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発明の名称 固体高分子型燃料電池
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−52871
公開日 平成6年(1994)2月25日
出願番号 特願平5−131657
出願日 平成5年(1993)6月2日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 今橋 甚一 / 堀場 達雄 / 村中 廉
要約 目的
空気極と電解質との界面での水のフラッデイングの防止、ガス拡散の促進と触媒活性表面の有効利用による電池出力特性の向上。

構成
固体高分子電解質膜の両側に水素極および空気極を設けた燃料電池において、空気極よりも水素極の撥水性を高くする。
特許請求の範囲
【請求項1】固体高分子電解質膜と、その電解質膜を挟むように設けられたガス拡散電極である水素極及び酸素極と、水素含有ガス及び酸素含有ガスを該水素極及び該酸素極に供給する手段とを具備し、該ガス拡散電極が、カーボン担体と、それに担持された活性成分,プロトン伝導体及び撥水性結着剤とからなる触媒層及びガス拡散層を兼ねた電子伝導体とから構成され、該水素極側の触媒層の撥水性が該酸素極側の触媒層の撥水性よりも高いことを特徴とする固体高分子型燃料電池。
【請求項2】水素極の触媒層及び酸素極の触媒層の撥水性は、それぞれのガス拡散層側よりも固体高分子電解質膜側の方が低く、また、酸素極の触媒層の固体高分子電解質膜側の撥水性は、水素極の触媒層の固体高分子電解質膜側の撥水性より低いことを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
【請求項3】撥水性結着剤の量が、水素極及び酸素極のそれぞれの触媒層の全量に対して、酸素極については10〜40重量%であり、水素極については20〜50重量%であり、水素極のその量は酸素極のその量よりもその差において10重量%以上多いことを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
【請求項4】撥水性結着剤の量が、水素極及び酸素極のそれぞれの触媒層の全量に対して、酸素極については、10〜30重量%であり、水素極については20〜40重量%であり、水素極のその量は酸素極のその量よりもその差において10重量%以上多いことを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
【請求項5】水素極の固体高分子電解質膜側の触媒層の撥水性結着剤の量は、酸素極の固体高分子電解質膜側のそれよりも、その差において10重量%以上多いことを特徴とする請求項2に記載の固体高分子型燃料電池。
【請求項6】水素極の触媒層が、酸素極の触媒層の気孔率よりも小さい気孔率を有することを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
【請求項7】気孔率が水素極の触媒層について35〜60%であり、酸素極の触媒層について40〜65%であることを特徴とする請求項3に記載の固体高分子型燃料電池。
【請求項8】酸素極の触媒層および水素極の触媒層はそれぞれ2層以上の多層であり、かつ各触媒層の中でガス拡散層側の方が撥水性が高いことを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
【請求項9】固体高分子電解質膜が、パーフルオロスルホン酸樹脂あるいはパーフルオロカルボン酸樹脂からなることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
【請求項10】活性成分は、白金族金属からなることを特徴とする請求項1に記載の固体高分子型燃料電池。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は固体高分子型燃料電池に係り、特に固体高分子電解質型水素−酸素燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】固体高分子型燃料電池は、一般に2つの集電体と、固体高分子電解質膜(以下、単に「電解質膜」という)と、電解質膜を挟む2つの電極と、燃料としての水素及び酸化剤としての酸素を供給する手段とを具備する。両電極は触媒活性成分と、この触媒活性成分を担持する担体と、上記電解質と同じ固体高分子のイオン(プロトン)伝導体と、これらを固める結着剤とから構成された触媒層を有する。2つの電極は水素極と酸素極とであり、それぞれにおける電気化学反応は次の通りである。
【0003】水素極においては、水素分子がイオン化されてプロトンになり、電子を放出する。
【0004】プロトンは電極内のイオン伝導体を伝導して、電解質膜に到達し、さらに電解質膜内を通過して、反対側の酸素極に移動する。一方、放出された電子は外部回路を通って酸素極へ移動する。酸素極ではプロトンが水素極から放出された電子と結合して水が生成される。
【0005】上記燃料電池の反応プロセスは主に次の4つの段階からなる。
【0006】(A)水素及び酸素の触媒表面への拡散、(B)水素極及び酸素極内の触媒表面での反応、(C)プロトンの両極内部及び電解質内部における伝導、及び(D)水の放出。
【0007】それぞれの段階における燃料ガスの拡散の程度及び反応速度の程度が電池出力特性に大きく影響する。
【0008】上記(A)の段階では、燃料の触媒表面への供給及び拡散を効率的に行うことが有効であり、特開昭60−35472 号公報の図1に示されているような波型集電体、特開平3−102774 号公報又は特開平2−86071号公報等に開示されているような矩形溝を有するカーボンプレートを使用することが提案されている。これらの波型集電体や矩形溝を有するカーボンプレートの溝を有する側を電極に接触させると、接触面に空間が生じ、この空間を通して燃料が電極表面に拡散する。固体高分子型燃料電池では通常上記のような構造が採用されており、ある程度の出力が発現されている。
【0009】電解質膜を通過してきたプロトンは、電解質膜と酸素極との界面で酸素との反応が進み酸素極界面では水が生成され、特に高電流密度では水膜が形成され、いわゆるフラッデイング現象が生じる。この水膜のために電極内を拡散してきた酸素ガスと触媒との接触効率が低下し、出力密度の減少が起こり易くなり電池性能が不安定化する。このフラッデイング現象は特に酸素極と電解質の界面で生じやすい。そこでこの生成水を系外に除去する必要がある。
【0010】そのために米国特許第4,643,957 号において電極の撥水性を制御してフラッデイング現象を解消することを提案している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水素極及び酸素極のガスの拡散を高い効率で行うため、水素極では水素分子から生成するプロトンの移動を促進させ、酸素極では水のフラッデイングを防止し、電極触媒層とガスとの接触効率を向上するとともに、電極と電解質膜の界面で生じる酸化還元反応を加速する電極構造を有する、固体高分子型燃料電池を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、固体高分子電解質膜とその電解質を挟むように設けたガス拡散電極である水素極及び酸素極と、水素含有ガス及び酸素含有ガスをそれぞれ水素極及び酸素極に供給する手段とを具備し、該ガス拡散電極は、カーボン担体と、それに担持された活性成分と、プロトン伝導体及び撥水性結着剤とからなる触媒層及びガス拡散層を兼ねた電子伝導体とから構成され、該触媒層の撥水性が、酸素極側よりも水素極側の方が高いことを特徴とする固体高分子型燃料電池である。
【0013】本発明によれば、各電極の触媒層の撥水性をある特定の条件下に制御することにより、固体高分子型燃料電池の電池性能を向上させることができる。
【0014】本発明の一例によれば、水素極の撥水性は、ガス拡散層よりも電解質膜の方が低く、また酸素極の触媒層内の撥水性も同様にガス拡散層よりも電解質膜側の方が低く、しかも水素極の触媒層の電解質膜側の撥水性よりも酸素極の触媒層の電解質膜側の撥水性の方が低い。なお、酸素極及び水素極の両方において、触媒層を1層にしても良いが、2層以上の多層でも良い。
【0015】本発明によれば、水素極及び酸素極の両極の触媒層は、カーボン担体とそれに担持された活性成分(触媒),プロトン伝導体及び撥水性結着剤とからなる。活性成分は、白金又は白金族金属、例えば、ロジウム,ルテニウム,パラジウム及びイリジウムから選ばれることが好ましく、プロトン伝導体の材質は固体高分子電解質と同じであってもまた異なっていてもよい。また、撥水性結着剤はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素樹脂又は(CF)nで表されるフッ化黒鉛又はそれらの混合物が好適である。
【0016】本発明で使用する電解質は一般的に膜の形態であり、その材質は一般的に使用されるパーフルオロスルホン酸樹脂,パーフルオロカルボン酸樹脂のような固体高分子樹脂類が好ましい。
【0017】本発明の基本的な電池構造を図1に示す。燃料電池は固体高分子電解質膜1と、その両側に設けた水素極2及び酸素極3と、その外側に設けた集電体4とからなっている。集電体4にはいくつかのガス供給溝が設けられている。2つの集電体4を向かい合わせてその間に電解質膜1と電極2,3とをはさみ、ガスシール5によりガスの漏れを防ぐ。図2は図1の電解質膜と電極の拡大図であり、本発明の水素極2と酸素極3と固体高分子電解質膜1との配置関係を示す。水素極2は、触媒層6とガス拡散層(電子伝導体として作用する)7とからなり、酸素極3は触媒層8とガス拡散層(電子伝導体として作用する)9とからなる。ガス拡散層は、たとえばカーボン繊維を成型し、焼結して得ることができる。電解質膜1,触媒層6とガス拡散層7,触媒層8とガス拡散層9を上記のように配置して加圧一体化する。各触媒層は活性成分,カーボン担体,プロトン伝導体及び撥水性結着剤を混合し、成型して得られる。重要なことは、酸素極の撥水性よりも水素極の撥水性の方が高いことである。
【0018】上記のように、本発明は酸素極よりも水素極の撥水性を高めることにより、水素極では触媒層の濡れ性が制御され、電極の細孔内での電極反応を促進させると共に、酸素極の方が親水性が強いため、水分の移動が容易になることから、水分の系外排出が簡単となり、両極のガス拡散性を改善することで、電池性能を向上させ、かつ安定化させたことにある。
【0019】撥水性の制御には、撥水性結着剤の量を変化させて触媒層に添加して行う場合と、撥水性の程度が異なる結着剤をそれぞれの触媒層中に添加して行う場合とがある。前者は触媒層の細孔構造を変化させることなく撥水性を制御できることが特徴である。後者は触媒層の細孔構造を多少変化させるものの簡便で実用的な方法である。撥水性結着剤には、上記したように、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などのフッ素樹脂、(CF)nで代表されるフッ化黒鉛又はそれらの混合物等が使用可能であるが、電気的に抵抗体であることから、多量に含めることができない。たとえば、撥水性結着剤がポリテトラフルオロエチレンの場合、その量は水素極及び酸素極のそれぞれの触媒層の全量に対して、酸素極については10〜40重量%、好ましくは10〜30重量%であり、水素極について20〜50重量%、好ましくは20〜40重量%であり、水素極のその量は酸素極のその量よりもその差において10重量%以上多い。他の撥水性結着剤でも同様の量の範囲である。プロトン伝導体のイオン交換基は親水的であるがその他の部分は必ずしも親水的ではない。材料によって異なる。そのため、プロトン伝導体の添加効果は撥水剤の場合ほど顕著でないが、添加量が増加すれば親水基は増加し、確実に親水性が高まる。このようにして、酸素極の触媒層の撥水性を水素極の触媒層のそれよりも低く抑えることも可能である。
【0020】触媒層に添加して有効反応表面積の拡大を図るためのイオン伝導体は、酸化および還元雰囲気に触れるという厳しい使用条件のため、化学的安定性の高いパーフルオロスルホン酸樹脂あるいはパーフルオロカルボン酸樹脂などが特に好ましい。
【0021】電極を調製するには、塗布方法が適している。この方法は、予め活性成分を担持したカーボン担体触媒,プロトン伝導体,撥水性結着剤を混合し、ガス拡散層である電子伝導体に塗布することからなる。この方法で電極を調製すると電極の撥水性は、上述のように、撥水性結着剤の添加量を調製して任意に選定できる。また、撥水性の濃度勾配を形成するには、触媒及びプロトン伝導体を混合し、電子伝導体上に塗布し触媒層を形成しておく。その触媒層の表面に撥水性結着剤を分散した溶液を含浸する方法、あるいは撥水性の異なる二層電極を積層して一体化する方法などがある。気孔率の調製は、異なる粒子径の触媒担体,撥水剤およびそれらの量を変化させることにより可能である。
【0022】触媒成分の調製には貴金属を予め担持した触媒層を電子伝導体状に薄膜として形成する。さらに、その表面から新たに貴金属成分を付加する方法も良い。その方法として、貴金属化合物溶液の含浸,めっき,蒸着,イオン打ち込み等で堆積させることができる。
【0023】
【作用】燃料電池においては、水素極には電解質膜の乾燥防止及びプロトンの移動を促進するために水分を添加している。触媒層の撥水性が十分でない場合は、その水分により触媒細孔がおおわれガスの拡散が阻害される。また、酸素極の撥水性が水素極よりも高い場合には電解質膜中へ移動する水分の移動量が不十分になり、電解質膜が乾燥状態になるのでプロトンの移動が阻害され、電極反応が進行せずに、電池性能が低下する。一方、酸素極ではプロトンと同伴する水和水と電極反応で生成する水分の系外への排出を促進させ、同時に電極反応に必要な酸素ガスの拡散性を向上させる必要がある。
【0024】本発明では、水素極の撥水性を酸素極よりも高くすることにより、水素極触媒層の濡れ性を制御し、余剰の水分は水素極触媒層外に排出するようにした。そのため、電解質膜には十分な水分の補給がされるようになり、プロトンの移動抵抗を低減し、また酸素極からの水の排出を促進し、電解質膜から供給される水や生成水によるフラッデイングを防止している。その結果、有効反応面積の拡大と安定維持が可能となり、高出力密度かつ安定な性能の電池が実現できる。しかし、水素極の撥水性を酸素極よりも高くすることは、通常の水素−酸素燃料電池とは異なる。すなわち、水素の方が酸素よりも電気化学的反応活性と拡散性のいずれにおいても優れている。そのため、酸素極のガス拡散性と反応表面積の確保が性能維持のために重要な課題となり、酸素極の撥水性を高くするように工夫されている。しかし、固体高分子型水素−酸素燃料電池では、従来の常識に反するような、本発明の作用効果が認められた。しかしながら、固体高分子型燃料電池という特殊性はあっても、酸素の拡散性の低さは変わらないので、酸素極の撥水性を極端に低くすることは出来ない。おのずから限界はある。撥水剤がPTFEのときにはその下限は10重量%である。
【0025】水素極触媒層の撥水性をガス拡散層側よりも固体高分子電解質膜側の方が低くなるようにし、酸素極触媒層の撥水性を水素極触媒層の固体高分子電解質側よりもさらに低くし、さらに、酸素極側のガス拡散層の撥水性が電極触媒層よりも高撥水性になるようにしたことにより、水素極から空気極への水の流れを促進するとともに、ガス拡散層への水の浸入を阻止し、ガスの移動を容易にすることができる。また、電極触媒層に添加するプロトン伝導体の濃度、あるいは電極触媒層の気孔率等によっても同様に電極の撥水性ないしは親水性を調整できる。電極触媒の気孔率を説明すると、水素極に供給される水素は、分子サイズが小さく拡散が良いので、酸素極よりも気孔率が低くともガスの拡散は容易であり、ガスの供給が不良になることはない。酸素極では酸素の拡散性が低く、反応性も低いので気孔率を高めて、充分な量を供給することが重要である。しかし、電極の気孔率には適正範囲があり、気孔率が低過ぎるとガスの拡散性が低下し、電極反応が進行しなくなる。また、気孔率が高過ぎると電極触媒層の電気抵抗が高くなり、さらには、供給ガスにより触媒層が乾燥しやすく、反応場の有効面積の維持が困難になり電極性能が発現しなくなる。従って、気孔率には適正範囲があり、検討の結果によれば、水素極では35〜60%が、酸素極では40〜65%程度が良好であり、水素極よりも酸素極の気孔率を5%以上高くした方が、両極間の水バランスの上で効果があるが、電極性能を向上させるためには10%以上が適している。
【0026】以下、本発明を実施例により説明するが、これに限定されることはない。
【0027】
【実施例】
実施例1カーボン粉末に白金を担持した電極触媒をプロトン伝導体であるパーフルオロスルホン酸系陽イオン交換樹脂(Aldrich Chemical 社製,Nafion液)、およびPTFEの水系懸濁液とともに十分に混練してペーストを調製し、電子伝導体(ガス拡散層)である細孔径約100μm,厚み100μmのカーボンペーパに塗布した。それを80℃で乾燥して電極を得た。上記電子伝導体は、カーボンペーパにPTFEの水系懸濁液を、PTFE塗布量12mg/cm2 の割合で塗布し、350℃で焼成して得た。水素極の組成は、白金量0.3mg/cm2,プロトン伝導体30重量%,PTFE30重量%とした。酸素極の組成は白金量0.3mg/cm2、上記と同じプロトン伝導体20重量%,PTFE20重量%とした。
【0028】本発明と比較のために、水素極及び酸素極とも白金量0.3mg/cm2,プロトン伝導体20重量%,PTFE20重量%と同一組成にした電極を、比較対象の従来品として作成した。
【0029】以上の電極の固体高分子電解質膜への接着はホットプレス法により行った。電解質膜には、Du Pont 社製 Nafion 117 を用いた。水素極および酸素極を電解質膜の両側に配したものを100kg/cm2 の圧力で温度120℃で15分プレスした。以上のように作製した電極を測定セルに組込み、電流密度−電圧特性を80℃,1気圧の条件で測定した。その結果を図3に示す。
【0030】従来型の電極11は限界電流密度が200mA/cm2 であることを示しているのに対して、本発明の電極10の限界電流密度は450mA/cm2 を越えた。このように酸素極よりも水素極の撥水性を高くすることにより、大幅に電池性能を向上することができた。
【0031】実施例2電極の調製方法は次の通りであった。カーボン担体に白金を担持した触媒とプロトン伝導体であるパーフルオロカルボン酸樹脂とを充分に混練して触媒ペーストを得た。このペーストを、ロールプレスで圧延して複数のシートを得た。これらのシートにPTFE濃度が20重量%のPTFE水系懸濁液を含浸させ、80℃で乾燥して、シート状触媒層を得た。次に、シート状触媒層にPTFE濃度を変えたPTFE水系懸濁液を含浸させ、80℃で乾燥した。更に、もう一つのPTFE濃度を変えたPTFE水系懸濁液を含浸させ、80℃で乾燥した。このようにして、水素極及び酸素極ともに触媒層の厚さ方向に撥水剤の濃度勾配がある電極を作成した。水素極の触媒層の撥水剤濃度は電解質側で20重量%,ガス拡散層側で40重量%となるように濃度勾配を有している。酸素極の触媒層の撥水剤濃度は、電解質膜側で10重量%,ガス拡散側で30重量%となるように濃度勾配を有した。水素極と酸素極の撥水剤濃度の差は少なくとも10重量%あった。
【0032】得られたシート状触媒層をカーボンペーパにロールプレスで一体化し、電極を得た。以下、実施例1と同一条件で比較した。得られた結果を図4に示す。本発明の電池性能は、本発明の電池性能を示す曲線12から、限界電流密度は500mA/cm2 を越えた。このように水素極および酸素極それぞれの触媒層内に撥水剤濃度勾配を与えることにより、電池性能が大幅に向上することが判った。
【0033】実施例3以下のようにして、水素極及び酸素極のそれぞれの触媒層内において電子伝導体すなわちガス拡散層側と電解質側との間で気孔率の異なる電極を作製した。両極をそれぞれ2層にした。水素極の触媒層の電子伝導体側は、、白金を坦持した平均粒径3μmのカーボン担体の粒子、30重量%のイオン交換樹脂(パーフルオロスルホン酸樹脂)及び40重量%のPTFEを混練して、ペーストを得た。このペーストをカーボンペーパに塗布し、80℃で乾燥した。さらにその上に白金を担持した平均粒径1μmのカーボン担体の粒子、30重量%のイオン交換樹脂および40重量%のPTFE40重量%を混練して得たペーストを塗布し、80℃で乾燥した。このようにして、気孔率が電子伝導体側で50%,電解質膜側で40%にした水素極が得られた。酸素極の触媒層は、白金触媒を担持した平均粒径6μmのカーボン担体の粒子,20重量%のイオン交換樹脂(パーフルオロスルホン酸樹脂)及び30重量%のPTFEを混練して得たペーストをカーボンペーパに塗布し、80℃で乾燥して得、さらにその上に、白金触媒を担持した平均粒径3μmのカーボン担体の粒子、20重量%の同じイオン交換樹脂及び30重量%のPTFEを混練して得たペーストをカーボンペーパに塗布し、80℃で乾燥して得た。その結果、電解質膜側の気孔率は50%,電子伝導体側の気孔率は60%であった。実施例1と同じ条件で比較を行った。得られた結果を図5に示す。本発明の電池性能を示す曲線13により限界電流密度は500mA/cm2 を超えることが分かった。このように水素極より酸素極の気孔率を高くすることにより、大幅に電池性能を向上することが出来た。
【0034】以上の結果から明らかなように、本発明により固体高分子型燃料電池の酸素極及び水素極の活性を従来のものより大幅に向上でき、約2〜3倍の出力密度を得ることが可能である。
【0035】
【発明の効果】本発明により固体高分子電解質型水素−空気(酸素)燃料電池の空気(酸素)極の活性を従来のものよりも大幅に向上でき、電池性能を飛躍的に向上できる。




 

 


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