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発明の名称 レーザアニール装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−45272
公開日 平成6年(1994)2月18日
出願番号 特願平4−193716
出願日 平成4年(1992)7月21日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 武久 究 / 矢野 眞 / 桑原 皓二 / 小川 和宏 / 三上 佳朗
要約 目的


構成
Qスイッチにより、数十kHz程度の繰返し数で発生されたYAGレーザの第4高調波であるレーザ光6は、ポリゴンミラー7でスキャンされながら、シリコン基板2に照射される。レーザ光6はシングルモードで取り出されるため、トランジスタが形成される微小領域のみがアニールされる。
特許請求の範囲
【請求項1】Qスイッチを含むYAGレーザからのパルス状のレーザ光を波長変換したパルスレーザ光を、シリコンからなる膜に照射させることを特徴とするレーザアニール装置。
【請求項2】請求項1において、一枚のシリコンから成る膜に複数個のトランジスタを形成させる場合に、前記パルスレーザ光の1パルス分で、前記トランジスタの1個分のみをカバーする様に照射するレーザアニール装置。
【請求項3】請求項1において、シリコンからなる膜に複数個のトランジスタをマトリクス状に形成させる場合に、前記パルスレーザ光の1パルス分で、前記マトリクスの1列分に含まれる複数の前記トランジスタを複数個カバーする様に照射するレーザアニール装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザアニール装置に係り、特に、シリコンからなる膜(以下Si基板と示す。)にトランジスタ(一般にTFTと呼ばれる。)を形成する場合に、このSi基板をアニール処理するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、アモルファスシリコン膜を再結晶化させる一つの手段としてレーザアニールがある。これによると、チャネル層となるSi膜を非晶質状態で堆積した後、レーザ光を照射して多結晶に改質したり、あるいは、多結晶Siに照射して電子の移動度を高くすることができる。
【0003】従来、この種のレーザアニールには、エキシマレーザや、アルゴンイオンレーザ(以下、Arレーザと示す。)が用いられてきた。
【0004】エキシマレーザを用いる場合は、パルスレーザ光が取り出されるため、パルス光1発の照射で通常数mm角程度の部分をアニールできる。しかし、一般に数十cm四方の大きさであるSi基板のほぼ全面をアニールするには、パルスごとに照射位置を変えて、複数発照射する必要があった。
【0005】Arレーザを用いる場合は、連続出力(以下CWと示す。)で発振するため、パルスレーザ光に比べてパワーが低い。そこで、照射させるレーザ光の強度を高めるために、レーザ光をレンズで小さなスポット径に絞って、Si基板に照射させる必要があった。そのため、レーザ光を照射させながらスキャンさせることで、Si基板全面が照射される様にしていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】エキシマレーザを用いる場合は、基板上にパルスレーザ光が照射させる際に、ビームホモジナイザにより、ビームの強度分布を均一化して、パルス毎にレーザ光が僅かに重なり合う様に照射する。その結果、パルス光が2度照射される部分が生じ、この部分ではアニール処理後に電気的特性がばらつくことがあった。
【0007】Arレーザの場合は、レーザ光をレンズなどにより直径数十μ以下程度に小さく集光させて、しかもレーザ光のエネルギを十分吸収させるため、レーザ光を照射させながら、ゆっくりとスキャンさせる必要がある。したがって、1回のスキャンでアニールされる部分は、幅数十μ程度の細い帯状になる。その結果、Si基板全面をアニールするには、数千回もスキャンする必要があり、エキシマレーザの場合に比べて桁違いに長い時間が掛かっていた。
【0008】本発明の目的は、Si基板にトランジスタを形成させる場合に行うアニール処理を、電気的特性がばらつかず、かつ少ないエネルギで短時間に行うことができる装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するために、本発明はQスイッチを含むYAGレーザからのパルス状のレーザ光を波長変換したパルスレーザ光を、Si基板に照射させたものである。
【0010】また、一枚のSi基板に複数個のトランジスタを形成させる場合には、前記パルスレーザ光の1パルス分で、前記トランジスタ1個分のみをカバーする様に照射したものである。
【0011】また、一枚のSi基板に複数個のトランジスタをマトリクス状に形成させる場合に、アニール処理時間をさらに短縮するために、前記パルスレーザ光の1パルス分で、前記マトリクスの1列分に含まれる複数の前記トランジスタを複数個カバーする様に照射したものである。
【0012】
【作用】YAGレーザからのレーザ光を波長変換すると、波長約355nmの第3高調波、あるいは波長約266nmの第4高調波などの紫外光を発生できる。したがって、可視光を発生するArレーザの場合に比べて、Siに対する吸収が桁違いに強くなるため、アニール処理に必要なレーザ光の全エネルギと処理時間は、Arレーザの場合よりも少なくて済む。
【0013】しかも、エキシマレーザの場合とは異なり、波長変換によって発生させたレーザ光は、シングルモード、あるいは、シングルモードに近い低次モードになっている。その結果、レンズなどを用いると、数十μ以下の小さいスポット径に集光できる。しかも、Qスイッチによりパルス状に発生できるため、レーザ光の1パルス分でSi基板中のトランジスタ1個分を形成させる微小な部分のみを照射することができる。
【0014】また、シングルモード、あるいは、シングルモードに近い低次モードのレーザ光をシリンドリカルレンズなどにより細長い楕円状に集光する場合、その楕円の短辺に相当する集光幅は、数十μ以下程度になる。そのため、一枚のSi基板に複数個のトランジスタをマトリクス状に形成させる場合に、そのマトリクスの1列分に含まれる複数のトランジスタにレーザ光が照射される様にしても、隣り合う列の間のトランジスタが形成されない領域にはほとんどレーザ光が照射されない様にすることができる。
【0015】以上より、トランジスタが形成されない領域に照射させるレーザ光を減らすことができる。したがって、アニール処理に必要なレーザ光の全エネルギは、Si基板全面にレーザ光を照射させる場合に比べて少なくて済み、さらに、アニール処理に必要な時間も短くなる。
【0016】また、トランジスタ1個分を形成させる部分では複数のパルスレーザ光が重なり合う事がないため、アニール処理後に電気的特性がばらつかない。
【0017】また、一般に、Si基板一枚にはトランジスタを106 個程度形成させる必要があるが、YAGレーザがQスイッチを含むため、数kHzから数十kHz程度の高い繰返し動作でパルスレーザ光を発生できるため、アニール処理に必要な時間が従来より長くなることはない。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
【0019】図1は、本発明の一実施例のレーザアニール装置10を横から見た説明図である。この実施例では、連続的に複数のSi基板2,2′をアニールするところが示されている。
【0020】真空に引かれた容器1の中にはアニール処理を施すSi基板2,2′があり、これらはテーブル4の上で移動するベルトコンベア3の上に置かれている。繰返し数が数十kHzでシングルモードで紫外域のレーザ光を発生する紫外光レーザ5からレーザ光6が取り出され、レーザ光6はミラー8で上方に反射し、スキャン光学系として使われているポリゴンミラー7に当たり、窓9から容器の中に進み、Si基板2の表面に照射される。レーザ光6は集束しながら進んでいるため、Si基板2の面上に集光される様に照射される。
【0021】Si基板2上でレーザ光の照射される位置は、ポリゴンミラー7により、Si基板の移動方向とほぼ直交する方向にスキャンされる。また、Si基板2は、ベルトコンベア3により、図1で矢印20の方向に移動しているので、レーザ光はスキャンごとに少しずれた位置に照射される。それにより、照射位置はSi基板2の全面をカバーできる。ただし、レーザ光6はパルス状に発振しているため、レーザ光が照射される領域は多数のスポットとなり、これらはマトリクス状に配置され、これらの部分がアニールされる。また、レーザ光6はシングルモードであるため、集光されて生じるこれらのスポットは、数十μ程度の微小な寸法になる。
【0022】窓9は、紫外光に対して透過率の高い石英からなり、また、ポリゴンミラー7のスキャンによるレーザ光の照射位置を補正させるためにfθレンズに相当する形状になっている。これにより、時間的に等間隔で発振しているパルス状のレーザ光6が照射される多数のスポットは等間隔になり、それにより、Si基板2にトランジスタを形成させる領域を等間隔に作ることができる。
【0023】ここで、レーザ光がSi基板2上で照射される各スポット位置に関し、図2を用いて説明する。図2は容器1に対して上方から見たアニール処理の説明図である。ただし、実際には、不透明なカバーがあるため、容器1の中は図2の様に見ることはできない。
【0024】Si基板2の上面に図で微小の丸印で示されている部分は、パルスレーザ光のそれぞれのパルスが当たった所であり、マトリクス状に形成させるトランジスタの位置に対応している。図2ではSi基板2のほぼ中央に位置するスポット20にパルスレーザ光が、窓9の中央部を通って、照射された直後の様子が示されている。
【0025】また、Si基板2中に対して、レーザ光が図で上下方向にポリゴンミラーでスキャンされる間、Si基板2は矢印20の方向に移動している。そこで、Si基板2の辺に対して平行にスポットが形成される様にレーザ光をスキャンさせるために、ポリゴンミラーでスキャンされるレーザ光はSi基板の移動方向に直交する方向からわずかに斜めに照射される。
【0026】また、図1に示されている様に、レーザ光6はSi基板2上に対して、垂直方向より多少斜めに照射され、ここでスポットを形成する場合、レーザ光が照射される領域の形状は、長辺、及び短辺がそれぞれ約70μ、及び30μ程度の楕円形になる。この理由は、Si基板2に形成させるトランジスタの形状が長方形であることに対応させるためであり、この結果、1個のトランジスタが形成される微小な部分をちょうど良くカバーする領域のみがアニールされる。
【0027】尚、この場合のレーザ光の照射法を図3を用いて説明する。図3には、TFTが形成されるSi基板の1列の断片が示されている。トランジスタ形成領域22の形状は横50μ,縦10μ程度の微小な長方形であり、横100μ,縦300μの大きさの一つの画素の端に位置している。したがって、レーザ光照射領域23は一つのトランジスタ形成領域22をちょうど良くカバーするため、レーザ光をSi基板全面積の約7%だけ照射させればよい。
【0028】また、図1には示されていないが、レーザ光6をSi基板2に照射させる前にシリンドリカルレンズなどに通すことで、レーザ光の照射領域をより細長い楕円形状にすることもできる。さらにこの場合、例えば、レーザ光のビーム断面の両端をナイフエッジ(図示されず。)などにより約20%ずつカットすると、図3に示した様に、レーザ光照射領域24は横300μ,縦30μの長方形に近い形状となる。これにより、レーザ光照射領域24はトランジスタ3個を含む様になり、この領域内がレーザ光1パルス分でアニールされる。ここでは、カットされたレーザ光は、レーザ光強度が低いため、アニールに利用されない。尚、レーザ光照射領域24内で隣合う2個のトランジスタ形成領域22の間隔は100μ程度しかないため、この部分にレーザ光が照射されても、無駄になるレーザ光のエネルギの増加割合は高くない。その結果、この場合には、レーザ光をSi基板全面積の約10%だけ照射させればよい。
【0029】図4は、レーザアニール装置10で用いられる紫外光レーザ5の構成を示した構成図である。レーザの共振器は、レーザ媒質であるYAGのロッド18,全反射鏡11a,11b及びダイクロイックミラー12とでL字型に構成されている。共振器中には、AO(音響光学的)Qスイッチ13が挿入されており、これにより繰返し数が数十kHz程度の高い繰返し動作でレーザ発振できる。また、共振器中に挿入されたピンホール14によりシングルモードで発振する。発振する基本波は、レンズ15aを通り、ダイクロイックミラー12で反射して、KTiOPO4 結晶16に入射することで、第2高調波が発生する。基本波がシングルモードであるため、この第2高調波もシングルモードである。第2高調波はダイクロイックミラー12を透過して、共振器外部に進み、レンズ15bにより、BaB24結晶17中に集光され、それにより、紫外域に含まれる波長266nmの第4高調波が発生する。第2高調波がシングルモードであるため、この第4高調波もシングルモードである。第4高調波はレンズ15cを通り、集束しながら進むレーザ光6として紫外光レーザ5の外部に取り出される。レーザ光6はシングルモードであるため、レンズによる集光性が高く、数十μ以下の微小なスポットサイズに集光できる。
【0030】尚、YAGレーザの第4高調波の波長は266nmであり、紫外域に含まれる。図5に示したSiの光吸収特性から分かる様に、波長266nmにおけるSiに対する吸収係数は、Arレーザの発振波長514.5nm における吸収係数よりも2桁程度高いため、アニールに必要なレーザ光のエネルギは2桁程度も少なくて済む。また、レーザ光6として、YAGレーザの第3高調波を用いてもよい。その場合、波長は355nmであり、図5から分かるように、Siに対する吸収係数はArレーザの場合よりも1桁程度高く、アニールに必要なレーザ光のエネルギは1桁程度少なくて済む。
【0031】以上、本実施例によれば、アニールに必要なレーザ光の全エネルギは、Si基板全面にレーザ光を照射させる場合の約10%以下で済む。それにより、アニール処理時間も1桁程度少なくなる。
【0032】さらにまた、Arレーザを用いる場合に比べると、レーザ光のSiに対する吸収係数が1桁から2桁程度高いため、アニールに必要なレーザ光の全エネルギや処理時間を、さらに1桁から2桁程度少なくすることができる。
【0033】また、エキシマレーザを用いる場合とは異なり、パルス毎にレーザ光の照射領域が重なり合うことが無く、アニール処理後に電気的特性がばらつかない。
【0034】
【発明の効果】一つのトランジスタが形成される領域は、1発のパルスレーザ光でカバーされるため、アニール後の電気的特性がばらつかない。しかも、トランジスタの領域以外にレーザ光はほとんど照射されないため、アニール処理に必要なレーザ光の全エネルギは少なくて済み、また、アニール処理の時間も短縮される。




 

 


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