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発明の名称 半導体集積回路装置及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−37042
公開日 平成6年(1994)2月10日
出願番号 特願平4−192099
出願日 平成4年(1992)7月20日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】薄田 利幸
発明者 五嶋 秀和 / 小林 伸好 / 本間 喜夫
要約 目的
絶縁膜との接着性に優れ、段差被覆性が良好で、膜表面が平坦で、かつ、微細加工性に優れた高融点金属膜を有する半導体集積回路装置を提供すること。

構成
半導体基板上に設けられた、直径が0.5μm以下で、深さ/直径の比が1以上の微細孔(最小幅が0.5μm以下で、深さ/最小幅の比が1以上の細溝でもよい)の上に設けられたW膜22、24を有する半導体集積回路装置。W膜の最下部が10原子%以上85原子%以下のケイ素を含有した層により構成されている。W膜の微細孔に対する段差被覆率は0.7以上、表面凹凸/平均膜厚は0.2以下である。W膜は、Wのハロゲン化物をSiH22によって還元するCVD法で形成できる。
特許請求の範囲
【請求項1】半導体基板、該半導体基板上に設けられた、直径が0.5μm以下で、深さ/直径の比が1以上の微細孔又は最小幅が0.5μm以下で、深さ/最小幅の比が1以上の細溝及び該微細孔又は細溝上に設けられた高融点金属膜とを有し、該高融点金属膜は、その最下部が10原子%以上85原子%以下のケイ素を含有した層より構成され、上記微細孔又は細溝に対する段差被覆率が0.7以上、表面凹凸/平均膜厚が0.2以下であることを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項2】請求項1記載の半導体集積回路装置において、上記ケイ素を含有した層は、主平面上での厚さが3nm以上、50nm以下であることを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項3】請求項1又は2記載の半導体集積回路装置において、上記高融点金属膜は、タングステン又はモリブデンからなることを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項4】請求項1から3のいずれか一に記載の半導体集積回路装置において、上記高融点金属膜は、その上部に、高融点金属と異なる材質の配線用薄膜が積層されたことを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項5】請求項1又は2記載の半導体集積回路装置において、上記配線用薄膜は、アルミニウム又はアルミニウムの中にIV族元素、銅、貴金属元素及び高融点金属元素からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素を添加したアルミニウム合金からなることを特徴とする半導体集積回路装置。
【請求項6】半導体基板上に設けられた、直径が0.5μm以下で、深さ/直径の比が1以上の微細孔又は最小幅が0.5μm以下で、深さ/最小幅の比が1以上の細溝の上に、高融点金属元素のハロゲン化物とジフルオロシランとを用いた化学気相成長法により、かつ、成長中に高融点金属元素のハロゲン化物とジフルオロシランとの用いる比率を変化させて、請求項1記載の半導体集積回路装置の高融点金属膜を形成することを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
【請求項7】請求項6記載の半導体集積回路装置の製造方法において、上記高融点金属元素のハロゲン化物は、タングステン又はモリブデンのハロゲン化物であることを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
【請求項8】請求項6又は7記載の半導体集積回路装置の製造方法において、上記化学気相成長法は、基板温度200℃から400℃の温度範囲で行なうことを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
【請求項9】請求項6から8のいずれか一に記載の半導体集積回路装置の製造方法において、上記高融点金属膜の形成の後に、主表面上に形成された高融点金属膜をドライエッチングし、上記微細孔内又は細溝内にのみ高融点金属膜を残留させることを特徴とする半導体集積回路装置の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高融点金属による配線を有する半導体集積回路装置及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路の配線材料としては、従来、アルミニウム又はアルミニウム合金(以下、両者合わせてAlと略す)が使用されてきた。しかし、Al配線では、ストレスマイグレーションやエレクトロマイグレーション等の現象により断線が起こり、十分な信頼性が確保されないことが問題となっている。そのため、タングステン(以下Wと略す)等の高融点金属による配線の形成が行なわれている。これら半導体集積回路の配線に用いる高融点金属は、従来、スパッタ法又は高融点金属のハロゲン化物を水素(以下H2と略す)又はモノシラン(以下SiH4と略す)によって還元する化学気相成長法(以下、H2還元法及びSiH4還元法と略す)によって形成していた。例えば、H2還元法については米国特許3,697,343号に述べられている。また、SiH4還元法については特開昭59−72132号に述べられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】半導体集積回路の高集積化に伴って、接続孔の寸法は縮小されているが、一方、層間絶縁膜は、その表面を平坦化する必要があり、膜厚はほとんど減少していない。その結果、接続孔のアスペクト比(接続孔深さ/接続孔直径)は、著しく高くなっている。アスペクト比の高い孔を有する構造において、低抵抗で信頼性の高い配線を形成するためには、層間絶縁膜との接着性に優れた金属を十分な段差被覆性で接続孔内に埋め込むとともに、埋め込まれた金属膜表面が平坦であることが必要である。それは、金属膜表面の凹凸が大きいと、凸部において局所的なオーバーハング形状となり、後の絶縁膜堆積時にこの部分に絶縁膜が堆積されないという問題が起こるためである。さらに、ホトリソグラフィー及びドライエッチング技術により金属膜を加工し、配線を形成する際、金属膜の表面が平坦でないと、光の乱反射により解像度が低下するため、微細加工が困難となる。この際、配線の信頼性及び微細加工性を考慮すると段差被覆率(段差を有する基板上に形成された薄膜において、段差下部等の最も薄い部分の膜厚の、平坦部の膜厚に対する比)は0.7以上、平坦性では、表面凹凸/平均膜厚が0.2以下であることが望ましい。
【0004】しかし、上記従来技術のうち、スパッタ法及びSiH4還元法は、形成した膜の平坦性は良好であるが、段差被覆性が低く、接続孔の埋め込みには適さない。一方、H2還元法は形成した膜の段差被覆性は良好であるが、膜表面が平坦ではないという問題がある。また、SiH4及びH2還元法で高融点金属膜を形成する場合、高融点金属膜は下地絶縁膜との接着性が悪いため、両者の間に接着層を形成することが必要である。しかしながら、スパッタ法で接着層を形成すると、段差被覆性が低いため、接続孔の底部に十分な厚さの接着層を形成できない。一方、化学気相成長法(以下CVD法と略す)により形成した窒化チタン(以下TiNと略す)膜を接着層とする方法も検討されているが、この場合、段差被覆性が高く、接続孔の底部にも十分な厚さの接着層を形成できるものの、その上に形成する高融点金属膜の表面が平坦でないという問題がある。これは、高融点金属膜を形成する際、TiN膜上では核発生が起こりにくく、均一な膜成長が起こりにくいためである。
【0005】このように、上記従来技術はいずれも、接着性、高段差被覆性及び膜表面の平坦性の3者を同時に満足することができず、従って、接続孔内に低抵抗で信頼性の高い配線を形成することができないという問題があった。また、高融点金属膜を微細配線に加工することができないという問題があった。さらに、Alや銅(以下Cuと略す)配線の信頼性を向上するために、高融点金属とAlやCuの積層構造が広く検討されているが、表面が平坦でない高融点金属膜上にAlやCu膜を形成した場合、AlやCu膜の粒成長が抑制される。その結果、AlやCuが断線しやすくなり、配線の信頼性が低下する。また、高融点金属膜表面に凹凸があれば、その上に形成したAlやCu膜表面にも、高融点金属膜表面の凹凸に対応した凹凸が発生するので、配線を形成する際に高融点金属とAl又はCuの積層膜の微細加工が困難となるという問題があった。
【0006】本発明の目的は、絶縁膜との接着性に優れ、段差被覆性が良好で、膜表面が平坦で、かつ、微細加工性に優れた高融点金属膜を有する半導体集積回路装置及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の半導体集積回路装置は、半導体基板、半導体基板上に設けられた、直径が0.5μm以下で、深さ/直径の比が1以上の微細孔又は最小幅が0.5μm以下で、深さ/最小幅の比が1以上の細溝及び微細孔又は細溝上に設けられた高融点金属膜とを有し、この高融点金属膜の最下部を10原子%以上85原子%以下のケイ素を含有した層により構成し、微細孔又は細溝に対する段差被覆率を0.7以上、表面凹凸/平均膜厚が0.2以下としたものである。
【0008】上記ケイ素を含有した層は、主平面上での厚さが3nm以上、50nm以下であることが好ましい。高融点金属膜全体としては、主平面上での厚さが100nm以上、500nm以下であることが好ましく、100nm以上、200nm以下であることがより好ましい。段差被覆率は1以下であり、表面凹凸/平均膜厚は0を越えることが好ましい。また、高融点金属膜の材質としては、タングステン又はモリブデン等が用いられる。さらに、高融点金属膜の上部に、高融点金属と異なる材質の配線用薄膜を積層して用いてもよい。このような配線用薄膜の材質としては、アルミニウム又はアルミニウムの中にケイ素、ゲルマニウム等のIV族元素、銅、パラジウム等の貴金属元素、チタン、タンタル等の高融点金属元素の内の一種以上の元素を添加したアルミニウム合金が用いられる。また、銅又は銅の中にニッケル等の耐食性金属元素、パラジウム等の貴金属元素、チタン、タンタル等の高融点金属元素の内の一種以上の元素を添加した銅合金も用いられる。
【0009】この高融点金属膜は、高融点金属元素のハロゲン化物、例えば6フッ化タングステン(WF6)と、ジフルオロシラン(SiH22)とを用いた化学気相成長法により形成することができる。またその際、最初に、Siを含有した層を形成し、ついで、高融点金属元素のハロゲン化物とジフルオロシランとの用いる比率を変化させて、Siをほとんど含まない高融点金属層を形成すれば、同じ原料ガス、同じ温度で連続的に2つの層を形成できるので、スループットの高い膜形成が可能である。そのため、コストを抑制でき、また、Siを含有した層と高融点金属層との界面に自然酸化膜がなく、高融点金属膜の抵抗率を低くすることができる。
【0010】
【作用】Siを含有する高融点金属層は、絶縁膜との接着性に優れており、しかも、この上に高融点金属膜を形成する際には核発生が起こりやすい。そのため、高融点金属膜の下部をSiを含有する高融点金属層とすることにより、高融点金属膜の剥がれが防止できると共に、均一な膜成長が行なわれ、その表面は平坦になる。また、上記高融点金属膜の製造方法は、SiH22がSiH4に比してWF6に対する反応性が低いために、表面反応律速の条件で膜形成を行なうことができるため、段差被覆性の高い膜が得られる。また、膜形成を行なう際の温度が200℃から400℃と低くできるので、高融点金属原子の膜形成時の表面マイグレーションが抑制される。そのため、結晶粒径が粗大化することがなく、膜の表面が平坦になる。
【0011】
【実施例】
実施例1高融点金属としてWを用い、これを0.5μmの孔への埋め込みを行なった場合の段差被覆率、表面凹凸/平均膜厚と配線信頼性、微細加工性との関係について調べた。その方法及び結果について以下に説明する。
【0012】まず、図1に示すように、p型10Ωcm(100)Si基板1上にLOCOS工程により、フィールド酸化膜2を形成した後、Asイオンをイオン打込み法によってドーズ量1×1015cm~2の条件で打込んだ後、所定の熱処理(以下アニールと呼ぶ)によってn型拡散層3を形成した。その後、厚さ500nmのPSG(リンガラス)膜4をCVD法で形成し、次いでN2雰囲気中でアニールを行ない、PSG膜4の緻密化を行った。その後、通常のホトリソグラフィー技術を用いて、直径0.5μmの垂直形状のコンタクト孔を開口した。次いで図2に示すように、CVD法により、コンタクト孔の外の平坦部での厚さが30nmのSiを含有したW層5を形成した。Siを含有したW層5の形成条件は、基板温度=450℃、WF6流量=5sccm、SiH22流量=2000sccm、アルゴン(以下Arと略す)流量=300sccm、全圧=0.5Torrであった。オージェ電子分光法により膜中のSi含有量を調べたところ、80at%であった。
【0013】つぎに、図3に示すように、WF6とSiH22とを原料ガスに用いた低圧CVD法(SiH22還元W−CVD法)によりW層6を形成した。このW層6とSiを含有したW層5とで高融点金属膜を構成する。段差被覆率及び表面凹凸/平均膜厚を調べた。CVD条件は、基板温度=200〜400℃、WF6流量=100sccm、SiH22流量=50〜400sccm、Ar流量=300sccm、全圧=0.5Torrであった。また、H2還元法及びSiH4還元法でも実験を行なった。H2還元法でのCVD条件は、基板温度=450〜475℃、WF6流量=80sccm、H2流量=4000sccm、Ar流量=140sccm、全圧=0.65Torrであり、SiH4還元法でのCVD条件は、基板温度=250〜300℃、WF6流量=80sccm、SiH4流量=65sccm、Ar流量=250sccm、全圧=0.35Torrであった。なお、段差被覆率は、図4に示すように、孔の中でW層6の最も薄い部分の膜厚aと孔の外の平坦部に形成されたW層6の平均膜厚tの比 a/t と定義した。また、表面凹凸は、走査電子顕微鏡によって幅10μmの領域にわたって調べた場合の最大膜厚tmaxと最小膜厚tminの差とした。
【0014】再び図3に戻って説明すると、その後、通常のホトリソグラフィー技術を用いて、W層6、Siを含有したW層5を加工し、高融点金属膜の配線を形成した。この際、幅0.3μmの配線の加工形状をSEMにより観察し、W膜の微細加工性を調べた。その後、プラズマCVD法によって形成したSiO膜(以下プラズマSiOと略す)を用い、プラズマSiO/SOG(塗布系ガラス)/プラズマSiO積層膜7(厚さ、それぞれ150nm/200nm/150nm、合計500nm)を堆積した後、通常のホトリソグラフィー技術を用いて、電極接続用の開口部を形成し、電気特性評価用の素子を作成した。いずれの試料においても、W膜の剥離の問題はなく、Siを含有したW層5が接着層として有効であることが分かった。
【0015】このような試料のn型拡散層とW膜との接触抵抗及びコンタクト孔内部のWの配線抵抗を合計したコンタクト部の抵抗を測定した。そして、コンタクト部の抵抗が100Ω以下であるものを良品と考えて、良品率が99%以上であれば○、99%未満であれば×として、W配線の信頼度評価を行った結果を、段差被覆率等とともに表1に示した。また、微細加工性として、0.3μmの微細加工が可能であるものを○、困難なものを×として表1に示した。
【0016】
【表1】

【0017】SiH22還元を行なった試料では全て段差被覆率が0.7以上、表面凹凸/平均膜厚が0.2以下となっており、コンタクト部の抵抗の信頼性についても良い結果が得られた。一方、H2還元又はSiH4還元を行なった場合には、コンタクト部の抵抗が高い試料や導通していない試料があり、信頼性が低かった。H2元の場合、表面凹凸が大きいために、W膜の凸部の陰になってプラズマSiO膜が形成されない部分が生じる。その部分でSOGがW膜に接触し、SOGから出る水分等によりW層6、Siを含有したW層5が腐食され、不導通となることが信頼性の低い原因である。SiH4還元では段差被覆性が低いため、孔の底部でW層6が薄く、プラズマSiO膜形成時に孔の底部のW膜が完全に酸化されてしまう。このため、高抵抗のSiを含有したW層5だけで導通を保っている状態となり、コンタクト部の抵抗が増大し、不良になった。
【0018】以上の結果から、低コンタクト抵抗等を高い信頼性で得るためには、段差被覆率が0.7以上、表面凹凸/平均膜厚が0.2のW膜を形成しなければならないことが分かった。直径が0.5μmより小さく、アスペクト比が1以上の孔については、今回調べた孔よりも配線の信頼性を確保することが一層困難になるので、上記段差被覆性、平坦性の条件を満たさなければならないことは明らかである。次に、微細加工性について見ると、SiH22還元及びSiH4還元の場合は、0.3μmの微細加工が可能であるが、H2還元の場合にはホトリソグラフィー工程で解像度の問題が生じ、微細加工が困難であることが分かった。この結果と表面凹凸/平均膜厚の値を比較し、0.3μmの微細加工を実現するためには、表面凹凸/平均膜厚が0.2以下である平坦なW膜を形成しなければならないことが分かった。以上のことから、コンタクト部での信頼性を確保し、微細加工を可能とするためには、W膜の段差被覆率を0.7以上、表面凹凸/平均膜厚を0.2以下とすることが必要である。
【0019】また、0.5μmの孔に変えて、溝幅0.5μm、深さ500nmの溝を設けた試料について同様の埋め込みを行なったが、上記と同様な効果が得られた。さらにまた、上記コンタクト孔又は溝の上に、WF6に変えてMoF6を用いた他は上記と同様にして、Mo膜を形成して、同様の素子を作成した。このMo膜及び素子の特性も上記と同様であった。
【0020】実施例2本実施例では、種々の方法で形成した導体膜を接着層に用いて上記実施例1と同様に0.5μmの孔への埋め込みを行ない、段差被覆率、表面凹凸/平均膜厚と配線信頼性との関係について調べた結果について説明する。上記実施例1と同様な工程によって、図1に示すようにp型10Ωcm(100)Si基板1上に、フィールド酸化膜2、n型拡散層3、PSG膜4を形成し、直径0.5μmの垂直形状のコンタクト孔を開口した。
【0021】つぎに、図2に示すように、Siを含有するW層5を形成した。Siを含有するW層5は、SiH22、SiH4及びSiH2Cl2をWF6と反応させる3種のCVD方法で形成し、比較した。SiH22を用いた場合のCVD条件は、基板温度=300〜450℃、WF6流量=2〜10sccm、SiH22流量=150〜1000sccm、Ar流量=300sccm、全圧=0.5Torrであった。SiH4を用いた場合のCVD条件は、基板温度=350℃、WF6流量=10sccm、SiH4流量=1000sccm、全圧=0.2Torrであった。SiH2Cl2を用いた場合のCVD条件は、基板温度=600℃、WF6流量=15sccm、SiH2Cl2流量=1000sccm、全圧=0.5Torrであった。
【0022】各々の条件で形成した層のSi含有量をオージェ電子分光法により求めた。W層はSiを含有すると抵抗率が高くなるため、Siを含有するW膜が厚くなると、コンタクト孔に埋め込まれたWの配線抵抗が増大する。従って、Siを含有するW層の厚さは、コンタクト孔の直径の1/10以下であることが必要で、接着層として機能する範囲で、できるだけ薄いことが望ましい。本実施例では、コンタクト孔の直径は0.5μmとしたので、Siを含有するW層5の厚さを2〜50nmの範囲で変化させた。また、Siを含有するW層5の代わりに、スパッタ法によりW層を、あるいはCVD法によりTiN層を形成した。
【0023】つぎに、これら各種の接着層を形成した基板上に、SiH22還元W−CVD法によりW層6を形成し、段差被覆率及び表面凹凸/平均膜厚を調べた。CVD条件は、基板温度=300℃、WF6流量=100sccm、SiH22流量=400sccm、Ar流量=300sccm、全圧=0.5Torrであった。ここで、段差被覆率及び表面凹凸の定義は、上記実施例1と同じである。
【0024】その後、上記実施例1と同様の工程によって、Siを含有するW層5、W層6を配線形状に加工し、プラズマSiO/SOG/プラズマSiO積層膜7を堆積し、電極接続用の開口部を形成し、図3に示すような電気特性評価用の素子を作成した。このような試料を用いて上記実施例1と同様にW配線の信頼度評価を行なった結果を、段差被覆率等とともに表2に示した。
【0025】
【表2】

【0026】接着層にSiを含んだW層5を用いた場合、接着層の形成にSiH22、SiH4あるいはSiH2Cl2のいずれのガスを用いる方法であっても、膜厚が3nm以上、50nm以下であり、Si含有量が10at%以上、85at%以下であれば、コンタクト部において低い抵抗値を信頼性良く得ることができた。Siを含んだW層5の厚さが2nmの場合(試料番号1)は、十分な接着力が得られず、膜がW層6とともに、PSG膜4から剥離したため、抵抗測定が不可能となった。また、Si含有量が8at%以下の場合(試料番号8)も、接着性が悪く、剥離が生じたため、抵抗測定が不可能となった。また、Si含有量が88at%以上の場合(試料番号11)、n型拡散層とW膜との接触抵抗が高く、不良となった。一方、スパッタ法で形成したW層を接着層に用いた場合(試料番号14)、孔の底部にWが形成されておらず、不導通となったコンタクト孔が多数存在し、W配線の信頼度は低かった。また、TiNを接着層に用いた場合(試料番号15)、表面凹凸/平均膜厚が0.4と大きく、そのため、W膜の凸部の陰になってプラズマSiO膜が形成されない部分が生じた。その部分でSOGがW膜に接触し、SOGから出る水分等によりW層6、Siを含有したW層5が腐食されたため、不導通となった試料が多数あり、信頼性が低かった。また、W層6表面の凹凸が大きいためにホトリソグラフィーの解像度が低く、幅0.3μmの配線を形成することができなかった。
【0027】以上の結果から、コンタクト部において低い抵抗値を高い信頼性で得るためには、Siを10〜85at%含んだW層をCVD法によって形成し、接着層に用いることが必要なことが分かった。直径が0.5μmより小さく、アスペクト比が1以上の孔については、今回調べた孔よりも配線の信頼性を確保することが一層困難になるので、本発明による高融点金属膜形成が、ますます有利になることは明らかである。
【0028】本実施例では、SiH22を還元ガスに用いてSiを含有したW層5を形成した場合でも、主として形成温度の違いから、Siを含有したW層5とW層6を別々のCVD工程で形成した。しかし、W層6の形成と同じ350℃でSiを含有したW層5を形成する場合(試料番号7)、ガス流量を途中で変更するだけで、Siを含有したW層5とW層6を同一の工程で連続的に形成することも可能である。この場合、途中で大気にさらされることがないため、Siを含有したW層5とW層6の間に自然酸化膜が形成されず、コンタクト部の抵抗が上記の結果よりも低くなった。しかも、工程数を減少させることができるため、コストを抑制する効果がある。
【0029】また、本実施例では、Siを含有したW層5を形成した後、アニールを行なわずに続いてW層6を形成した。しかし、Siを含有したW層5を形成した後、アニールを行なってSiを含有したW層5を結晶化させた後、W層6を形成することも可能である。この場合、Siを含有したW層5の抵抗率が低くなるため、コンタクト部の抵抗が低くなるという効果がある。
【0030】実施例3図5から図10は、高融点金属であるWを配線材料として用いて作成したMOS−FET集積回路装置の製造工程を示す図である。まず、図5に示すように、p型(100)Si基板1上に、フィールド酸化膜2、厚さ8nmのゲート酸化膜8を形成した後、多結晶シリコン膜9(厚さ300nm)を低圧CVD法で堆積させ、不純物を添加し低抵抗化した後、所定の形状に通常のホトリソグラフィー技術を用いてパターニングし、ゲート電極9とした。次いで、このゲート電極9をマスクとして、Asイオンをドーズ量1×1015cm~2の条件で打込んだ後、アニールを行ない、ソース・ドレイン領域10を形成した。その後、HLD(高温低圧分解法)によるCVD法でSiO2膜11を堆積させた後、全面ドライエッチングにより、ゲート周辺部にのみSiO2膜11を残し、いわゆるLDD(ライトリー ドープト ドレイン)構造を形成した。
【0031】その後、図6に示すように、厚さ700nmのBPSG(ボロン ドープトPSG)膜12をCVD法で堆積させた後、N2雰囲気中でアニールを行ない、BPSG膜12の緻密化を行った後、通常のホトリソグラフィー技術を用いて直径0.3μmのコンタクト孔13を形成した。次に、図7に示すように、SiH22還元CVD法により厚さ500nmのW膜14を堆積した。CVD条件は、最初の1分間はWF6、SiH22及びArの流量をそれぞれ5、1000、300sccm、全圧は0.5Torrとし、温度は350℃とした。その後、WF6、SiH22及びArの流量をそれぞれ100、400、300sccmとした。
【0032】形成したW膜14をオージェ電子分光法により分析したところ、このW膜は、下地のBPSG膜12との界面から20nmはSiを68at%含有し、そこから表面までの480nmでは、Siは検出限界の1at%以下であった。W膜14は下地のBPSG膜12との接着性が良好で、コンタクト孔13での段差被覆率も0.7と良好であった。本実施例によれば、1つの工程によってSiを含有する層と含有しない層を連続的に形成できるため製造工程を簡略化でき、コストを抑制する効果がある。しかも、連続的に形成するため、Siを含有する層と含有しない層の間に自然酸化膜が形成されず、W膜の抵抗を低減する効果がある。
【0033】続いて、通常のホトリソグラフィー技術を用いてW膜14を配線形状に加工した。この際、W膜14の表面が平坦であるため、幅0.3μmの配線を形成することができた。その後、プラズマSiO/SOG/プラズマSiO積層膜7(厚さ、それぞれ300nm/400nm/300nm、合計1μm)を堆積した後、通常のホトリソグラフィー技術を用いて、積層膜7にW膜14に達する直径0.4μmの接続孔15を形成した。
【0034】その後、図8に示すように、接着層として、CVD法で30nmのSiを含有するW層16を堆積させた。CVD条件は、基板温度が300℃、WF6及びSiH22の流量がそれぞれ5、1000sccm、全圧力は0.5Torrで、形成時間は3分間であった。その後、SiH22還元W−CVD法により厚さ500nmのW層17を基板全面に堆積した。CVD条件は、WF6、SiH2及びArの流量をそれぞれ100、400、300sccm、全圧は0.5Torrとし、温度は400℃であった。その後、Siを含有したW層16、W層17を全面エッチングし、図9に示すように接続孔15内のみにSiを含有したW層16、W層17を残した。その後、図10に示すように、TiW膜18(厚さ150nm)、Al膜19(厚さ800nm)をスパッタ法により順次堆積し、通常のホトリソグラフィー技術を用いて、2層目のAl配線を形成した。
【0035】本実施例ではコンタクト孔13及び配線間の接続孔15が、W膜14、Siを含有したW層16及びW層17により埋め込まれているため、平坦な多層配線構造が得られ、Al配線の段切れ等の問題が大幅に改善された。また、ソース・ドレインとのコンタクト抵抗、及びW配線とAl配線の層間のコンタクト抵抗は、従来法により不十分な埋め込みを行なっていた場合と比べて、低減された。本実施例では層間絶縁膜として、第1層目にBPSG膜12、第2層目にプラズマSiO/SOG/プラズマSiOの積層膜7を用いたが、代わりにPSG、ポリイミド系の耐熱性有機高分子絶縁膜等を用いても同様の効果が得られた。また、Al膜19に代えて、Al−Cu−Si(Cu 1.5wt%、Si 0.5wt%)、Al−Cu(Cu 1wt%)のアルミ合金を用いても、その他、ゲルマニウム等のIV族元素、パラジウム等の貴金属元素、チタン、タンタル等の高融点金属元素の内の一種以上の元素を添加したアルミニウム合金を用いても同様の効果が得られた。
【0036】実施例4図11から13は、ゲート電極にWを用い、WとAlの積層構造を配線材料として用いて作成したMOS−FET集積回路装置の製造工程を示す図である。まず、図11に示すように、p型(100)Si基板1上に、フィールド酸化膜2、厚さ8nmのゲート酸化膜8を形成した後、厚さ100nmのW膜20を形成した。CVD条件は、最初の1分間は、WF6、SiH22及びArの流量をそれぞれ5、1000、300sccm、全圧は0.5Torrとし、温度は350℃とした。その後、WF6、SiH22及びArの流量をそれぞれ100、400、300sccmとした。形成したW膜20をオージェ電子分光法により分析したところ、このW膜は、下地の酸化膜との界面から20nmはSiを68at%含有し、そこから表面までの80nmでは、Siは検出限界の1at%以下であった。W膜20は下地の酸化膜との接着性が良好で、剥離は起こらなかった。
【0037】次いで、厚さ30nmのPSG膜21を形成した後、通常のホトリソグラフィー技術を用いて、PSG膜21、W膜20をゲート電極形状にパターニングした。この際、W膜20の表面が平坦であるため0.1μmのゲート電極を形成することができた。次いで、PSG膜21とゲート電極をマスクとして、Asイオンをエネルギー80keV、ドーズ量1×1015cm~2の条件で打込んだ後、900℃で10分間熱処理を行ない、ソース・ドレイン領域10を形成した。その後、HLDによるCVD法でSiO2膜11を堆積させた後、全面ドライエッチングにより、ゲート周辺部にのみSiO2膜11を残し、図11に示すようなLDD構造を形成した。
【0038】その後、実施例3と同様の工程により、BPSG膜12を形成し、直径0.3μmのコンタクト孔を開口した。その後、図12に示すように、SiH22還元W−CVD法により250nmのW膜22を形成した。CVD条件は、基板温度が300℃で、最初の2分間はWF6及びSiH22流量をそれぞれ5、1000sccm、全圧は0.5Torrとし、その後はWF6、SiH22及びArの流量をそれぞれ100、400、300sccm、全圧は0.5Torrとした。形成したW膜22をオージェ電子分光法により分析したところ、このW膜22は、下地のBPSG膜12との界面から20nmはSiを64at%含有し、そこから表面までの230nmでは、Siは検出限界以下であった。
【0039】その後、スパッタ法により、厚さ400nmのAl膜23を堆積し、通常のホトリソグラフィー技術により、Al膜23及びW膜22を加工して、Al/Wの積層配線を形成した。Al膜23はコンタクト孔内部には堆積されないが、W膜22を介してソース・ドレイン領域10と導通しているため、コンタクト抵抗は低い。Al膜23の平均結晶粒径は、約2μmであった。これは、H2還元W−CVD法により堆積したW膜上に形成したAl膜の平均結晶粒径より約1μm大きく、スパッタ法により堆積したW膜上に形成した場合の平均結晶粒径約2μmと同じである。また、配線の信頼度試験を行なったところ、本実施例により形成したAl/Wの積層配線は、スパッタ法により形成したAl/Wの積層配線と同程度の信頼性を示した。
【0040】その後、図13に示すように、プラズマSiO/SOG/プラズマSiO積層膜7(厚さ、それぞれ300nm/400nm/300nm、合計1μm)を堆積した後、通常のホトリソグラフィー技術を用いて、プラズマSiO/SOG/プラズマSiO積層膜7にAl膜23に達する直径0.4μmの接続孔を形成した。その後、SiH22還元W−CVD法により300nmのW膜24を形成した。CVD条件は、基板温度300℃で、最初の2分間はWF6及びSiH22流量をそれぞれ5、1000sccm、全圧は0.5Torrとし、その後はWF6、SiH22及びArの流量をそれぞれ100、400、300sccm、全圧は0.5Torrとした。形成したW膜24をオージェ電子分光法により分析したところ、このW膜24は、下地のAl膜23との界面から20nmはSiを64at%含有し、そこから表面までの280nmでは、Siは検出限界以下であった。その後、スパッタ法により500nmのAl膜25を形成し、通常のホトリソグラフィー技術を用いてAl膜25及びW膜24を加工し、第2層の配線を形成した。
【0041】H2還元W−CVD法では形成温度が450℃と高いため、Al膜上にW膜を形成するとAl/W界面の反応等、信頼性上の問題があった。本発明は形成温度が低いためこのような問題が起こらず、Al膜の信頼性を損なわずにAl膜上に段差被覆性の高いW膜を形成することが可能である。本実施例では、ゲート電極をWで形成することにより、低抵抗化することができたため、集積回路の動作速度を速くすることができる。また、本実施例では、Al膜をスパッタ法により形成したが、CVD法によりAl膜を形成することも可能である。また、Al膜の代わりにCu膜を用いて積層配線を形成することもできる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、絶縁膜に対する接着性が良好で、段差被覆性が高く、表面が平坦で、かつ、アスペクト比の高い接続孔や細溝に埋め込まれた高融点金属膜を有する半導体集積回路装置が得られた。また、本発明では、Si化合物を還元ガスに用いるので、Siを含有した層と高融点金属層を同じ原料ガス、同じ温度で連続的に形成できるので、スループットの高い膜形成が可能となる。そのため、コストを抑制でき、また、Siを含有した層と高融点金属層との界面に自然酸化膜がなく、高融点金属膜の抵抗率が低くなるという効果がある。また、本発明によれば、高融点金属膜の上に信頼性の高いAl、Cu膜等を積層した配線を得ることができた。また、本発明によれば、微細な高融点金属配線又はこれにAl、Cu等を積層した配線を得ることができた。




 

 


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