジスタを用いた電気回路を提供すること。

構成
ベース層とベース層の上部に設けられたエミッタ層とベース層の下部に設けられたコレクタ層からなるヘテロ接合バイポーラトランジスタを有する半導体装置において、少なくともエミッタ層側面周囲を空気又は不活性ガスが満たされた空間とするか、エミッタ層をこの層に発生する応力が実質的にゼロになるように構成するか、又はエミッタ層側面周囲に設けられた絶縁膜をその表面が上記エミッタ層の底面より低い位置にあるようにした半導体装置。この半導体装置を差動増幅回路に用いた電気回路。
特許請求の範囲
【請求項1】ベース層と該ベース層の上部に設けられたエミッタ層と該ベース層の下部に設けられたコレクタ層により構成されるヘテロ接合バイポーラトランジスタを有する半導体装置において、少なくとも上記エミッタ層側面周囲は、空気又は不活性ガスが満たされた空間であることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】請求項1記載の半導体装置において、上記ベース層表面は、スペーサ層とベース電極のみに接していることを特徴とする半導体装置。
【請求項3】ベース層と該ベース層の上部に設けられたエミッタ層と該ベース層の下部に設けられたコレクタ層により構成されるヘテロ接合バイポーラトランジスタを有する半導体装置において、上記エミッタ層は、この層に発生する応力が実質的にゼロになるように構成されたことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】ベース層と該ベース層の上部に設けられたエミッタ層と該ベース層の下部に設けられたコレクタ層により構成されるヘテロ接合バイポーラトランジスタを有する半導体装置において、上記エミッタ層側面周囲に設けられた絶縁膜は、その表面が上記エミッタ層の底面より低い位置にあることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】請求項4記載の半導体装置において、上記ベース層近傍の絶縁膜は、その表面の位置がベース層表面より低い位置にあることを特徴とする半導体装置。
【請求項6】請求項1から5のいずれか一に記載の半導体装置において、上記ベース層、上記エミッタ層、上記コレクタ層を構成する半導体は、III−V族化合物半導体であることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】請求項6記載の半導体装置において、上記ベース層は、不純物としてBeを含み、その導電型は、p型であることを特徴とする半導体装置。
【請求項8】請求項6記載の半導体装置において、上記ベース層は、不純物としてZnを含み、その導電型は、p型であることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】請求項1から8のいずれか一に記載の半導体装置において、上記エミッタ層及びベース層とそれぞれ電気的に接続するエミッタ電極及びベース電極は、熱膨張率が各電極が形成された半導体層の熱膨張率と10%以下の差である金属からなることを特徴とする半導体装置。
【請求項10】請求項9記載の半導体装置において、上記金属は、W若しくはTa又はこれらを主成分とする合金であることを特徴とする半導体装置。
【請求項11】請求項1から10のいずれか一に記載の半導体装置において、上記ヘテロ接合バイポーラトランジスタのヘテロ接合界面の露出した部分に、S、Se及びTeからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素が存在することを特徴とする半導体装置。
【請求項12】少なくとも2個のバイポーラトランジスタを持ち、該2個のバイポーラトランジスタのコレクタが抵抗を介して結合され、かつ、それぞれのエミッタが結合され、それぞれのベースへ入力される信号の差を増幅する機能を持つ差動増幅回路を有する電気回路において、上記2個のバイポーラトランジスタは、請求項1から11のいずれか一に記載の半導体装置のヘテロ接合バイポーラトランジスタであることを特徴とする電気回路。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ヘテロ接合バイポーラトランジスタを有する半導体装置及びヘテロ接合バイポーラトランジスタを用いた電気回路に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のヘテロ接合バイポーラトランジスタを有するIII−V族化合物半導体装置は、例えばジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス 第24巻(1985年)第L596頁から第L598頁(Japanese Journal ofApplied Physics 24(1985)pp.L596〜L598)に記載されているように、ベース層の上にいわゆるメサ型のエミッタ層を、ベース層の下にコレクタ層を設け、半導体層表面保護膜としてSiO2又はSiNを用い、エミッタ電極、ベース電極及びコレクタ電極にはAuを主成分とした金属を用いていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は、特にベース層p型不純物にBeを用いたAlGaAs/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの場合に、1×105A/cm2以上のコレクタ電流密度で連続動作させると、コレクタ電流が低減してしまうという問題があることが、アイイーイーイー・インターナショナル・エレクトロン・デバイス・ミーティング1990(1990年)第673頁から第676頁(IEEEInternational Electron Device Meeting 1990(1990)pp.673〜676)に指摘されている。同様な問題は、ベース層不純物にZnを用いたIII−V族化合物半導体メサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタの場合やその他のメサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタの場合にも当てはまる。この原因は、通電により生じるキャリアの再結合過程で発生したエネルギーにより、エミッタメサ周辺でのベース層不純物のエミッタ層中への拡散が促進されるためと考えられている。このような現象は、電流増幅率の劣化やオン電圧のシフトといった問題を引き起こすため、メサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタ及びそれを用いた電気回路の信頼性を損なう。
【0004】本発明の目的は、高電流密度動作時の特性変動の極めて少ないメサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタを有する半導体装置を提供することにある。本発明の他の目的は、高電流密度動作時の特性変動の極めて少ない、メサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタを用いた電気回路を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的は、(1)ベース層と該ベース層の上部に設けられたエミッタ層と該ベース層の下部に設けられたコレクタ層により構成されるヘテロ接合バイポーラトランジスタを有する半導体装置において、少なくとも上記エミッタ層側面周囲は、空気又は不活性ガスが満たされた空間であることを特徴とする半導体装置、(2)上記1記載の半導体装置において、上記ベース層表面は、スペーサ層とベース電極のみに接していることを特徴とする半導体装置、(3)ベース層と該ベース層の上部に設けられたエミッタ層と該ベース層の下部に設けられたコレクタ層により構成されるヘテロ接合バイポーラトランジスタを有する半導体装置において、上記エミッタ層は、この層に発生する応力が実質的にゼロになるように構成されたことを特徴とする半導体装置、(4)ベース層と該ベース層の上部に設けられたエミッタ層と該ベース層の下部に設けられたコレクタ層により構成されるヘテロ接合バイポーラトランジスタを有する半導体装置において、上記エミッタ層側面周囲に設けられた絶縁膜は、その表面が上記エミッタ層の底面より低い位置にあることを特徴とする半導体装置、(5)上記4記載の半導体装置において、上記ベース層近傍の絶縁膜は、その表面の位置がベース層表面より低い位置にあることを特徴とする半導体装置、(6)上記1から5のいずれか一に記載の半導体装置において、上記ベース層、上記エミッタ層、上記コレクタ層を構成する半導体は、III−V族化合物半導体であることを特徴とする半導体装置、(7)上記6記載の半導体装置において、上記ベース層は、不純物としてBeを含み、その導電型は、p型であることを特徴とする半導体装置、(8)上記6記載の半導体装置において、上記ベース層は、不純物としてZnを含み、その導電型は、p型であることを特徴とする半導体装置、(9)上記1から8のいずれか一に記載の半導体装置において、上記エミッタ層及びベース層とそれぞれ電気的に接続するエミッタ電極及びベース電極は、熱膨張率が各電極が形成された半導体層の熱膨張率と10%以下の差である金属からなることを特徴とする半導体装置、(10)上記9記載の半導体装置において、上記金属は、W若しくはTa又はこれらを主成分とする合金であることを特徴とする半導体装置、(11)上記1から10のいずれか一に記載の半導体装置において、上記ヘテロ接合バイポーラトランジスタのヘテロ接合界面の露出した部分に、S、Se及びTeからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素が存在することを特徴とする半導体装置によって達成される。
【0006】上記他の目的は、(12)少なくとも2個のバイポーラトランジスタを持ち、該2個のバイポーラトランジスタのコレクタが抵抗を介して結合され、かつ、それぞれのエミッタが結合され、それぞれのベースへ入力される信号の差を増幅する機能を持つ差動増幅回路を有する電気回路において、上記2個のバイポーラトランジスタは、上記1から11のいずれか一に記載の半導体装置のヘテロ接合バイポーラトランジスタであることを特徴とする電気回路によって達成される。
【0007】本発明は、化合物半導体装置に適用して効果がある。特にIII−V族化合物半導体装置は上記の問題が顕著に認められるため、III−V族化合物半導体装置に本発明を適用することが好ましい。また、上記(1)、(3)項の構成を取るには、例えば、少くともエミッタ層側面を絶縁膜と接しないようにすればよい。さらに、ベース層表面が絶縁膜と接しないようにすることが好ましい。
【0008】
【作用】少くともエミッタ層あるいはその側面周辺を上記のように構成し、エミッタ層の側面が絶縁膜と接しないようにすること、さらに、ベース層表面が絶縁膜と接しないようにすることにより、高電流密度動作時の特性変動を従来に比較して抑制することができる。加えて、エミッタ電極及びベース電極を構成する金属として、その熱膨張率が、エミッタ電極及びベース電極が設けられている半導体層の熱膨張率と10%以下の差である金属を用いることにより、高電流密度動作時の特性変動を極めて少くできる。これは、高電流密度動作時の特性変動に絶縁膜と半導体界面の応力依存性があるという新たに見い出した実験事実に基づいている。以下、これを図4から図7を用いて説明する。
【0009】図4は、GaAs(100)基板上に作製した従来のAlGaAs/GaAsメサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタの断面図である。半絶縁性GaAs基板1上に、高ドープn型GaAs層(Si濃度=5×1018/cm3、厚さ0.5μm)からなるサブコレクタ層2、n型GaAs層(Si濃度=5×1016/cm3、厚さ0.4μm)からなるコレクタ層3、高ドープp型GaAs層(Be濃度=4×1019/cm9、厚さ0.1μm)からなるベース層4、アンドープGaAs層(厚さ0.01μm)からなるスペーサ層5、n型AlGaAs層(AlAsモル比=0.3、Si濃度=1×1018/cm3、厚さ0.15μm)からなるエミッタ層6、高ドープn型InGaAs層(InAsモル比は0から0.5まで徐々に変化、Si濃度=1×1019/cm3、厚さ0.1μm)からなるキャップ層101を分子線エピタキシー法により成長させ、ホトリソグラフィー及びエッチングを行った。エミッタ電極102及びコレクタ電極104にはAuGe系の材料を、ベース電極103にはAuZn系の材料を、表面保護膜105にはSiO2を用いた。
【0010】図5は図4に示した従来のヘテロ接合バイポーラトランジスタの高電流密度動作試験前後の典型的な電流−電圧特性である。通電試験は初期コレクタ電流密度Jcoを2.5×105A/cm2として、室温において10分間行った。実線が通電前、破線が通電後の電流−電圧特性である。通電によってコレクタ電流密度は減少し、その結果電流増幅率も減少した。ベース・エミッタ間電圧VBE=1.2Vにおける、通電後のコレクタ電流密度の通電前のコレクタ電流密度に対する比をkと定義すると、図6に示すようにkは保護膜として用いたSiO2の膜厚dに依存し、dが小さいほどkは1に近づく、すなわち特性変動は起こりにくいことが分かった。dが小さいほどエミッタ層とベース層が絶縁膜から受ける応力は小さくなるので、通電によるベース層のBeのエミッタ層への拡散が低減したためだと考えられる。d=0でもk=1とならないのは、エミッタ電極及びベース電極が設けられている半導体層がそれらの電極から受ける応力が残留しているためだと推察される。この場合、エミッタ電極が設けられているキャップ層が電極から受ける応力はエミッタにも及ぶ。
【0011】そこで、d=0の状態でエミッタ電極及びベース電極の金属材料主成分を変えて、高電流密度動作試験を行った結果が図7である。エミッタ電極及びベース電極が設けられている半導体層との熱膨張係数差が小さい金属ほど特性変動が起こり難く、特に該熱膨張係数差が10%以下となるWやTa又はこれらを主成分とする金属を用いると高電流密度動作時の特性変動は無視できる程度に小さくできることが分かった。他のIII−V族化合物半導体の熱膨張率はGaAsにほぼ等しいため、同様な効果は他のIII−V族化合物半導体あるいはその混晶を用いたメサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタやベース層やp型不純物にZnを用いたメサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタについても観察された。
【0012】また、上記手段を用いたIII−V族メサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタの集積化にはエミッタ、ベース及びコレクタの各電極に配線を行う必要があるが、エミッタ電極に接続する配線金属とメサ周辺に露出したヘテロ接合界面との間の空間には、空気または不活性ガスのみ存在するようにすることで、配線用層間絶縁膜を用いた場合の特性変動の発生を防止することができる。さらに、メサ型部分周辺に露出したヘテロ接合界面上に2原子層以下のS、Se又はTeを有するようにすることでその部分の元素の未結合手が終端され、長期にわたる信頼性の保証を得ることができる。
【0013】また、上記メサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタを、トランジスタ全部あるいは少なくとも差動増幅回路部に用いて電気回路を構成することにより、長期にわたり信頼性が優れた電気回路を作製することができる。差動増幅回路には特性の揃った2個のトランジスタが必要であるが、上記メサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタをこの部分に用いると、高電流密度動作時の特性変動が極めて少なく、使用中に一方の特性が変化することがないためである。
【0014】
【実施例】実施例1以下、本発明の第1の実施例であるベース層不純物にBeを用いたAlGaAs/GaAsメサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタを有する半導体装置を説明する。図1に示すように、半絶縁性GaAs基板1の上に、高ドープn型GaAs層(Si濃度=5×1018/cm3、厚さ0.5μm)からなるサブコレクタ層2、n型GaAs層(Si濃度=5×1016/cm3、厚さ0.4μm)からなるコレクタ層3、高ドープp型GaAs層(Be濃度=4×1019/cm9、厚さ0.1μm)からなるベース層4、アンドープGaAs層(厚さ0.01μm)からなるスペーサ層5、n型AlGaAs層(AlAsモル比=0.3、Si濃度=1×1018/cm3、厚さ0.15μm)からなるエミッタ層6、高ドープn型InGaAs層(InAsモル比は0から1まで徐々に変化、Si濃度=1× 1019/cm3、厚さ0.1μm)からなるキャップ層7、高ドープn型InAs層(Si濃度=1×1019/cm3、厚さ0.1μm)からなるキャップ層8を分子線エピタキシー法により成長させ、ホトリソグラフィー及びエッチングによりAlGaAs/GaAsメサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタを作製した。エミッタ電極9、ベース電極10及びコレクタ電極11にはWを用いた。
【0015】本メサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタは、Jcoを2.5×105A/cm2として室温において10分間通電しても、k=1であり、すなわち特性変動は全く観察されなかった。本実施例によれば、表面保護膜を用いないこと及び電極が設けられた半導体層との熱膨張率の差が8%であるWを電極材料に用いたことにより、半導体層に発生する応力が実質的に零とでき、高電流密度動作時の特性変動が極めて小さいメサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタを実現することができた。
【0016】なお、本実施例ではエミッタ、ベース及びコレクタの各電極材料にWを用いたがTaでもよく、またWやTaを主成分とする合金膜又はこれらを下層とする積層膜であってもよい。Taの場合、電極が設けられた半導体層と熱膨張率の差は4%である。またコレクタ電極は上記金属材料である必要はない。本実施例ではAlGaAs/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの場合を示したが、他のIII−V族化合物半導体であるInAlAs/InGaAs、InP/InGaAsを用いたメサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタの場合にも全く同様に適用できる。また、本実施例ではベース層不純物にBeを用いたが、Znを用いた場合にも同様な効果が得られた。
【0017】実施例2以下、本発明の第2の実施例であるエミッタ電極から引き出された配線金属とエミッタ層側面との間に空間を持つAlGaAs/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタを有する半導体装置について説明する。図2aはAlGaAs/GaAsメサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタの平面図、図2bは切断面A−A’における断面図、図2cは切断面B−B’における断面図である。配線金属12、12’、12”及び絶縁膜13以外は、図1に示したメサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタと同様の構成である。配線金属12、12’、12”にはAlを、絶縁膜13にはSiO2膜を用いたが、それぞれ他の金属材料及び他の絶縁膜を用いてももちろんよい。絶縁膜13はベース層4以下の半導体層にのみ接し、スペーサ層5以上の半導体層には接しないように形成されている。エミッタ電極から引き出された配線金属12は、図2bに示すように空気14を隔てて半導体層に触れることなく、絶縁膜13上に到達するように形成されている。一方、ベース電極から引き出された配線金属12”は、図2cに示すようにそのまま絶縁膜13上に伸びている。
【0018】この構造は、次のようにして形成した。図1に示した構造とした後、絶縁膜13とコレクタ電極への配線金属12’とベース電極への配線金属12”をホトリソグラフィーとエッチングにより形成し、厚さ約1μmの下層レジスト110のパタンを形成し、配線金属の一部となる厚さ500ÅのAu膜12aを堆積する(図2d)。次に、厚さ約1μmの上層レジスト110’のパタンを形成し、露出しているAu膜12aの上に選択めっき法でAuを0.9μmめっきし、配線金属12とする(図2e)。さらに下層レジスト110、上層レジスト110’を除去して図2bに示す構造とする。
【0019】また、図2fはパッケージ封入後の断面図である。AlGaAs/GaAsメサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタを含む半導体チップ15が、金属パッケージ16にAr等の不活性ガス17とともに封入されている。従って、エミッタ層6と配線金属12との間の空間は不活性ガスで満たされる。
【0020】本AlGaAs/GaAsメサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタを図2c及び図2dの状態で、Jcoを2.5×105A/cm2として室温において10分間通電しても、k=1、すなわち特性変動は全く観察されなかった。本実施例によれば、絶縁膜がエミッタ層側面及びベース層表面に接していないこと、エミッタ電極から引き出された配線金属がエミッタ層及びベース層に接していないこと、さらに電極が設けられた半導体層の材料と熱膨張率がほぼ等しいW又はTaを電極材料に用いることにより、半導体層に発生する応力を実質的に零にすることができ、高電流密度動作時の特性変動が極めて小さいメサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタを実現することができた。
【0021】なお、本実施例ではAlGaAs/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの場合を示したが、他のIII−V族化合物半導体を用いたメサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタの場合にも全く同様に適用できる。また、本実施例ではベース層不純物にBeを用いたが、Znを用いた場合にも同様な効果が得られる。さらに、金属パッケージでなくセラミックスのパッケージを用いてもよく、封入するガスは空気でもよい。
【0022】実施例3実施例2の図2b、図2cに示した状態のメサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタを含む試料を硫化アンモニウム溶液に浸して、半導体層表面にイオウ(S)の堆積層を形成した。試料を水洗後、水素雰囲気で350℃、15分間加熱することにより、半導体層表面に残るSを2原子層以下にした。
【0023】このメサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタも実施例2の場合と同様に高電流密度動作時の特性変動がなかった。本実施例によれば、半導体層表面がS原子層で被覆されているので、表面の元素の未結合手が終端され、不純物等の汚染による特性変動の心配がなくなり、長期間にわたる信頼性の保証ができる効果がある。
【0024】なお、本実施例ではAlGaAs/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの場合を示したが、他のIII−V族化合物半導体を用いたメサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタの場合にも同様に適用できた。また、本実施例ではベース層不純物にBeを用いたが、Znを用いた場合にも同様な効果が得られた。
【0025】実施例4実施例2の図2b、図2cに示した状態のメサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタを含む試料を真空容器に入れ、350℃においてSe分子線を照射した。この際、半導体層表面に形成されたSe層は2原子層以下であった。
【0026】このメサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタも実施例2の場合と同様に高電流密度動作時の特性変動がなかった。本実施例によれば、半導体層表面がSe原子層で被覆されているので、表面の元素の未結合手が終端され、不純物等の汚染による特性変動の心配がなくなり、長期間にわたる信頼性の保証ができる効果がある。
【0027】なお、本実施例ではAlGaAs/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタの場合を示したが、他のIII−V族化合物半導体を用いたメサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタの場合にも同様に適用できた。また、本実施例ではベース層不純物にBeを用いたが、Znを用いた場合にも同様な効果が得られた。さらにまた、Seに変えてTeを用いても同様な効果が得られた。
【0028】なお、上記実施例1から4はIII−V族化合物半導体を用いたメサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタについて記載したが、II−VI族化合物半導体やSi−SiGe化合物半導体を用いたメサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタの場合にも同様に適用できた。
【0029】実施例5以下、本発明の第5の実施例であるベース層不純物にBeを用いたAlGaAs/GaAsヘテロ接合バイポーラトランジスタを用いた差動増幅回路について図3を用いて説明する。実施例1に示したメサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタを図3中のトランジスタQ1、Q2及びQ3に用いて差動増幅回路を作製した。図において、Viは入力電圧、VRは参照電圧、V01、V02はそれぞれ出力電圧、R1、R2、R3はそれぞれ抵抗である。
【0030】従来のメサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタを用いた差動増幅回路では、Jcoが2×105A/cm2より大きい高電流密度動作時に、トランジスタQ及びQの特性変動が起こり、それぞれの特性が独立に変化して差動増幅回路が正常に動作しなくなった。しかし本実施例の差動増幅回路は、高電流密度動作時の特性変動の極めて少ないヘテロ接合バイポーラトランジスタを用いているため、差動増幅回路の高電流密度動作時の特性変動を極めて小さく抑えることができた。
【0031】なお、上記実施例は、実施例1に示したAlGaAs/GaAsメサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタを用いたが、これに変えて、実施例2から4に示した他のAlGaAs/GaAsメサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタを用いても、さらに各実施例に示した他のIII−V族化合物半導体を用いたメサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタ及びベース層不純物にZnを用いたメサ型ヘテロ接合バイポーラトランジスタを用いても同様の効果が認められた。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、ヘテロ接合バイポーラトランジスタを有する半導体装置の高電流密度動作時の特性変動を極めて小さくできる効果がある。また、メサ周辺に露出したヘテロ接合界面上の未結合手を終端した構造の半導体装置は、不純物等の汚染による特性変動の心配がなくなるので、長期間にわたる信頼性の保証が得られる効果もある。さらに、このようなヘテロ接合バイポーラトランジスタを、差動増幅回路に用いた電気回路は、高電流密度動作時の特性変動を少なくできる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013