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発明の名称 含浸形カソード構体の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−44894
公開日 平成6年(1994)2月18日
出願番号 特願平4−195125
出願日 平成4年(1992)7月22日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】中村 純之助
発明者 高倉 博
要約 目的
含浸ペレットを取り出す作業を容易にし、また含浸形カソード構体の寿命を長くし、しかも電子放出特性を良好にする。

構成
線径が150μmのモリブデン線を編んだメッシュ容器7に多孔質基体2およびエミッタ剤原料4を入れ、エミッタ剤原料4を加熱溶融して、多孔質基体2にエミッタ剤を含浸させる。
特許請求の範囲
【請求項1】高融点金属からなるメッシュ容器に多孔質基体およびエミッタ剤原料を入れ、上記エミッタ剤原料を加熱溶融して、上記多孔質基体にエミッタ剤を含浸させることを特徴とする含浸形カソード構体の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はカラーブラウン管等の陰極線管に用いられる含浸形カソード構体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】陰極線管に用いられる含浸形カソード構体は、高融点金属からなる多孔質基体にアルカリ土類金属酸化物からなるエミッタ剤を含浸させた含浸ペレットを、高融点金属からなる有底カップに格納したものである。
【0003】図4は従来の含浸形カソード構体の製造方法(特開昭63−200431号公報)の説明図である。この方法においては、ベース1の上に複数の多孔質基体2を並べ、多孔質基体2の上に粉末状のものをプレス成形したエミッタ剤原料3を載置し、エミッタ剤原料3を加熱溶融することにより、多孔質基体2にエミッタ剤を含浸させる。
【0004】図5は従来の他の含浸形カソード構体の製造方法(特開平2−100233号公報)の説明図である。この方法においては、ベース1の上に複数の多孔質基体2を並べ、多孔質基体2の上にプレス成形しない粉末状のエミッタ剤原料4を載置し、エミッタ剤原料4を加熱溶融することにより、多孔質基体2にエミッタ剤を含浸させる。
【0005】図6は従来の他の含浸形カソード構体の製造方法(特開平3−8237号公報)の説明図である。この方法においては、ベース5に複数設けられた段付き穴6内に多孔質基体2を挿入し、段付き穴6内の多孔質基体2の上方にエミッタ剤原料4を入れ、エミッタ剤原料4を加熱溶融することにより、多孔質基体2にエミッタ剤を含浸させる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図4、図5で説明した含浸形カソード構体の製造方法においては、エミッタ剤原料3、4が溶融したときに、溶融したエミッタ剤原料3、4がベース1まで流れ、多孔質基体2が溶融したエミッタ剤原料3、4によってベース1に固着されてしまうから、含浸ペレットを取り出すのが難しい。そこで、多孔質基体2の上に載置するエミッタ剤原料3、4の量を多孔質基体2の細孔部に含浸可能な量とすることが考えられ、この場合には多孔質基体2が溶融したエミッタ剤原料3、4によってベース1に固着されてしまうことがないから、含浸ペレットを取り出す作業が容易であるが、エミッタ剤原料3、4の秤量に工数がかかり、かつ蒸発などのため多孔質基体2への実際の電子放出物質の含浸量にバラツキが生じてしまい、含浸形カソード構体の寿命が短くなる。
【0007】また、図6で説明した含浸形カソード構体の製造方法においては、エミッタ剤原料4を秤量する必要がなく、また段付き穴6内に入れるエミッタ剤原料4の量を多くすることができるから、エミッタ剤が多孔質基体2の全体に均一に含浸されるので、含浸形カソード構体の寿命が短くなることはないが、溶融したエミッタ剤原料4が段付き孔6と多孔質基体2との間に流れ込み、多孔質基体2が溶融したエミッタ剤原料4によって段付き孔6の内面に固着されてしまうから、段付き穴6内から含浸ペレットを取り出すのが困難であり、またエミッタ剤原料4を加熱溶融した際に発生するCO2ガスが抜けにくいから、エミッタ剤原料4中の炭酸塩の分解がされない場合が生ずるので、電子放出特性が劣化する。
【0008】この発明は上述の課題を解決するためになされたもので、含浸ペレットを取り出す作業が容易であり、また含浸形カソード構体の寿命が長く、しかも電子放出特性が良好である含浸形カソード構体の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため、この発明においては、高融点金属からなるメッシュ容器に多孔質基体およびエミッタ剤原料を入れ、上記エミッタ剤原料を加熱溶融して、上記多孔質基体にエミッタ剤を含浸させる。
【0010】
【作用】この含浸形カソード構体の製造方法においては、含浸後に液体によりメッシュ容器内のエミッタ剤原料を除去することができ、またメッシュ容器内に入れるエミッタ剤原料の量を多くすることができるから、エミッタ剤が多孔質基体の全体に均一に含浸され、しかもエミッタ剤原料を加熱溶融した際に発生するCO2ガスが抜けやすいから、エミッタ剤原料中の炭酸塩の分解が確実にされる。
【0011】
【実施例】図1、図2はこの発明に係る含浸形カソード構体の製造方法の説明図である。この含浸形カソード構体の製造方法においては、まず線径が150μmのモリブデン線を編んだメッシュ容器7を用意する。メッシュ容器7としては、50メッシュで、内径が7mm、深さが4mmのものを用いる。つぎに、メッシュ容器7内にエミッタ剤原料4を入れる。エミッタ剤原料4としては、炭酸バリウム(BaCO3)、酸化アルミニウム(Al23)、炭酸カルシウム(CaCO3)をモル比で4:1:1で秤量し混合したものを用いる。つぎに、複数の多孔質基体2をメッシュ容器7内のエミッタ剤原料4の上に並べる。多孔質基体2としては、タングステンからなり、直径が1.2mm、厚さが0.45mm、空孔率が20%のものを用いる。つぎに、エミッタ剤原料4をメッシュ容器7内の多孔質基体2の上に入れ、エミッタ剤原料4を圧縮する。つぎに、エミッタ剤原料4を非酸化性あるいは還元性の雰囲気中または真空中で加熱溶融することにより、多孔質基体2にエミッタ剤を含浸させる。この場合、溶融したエミッタ剤原料4の表面張力によって、溶融したエミッタ剤原料4がメッシュ容器7から流出することがない。なお、加熱処理は2段階に行なう。すなわち、800〜1200℃で0.3〜10分間加熱したのち、1600〜2300℃で0.3〜10分間加熱する。しかも、その加熱処理温度までの昇温速度は5〜100℃/sの急速加熱で行ない、2段階加熱処理後は50〜300℃/sの降温速度で800℃まで急速冷却する。つぎに、純水等の液体にメッシュ容器7を漬けることにより、メッシュ容器7内のエミッタ剤原料4を除去したのち、メッシュ容器7内から含浸ペレットを取り出す。
【0012】このような含浸形カソード構体の製造方法においては、含浸後に液体によりメッシュ容器7内のエミッタ剤原料4を除去することができるから、含浸ペレットを取り出す作業が容易である。また、メッシュ容器7内に入れるエミッタ剤原料4の量を多くすることができるから、エミッタ剤が多孔質基体2の全体に均一に含浸されるので、含浸形カソード構体の寿命が長くなる。そして、エミッタ剤原料4が多孔質基体2の両側に存在するから、エミッタ剤が極めて均一に含浸される。発明者等は、上述の方法で製作した含浸ペレットを中央で切断し、バリウム、カルシウム、アルミニウムのX線強度をEPMAで分析した結果、全領域にわたって均一組成であることを確認した。しかも、エミッタ剤原料4を加熱溶融した際に発生するCO2ガスが抜けやすいから、エミッタ剤原料4中の炭酸塩の分解が確実にされるので、電子放出特性が良好である。
【0013】図3はこの発明に係る他の含浸形カソード構体の製造方法の説明図である。この含浸形カソード構体の製造方法においては、まず線径が150μmのモリブデン線を編んだメッシュ容器8内に複数の多孔質基体2を並べる。つぎに、エミッタ剤原料4をメッシュ容器8内の多孔質基体2の上に入れ、エミッタ剤原料4を圧縮する。つぎに、エミッタ剤原料4を加熱溶融することにより、多孔質基体2にエミッタ剤を含浸させる。つぎに、メッシュ容器8を純水等に漬けることにより、メッシュ容器8内のエミッタ剤原料4を除去したのち、メッシュ容器8内から含浸ペレットを取り出す。
【0014】なお、上述実施例においては、モリブデン線を編んだメッシュ容器7、8を用いたが、パンチング加工した板材を成形加工したメッシュ容器を用いてもよい。また、上述実施例においては、モリブデンからなるメッシュ容器7、8を用いたが、タングステン、タンタル、レニウム、ニオブ、これらを含む合金でかつ融点が1600℃以上のものからなるメッシュ容器を用いてもよい。また、上述実施例においては、線径150μmのモリブデン線を編んだメッシュ容器7、8を用いたが、線径が100〜300μmの線を編んだメッシュ容器を用いることができ、また板厚が30〜50μmのパンチング加工した板材を成形加工したメッシュ容器を用いることができる。また、上述実施例においては、炭酸バリウム、酸化アルミニウム、炭酸カルシウムを混合したエミッタ剤原料4を用いたが、粉末状の酸化バリウム(BaO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化アルミニウム(Al23)を混合したエミッタ剤原料を用いてもよい。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る含浸形カソード構体の製造方法においては、含浸後に液体によりメッシュ容器内のエミッタ剤原料を除去することができるから、含浸ペレットを取り出す作業が容易であり、またメッシュ容器内に入れるエミッタ剤原料の量を多くすることができるから、エミッタ剤が多孔質基体の全体に均一に含浸されるので、含浸形カソード構体の寿命が長く、しかもエミッタ剤原料を加熱溶融した際に発生するCO2ガスが抜けやすいから、エミッタ剤原料中の炭酸塩の分解が確実にされるので、電子放出特性が良好である。このように、この発明の効果は顕著である。




 

 


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