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発明の名称 超電導磁石異常検出保護装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−36926
公開日 平成6年(1994)2月10日
出願番号 特願平4−188352
出願日 平成4年(1992)7月15日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 齊藤 敏雄 / 滝沢 照広 / 牧 直樹 / 小林 孝司 / 柴田 将之 / ▲吉▼岡 健 / 園部 正 / 鈴木 史男
要約 目的
高信頼性の超電導磁気浮上列車を実現するために、車両に搭載した超電導コイルの異常を早期に確実に検出し、超電導コイルを保護する超電導磁石異常検出保護装置を提供することを目的とする。

構成
超電導磁石の真空容器である外槽の内側に、超電導コイルと対向するように磁束検出用素子を取り付け、素子に誘起する電圧を検出する。電圧信号は判定装置に取り込まれ、比較判断器にて電圧信号の時間的変化を監視することにより異常の有無が判定される。異常が有る場合には、警報表示器で異常状態を報知し、保護装置で超電導磁石の電流を遮断するなどの保護処置をするように構成している。
特許請求の範囲
【請求項1】少なくとも1個の超電導磁石の外槽内側に磁束検出用の素子を設け、該超電導磁石に取り付けた素子の出力電圧の異常有無を判定する判定手段と、判定手段の出力信号に基づいて異常状態を報知する警報手段、あるいはその出力信号に基づいて超電導磁石を保護する保護手段、あるいは該警報手段と保護手段を備えたことを特徴とする超電導磁石異常検出保護装置。
【請求項2】請求項1において、超電導コイルと外槽との相対運動を磁気的に検出することを特徴とする超電導磁石異常検出保護装置。
【請求項3】請求項1において、前記判定手段は磁束検出用素子の出力電圧を増幅する増幅器と、過去の出力電圧の値を貯えて置く記録器と、増幅器の出力電圧と前記記録器に貯えられた電圧を比較し、両者の差に基づいて超電導磁石の異常の有無を判定する比較判断器を備えたことを特徴とする超電導磁石異常検出保護装置。
【請求項4】請求項1において、前記警報手段は、異常発生時に警報を発し、異常の程度と異常発生箇所を表示する警報表示器を備えたことを特徴とする超電導磁石異常検出保護装置。
【請求項5】請求項1において、前記保護手段は、異常発生時に比較判断器の信号に基づいて、超電導磁石に流れている電流を止める信号を発信する保護器と、電流を遮断する電流遮断器を備えたことを特徴とする超電導磁石異常検出保護装置。
【請求項6】請求項1において、前記判定手段は、設置位置が進行方向に異なる複数の超電導磁石に取り付けた磁束検出用素子の出力電圧を増幅する増幅器と、異なる磁石に設置した素子の出力電圧を増幅器を通して取り込み、これらの電圧差に基づいて超電導磁石の異常の有無を判定する比較判断器を備えたことを特徴とする超電導磁石異常検出保護装置。
【請求項7】請求項1において、前記判定手段は、車両の両側に取り付けられ進行方向位置が同じである超電導磁石に設置された磁束検出用素子の出力電圧を比較し、これらの電圧差に基づいて超電導磁石の異常の有無を判定することを特徴とする超電導磁石異常検出保護装置。
【請求項8】請求項1において、前記判定手段は、磁束検出用素子の過去の出力電圧の値と現在の出力電圧を比較し、これらの電圧差に基づいて超電導磁石の異常の有無を判定することを特徴とする超電導磁石異常検出保護装置。
【請求項9】請求項1において、前記保護手段は、異常発生時に前記判定手段の信号に基づいて、異常を起こした超電導磁石と、該超電導磁石に対し車両の他側面に取り付けられ進行方向位置が同じである両超電導磁石の電流を止め磁石の磁性を無くすことを特徴とする超電導磁石異常検出保護装置。
【請求項10】請求項1において、磁束検出用素子は、超電導磁石外槽内側で地上コイルと反対側に設置され、超電導コイルの形に沿った形状を有することを特徴とする超電導磁石異常検出保護装置。
【請求項11】請求項1において、磁束検出用素子は、超電導磁石外槽内側で地上コイルと反対側に設置され、長方形をしたことを特徴とする超電導磁石異常検出保護装置。
【請求項12】請求項1において、磁束検出用素子は、超電導磁石外槽内側で地上コイルと反対側に設置され、超電導コイルの上側の素子信号と下側の素子信号が互いに打ち消し合うように結線されたことを特徴とする超電導磁石異常検出保護装置。
【請求項13】請求項1において、磁束検出用素子は、超電導磁石外槽内側で地上コイルと反対側に設置され、超電導コイルの左側の素子信号と右側の素子信号が互いに打ち消し合うように結線されたことを特徴とする超電導磁石異常検出保護装置。
【請求項14】請求項1において、磁束検出用素子は、超電導磁石外槽内側で地上コイルと反対側に設置され、超電導コイルの左上側の素子信号と右下側の素子信号が互いに打ち消し合うように結線され、あるいは超電導コイルの左下側の素子信号と右上側の素子信号が互いに打ち消し合うように結線されたことを特徴とする超電導磁石異常検出保護装置。
【請求項15】請求項1において、磁束検出用素子は、超電導磁石外槽内側の上側面と下側面に設置されたことを特徴とする超電導磁石異常検出保護装置。
【請求項16】請求項1において、磁束検出用素子は、超電導磁石外槽内側で進行方向に対し垂直面に設置されたことを特徴とする超電導磁石異常検出保護装置。
【請求項17】請求項1において、磁束検出用素子を、導電線を巻回して製作したサーチコイルで構成したことを特徴とする超電導磁石異常検出保護装置。
【請求項18】請求項1において、磁束検出用素子を、ホール効果素子で構成したことを特徴とする超電導磁石異常検出保護装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気浮上力を利用して高速走行する超高速磁気浮上列車などに用いられる超電導磁石異常検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】超電導磁石を用いた磁気浮上列車としては、いろいろな方式が考えられている。実用的な方式としては、地上側の軌道面に、列車の車体を浮上させるための浮上用地上コイルと推進させるための推進用地上コイルを敷設し、列車に超電導磁石を搭載している。
【0003】図2と図3は、従来技術による超電導磁気浮上列車のコイル配置を示す概略断面図である。図において、車両80とその下部に取り付けられた台車5は、下側及び両側から包囲するU字状の軌道81内に置かれる。台車5の両側面には、それぞれ超電導磁石1が車両80の進行方向にS極、N極が交互に一定ピッチで配列されている。一般に、超電導磁石1の超電導コイル2は、極低温に冷され低温に維持されるため、非磁性材で作られた真空容器3(以下、外槽と呼ぶことにする)内に設置され、外部から熱が侵入しないように保持される。超電導磁石1の外槽3に収納され、荷重支持体4によって保持された超電導コイル2は、図2と図3に示すように、軌道81の両側面に対向して配置される。車両80を浮上させるための地上コイルに着目すると、図3では地上コイル92が軌道81の水平面に置かれ、また、図2では、超電導コイル2と浮上用地上コイル90が台車5と軌道81の側面に対向して置かれる。図2におけるこの地上コイル90は長方形をしたコイルを上下2個8の字型に短絡接続した形状をしている。一方、図2と図3に示すように、推進用地上コイル91は軌道81の側壁に取り付けられ、図示しない三相交流電源により励磁されて、超電導コイル2に推進力を発生する。超電導コイル2は、浮上用地上コイル90、92などと鎖交する磁束密度の高い直流磁場を発生し、車両80の走行に伴ってこの直流磁場が移動するので、地上コイル90又は92に鎖交する磁束数が変化する。短絡コイルで形成される浮上用地上コイル90又は92には、鎖交磁束の変化を打ち消すように短絡電流が誘導され、超電導コイル2との間に誘導浮上力が発生して車両80は非接触で浮上する。
【0004】ところで、列車が時速500kmで走行する際、浮上コイル90、92に誘導された電流が作る磁場分布には、高調波脈動成分が存在するため、超電導磁石1には走行中常時、脈動磁束が入射し続ける。普通、外槽3はAl等の導電材で作られるので、入射する高調波脈動磁束により、外槽3に渦電流が流れる。超電導コイル2が作る強い直流磁場とこの渦電流との間に電磁力が発生し、列車が走行している間超電導磁石1を加振し続ける。この他、軌道81に着目すると、軌道面はできる限り滑らかに構成されるが完全ではなく、また、軌道81に取り付けられるコイル90,91,92も、取り付け誤差に基づく凹凸があるので、超電導磁石1は上下、左右、回転などの力を受けて振動する。特に、超電導コイル2を支える荷重支持体4は、走行中常時これらの振動を受け続ける。
【0005】もしも、この荷重支持体4が破損した時には、超電導コイル2は支えを失って大きな振動が発生し、場合によっては、浮上力や推進力を台車5に伝達できず、走行不能に陥る恐れがある。そこで、振動や歪を測定するために超電導磁石1に加速度センサや歪ゲージなどを取り付け、走行中の振動や歪を監視することが考えられている。
【0006】また、超電導磁石1は、前記振動や脈動磁束の影響を受けて超電導状態から常電導状態に転移することも有り得る。もしも、台車5の片側に設置された超電導磁石1の1個が常電導状態に転移した場合には、台車5各々の側に取り付けられた正常な超電導磁石1の数が異なるので、台車5に働く浮上力や推進力は各々の側で異なる。もしも、アンバランスな状態で走行し続けると台車5には異常な力が作用し、最悪の場合には磁石1が軌道81の側壁に接触する恐れがある。そのため、超電導コイル2に電圧検出用の計測線を取り付け、磁石1が常電導状態に転移した場合に発生する電圧を検出することが考えられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】荷重支持体4に発生する亀裂や破損を早期に検出するために、従来技術では、加速度センサや歪ゲージなどが、超電導磁石1に多数取り付けられている。特に、加速度センサや歪ゲージは取り付けた点の加速度や歪を測定するので、超電導コイル2全体の振動を監視するためには、異常が発生しやすいと想定される箇所にセンサを予め多数設置して置く必要があった。
【0008】しかしながら、多数のセンサを取り付ける場合には、センサの信頼性が十分高くなければならない。また、超電導コイル2の振動や常電導状態へ転移した時の発生電圧を正確に測定するためには、センサをコイル2に直接取り付ける必要があり、計測線や電源線を介して外部から熱が伝わり、超電導コイル2を冷却する液体ヘリウムの消費量を増加していた。
【0009】また、超電導コイル2が超電導状態から常電導状態に転移した場合には、電圧検出用の計測線に高電圧が発生し得るので、計測線の絶縁破壊や監視装置の故障などに到る恐れがあった。
【0010】本発明は上記の点に鑑みなされたものである。従って、本発明の一つの目的は、外部から熱が侵入しないように超電導コイルに非接触で、コイルの振動や変位の大きさを検出し、これらの信号を常時監視することにより超電導コイルの異常を早期に検出する超電導磁石異常検出保護装置を提供することにある。
【0011】本発明の他の目的は、超電導コイルに非接触でコイルの異常を早期に検出すると共に、異常の発生箇所を特定する異常検出保護装置を提供することにある。
【0012】本発明の他の目的は、外部から熱が侵入しないように超電導コイルに非接触で、コイルが超電導状態から常電導状態に転移する異常を早期に且つ確実に検出する超電導磁石異常検出保護装置を提供することにある。
【0013】本発明の他の目的は、超電導磁石の異常を検出したときに異常を起こした超電導コイル電流を確実に遮断し異常の進展を回避する超電導磁石異常検出保護装置を提供することにある。
【0014】本発明の他の目的は、超電導磁石の異常を検出したときに異常を起こした超電導コイル電流を確実に遮断すると共に、台車の反対側に位置しこの超電導コイルに対応する超電導コイルの電流も確実に遮断して、車両の異常運動や異常の進展を回避する超電導磁石異常検出保護装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、超電導磁石の真空容器である外槽の内側に超電導コイルと対向するように磁束検出用素子を取り付け、素子に誘起する電圧を検出し、電圧の時間的変化を監視することにより異常の有無を検出し磁石を保護するようにしている。
【0016】複数の超電導磁石における外槽の内側に超電導コイルと対向するように磁束検出用素子を取り付け、これらの超電導磁石に取り付けた素子に誘起する電圧同士を比較して、両電圧の差の大きさを監視することにより異常の有無を検出し磁石を保護するようにしている。
【0017】複数の超電導磁石における外槽の内側に超電導コイルと対向するように磁束検出用素子を取り付け、これらの超電導磁石に取り付けた素子に誘起する電圧同士を比較するか、又は、正常走行時における電圧と現在の素子電圧を比較して両電圧の差の大きさを監視し、異常が発生したときには振動方向が同じとなる超電導磁石を消磁し、保護するようにしている。
【0018】
【作用】磁束検出用素子として、エナメル線などの導電線を巻回して作ったサーチコイルが在る。このサーチコイルに誘起する電圧の大きさは、サーチコイルを取り付けた磁石の外槽と超電導コイル間の相対的な動きや変位の大きさに比例する。超電導コイルを支持する荷重支持体が破損した時には、外槽と超電導コイルとの間に大きな相対変位が発生するので、サーチコイルに大きな電圧が誘起する。また、超電導コイルが超電導状態から常電導状態に転移するときにも、サーチコイルには超電導コイル電流の減衰に比例した電圧が誘起する。これらのことを利用して、サーチコイルの電圧を常時監視し続け、電圧が突然大きくなる場合や、時間とともに信号が増加し続けることを検出した時には、超電導コイルに何等かの異常が発生したと判定できる。
【0019】例えば磁気浮上列車の台車には、複数個の超電導磁石が取り付けられるので、ある一つの超電導磁石に取り付けたサーチコイルに誘起する電圧と、他の超電導磁石のサーチコイル誘起電圧を比較し、異常の有無を判定することもできる。
【0020】超電導コイルの荷重支持体が局部的に破損した場合には、部分的に大きく振動したり、特有な振れ方をする。超電導磁石に複数個のサーチコイルを取り付けた場合、超電導コイルの振動の仕方に対応してサーチコイルに大きな電圧が発生するので、破損の場所を同定することができる。
【0021】
【実施例】以下図示した実施例に基づいて本発明を説明する。
【0022】図1に本発明の一実施例を示す。車両80の台車5に設置された超電導磁石1において、荷重支持体4によって保持された超電導コイル2に流れる電流は、超電導線21,22を介して永久電流スイッチ7を通る。超電導コイル電流は、この永久電流スイッチ7によって、通電、遮断が行われる。超電導磁石1の外槽3内側には、磁束検出用素子として導電線を巻回して作ったサーチコイルCA1,CA2,CA3,CA4が4個設置されている。特に、サーチコイルCA1〜CA4は図示の様に台車5側に設置し、サーチコイルに誘起する電圧信号は信号線31,32,33,34を介して判定装置10に送られ、異常の有無が判定される。図13は、超電導磁石、サーチコイル、異常検出保護装置の電気的結線状況を示す電気回路図である。
【0023】サーチコイルCA1〜CA4を外槽3内側に取り付けた理由を、以下に記す。超電導コイルと外槽との相対変位に基づく磁束の脈動周波数が100Hz以上では、導電性材料で作られた外槽に流れる渦電流は主に内側表面に集中する。この渦電流が作る脈動磁束と相対変位に基づく脈動磁束は打ち消しあい、外槽の外へ漏れ出す脈動磁束は非常に小さくなる。そのため、サーチコイルを外槽の外側に設けた場合には、超電導コイルと外槽との相対変位に基づく磁束の変化を検出することが難しくなる。
【0024】また、外槽の外側にサーチコイルを設置すると、ノイズの影響を受けやすく脈動磁束に基づく信号を正確に検出することは非常に難しい。しかし、外槽の内側では、ノイズが導電性材料で作られた外槽で遮蔽され、内側に設けられたサーチコイルの信号にはほとんどノイズが存在しない。
【0025】さらに、サーチコイルCA1〜CA4を台車5側に取り付けた理由は、以下の通りである。前述の様に軌道81に敷設された地上コイル90,91,92が作る脈動磁束は超電導磁石1の地上コイル側に入射する。この磁束は、Al製の外槽3で遮蔽されるが、磁束の一部は磁石1内部に侵入する。サーチコイルCA1〜CA4を外槽3内側の地上コイル側に取り付けた場合には、磁石1内部に侵入する脈動磁束によってサーチコイルに電圧が誘起するので、外槽3と超電導コイル2の相対的な振動に基づく電圧を正確に検出することが難しい。一方、サーチコイルCA1〜CA4を外槽3内側の台車側に取り付けた場合には、地上コイル90,91,92が作る脈動磁束は、この取り付け位置において十分小さくなるので、超電導コイル2の振動を正確に検出できる。
【0026】サーチコイルCA1,CA2,CA3,CA4各々の面積は、超電導コイル2の約1/4に対応し、超電導コイル2が作る直流磁束がサーチコイルに鎖交している。超電導コイル2を支持する荷重支持体4a1が破損した場合には、荷重支持体4a1によって支持されていた超電導コイル部分が振動するので、向かい合ったサーチコイルCA1に鎖交する磁束が大きく変動する。そのため、このサーチコイルCA1に誘起する電圧は、他のサーチコイルCA2,CA3,CA4の誘起電圧に比べて荷重支持体4a1の破損が生じた時に特に大きくなる。
【0027】図1は、異常の有無を常時自動監視し判定する判定装置10と、判定装置10の出力信号に基づいて異常状態を報知する警報表示器15と、超電導磁石1を保護する保護装置16の構成を示すブロック図が示してある。サーチコイルCA1〜CA4に誘起した電圧信号は、信号線31,32,33,34を介して増幅器13に送られて増幅され、拡大された信号は、信号線35を介して判定装置10の中の比較判断器12に送られる。比較判断器12は増幅器13で増幅されたサーチコイル誘起電圧v1 を順次入力し、予め記録器14に貯えられた過去の正常走行時におけるサーチコイル誘起電圧v2 を信号線36を介して順次入力し、両電圧を比較する。そして、その差|v1−v2|が、予め設定して置いた電圧レベルV0 を越えた時には異常と判定する。異常と判定した時には、さらに、電圧レベルV0より大きく設定された電圧レベルV1よりも差電圧|v1−v2|が、大きいか否か比較する。この電圧レベルV1 は超電導コイル2の振動の許容できる制限値であり、差電圧|v1−v2|がV1 を越えたときには超電導コイル2は非常に危険であり、超電導磁石1が破損に到る恐れがある。そのため、差電圧がV1を越えた時には、異常を検知した超電導磁石1の磁性を消し、磁石の振動を抑制する保護措置をとる。差電圧がV1 を越えた時には、重大な異常が発生したことを知らせる信号を信号線38を介して保護装置16に送る。保護装置16は、信号線38の信号に基づいて超電導磁石1に設置された永久電流スイッチ7に、信号線20を介して超電導磁石1を消磁させる信号を送る。永久電流スイッチ7は、この信号に基づいて、超電導線21と22に流れている電流を遮断する。差電圧がV0とV1の間にあるときは、どのサーチコイル電圧が異常となったかを判定し、異常が発生したことを示す警報信号と異常発生箇所の信号を、信号線37を介して警報表示器15に送る。警報表示器15はランプやブザー、CRTなどで異常検出を報知し、異常発生場所や異常の程度を表示する。
【0028】なお、超電導磁石1を消磁させる信号を永久電流スイッチ7に送るための信号線20や、磁束検出用サーチコイルCA1,CA2,CA3,CA4の信号線31,32,33,34は、図14に示すように超電導磁石1に設けられた真空シール100を介して磁石の内側から外側へ引き出される。
【0029】また、サーチコイルは、図14に示すように超電導磁石の外槽3内側に設置される他に、図15のように外槽3に固定された治具110,111に取り付けることもできる。このような治具を使えば、超電導磁石と外槽との間隔を適当に選ぶことによって、磁石と外槽の相対変位を最も感度良く検出できる。
【0030】図4に本発明の他の実施例を示す。本実施例では、複数の超電導磁石に取り付けたサーチコイルの信号を取り込み、異常有無の判定処理をしている。
【0031】図4のように進行方向位置の異なる2個の超電導磁石1a,1b各々に4個のサーチコイルを取り付け、電磁気的な条件が同じと見なせるサーチコイル誘起電圧同士、例えば、CA1サーチコイルの電圧とCB1サーチコイルの電圧を比較する。もしも、CA1サーチコイル付近の荷重支持体4a1が破損した場合には、CA1の誘起電圧がCB1の誘起電圧に比べて非常に大きくなるので、異常を速やかに検出できる。従って、異常検出保護装置は次のような構成となる。超電導磁石1aに取り付けられたサーチコイルCA1〜CA4の誘起電圧は信号線31a,32a,33a,34aを介して増幅器13aに送られ増幅される。そして、電圧信号は、信号線35a1,35a2,35a3,35a4を通して順次比較判断器12に取り込まれる。同様に、超電導磁石1bに取り付けられたサーチコイルCB1〜CB4の誘起電圧も信号線31b,32b,33b,34bを介して増幅器13bに送られ増幅される。そして、電圧信号は信号線35b1,35b2,35b3,35b4を通して順次比較判断器12に送られる。CA1とCB1で検出され送られてきた電圧信号を比較判断器12の中の121で比較し、両電圧の差の大きさが電圧レベルV0又はV1を越えているか否か判定する。電圧の差がV0とV1の間にある場合には、異常発生箇所信号と警報信号を信号線37を介して警報表示器15に送る。電圧の差がV1 を越えた場合には、サーチコイル電圧が異常に大きくなった方の超電導磁石を消磁するための保護処理を行う。すなわち、信号線38a4又は38b4を介して保護信号を保護装置16に送る。保護器161又は162は信号線20b又は20aを介して遮断信号を永久電流スイッチ7b又は7aに送り、異常を起こした超電導磁石1b又は1aの電流を遮断する。同様に、サーチコイル電圧信号CA2,CA3,CA4は比較判断器122,123,124でサーチコイル電圧信号CB2,CB3,CB4と比較され、異常の有無の判定などCA1,CB1に対する処理と同じ一連の処理が実施される。
【0032】この構成の異常検出保護装置では、記録器14を必要とせず装置を簡単に構成できる。
【0033】図5に本発明の他の実施例を示す。本実施例では、台車の両側に配置された複数の超電導磁石にサーチコイルを取り付け、これらのサーチコイル信号を取り込んで、異常有無の判定処理をしている。
【0034】図5のように台車の両側に取り付けられた超電導磁石のうち、電磁気的な条件が同じと見なせる2個の超電導磁石、例えば、台車の進行方向位置が同じとなる1a,1cを1組とし、各々の磁石に取り付けたサーチコイルの誘起電圧を順次比較し、異常の有無を判定するように構成している。
【0035】異常検出保護装置は次のような構成となる。超電導磁石1a,1b,1c,1dに取り付けた磁束検出用サーチコイルCA1〜CA4,CB1〜CB4,CC1〜CC4,CD1〜CD4で検出された誘起電圧は、増幅器13a,13b,13c,13dで増幅され、信号線35a,35b,35c,35dを介して比較判断器12に送られる。比較判断器12内の126は超電導磁石1aと1cに取り付けたサーチコイルの誘起電圧を比較し、両電圧の差の大きさが電圧レベルV0又はV1を越えているか否か判定する。電圧の差がV0とV1の間にある場合には、異常発生箇所信号と警報信号を信号線37を介して警報表示器15に送る。電圧の差がV1を越えた場合には、両方の超電導磁石を消磁するため、信号線386を介して保護信号を保護装置16内の保護器164に送る。保護器164は信号線20cと20aを介して遮断信号を永久電流スイッチ7cと7aに送り、両超電導磁石1cと1aの電流を遮断する。同様に、サーチコイルCA2,CA3,CA4の電圧信号は比較判断器126でサーチコイルCB2,CB3,CB4の電圧信号と比較され、異常の有無の判定などCA1,CB1に対する処理と同じ一連の処理が実施される。
【0036】ところで、超電導磁石1a,1cの片方が超電導状態から常電導状態に転移した場合には、転移した超電導磁石に取り付けたサーチコイルに大きな電圧が誘起する。例えば、超電導磁石1aが転移した場合には、サーチコイルCA1,CA2,CA3,CA4に電圧が誘起する。比較判断器12内の126は超電導磁石1aと1cに取り付けたサーチコイルの誘起電圧を比較し、4コイルの電圧の大きさが一様に大きくなって各々の差電圧が電圧レベルV2 を越えているか否か判定する。差電圧がV2 を越えた場合には、両方の超電導磁石を消磁するため、比較判断器は信号線386を介して保護信号を保護装置16内の164に送る。保護器164は信号線20cと20aを介して遮断信号を永久電流スイッチ7cと7aに送り、両超電導磁石1cと1aの電流を遮断する。
【0037】超電導磁石1bと1dに対しても、超電導磁石1aと1cの処理と同様の処理が行われる。超電導磁石1bと1dに取り付けたサーチコイルの誘起電圧は、比較判断器12内の125で比較され、両電圧の差の大きさが判定される。電圧の差がV1 を越えた場合には、信号線385を介して保護信号を保護器163に送る。保護器163は信号線20dと20bを介して遮断信号を永久電流スイッチ7dと7bに送り、異常を起こした超電導磁石1dと1bの電流を遮断する。
【0038】本発明では、電磁気的な条件が同じ箇所のサーチコイル誘起電圧に基づいて異常の有無を判定するので、判定が確実になり誤判定の無い高信頼性の異常検出保護装置を構成できる。
【0039】図12に本発明の他の実施例を示す。本実施例でも、図5と同じように異常有無の判定に際し、台車の両側に配置された複数の超電導磁石に取り付けたサーチコイルの信号を取り込み、処理している。
【0040】図12の異常検出保護装置で図5の装置と異なる点は、比較判断器12の構成である。超電導磁石1a,1b,1c,1dに取り付けた磁束検出用サーチコイルCA1〜CA4,CB1〜CB4,CC1〜CC4,CD1〜CD4で検出された誘起電圧は、増幅器13a,13b,13c,13dで増幅され、信号線35a,35b,35c,35dを介して比較判断器12に送られる。例えば、比較判断器12内の128はサーチコイルCA1〜CA4の誘起電圧を順次入力し、予め記録器144に貯えられた正常走行時におけるサーチコイル誘起電圧と比較する。そして、両電圧の差の大きさが電圧レベルV0又はV1を越えているか否か判定する。電圧の差がV0とV1の間にある場合には、異常発生箇所信号と警報信号を信号線37を介して警報表示器15に送る。電圧の差がV1 越えた場合には、両方の超電導磁石を消磁するため、信号線388を介して保護信号を保護装置16内の164に送る。保護器164は信号線20cと20aを介して遮断信号を永久電流スイッチ7cと7aに送り、両超電導磁石1cと1aの電流を遮断する。同様に、サーチコイルCB1〜CB4,CC1〜CC4,CD1〜CD4の電圧信号は、比較判断器125,126,127及び記録器141,142,143で異常有無の判定処理が実施される。
【0041】また、図5と同様に、超電導磁石が超電導状態から常電導状態に転移した場合には、転移した超電導磁石に取り付けた全てのサーチコイルに大きな電圧が誘起する。比較判断器12内の125,126,127,128は、超電導磁石に取り付けたサーチコイルの誘起電圧と記録器141,142,143,144に貯えられた正常走行時の誘起電圧を比較し、或る一個の超電導磁石に取り付けた4コイルの電圧の大きさが一様に大きくなって各々の差電圧が電圧レベルV2 を越えているか否か判定する。差電圧がV2 を越えた場合には、台車の両側に位置し対称関係にある両超電導磁石を消磁するため、比較判断器は信号線385,386,387,388などを介して保護信号を保護装置16内の163又は164に送る。保護装置16は信号線を介して遮断信号を永久電流スイッチに送り、これらの超電導磁石の電流を遮断する。
【0042】本発明では、各々の超電導磁石のサーチコイル誘起電圧を正常走行時の電圧と比較して異常有無の判定をするので、台車両側の対称位置関係にある磁石が同時に異常を起こしても確実に判定ができ、誤判定の無い高信頼性の異常検出保護装置を構成できる。
【0043】図6に本発明の他の実施例を示す。本実施例では、超電導磁石1の外槽3内側で且つ台車5側に、長方形をした4個のサーチコイルCA1〜CA4を取り付けており、各々のサーチコイルに誘起する電圧信号を判定装置10にて異常があるか否か判定する様にしている。本発明によれば、サーチコイルの形状は長方形にしているので、円弧部が無くなり製作が容易になる。
【0044】図7に本発明の他の実施例を示す。本実施例では、一個の超電導磁石1に6個のサーチコイルCA1〜CA6を取り付けており、各々のサーチコイルに誘起する電圧信号を判定装置10にて異常があるか否か判定する様にしている。この様に構成することにより、異常を検出する際に、サーチコイルを4個取り付けた場合に比べて異常箇所をより小さい領域に特定することができる。なお、取り付けるサーチコイルの数は、必要に応じて増やすことができる。
【0045】図8に本発明の他の実施例を示す。本実施例では、サーチコイルの配線を工夫している。レーストラック形状の上半分のサーチコイルCUと残りの下半分のサーチコイルCDは、それぞれのコイルに誘起する電圧が互いに打ち消し合うように結線してある。同様に、レーストラック形状の左半分のサーチコイルCLと右半分のサーチコイルCRも、8の字状に結線されている。上下8の字サーチコイルは、超電導コイル2が外槽3に対してローリング運動をする時には、上半分のサーチコイルCUに誘起する電圧と下半分のサーチコイルCDに誘起する電圧の符号が反対なので、電圧が加え合わされ、信号線431に電圧が現れる。一方、左右8の字サーチコイルには、電圧が生じない。同様に、超電導コイル2が外槽3に対してヨーイング運動をするときには、左右8の字サーチコイルの信号線432に電圧が発生する。このような結線のサーチコイルに誘起する電圧を使って異常の有無を判定すれば、異常が生じた時に、超電導磁石1がヨーイング運動をしていたのか、又はローリング運動をしていたのか、振動の仕方を知ることができる。
【0046】図9に本発明の他の実施例を示す。本実施例でも、サーチコイルの配線を工夫している。レーストラック形状の上側左半分のサーチコイルCULと下側右半分のサーチコイルCDRは、それぞれのコイルに誘起する電圧が互いに打ち消し合うように結線してある。同様に、レーストラック形状の下側左半分のサーチコイルCDLと上側右半分のサーチコイルCURも、8の字状に結線されている。これらのサーチコイルは、超電導コイル2が外槽3に対して捩れ運動をする時に、上側のサーチコイルに誘起する電圧と下側のサーチコイルに誘起する電圧の符号が反対なので、電圧が加え合わされ、信号線433や434に電圧が現れる。このような結線のサーチコイルに誘起する電圧を使って異常の有無を判定すれば、異常が生じた時に、超電導磁石1がどのような捩れ振動をしていたかを知ることができる。
【0047】図10に本発明の他の実施例を示す。本実施例では、サーチコイルを超電導磁石1の外槽3内側の上側面3Uと下側面3Dに設置している。特に、上側面には2個のサーチコイルCU1とCU2を設け、下側面にもサーチコイルCD1とCD2を取り付けている。これらのサーチコイルは、超電導コイル2が外槽3に対して上下運動をする時やピッチング運動をする時に、大きな電圧が現れる。これらのサーチコイルに誘起する電圧を使って異常の有無を判定すれば、超電導磁石1の上下方向の異常振動を感度良く知ることができる。
【0048】図11に本発明の他の実施例を示す。本実施例では、サーチコイルを超電導磁石1の外槽3内側の進行方向前面3Fと後面3Bに設置している。特に、前面には2個のサーチコイルCF1とCF2を設け、後面にもサーチコイルCB1とCB2を取り付けている。これらのサーチコイルは、超電導コイル2が外槽3に対して進行方向の運動をする時に、大きな電圧が現れる。これらのサーチコイルに誘起する電圧を使って異常の有無を判定すれば、超電導磁石1の進行方向の異常振動を感度良く知ることができる。
【0049】なお、以上の説明では、磁束検出用素子としてエナメル線などの導電線を巻回して作ったサーチコイルを用いた場合について述べてきたが、磁束を検出する手段としてホール効果素子を使うこともできる。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、以下の効果を期待することができる。
【0051】(1)磁束検出用素子の計測用リード線を通して外部から超電導コイルに熱が侵入すること無く、超電導コイルに非接触でコイルの振動や変位の大きさを検出でき、これらの信号を常時監視することにより超電導コイルの異常とその発生箇所を早期に検出し保護することができる。
【0052】(2)異常を検出する際に、サーチコイル数を増やせば異常箇所をより小さい領域に特定することができる。
【0053】(3)磁束検出用素子の計測用リード線を通して外部から超電導コイルに熱が侵入すること無く、超電導コイルに非接触でコイルが常電導状態に転移する異常を早期に且つ確実に判定できる高信頼性の異常検出保護装置を構成できる。
【0054】(4)超電導磁石の異常を検出したときに、異常を起こした超電導コイル電流を確実に遮断し異常の進展を回避することができる。
【0055】(5)超電導磁石の異常を検出したときに、異常を起こした超電導コイルの電流を遮断すると共に、進行方向位置が同じで台車の反対側に位置する超電導磁石も確実に消磁することができるので、車両の異常運動や異常の進展を速やかに回避することができる。




 

 


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