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発明の名称 固体レーザ共振器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−37372
公開日 平成6年(1994)2月10日
出願番号 特願平4−191875
出願日 平成4年(1992)7月20日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 桑原 皓二 / 矢野 眞 / 武久 究
要約 目的
本発明の目的は、大出力の直線偏光レーザ光を出射することができる固体レーザ共振器を提供することにある。

構成
本発明では、共振器4内に1/4波長板11,12を、その光軸方向がブリュースタ板9で特定されるレーザ光7の偏光方向とほぼ平行になるように挿入する。
特許請求の範囲
【請求項1】励起ランプによる光励起によりレーザロッド内に発生するレーザ光を、全反射鏡と出力鏡との間で共振させ外部に出射するレーザ共振器において、レーザ共振器内にレーザ光の偏光方向を特定する少なくとも一枚以上のブリュースタ板と、結晶の光学軸が前記ブリュースタ板で特定される偏光方向とほぼ平行となる少なくとも一枚以上の位相差板とを配置することを特徴とする固体レーザ共振器。
【請求項2】前記ブリュースタ板と位相差板の間にレーザロッドを配置したことを特徴とする請求項1項記載の固体レーザ共振器。
【請求項3】前記レーザロッドの両端にそれぞれ位相差板及びブリュースタ板を配置したことを特徴とする請求項1項記載の固体レーザ共振器。
【請求項4】前記レーザロッドと全反射鏡との間に位相差板を、レーザロッドと出力鏡との間にブリュースタ板を配置した請求項1項記載の固体レーザ共振器。
【請求項5】励起ランプによる光励起によりレーザ媒体内に発生したレーザ光を、全反射鏡と出力鏡との間で共振させ外部に出射するレーザ共振器において、前記レーザ媒体をレーザスラブで構成し、前記レーザスラブで特定されるレーザ光の偏光方向と結晶の光学軸がほぼ平行となる位相差板を、前記共振器内に挿入したことを特徴とする固体レーザ共振器。
【請求項6】レーザスラブの両端にそれぞれ位相差板を配置したことを特徴とする請求項5項記載の固体レーザ共振器。
【請求項7】前記レーザスラブと全反射鏡との間に位相差板を配置した請求項5項記載の固体レーザ共振器。
【請求項8】レーザスラブの両端に位相差板として1/4波長板が配置されていることを特徴とする請求項6項記載の固体レーザ共振器。
【請求項9】前記位相差板は1/4波長板を使用することを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項記載の固体レーザ共振器。
【請求項10】前記少なくとも2個のレーザロッド間に水晶旋光子を配置した請求項1ないし5、および9のいずれか1項記載の固体レーザ共振器。
【請求項11】前記位相差板及びブリュースタ板を配置した固体レーザ装置から出射したレーザ光を、パターン情報を有するマスクを透過し被加工物にパターン情報を複写するマーキング装置に使用することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項記載の固体レーザ共振器。
【請求項12】前記位相差板及びブリュースタ板を配置した固体レーザ共振器から出射したレーザ光を、トリミング装置に使用することを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項記載の固体レーザ共振器。
【請求項13】光励起によりレーザロッド内に発生するレーザ光を、全反射鏡と出力鏡との間で共振させ外部に出射するレーザ共振器内に、共振器内に発生する2つの偏光成分の内、優勢な偏光成分の方向と、ほぼ平行な方向に結晶の光学軸を有する複屈折性光学素子を1つ以上、配置したことを特徴とする固体レーザ共振器。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体レーザ共振器に係り、特に大出力の直線偏光レーザ光を出射することができるレーザ共振器に関する。
【0002】
【従来の技術】固体レーザ共振器、例えばYAGレーザ共振器において、直線偏光のレーザ光を出射するには、共振器内に、ブリュースタ板に代表される偏光方向を特定する為の光学素子を挿入するのが一般的である。しかし、この方法ではレーザロッド内に生ずる熱応力による複屈折のために、大出力の直線偏光レーザ光を出射することができない。この問題を解決する方法としてSolid−State Laser Engineering(Springer−Verlag 1976)に、2本のレーザロッドの間に偏光方向を90度回転させる水晶旋光子を挿入する構成が示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の水晶旋光子を挿入する構成は、一方のレーザロッドで生じた複屈折による影響を、もう一方のレーザロッドで生じる複屈折によりキャンセルするようになっており、■双方のレーザロッド内のほぼ同一部分をレーザビームが通過すること、■双方のレーザロッドでほぼ同一の熱影響を受けることが前提となっている。
【0004】しかし、本発明者らの実験によれば、実際の装置では、これら2つの条件を満たすことは難しく、複屈折の影響を完全にキャンセルできず、レーザロッドへの入射熱量の増加と共に、直線偏光のレーザ出力は低下し、その強度分布も不均一になることが分かった。この現象は、熱応力の発生により、ブリュースタ板等で特定される偏光方向とは異なる偏光方向の成分のレーザ光が、共振器内に発生する所謂複屈折現象による。
【0005】複屈折現象が発生すると、レーザ発振器からは、十字モードと呼ばれる図15に示すような断面形状が十字形状の強度分布を持つ直線偏光のレーザ光が出射されるようになる。図中Pで示したのは、挿入されるブリュースタ板で特定される偏光方向である。
【0006】図において、Brで示す部分は、複屈折現象によってブリュースタ板で特定される偏光方向と直交する成分を有するレーザ光が多くなる領域である。この為、レーザ光の効率が悪くなり、出力が下がる。
【0007】本発明の目的は、レーザ光効率を良くして、出力を向上させることが出来る固体レーザ共振器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明では、共振器内に1/4波長板を、その結晶の光学軸の方向がブリュースタ板で特定されるレーザ光の偏光方向とほぼ平行になるように挿入する。
【0009】
【作用】レーザ共振器内の複屈折現象の影響を受けたレーザ光は、1/4波長板を透過することにより、ブリュースタ板で特定されるレーザ光の偏光方向と直交するレーザ光の成分が減少して、レーザ光の直線偏光出力分布は均一になり、効率が良くなり、レーザ光出力を大幅に向上させることが出来る。
【0010】
【実施例】以下、本発明による一実施例を図1に示すYAGレーザを例に説明する。
【0011】図1において、1は1%程度のNdイオンを含むYAGロッドで、全反射鏡2及び、出力鏡3とでレーザ共振器4を構成する。励起ランプ5による光励起によりYAGロッド1内にレーザ光6を発生し、その一部がレーザ光7として共振器4外に出射される。共振器4内の偏光方向を特定する為にブリュースタ板8,9がレーザ光6の光路10に配置され、図1においては、紙面に平行な方向にレーザ光6の偏光方向が特定される。11及び12は1/4波長板で、その結晶の光学軸の方向がブリュースタ板8,9で特定されるレーザ光6の偏光方向とほぼ平行となるように配置される。
【0012】次に、レーザ発振器の動作を説明する。
【0013】励起ランプ5によるYAGロッド1の光励起によりレーザ発振が開始される。ブリュースタ板8,9を透過するレーザ光6の偏光方向は紙面に平行となるが、YAGロッド1の温度上昇と共にYAGロッド1内に、熱応力による複屈折現象が発生する。
【0014】熱応力の発生により図2に示す半径方向の屈折率(nr )と円周方向の屈折率(nφ)がnr<nφ となり、円周方向に偏光面を持つレーザ光の位相が半径方向に偏光面を持つレーザ光の位相より進む。図2のY軸方向は図1において紙面に平行な方向であり、X軸方向は紙面に垂直な方向である。
【0015】これら2方向の位相差の影響はレーザ光6の偏光方向(図2にPと表示)と±45度をなすライン13,14上で最大となる。
【0016】図3〜図9はライン13上を紙面に垂直な方向に通過する直線偏光レーザ光の偏光状態がYAGロッド1を1往復する間にどのように変化するかを示したものである。
【0017】図3の1/4波長板11に入射前のレーザ光6が、1/4波長板11を通過後、図4の直線偏光により更にレーザ光6がYAGロッド1を通過後(往路)に図5の楕円偏向Zになる。
【0018】1/4波長板12を通過後は図6の直線偏光となり、全反射鏡2で反射され1/4波長板12を再通過後に図7の楕円偏向Zとなり、再び、YAGロッド1を再通過後(復路)に図8の楕円偏光となり1/4波長板11を再通過後に図9に示す直線偏光レーザになる。
【0019】このように、直線偏光で入射したレーザ光は、YAGロッド1の通過(往路)により、右楕円偏光(Δ:レーザロッド通過により生ずる位相差:ラジアン表示)となり、全反射鏡2で反射し、再度のYAGロッド1を通過(復路)後には傾きの異なる右楕円偏光となり、1/4波長板11を再通過後には方位角−Δ、の直線偏光となる。
【0020】したがって、Δ=±nπ/2で入射レーザ光と偏光方向が一致Δ=±(n+1)π/2で入射レーザ光と偏光方向が直交、となる。
【0021】ここに、n=0,2,4,6……YAGロッドの通過により生ずる位相差Δの値によって、1/4波長板11,12の挿入時の効果に差異を生ずることが予想される。
【0022】しかし、図1の構成において、YAGロッド1として、直径10mm、長さ152mmのものを使用しての実験結果を図10に示したが、注入パワ−1.2kW の時、本発明のレーザ出力Aは従来のレーザ出力Bに比べて約20%増加した。特に、上記の検討結果から出射レーザ光の強度分布が図15のように不均一なものになると予想されたが、実験では、1/4波長板挿入前の十字モードが図2のようなほぼ均一な強度分布の円形モードに変わった。これは、図3〜図9は特定の方向の直線偏光のレーザ光が一往復する場合についての検討結果であり、共振器内にはこれ以外の偏光方向のレーザ光も存在していることによるものと推測された。
【0023】このように、本発明ではレーザ共振器内の複屈折現象の影響を受けたレーザ光は、1/4波長板を透過することにより、ブリュースタ板で特定される偏光方向と直交するレーザ光の成分が減少して、レーザ光の直線偏光出力分布は均一になり、効率が良くなり、レーザ光出力が1/4波長板を使用しない場合に比べて直線偏光出力は約20%向上した。
【0024】図11は本発明の他の実施例を示すもので、2本のYAGロッド1の間に偏光方向を90度回転させる水晶旋光子15が挿入されている。2本のYAGロッド1と90度回転させる水晶旋光子15から成るレーザ共振器の構成は、YAGロッド内に発生した複屈折の影響をキャンセルする効果的な方法として公知の技術である。
【0025】しかし、本発明者等の実験によれば、2本のYAGロッド1の位置合わせが難しく、YAGロッド1への入力熱が大となると、複屈折の影響をキャンセルすることが出来ないことがわかつた。それで、本発明ではかかる構成に対しては、ブリュースタ板8で特定される偏光方向と、1/4波長板11の結晶の光学軸の方向がほぼ平行となるように、また、ブリュースタ板9で特定される偏光方向と、1/4波長板12の結晶の光学軸の方向がほぼ平行となるように配置する。これら2つの偏光方向は水晶旋光子15をはさんで互いに直交する関係に保持される。本実施例では、水晶旋光子15の挿入でキャンセルされなかった2本のYAGロッド内の複屈折の影響を1/4波長板9,10で補正するように作用するので、図1に示した構成より高い注入パワーにおいても1/4波長板挿入の効果があり、直径10mm,長さ152mmのYAGロッドを2本使用しての実験では、注入パワー2.4kW の時、レーザ出力は20%増し、出射レーザ光の強度分布は十字モードからほぼ均一な強度分布の円形モードになった。
【0026】図12はYAGロッド1と、全反射鏡2の間に1/4波長板12が、出力鏡3との間にブリュースタ板8が配置されている。本実施例では前記2つの実施例のような高い注入パワーで効果を発揮できないが、注入パワー0.7kW レベルでは効果があることを確認している。
【0027】この実施例では、図1に比べて1/4波長板11とブリュースタ板9とを省略出来るだけ、装置を小型化出来る。なお、この実施例では1/4波長板12をYAGロッド1とブリュースタ板8の間に挿入してもほとんどその効果は変わらないことも確認された。
【0028】図13は本発明を、スラブタイプのYAGレーザに適用した例を示すもので、本例では、YAGスラブ自身で偏光方向が特定されるので(図13では紙面に平行となる)、1/4波長板12の結晶の光学軸の方向は、その方向とほぼ平行になるように挿入する。本構成ではブリュースタ板は不要となる。スラブタイプでは幅方向の両端の断熱性能の良否によって直線偏光レーザ出力特性が変化するが、本構成により、注入パワーが大きい場合の、幅方向の両端の温度勾配の影響による直線偏光レーザ出力の低下を防止できる。なお、本構成でも1/4波長板11のみ、あるいは1/4波長板12のみ、とすることもできる。
【0029】なお、上記4例では光軸方向が一つの1/4波長板を使用した場合を示した。1/4波長板として、2枚の水晶板を光軸方向が直交するように重ね合わせ、2枚の厚さの差に等しい厚さの一枚の水晶板と、等価な波長板としたものがあるが、このような構成の1/4波長板では、いずれか一方の光軸方向がブリュースタ板で特定される偏光方向とほぼ平行となるように光路に挿入すれば良い。
【0030】図14のレーザ発振器4からのレーザ光7は、ビーム拡大器101を経て液晶マスク102に照射される。液晶マスク102にはレーザマーカコントローラ103から、液晶駆動装置104を経て刻印すべきパターン情報が表示されている。そして偏向ビームスプリッタ105によりパターン情報を含むレーザ光106が分離され、ミラー109を経てレンズ110によりワーク111上にパターンが転写される。不用光107は吸収板108により吸収される。ワーク移動台112はレーザマーカコントローラ103により制御される。
【0031】又、本発明のレーザ発振器4は半導体素子に設けた抵抗膜の抵抗調整をするトリミング装置にも利用できる。更に本発明のレーザ発振器4を利用したレーザ加工機例えば表面処理に利用すれば効果が大きいが、切断等にも利用出来ることは勿論である。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、レーザ共振器内の複屈折現象の影響を受けたレーザ光は、1/4波長板を透過することにより、ブリュースタ板で特定される偏光方向と直交するレーザ光の成分が減少して、レーザ光の直線偏光出力分布は均一になり、効率が良くなり、直線偏光レーザ光出力が大幅に向上した。




 

 


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