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洗浄剤、および、これを用いた半導体基板の洗浄方法 - 株式会社日立製作所
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発明の名称 洗浄剤、および、これを用いた半導体基板の洗浄方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−53198
公開日 平成6年(1994)2月25日
出願番号 特願平5−60488
出願日 平成5年(1993)3月19日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】富田 和子
発明者 高原 洋一 / 斉藤 昭男 / 山本 英二 / 伊藤 晴夫 / 岡 齊
要約 目的
半導体基板などの洗浄において、基板表面をエッチングにより変化させることなく重金属イオンを除去するのに有効な洗浄剤であって、有機溶剤を使用せず、基板の洗浄工程において、水溶液として用いることのできる洗浄剤。

構成
水溶性の基を有するポルフィリン系化合物、水溶性の基を有するクラウンエ−テル系化合物、および、環状ポリアミンの中から選ばれる少なくとも1種の化合物のように、水溶液中において重金属イオンに対し電子供与性を有する配位子を含む洗浄剤と、これを用いた半導体基板の洗浄方法。
特許請求の範囲
【請求項1】水溶液中において重金属イオンに対し電子供与性を有する配位子を含む洗浄剤。
【請求項2】請求項1において、水溶液中において重金属イオンに対し電子供与性を有する配位子が、水溶性の基を有するポルフィリン系化合物、水溶性の基を有するクラウンエ−テル系化合物、および、環状ポリアミンの中から選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする洗浄剤。
【請求項3】請求項2において、ポルフィリン系化合物が、カルボキシル基またはスルホン酸基を有するものである洗浄剤。
【請求項4】請求項2において、ポルフィリン系化合物が、テトラキス(4−N−トリメチルアミノフェニル)ポルフィン、テトラキス(4−カルボキシフェニル)ポルフィン、テトラフェニルポルフィンスルホン酸またはテトラキス(4−スルホフェニル)ポルフィンである洗浄剤。
【請求項5】請求項2において、クラウンエ−テル系化合物が、シクロヘキシル基を有するものである洗浄剤。
【請求項6】請求項2において、クラウンエ−テル系化合物が、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6またはジシクロヘキシル−24−クラウン−8である洗浄剤。
【請求項7】請求項2において、環状ポリアミンが、炭素数4〜12の環状ポリアミンである洗浄剤。
【請求項8】請求項2において、上記化合物に加えて、還元剤を含むことを特徴とする洗浄剤。
【請求項9】請求項1に記載の洗浄剤に半導体基板を浸漬し、半導体基板上の重金属イオンに対して、水溶液中において重金属イオンに対し電子供与性を有する配位子を配位させることにより、前記重金属イオンの半導体基板に対する吸着エネルギーを低減させて、前記重金属イオンを半導体基板から除去することを特徴とする半導体基板の洗浄方法。
【請求項10】請求項2〜8のいずれかに記載の洗浄剤に半導体基板を浸漬し、半導体基板上の重金属イオンに対して、ポルフィリン系化合物、クラウンエーテル系化合物、および、環状ポリアミンの中から選ばれる少なくとも1種の化合物を配位させることにより、前記重金属イオンの半導体基板に対する吸着エネルギーを低減させて、前記重金属イオンを半導体基板から除去することを特徴とする半導体基板の洗浄方法。
【請求項11】請求項9または10において、重金属イオンが、Fe、Ni、Cu、Alのうち、少なくとも1種の金属のイオンである半導体基板の洗浄方法。
【請求項12】請求項1に記載の洗浄剤に半導体基板を浸漬し、水溶液中の重金属イオンに対して、水溶液中において重金属イオンに対し電子供与性を有する配位子を配位させることにより、前記重金属イオンの半導体基板に対する吸着エネルギーを低減させて、前記重金属イオンの半導体基板への吸着防止を行うことを特徴とする半導体基板への重金属イオンの吸着防止方法。
【請求項13】請求項2〜8のいずれかに記載の洗浄剤に半導体基板を浸漬し、水溶液中の重金属イオンに対して、ポルフィリン系化合物、クラウンエーテル系化合物、および、環状ポリアミンの中から選ばれる少なくとも1種の化合物を配位させることにより、前記重金属イオンの半導体基板に対する吸着エネルギーを低減させて、前記重金属イオンの半導体基板への吸着防止を行うことを特徴とする半導体基板への重金属イオンの吸着防止方法。
【請求項14】請求項12または13において、重金属イオンが、Fe、Ni、Cu、Alのうち、少なくとも1種の金属のイオンである半導体基板への重金属イオンの吸着防止方法。
【請求項15】超純水製造部で製造された超純水を洗浄槽に送ると共に、水溶液中において重金属イオンに対し電子供与性を有する配位子を、化合物貯蔵部から混合調節機を介して洗浄槽に送り、前記超純水と前記配位子とを前記洗浄槽において混合し、半導体基板搬送系から運ばれる重金属イオンが付着した半導体基板を、前記洗浄層において洗浄することを特徴とする半導体基板の洗浄方法。
【請求項16】請求項15において、半導体基板を洗浄槽に1〜60分間浸漬し、処理温度を常温〜80℃以下とし、pH11以下において処理することを特徴とする半導体基板の洗浄方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体素子の製造プロセスにおける基板などの洗浄方法に関し、特に、半導体素子の高集積化、高密度化に伴い、重金属イオンの吸着防止および除去を可能にした洗浄技術に関する。
【0002】さらに、本発明は、特に、重金属イオンの吸着状態を量子化学計算によって明らかにされた技術に基づいた、全く新規な洗浄方法に関するものである。
【0003】
【従来の技術】昨今の、半導体素子の高集積化、高密度化に伴い、基板の洗浄技術の課題として、金属イオンの除去および吸着防止がある。次々世代64MbitDRAM以降では基板表面の金属イオン汚染量を109atoms/cm2まで低減する必要がある。また、高密度化に伴い、従来のRCA洗浄による、塩酸と過酸化水素水の混合液を用いて基板表面に吸着した金属イオンを塩化物として除去させるとともに、基板表面を酸化させ金属酸化物として酸化膜中に取り込み除去するといった手法も、エッチング余裕がなくなるために使えなくなってくると考えられる。また金属イオンは、酸性よりもアルカリ性のときの方が吸着しやすいため、アルカリ性での金属イオン汚染を防止することはできない。従って現在のところ、これら金属イオンの除去技術あるいは吸着防止技術は確立しておらず、その吸着状態や吸着メカニズムも未だ明らかにされていない。
【0004】また、この種の技術に関連するものとして、例えば、酵素を用いて表面に吸着した金属を除去する特開昭63−208222がある。しかし、この方法は、特定の金属に選択的に作用するものであり、一般的な洗浄技術として用いることはできない。
【0005】半導体ウェハ表面への金属系不純物の付着を防止するため、有機溶剤系洗浄液、または、酸性のエッチング液や洗浄液において、キレート剤や錯化剤を添加した洗浄液が提案されているが(特開平4−130100号公報)、半導体基板を水洗する際には、適用することができない。また、NaとKとの除去を目的として、ジシクロヘクサ・18・クラウン6などを主成分とする洗浄剤が提案されているが(特開平3−208343号公報)、アセトニトリルなどの有機溶剤に溶解した溶液を用いて洗浄するものであり、半導体基板の水洗の際に、水溶液として用いる洗浄剤については、考慮されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】有機溶剤を用いることは、環境を保護する上で、問題となることが多い。本発明は、純水を用いて半導体基板を洗浄する工程などにおいて用いることのできる洗浄剤によって、重金属イオンを効果的に除去することを目的としてなされたものである。
【0007】本発明においては、上述した次々世代以降の半導体プロセスにおける、重金属イオンの洗浄技術のために、重金属イオンの基板に対する吸着状態や吸着メカニズムを探求することによって、水溶液を用いた新規な洗浄技術を確立することである。そのために先ず、重金属イオンの吸着状態を量子化学計算によって明らかにし、そして、そこから得られた知見をもとにして、全く新規な洗浄剤および洗浄方法を見つけだすことができた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、水溶液中において重金属イオンに対し電子供与性を有する配位子を含む洗浄剤、ならびに、これを用いた半導体基板の洗浄方法に関するものである。
【0009】本発明の原理を説明するために、以下に図面を用いて説明する今、重金属イオンが基板上に吸着している状態を考えると、重金属イオン−基板表面間の距離とポテンシャルエネルギ−の関係が図1に示されるようなポテンシャルカ−ブになると考えられる。図1のポテンシャルカ−ブにおいて、谷底の部分が吸着状態を示しその深さが吸着エネルギ−となる。このポテンシャルカ−ブを実験的に求めることは非常に困難であるため、量子化学計算によって求めた。得られたポテンシャルカ−ブから重金属イオンの基板表面への吸着エネルギ−が求められる。
【0010】量子化学計算はab−initio分子軌道法を用いた。計算の詳細については文献(量子化学入門、米澤貞次郎他、化学同人、1983年)に記されているので、ここでは簡単に説明する。
【0011】まず、原子軌道(AO)を式(数1)の形で表す。
【0012】
【数1】

【0013】次に1電子の分子軌道(MO)を式(数2)のようにAOの一次結合で表す。
【0014】
【数2】

【0015】これを全電子についてスレ−タ−行列式の形にし、分子の全波動関数が式(数3)のように表せる。
【0016】
【数3】

【0017】この波動関数をシュレディンガ−方程式に当てはめハ−トリ−フォック法によって解くと、エネルギ−や分子軌道がわかる。また、本発明においては重金属イオンのように軌道の数が非常に多い系を取り扱うために、計算が煩雑となる。そこで、有効内核ポテンシャル(ECP)法を用いた。これは、内核電子は化学反応に寄与しないという仮定から、原子核のポテンシャルに内核電子のポテンシャルをも含めた内核ポテンシャルを作り、外核電子だけの軌道を計算するもので、計算すべき軌道の数を少なくする方法である。次に、基板の表面状態をモデル化しなければならない。一般に、表面への吸着現象を分子軌道法などの理論的手法で取り扱う場合、表面上の反応活性部位だけを取り出してモデル化を行って計算する。また、本発明のように化学反応が主となる場合は、このようなモデルでも充分に説明できるといわれている。
【0018】基板の表面状態は、実験的に明らかとなっている(応用物理第59巻、第11号、第1441−1450頁(1990年11月10日))。フッ酸処理後のSiウェハ面への重金属イオンの吸着を考えると、図2に示されるような表面モデルが考えられる。図中(a)は、水素が終端されている部分のモデルの場合で、これは表面の大部分を占めている。(b)は、水酸基で終端されている部分のモデルであり、これは表面上の約0.12%の割合であり、この部分が重金属イオンの吸着に重要となる。また、この水酸基はアルカリ性または中性領域ではO ̄となり(c)、酸性になるとOH陽イオンとなる(d)。これらの各吸着部位へ重金属イオン(Al,Fe,Cu)を近付けていったとき(図3)のポテンシャルエネルギ−を基板表面原子−重金属イオン間の距離に対して計算した。
【0019】まず、重金属イオンが単独で吸着する場合を計算した。求めた吸着エネルギ−を表1にまとめた。表中、反発と記してあるのはどの距離(基板表面原子−重金属イオン間距離)においてもポテンシャルエネルギ−が負の値であり、重金属イオンがその表面部位には吸着しないことを表している。
【0020】
【表1】

【0021】表1からO~上(図2(c))に吸着した場合、吸着エネルギ−が非常に大きく、強く吸着している。このような重金属イオンを除去するためには吸着エネルギ−以上のエネルギ−が必要である。しかしながら酸性にしOH2陽イオン(図2(d))にすると吸着エネルギ−がなくなり重金属イオンが吸着しなくなる。実験的にも重金属イオンはアルカリ性で吸着しやすく酸性で吸着しにくいと報告(Proceeding of Advanced Wet ChemicalProcessing II,第5−20頁、UCS,(1991年))されており、本計算を裏付けている。
【0022】また、表面の残りの大部分を占めている水素上(図2(a))への吸着エネルギ−はO~上への吸着エネルギ−に比べて小さいが、充分に吸着する値である。この水素は酸性やアルカリ性にしても変化しないため他の方法で除去する必要がある。
【0023】次に、基板表面の水素上に残る重金属イオンの除去法およびO~上に吸着した重金属イオンを酸性にせずに除去する方法について検討した。計算から重金属イオンは2価のときよりも1価のときの方が吸着エネルギ−は小さく、また1価のときよりも0価のときの方が吸着エネルギ−は小さいことがわかったため、吸着エネルギ−は重金属イオンの正味電荷に関係していると考えられる。すなわち、重金属イオンの正味電荷が小さくなれば吸着エネルギ−も小さくなる傾向にある。そこで、重金属イオンの正味電荷を小さくできるように、電子供与性の配位子を付加することを考えた。
【0024】
【表2】

【0025】まず、アンモニアを配位させたとき(図4)の吸着エネルギ−を計算した。結果を表2にまとめた。O~上への吸着エネルギ−は重金属イオン単独の場合に比べて半減しているが、まだ除去できるような値にはなっていない。水素上への吸着については問題なく熱エネルギ−程度で除去できる値である。そこで電子供与性のさらに強い配位子としてポルフィリン(ポルフィリン環を骨格に持つ分子の総称名)を考えた。ポルフィリンは非常に大きな分子であるため反応部位だけを取り出して計算を行った。結果を表3にまとめた。Feイオン以外は反発型のポテンシャルカ−ブとなり、Feイオンもその吸着エネルギ−と熱エネルギ−の範囲となり除去できると考えられる。また、Feイオンについてはさらに電子供与性の強いクラウンエ−テル(環状エ−テルの総称名)や環状ポリアミンを用いることによっても除去できる。
【0026】
【表3】

【0027】表3より、例えば、ポルフィリンのような電子供与性の大きな配位子を付加することによって、基板表面と重金属イオンの吸着エネルギーを低減、あるいは、なくすことができる。
【0028】本発明において、水溶液中において重金属イオンにたいし電子供与性を有する配位子としては、水溶性の基を有するポルフィリン系化合物、水溶性の基を有するクラウンエ−テル系化合物、および、環状ポリアミンの中から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いることができる。
【0029】本発明において用いる、ポルフィリン系化合物の水溶性の基とは、カルボキシル基またはスルホン酸基などであり、ポルフィリン系化合物の具体例としては、テトラキス(4−N−トリメチルアミノフェニル)ポルフィン、テトラキス(4−カルボキシフェニル)ポルフィン、テトラフェニルポルフィンスルホン酸またはテトラキス(4−スルホフェニル)ポルフィンなどが挙げられる。
【0030】本発明において用いるクラウンエ−テル系化合物の水溶性の基とは、シクロヘキシル基などであり、クラウンエ−テル系化合物の具体例としては、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6またはジシクロヘキシル−24−クラウン−8などが挙げられる。なお、ジシクロヘキシル−18−クラウン−6には、毒性があることが知られている(有機合成化学協会誌 第33号 pp782-789 (1975年))ので、他の化合物を用いることが、より望ましい。
【0031】本発明において用いる環状ポリアミンは、炭素数4〜12の環状ポリアミンであることが望ましい。
【0032】本発明の洗浄剤においては、重金属イオンに対して、上記化合物が排する反応を促進するために、上記化合物に加えて、還元剤を含むことが望ましい。 本発明の洗浄剤により、半導体基板から除去される、あるいは、基板への付着が防止される重金属イオンは、Fe、Ni、Cu、Alなどの金属のイオンである。
【0033】本発明にかかる洗浄剤に半導体基板を浸漬し、半導体基板上の重金属イオンに体して、水溶液中において、重金属イオンに対し電子供与性を有する配位子を配位させることにより、前記重金属イオンの半導体基板に対する吸着エネルギーを低減させて、前記重金属イオンの半導体基板からの除去を行う。また、水溶液中の重金属イオンに対して、水溶液中において重金属イオンに対し電子供与性を有する配位子を配位させることにより、前記重金属イオンの半導体基板に対する吸着エネルギーを低減させて、前記重金属イオンの半導体基板への吸着防止を行う。
【0034】超純水を用いて半導体基板を洗浄する場合においては、本発明による洗浄方法は、例えば、超純水製造部で製造された超純水を洗浄槽に送ると共に、水溶液中において重金属イオンに対し電子供与性を有する配位子を、化合物貯蔵部から混合調節機を介して洗浄槽に送り、前記超純水と前記配位子とを前記洗浄槽において混合し、半導体基板搬送系から運ばれる重金属イオンが付着した半導体基板を、前記洗浄層において洗浄することにより実施できる。この場合、半導体基板を洗浄槽に1〜60分間浸漬し、処理温度を常温〜80℃以下とし、pH11以下において処理することが望ましい。
【0035】
【作用】本発明においては、半導体基板上の重金属イオンに体して、水溶液中において、重金属イオンに対し電子供与性を有する配位子を配位させることにより、前記重金属イオンの半導体基板に対する吸着エネルギーを低減させて、前記重金属イオンの半導体基板からの除去を行うことができる。また、水溶液中の重金属イオンに対して、水溶液中において重金属イオンに対し電子供与性を有する配位子を配位させることにより、前記重金属イオンの半導体基板に対する吸着エネルギーを低減させて、前記重金属イオンの半導体基板への吸着防止を行うことができる。
【0036】また、除去された重金属イオンの再吸着をも防止することができる。この方法は、半導体基板に限らず、その他、例えば画像表示素子としての液晶基板についても同様に有効である。
【0037】
【実施例】本発明の効果を確認するために、金属イオンで故意汚染させた基板を作製し、基板表面に吸着した金属イオンの個数を、全反射蛍光X線分析装置で測定することによって求めた。基板は面方位(100)の4インチP型ウェハを用い、前処理としてまず、表面の汚染物質を酸化膜中に取り込むため、容積比が、アンモニア水:過酸化水素水:水=1:2:7の溶液(80℃)に10分間浸漬し水洗を15分間行った。次に、汚染物質を取り込んだ酸化膜を取り除くために、容積比が、フッ化水素酸:水=1:99の溶液に2分間浸漬し、水洗を10秒間行った。また、金属イオンの故意汚染は上記前処理を行った直後に汚染液に浸漬し行った。
【0038】故意汚染に用いた金属イオンは、原子吸光用のサンプル液(1000ppm、1規定硝酸塩)を用い、適宜希釈して用いた。汚染方法は、図5に示すように液槽1の液中に金属イオンまたは金属イオンと配位子を添加しウェハ2を一定時間浸漬した。次いで、これを液1中より引き上げて水洗しスピンナ−乾燥し、全反射蛍光X線分析装置((株)テクノス製TREX610)によりウェハ表面に吸着した金属イオンの個数を求めた。また、本実験においては、水は全て超純水を用いた。
【0039】(実施例1)配位子による金属イオンの除去効果を確認するために、Cuイオンを用いて行った例を示す。まず、0.1ppmおよび0.01ppmのCuイオン汚染液に前処理を行ったウェハを3分間浸漬し、その後水洗を10分間行い、スピン乾燥した。その時のウェハ表面Cuイオン吸着量を図6の3に示す。
【0040】次に、前処理を行った別のウェハを上記汚染液に3分間浸漬し、その後直ちに水溶性ポルフィリンの一種であるテトラキス(4−N−トリメチルアミノフェニル)ポルフィン1.3×10~6mol/lの溶液にLアスコルビン酸を1.7×10~4mol/lの濃度で添加した溶液に3分間浸漬した。その後、水洗を10分間行い、スピンナ−乾燥した。ウェハ表面のCuイオン吸着量を図6の4に示す。0.1ppmでは約50%のCuイオンが除去できた。なお、実施例1で用いたテトラキス(4−N−トリメチルアミノフェニル)ポルフィンを、以下、TTMAPPと略記する。
【0041】(実施例2)配位子による吸着防止効果を確認するために、Cuイオンによる故意汚染液に配位子として、TTMAPPを1.3×10~6mol/l、還元剤としてL−アスコルビン酸を1.7×10~4mol/lの濃度で添加した溶液にウェハを浸漬し、ウェハ表面の金属イオン量を求めた。Cuイオンは、0.1ppmおよび0.01ppmの濃度で行った。結果を図6の5に示す。TTMAPPおよびL−アスコルビン酸未添加の結果(図6の3)に比べて、1桁程度の吸着防止効果が得られた。
【0042】(実施例3)次いで、金属イオンとしてNiを、配位子としてテトラキス(4−カルボキシフェニル)ポルフィンを用いて、吸着防止効果を確認した。該配位子を以下TCPPと略記する。
【0043】また、汚染液は塩化アンモニアとアンモニア水を用いてpH10に調整した。Niイオン濃度は、0.1ppmおよび0.01ppmで行った。まず、TCPP未添加の溶液にウェハを3分間浸漬し、汚染させた場合の結果を図7の6に示す。次に、Ni汚染液にTCPPを1.7×10~5mol/l(Niイオン0.1ppmと同濃度)の濃度で添加した溶液にウェハを3分間浸漬した場合の結果を図7の7に示す。0.1ppmでは効果が見られた。さらに還元剤としてヒドロキシルアミン塩酸塩を1.7×10~3mol/l(TCPPの100倍)の濃度になるように添加し、その溶液にウェハを浸漬した場合の結果を図7の8に示す。0.1ppmの場合にTCPPだけを添加した場合よりも大きな効果があった。
【0044】(実施例4)次いで、金属イオンとしてNiを、配位子としてクラウンエ−テルの一種であるジシクロヘキシル−18−クラウン−6(以下C−18と略記する)および環状ポリアミンの一種であるサイクラムを用いて、吸着防止効果を確認した。実験方法は実施例3と同様、溶液は全て塩化アンモニアとアンモニア水を用いてpH10に調整し、Niイオン濃度は0.1ppmおよび0.01ppmで行い、配位子の濃度は1.7×10~5mol/l(Niイオン0.1ppmと同濃度)、還元剤としてのヒドロキシルアミン塩酸塩は1.7×10~3mol/l(配位子の100倍)の濃度になるように添加した。結果を図8に示す。図8の9は配位子未添加でNiイオンの溶液に浸漬した結果である。図8の10はC−18を添加した溶液に浸漬したものであり、図8の11はC−18に還元剤を添加した溶液に浸漬したものである。クラウンエ−テルと還元剤を併用することにより吸着防止効果があった。また、図8の12はサイクラムを添加した溶液に浸漬したものであり、図8の13は、サイクラム添加溶液に還元剤を加えた溶液に浸漬した結果である。サイクラムの場合は、還元剤無添加でも効果があった。
【0045】(実施例5)次いで、還元剤の効果を確認するために、Cuイオン濃度を0.1ppmとし、Cuイオン1分子に対してTCPPを5分子添加した溶液に、さらに、ヒドロキシルアミンを添加して、ウェハを浸漬したときの、ヒドロキシルアミン添加量と吸着量との関係を調べた。この結果を図9に示す。Cuイオン1分子に対してヒドロキシルアミンを5分子添加した場合が、最も効果があった。なお、ヒドロキシルアミンを添加しない場合の吸着量については、図7の7を参照されたい。
【0046】(実施例6)次いで、実施例5とウェハの浸漬時間を変化させ、Cuイオンの吸着防止効果を確認した。浸漬時間は1分、6分、10分、30分そして60分で行った。Cuイオン濃度は0.1ppmとした。また配位子はTCPPを2.6×10~6mol/l(Cuイオンの濃度の2倍)の濃度になるように添加した。さらに還元剤としてヒドロキシルアミン塩酸塩を2.6×10~4mol/lの濃度になるように添加した。図10にウェハ浸漬時間とCuイオンの吸着量を示す。図10の16は配位子および還元剤無添加の吸着量の変化で、図10の17は配位子および還元剤を添加した吸着量の変化である。全ての時間範囲で90%以上の吸着防止効果が得られた。また、浸漬時間が30分程度でウェハ表面に吸着する金属イオンの量はほぼ飽和していると考えられる。従って浸漬時間をさらに長くしても同様の効果が得られると考えられる。
【0047】(実施例7)次いで、配位子が金属イオンに十分に配位するように、汚染液に配位子を添加した後加熱することによってさらに吸着防止効果が大きくなることを示す。金属イオンはCuイオンを用い配位子としてはTCPPを用いた。まず、0.001ppmから0.3ppmまでのCuイオンを含む溶液に塩化アンモニアとアンモニア水を加えpH10に調整し、汚染液とした。該汚染液に前処理を行ったウェハを30分間浸漬し、水洗、乾燥を行い、ウェハ表面のCuイオン吸着量を測定した。結果を図11の18に示す。次に、上記汚染液にTCPPをCuイオンの5倍の分子数になるように添加した場合の結果を図11の27に示す。さらに、該TCPP添加後の汚染液を、80℃に保ったウォ−タ−バスで1時間加熱し、その後常温まで冷却し、塩化アンモニアとアンモニア水でpH10に調整し汚染液に前処理を行ったウェハを30分間浸漬し、水洗、乾燥を行い、ウェハ表面のCuイオン吸着量を測定した。結果を図11の19に示す。図11より、TCPPを添加し、さらに加熱した場合は、低濃度になるに従って大幅に吸着低減効果が大きくなることが判る。0.01ppm以下で2桁以上の効果が見られる。
【0048】(実施例8)次いで、pH変化による吸着低減効果を確認した。金属イオンはCuイオンを用い濃度は0.01ppmとした。pHは4から11まで変化させた。まず、各pHの汚染液を調整し汚染液に前処理を行ったウェハを30分間浸漬し、水洗、乾燥を行い、ウェハ表面のCuイオン吸着量を測定した。結果を図12の20に示す。次に、上記汚染液にTCPPをCuイオン分子の数の5倍の分子数になるように添加し、80℃に保ったウォ−タ−バスで1時間加熱し、その後常温まで冷却し、塩化アンモニアとアンモニア水でそれぞれのpH値に調整した溶液に前処理を行ったウェハを30分間浸漬し、水洗、乾燥を行い、ウェハ表面のCuイオン吸着量を測定した。結果を図12の21に示す。図12より、pH4からpH11の全範囲で吸着防止効果が得られた。
【0049】(実施例9)本発明を実施するための洗浄システムの一例を図13に示す。図13において、超純水製造部22で製造された超純水と、配位子貯蔵部23から混合量調節器24を介して供給される配位子が、洗浄槽25に送られて混合され、ウェハ搬送系26から洗浄槽25に運ばれるウェハの洗浄に用いられる。
【0050】
【発明の効果】本発明の洗浄剤によれば、半導体基板などの基板表面をエッチングにより変化させることなく、洗浄工程において水溶液による洗浄を行い、重金属イオンを効果的に除去でき、また、重金属イオンの付着防止もできる。従って、エッチング余裕のない半導体基板表面からの重金属イオンの除去に有用である。また、半導体基板に限らず、液晶基板など、洗浄により重金属イオンを除去する場合に有用である。




 

 


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