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発明の名称 耐食性磁性膜およびこれを用いた磁気ヘッド
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−53039
公開日 平成6年(1994)2月25日
出願番号 特願平4−206435
出願日 平成4年(1992)8月3日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 中村 斉 / 大友 茂一
要約 目的
低磁歪、高飽和磁束密度で良好な軟磁気特性を有し、しかも優れた耐食性を有する磁気ヘッド用の強磁性金属膜を得る。

構成
FeMNC系合金膜(但し、MはHf、Zr、Ta、Nb、W、Ti、Mo、Vより選ばれる少なくとも一種以上の元素、NはCr,Rh,Ruより選ばれる少なくとも一種以上の元素、Cは炭素)にSm、Nd等の希土類元素を添加した強磁性金属膜。
特許請求の範囲
【請求項1】Hf、Zr、Ta、Nb、W、Ti、Mo、Vより選ばれる少なくとも一種以上の元素とCr,Rh,Ruより選ばれる少なくとも一種以上の元素、さらにはCを含むFeを主成分とする強磁性金属膜中に少なくとも一種以上の希土類元素を添加した磁性膜において、上記Hf、Zr、Ta、Nb、W、Ti、Mo、Vより選ばれる元素の強磁性金属膜中の総濃度が0.5から20at%、上記Cr,Rh,Ruより選ばれる元素の強磁性金属膜中の総濃度が0.5から1.4at%、上記C濃度が2.0から20at%、さらに上記希土類元素の強磁性金属膜中の総濃度が0.5から10at%であることを特徴とする耐食性磁性膜。
【請求項2】Hf、Zr、Ta、Nb、W、Ti、Mo、Vより選ばれる少なくとも一種以上の元素とCr,Rh,Ruより選ばれる少なくとも一種以上の元素、さらにはCを含むFeを主成分とする強磁性金属膜中に少なくとも一種以上の希土類元素を添加した磁性膜において、上記Hf、Zr、Ta、Nb、W、Ti、Mo、Vより選ばれる元素の強磁性金属膜中の総濃度が10.1から20at%、上記Cr,Rh,Ruより選ばれる元素の強磁性金属膜中の総濃度が1.5から12at%、上記C濃度が2.0から20at%、さらに上記希土類元素の強磁性金属膜中の総濃度が0.5から10at%であることを特徴とする耐食性磁性膜。
【請求項3】請求項1および請求項2記載の希土類元素がCe,Pr,Nd,Sm,Tb,Dy,Gdより選ばれることを特徴とする耐食性磁性膜。
【請求項4】Hf、Zr、Ta、Nb、W、Ti、Mo、Vより選ばれる少なくとも一種以上の元素とCr,Rh,Ruより選ばれる少なくとも一種以上の元素、さらにはCを含み、Feを主成分としCoおよび/あるいはNiを含む強磁性金属膜中に少なくとも一種以上の希土類元素を添加した磁性膜において、上記Hf、Zr、Ta、Nb、W、Ti、Mo、Vより選ばれる元素の強磁性金属膜中の総濃度が0.5から20at%、上記Cr,Rh,Ruより選ばれる元素の強磁性金属膜中の総濃度が0.5から1.4at%、上記C濃度が2.0から20at%、上記Coおよび/あるいはNiの総濃度が15at%以下で、さらに上記希土類元素の強磁性金属膜中の総濃度が0.5から10at%であることを特徴とする耐食性磁性膜。
【請求項5】Hf、Zr、Ta、Nb、W、Ti、Mo、Vより選ばれる少なくとも一種以上の元素とCr,Rh,Ruより選ばれる少なくとも一種以上の元素、さらにはCを含み、Feを主成分としCoおよび/あるいはNiを含む強磁性金属膜中に少なくとも一種以上の希土類元素を添加した磁性膜において、上記Hf、Zr、Ta、Nb、W、Ti、Mo、Vより選ばれる元素の強磁性金属膜中の総濃度が10.1から20at%、上記Cr,Rh,Ruより選ばれる元素の強磁性金属膜中の総濃度が1.5から12at%、上記C濃度が2.0から20at%、上記Coおよび/あるいはNiの総濃度が15at%以下で、さらに上記希土類元素の強磁性金属膜中の総濃度が0.5から10at%であることを特徴とする耐食性磁性膜。
【請求項6】請求項4藻または請求項5記載の希土類元素がCe,Pr,Nd,Sm,Tb,Dy,Gdより選ばれることを特徴とする耐食性磁性膜。
【請求項7】請求項1から請求項6のうちいずれかに記載した高耐食性磁性膜を磁気ヘッドコアの少なくとも一部に用いたことを特徴とする磁気ヘッド。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高飽和磁束密度、高透磁率、高耐熱性でしかも耐食性に優れた磁性膜に関し、特に磁気ディスク装置やデジタルVTRなどに用いられる磁気ヘッドや磁気ヘッドのコア材に適した強磁性金属膜に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録の高密度化に伴い、高保磁力媒体にも充分な書き込みが可能な Metalin Gap ヘッドが注目されている。しかし、Metal in Gap ヘッドはガラスボンディングという高温プロセスを必要とするため、熱安定性の高い磁性膜が要求される。Metal in Gap ヘッドに用いられる比較的熱安定性の高い磁性膜としてはCo系の非晶質合金、センダスト合金さらには特開平3−20444に示されたFe(Ti,Zr,Hf,Nb,Ta,Mo,W)Cで表されるような炭素を比較的多量に含む磁性合金などが知られている。これ等の磁性膜について恒温恒湿試験や塩水噴霧試験により膜の耐食性を評価した結果、Co系の非晶質合金およびセンダスト合金では比較的優れた耐食性を示すが、良好な軟磁気特性を示す組成での飽和磁束密度は1.1〜1.3Tと比較的低い。これに対し、Fe(Ti,Zr,Hf,Nb,Ta,Mo,W)Cで表されるような炭素を比較的多量に含む磁性合金では良好な軟磁気特性を示す組成での飽和磁束密度が1.5〜1.6Tと高いにもかかわらず、耐食性に問題があり、磁気ヘッド作製プロセス中に腐食したりあるいは長期にわたり記録再生試験を行うと再生出力が低下する等、膜の腐食に関連する問題が生ずることが明らかとなった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】比較的高い飽和磁束密度を示す上記Fe(Ti,Zr,Hf,Nb,Ta,Mo,W)C膜の耐食性向上を目的に、従来から耐食性向上に効果があるといわれている元素(Cr,Rh,Ru)を添加し耐食性を調べた。その結果、いずれの元素も耐食性向上には効果があり、特にCrは耐食性ばかりでなく膜の軟磁気特性をも改善する効果があることが分かった。しかし、いずれの元素も耐食性を向上させるために添加量を増やすと磁歪は正側に増加し、良好な耐食性が得られる組成では磁歪が20×10~7以上と大きくなり低磁歪の膜が得られなかった。
【0004】本発明の目的は、膜の耐食性がセンダスト合金なみに優れ、しかも低磁歪でセンダスト合金と同等以上の飽和磁束密度を有する磁性膜およびこれを用いた高密度磁気記録用の磁気ヘッドを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等はFeMNC合金膜(但し、MはIVa,Va,VIa族より選ばれる元素、NはCr,Rh,Ruより選ばれる元素)に種々の元素を添加し、低磁歪でしかも良好な軟磁気特性を示す元素の組合せについて検討した。その結果、MとしてHf、Zr、Ta、Nb、W、Ti、Mo、Vより選ばれる少なくとも一種以上の元素、NとしてCr,Rh,Ruより選ばれる少なくとも一種以上の元素からなるFeMNC合金膜に、さらにSm、Nd等の希土類元素を添加することにより低磁歪で良好な軟磁気特性が得られ、しかも比較的良好な耐食性を示すことが分かった(特願平4−121652号)。しかし、さらに広範囲な組成について検討した結果、低磁歪で良好な軟磁気特性が得られ、しかも良好な耐食性を示す領域は、さらに広範囲にわたっているいることが明らかとなり、本発明となった。
【0006】また、本発明の磁性膜を磁気ヘッドの磁気回路の少なくとも一部に用いることにより、優れた記録再生特性を有する磁気ヘッドを得ることができた。
【0007】
【作用】上述のFeMNC合金膜において、M元素は熱処理によりカ−バイドとなり、主にFeの結晶粒界に析出してFeの結晶粒成長を抑制し、膜の耐熱性向上に寄与する。Cr,Rh,Ruより選ばれた元素Nはメカニズムについては明らかではないが膜の耐食性向上に寄与し、さらにSm、Nd等の希土類元素の添加は上記FeMNC系の合金膜において軟磁性を損なわずに磁歪を低減する効果があることが分かった。FeMNC系合金膜において耐食性がセンダスト合金なみに優れ、低磁歪で良好な軟磁気特性を示し、しかもセンダスト合金と同等以上の飽和磁束密度を示す膜組成領域について検討した結果、特願平4−121652号で報告した組成範囲以外に、Feを主成分とする強磁性膜にHf、Zr、Ta、Nb、W、Ti、Mo、Vより選ばれる元素の膜中での総濃度が0.5から20at%、Cr,Rh,Ruより選ばれる元素の膜中の総濃度が0.5から1.4at%、C濃度が2.0から20at%、さらに希土類元素の膜中での総濃度が0.5から10at%の組成範囲と、Feを主成分とする強磁性膜にHf、Zr、Ta、Nb、W、Ti、Mo、Vより選ばれる元素の膜中の総濃度が10.1から20at%、Cr,Rh,Ruより選ばれる元素の膜中の総濃度が1.5から12at%、C濃度が2.0から20at%、さらに希土類元素の膜中での総濃度が0.5から10at%の組成範囲において良好な特性の材料を得ることができた。またFeの一部をCoおよび/あるいはNiで置換しても同様に優れた特性の材料を得ることができ、この場合の総添加量としては15at%以下が望ましいことが分かった。
【0008】
【実施例】以下に表を用いて本発明を説明する。
【0009】実施例1磁性膜の作製にはRFスパッタリング装置を用いた。スパッタリングは以下の条件で行った。
【0010】
イオンガス Arスパッタリング時のガス圧 6.6×10~1Pa高周波電力 400W基板温度 50〜100℃(水冷)
本実施例ではFeタ−ゲット上に添加元素のチップを貼付た複合タ−ゲットを用いて膜作製を行った。基板には直径10mmの結晶化ガラスを用いた。膜厚2μmの種々の組成の膜を作製し、Arガス雰囲気中で550℃、1時間の熱処理を行い、磁気特性の測定と耐食性試験を行った結果を表1に示す。表中、磁性膜の組成はEPMA法により求めた結果である。特に炭素については燃焼赤外吸収法等他の手法を併用し確認を行ったが、若干の誤差は含まれるものと考えられる。保磁力はB−Hカ−ブトレ−サ、飽和磁束密度はVSM、磁歪は光テコ法により求め、また耐食性の評価は恒温恒湿試験(80℃,90%)により膜の磁化が10%減少した時間で表した。
【0011】
【表1】

【0012】この結果、番号1から3のCr,Rh等の元素を無添加あるいは少量添加した膜では低磁歪で比較的良好な軟磁気特性を示すが耐食性に問題があることが分かった。また番号4から6に示したCr,Rh等の元素を比較的多く添加した膜では比較的良好な軟磁気特性と耐食性を示すが、磁歪が非常に大きくなることが分かった。これに対し、番号7から11に示したようなFeを主成分とし、Hf、Zr、Ta、Nb、W、Ti、Mo、Vより選ばれる元素、Cr,Rh,Ruより選ばれる元素と、Cさらには希土類元素を同時に含む膜では低磁歪で良好な軟磁気特性を示し、しかも耐食性も良好であることから、磁気ディスク装置やデジタルVTRのような高密度磁気記録用の磁気ヘッドコア材に適した材料であることが分かった。
【0013】実施例2実施例1の表1に示された膜の中から代表的なものについて磁気ヘッドを試作し、保磁力1500Oeのメタルテ−プを用いて長期にわたる記録再生試験を行った。実験は実施例1と同様に80℃,90%の恒温恒湿試験を行いながら、定期的に上記の測定系を用いて記録再生特性の測定を行い、再生出力の変化を調べた。磁気ヘッドには特開昭62−60113に示されたフェライト基板上に上記強磁性膜を形成した構造のものを用いた。磁性膜膜厚はいずれも6μmである。表2に恒温恒湿試験時間に対する再生出力(mVp−p)の測定結果を示す。
【0014】
【表2】

【0015】表2の恒温恒湿試験による再生出力の変化から、本発明による強磁性金属膜の耐食性はセンダスト合金なみに優れ、再生出力はセンダスト合金やFe77Zr910Cr4膜をコア材に用いた磁気ヘッドと同等以上で、50日の恒温恒湿試験後でも再生出力の低下は20%程度であった。これは本発明の強磁性金属膜が低磁歪、高飽和磁束密度でしかも耐食性も良好なためと考えられる。これに対し、FeTaC膜は本発明と同程度の高い飽和磁束密度を示すにもかかわらず、耐食性が劣るために再生出力は急激に低下したものと考えられる。また、高飽和磁束密度材料であるFeZrCCr膜を用いた磁気ヘッドの再生出力が低い原因は磁歪が大きい(25×10~7)ためと思われる。
【0016】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は高飽和磁束密度で良好な軟磁気特性を有し、耐食性の良好な膜の低磁歪化に効果がある。また本発明の強磁性金属膜を磁気ヘッドコアあるいは磁気ヘッドコアの一部に用いることにより記録再生特性に優れ、しかも優れた耐食性を有する磁気ヘッドを得るのに効果がある。




 

 


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