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発明の名称 収束電子線回折図形を用いた歪み評価装置およびその評価方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−36729
公開日 平成6年(1994)2月10日
出願番号 特願平4−189705
出願日 平成4年(1992)7月16日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】富田 和子
発明者 木本 浩司
要約 目的
微細な試料の結晶構造の歪みを評価することのできる評価装置を提供する。

構成
電子顕微鏡本体1と、前記電子顕微鏡本体により得られた収束電子回折図形を取り込む画像取り込み装置7と、前記試料が結晶構造に歪みを有していない場合の理論的なホルツ線の軌跡を近似的に計算する計算手段9と、前記収束電子線回折図形に表れているホルツ線と計算により求めたホルツ線とを比較し、一致しないホルツ線に対応する試料の格子面を表示する。
特許請求の範囲
【請求項1】電子線を試料上に収束させる収束レンズ系と、前記試料を透過した電子線を結像させ収束電子線回折図形を形成する対物レンズと、前記収束電子線回折図形を取り込む画像取り込み手段と、表示手段と、入力手段と、前記試料が結晶構造に歪みを有していない場合の理論的な収束電子線回折図形の複数のホルツ線の軌跡を近似的に計算する計算手段と、前記画像取り込み装置の取り込んだ収束電子線回折図形と前記計算手段の計算したホルツ線の軌跡を重ね合わせた画像を生成する画像処理手段とを有し、前記表示手段は、前記画像処理手段が生成した画像を表示し、前記入力手段は、前記計算手段の計算した複数のホルツ線のうち、前記画像取り込み装置の取り込んだ収束電子線回折図形に表れているホルツ線と一致していないホルツ線を、前記表示装置の画像上で指定する外部からの入力を受け付け、前記計算手段は、前記入力手段が受け付けた外部から指定されたホルツ線に対応する前記試料の結晶の格子面を求めて、前記表示手段に表示させることを特徴とする収束電子線回折図形を用いた歪み評価装置。
【請求項2】請求項1において、前記入力手段は、前記試料の結晶構造と、前記電子線の前記試料への入射条件と、前記画像取り込み手段の画像取り込み条件の入力を受け付け、前記計算手段は、前記入力手段が受け付けた、前記試料の結晶構造と、前記電子線の前記試料への入射条件と、前記画像取り込み手段の画像取り込み条件を用いて、前記ホルツ線の軌跡の計算を行なうことを特徴とする収束電子線回折図形を用いた歪み評価装置。
【請求項3】請求項1または2において、前記入力手段は、前記一致していないホルツ線にに対応する前記収束電子線回折図形に表れているホルツ線を、前記表示装置の画像上で指定する外部からの入力をさらに受け付け、前記計算手段は、前記入力手段が受け付けた、前記一致していないホルツ線と、それに対応する前記収束電子線回折図形に表れているホルツ線との、前記表示装置の画像上での間隔を求め、前記間隔を用いて前記試料の前記格子面についての歪み量を計算し、前記表示手段に表示させることを特徴とする収束電子線回折図形を用いた歪み評価装置。
【請求項4】請求項1において、前記収束レンズ系の収束角度を調整する制御装置をさらに有し、また、前記計算手段は、前記画像取り込み手段が取り込んだ収束電子線回折図形から、電子線の開き角rと電子回折の角度Rとを検出し、2rがRとほぼ等しくなる前記収束レンズ系の収束角度を求め前記制御装置に指示する手段をさらに有し、前記制御手段は、前記計算手段に指示された収束角度に前記収束レンズ系を調整することを特徴とする収束電子線回折図形を用いた歪み評価装置。
【請求項5】試料が結晶構造に歪みを有していない場合の理論的な収束電子線回折図形の複数のホルツ線の軌跡を近似的に計算し、前記試料の収束電子線回折図形を、前記計算により求めたホルツ線の軌跡に重ね合わせ、前記計算により求めた複数のホルツ線のうち、前記収束電子線回折図形に表れているホルツ線と一致していないホルツ線の前記試料の結晶の格子面を求め、前記試料は、前記格子面に歪みを有していると評価する収束電子線回折図形を用いた歪み評価方法。
【請求項6】請求項5において、前記一致していないホルツ線と、それに対応する前記収束電子線回折図形に表れているホルツ線との間隔を求め、その間隔を用いて、前記試料の前記格子面についての歪み量を求めることを特徴とする収束電子線回折図形を用いた歪み評価方法。
【請求項7】試料の収束電子線回折図形を取り込む画像取り込み手段と、表示手段と、入力手段と、前記試料が結晶構造に歪みを有していない場合の理論的な収束電子線回折図形の複数のホルツ線の軌跡を近似的に計算する計算手段と、前記画像取り込み装置の取り込んだ収束電子線回折図形と前記計算手段の計算したホルツ線の軌跡を重ね合わせた画像を生成する画像処理手段とを有し、前記表示手段は、前記画像処理手段が生成した画像を表示し、前記入力手段は、前記計算手段の計算した複数のホルツ線のうち、前記画像取り込み装置の取り込んだ収束電子線回折図形に表れているホルツ線と一致していないホルツ線を、前記表示装置の画像上で指定する外部からの入力を受け付け、前記計算手段は、前記入力手段が受け付けた外部から指定されたホルツ線に対応する前記試料の結晶の格子面を求めて、前記表示手段に表示させることを特徴とする収束電子線回折図形を用いた歪み評価装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、材料の歪みを評価する評価装置に係り、特に、微小部分の歪みが問題となる材料の評価に適した評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】材料の結晶構造は、その材料の特徴を表す重要な特徴の一つである。一般に、材料の結晶構造は、成長条件によって異なる結晶系を示したり、同じ結晶系でも成長方向が異なったりする。また、結晶の成長条件や、材料の加工条件によって、結晶構造のある方向に歪みが生じることもある。結晶構造に異方性のある材料や、歪みのある材料の物理的性質は、結晶の方向によってことなる特徴を示す。従って、その材料の材料の結晶構造や歪みの状態を調べ、使用目的に応じて、成長条件や加工条件を最適化することが、高性能の製品開発や材料開発の上で重要視されている。従来、材料の結晶構造の歪みを調べる方法として、一般に良く知られているX線回折法やラマン分光法などが用いられてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、LSI素子など素子の内部構造がnm単位の微細な素子の開発が、急速に進んでいる。これに伴い、素子の微細な内部構造を構成している材料の結晶構造や歪みを評価する必要が生じている。しかしながら、従来のX線回折法やラマン分光法などの評価法は、空間分解能が不足しているため、このような、nm単位の材料を試料として測定を行なうことができなかった。そのため、同じような条件で、従来の測定方法で測定可能なmm単位の大きさの測定用試料を作成して測定を行ない、実際の微細構造の素子の状態を類推するより方法がなかった。しかし、mm単位の試料の測定結果から、nm単位の材料の結晶構造を類推するのは限界があり、特に結晶の歪みに関しては、ほとんど評価することができなかった。
【0004】本発明の目的は、微細な試料の結晶構造の歪みを評価することのできる評価装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明によれば、電子線を試料上に収束させる収束レンズ系と、前記試料を透過した電子線を結像させ収束電子線回折図形を形成する対物レンズと、前記収束電子線回折図形を取り込む画像取り込み手段と、表示手段と、入力手段と、前記試料が結晶構造に歪みを有していない場合の理論的な収束電子線回折図形の複数のホルツ線の軌跡を近似的に計算する計算手段と、前記画像取り込み装置の取り込んだ収束電子線回折図形と前記計算手段の計算したホルツ線の軌跡を重ね合わせた画像を生成する画像処理手段とを有し、前記表示手段は、前記画像処理手段が生成した画像を表示し、前記入力手段は、前記計算手段の計算した複数のホルツ線のうち、前記画像取り込み装置の取り込んだ収束電子線回折図形に表れているホルツ線と一致していないホルツ線を、前記表示装置の画像上で指定する外部からの入力を受け付け、前記計算手段は、前記入力手段が受け付けた外部から指定されたホルツ線に対応する前記試料の結晶の格子面を求めて、前記表示手段に表示させることを特徴とする収束電子線回折図形を用いた歪み評価装置が提供される。
【0006】
【作用】電子線を収束レンズ系により試料上に収束させて、前記試料を透過した電子線を対物レンズにより結像させて、収束電子線回折図形を形成する。一般に電子線は、nm単位に収束させることができる。画像取り込み装置は、収束電子線回折図形を取り込む。つぎに、計算手段は、試料が結晶構造に歪みを有していない場合の理論的な収束電子線回折図形の複数のホルツ線の軌跡を近似的に計算する。
【0007】画像処理手段は、試料の収束電子線回折図形を、前記計算により求めたホルツ線の軌跡に重ね合わせた画像を生成し、表示手段に表示させる。ユーザは、前記計算により求めた複数のホルツ線のうち、前記収束電子線回折図形に表れているホルツ線と一致していないホルツ線を画面上で入力手段から入力する。計算手段は、入力されたホルツ線が試料の結晶のどの格子面のものかを求める。そして、表示手段に、前記試料は、その格子面に歪みを有している表示させる。
【0008】このように、本発明は、試料上に電子線を収束させるので、電子線を収束可能なnm単位の大きさを有する試料であれば、歪みを評価することができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明する。
【0010】本発明の収束電子線回折図形を用いた歪み評価装置は、図1に示すように、電子顕微鏡1と、電子顕微鏡1により得られる試料4の回折図形を取り込む画像取り込み装置7と、画像記憶装置8と、取り込んだ画像の処理および近似的な回折図形のホルツ線の計算および電子顕微鏡の制御を行なう処理装置9と、表示装置11とを備えて構成される。電子顕微鏡1は、電子線2を試料4上に約10nmφに収束させる収束レンズ系3と、試料4で回折された電子線を結像する対物レンズ5と、収束レンズ系3の励磁電流を制御する制御装置6を備えている。さらに、処理装置9には、近似的な回折図形を計算するためのパラメータや計算条件をユーザが入力するための、2次元位置指定装置10aを備えた入力装置10と、が接続されている。また、処理装置9には、制御装置6は、接続されている。
【0011】本実施例の収束電子線回折図形を用いた評価装置において、図示しない電子線発生装置から入射された電子線2は、収束レンズ系3により収束されて、試料4の歪みを評価すべき部位に入射される。試料4を透過した電子線は、対物レンズ5により結像され、画像取り込み装置7に収束電子回折図形と呼ばれる電子回折図形を形成する。画像取り込み装置7により取り込まれた電子回折図形は、画像記憶装置8に記憶され処理装置9に入力される。処理装置9により画像処理された電子回折図形は表示装置11に表示される。また、入力装置10から入力された情報に基づき、処理装置9が内蔵するプログラムを用いて計算した近似的な電子回折図形も表示装置11に表示される。
【0012】次に、本実施例の収束電子線回折図形を用いた評価装置の評価手順について図7を用いて説明する。本実施例の評価装置は、試料4の結晶の歪みを有している方向を調べる装置である。まず、処理装置9は、画像取り込み装置7に指示し、電子顕微鏡1から、試料4の評価すべき部位の回折図形を取り込む(ステップ109)。つぎに、処理装置9は、試料4の上記部位の歪みの無い理論的な回折図形のホルツ線を近似計算により求める(ステップ110)。つぎに、処理装置9は、ステップ109で取り込んだ回線図形と、ステップ110で近似計算した歪みの無い場合のホルツ線を重ねて表示する(ステップ111)。ユーザは、2次元位置指定装置10aにより、一致していないホルツ線を指定する(ステップ112)。処理装置9は、指定されたホルツ線の指数を求めて、表示装置11に表示し、その方向に歪みを持っていることを示す(ステップ115)。
【0013】つぎに、上述のステップ109について、さらに詳細に説明する。まず、処理装置9は、画像取り込み装置7に指示し、電子顕微鏡1から、試料4の評価すべき部位の回折図形を取り込む。この場合の、表示装置11の表示結果の一例を模式的に図2に示す。表示装置11の左側の表示領域91には、画像取り込み装置7が取り込んだ電子回折図形を表示されている。右側の表示領域92には、処理装置9が、内蔵するプログラムによる電子回折図形の計算結果を表示されるが、この場合は、処理装置9が、まだ回折図形の計算を行っていないので、右側の表示領域92に計算結果は表示されていない。図2に表示されている回折図形では、電子線の開き角が小さく、表示領域91に表示されている中央のディスクが小さく、ホルツ線12を解析には不適当である。そこで、処理装置9は、画像表示領域91に表示された収束電子回折図形を、電子線の回折強度で2値化することにより、ディスクの半径すなわち電子線の開き角rと、ディスクの間隔すなわち電子回折の角度Rを算出する。次に、Rと2rとを、ほぼ同一とするための収束レンズ系3の収束条件を算出する。そして、収束レンズ系3をその収束条件にするための励磁電流を制御装置6に指示する。制御装置6は、収束レンズ系3の励磁電流を調節する。これにより、操作者が試行錯誤して、収束レンズ系3の励磁電流を調整しなくても、画像取り込みと計算処理により電子回折図形の撮影条件を最適に調節される。図3の左側の表示領域91には、以上のようにして調整された後の電子回折図形が表示される。調整後の回折図形は、記憶装置8に記憶される。
【0014】つぎに、図7のステップ110の歪みの無いホルツ線の計算手順を、図10を用いて説明する。HOLZ線の軌跡は、試料の結晶軸の長さすなわち格子定数、結晶軸の角度、電子顕微鏡の加速電圧、電子線の試料に対する入射方向から計算できることが知られているので、ここでは、簡単に説明する。まずユーザは、入力装置10によって、試料4の結晶の格子型(例えば、面心立方格子や、ダイヤモンド構造など)と、格子定数(a,b,c)を入力する(ステップ124)。処理装置9は、入力装置10から入力された試料4の結晶の格子型と、格子定数(a,b,c)に基づき、存在する逆格子点を計算する(ステップ125)。つぎに、ユーザは、入力装置10から電子顕微鏡1の動作条件として、電子線の波長λと、電子線入射方向と、電子線の開き角、カメラ定数Lを入力する(ステップ126)。これら動作条件は、記憶装置8に記憶される。ステップ126の開き角から励起誤差範囲を計算し、ステップ125で計算した逆格子点のうち、励起誤差範囲内の逆格子点を選択する(ステップ127)。ステップ127で選択した逆格子点それぞれについて、以下に示す数1から数4に従ってホルツ線を描く(ステップ128)。ホルツ線の画像は、記憶装置8に記憶される。
【0015】
【数1】

【0016】
【数2】

【0017】
【数3】

【0018】
【数4】

【0019】ただしλは電子線の波長であり、電子線の加速電圧Eよりλ=1.22/√Eを用いて求めることができる。上述の数1から数4において、hklはHOLZ線の指数と呼ばれるもので多くの組み合せがあることから、作図されるHOLZ線も複数存在する。例えば結晶が斜方晶で結晶軸[001]に沿って入射した場合、HOLZ線の軌跡(X,Y)を図3の右側の表示領域92に示す。
【0020】次に、図7のステップ111で示した回折図形と計算によるホルツ線とを重ねあわせる手順について図9を用いてさらに詳細に説明する。上述した図7のステップ109で取り込んだ回折図形を、記憶装置8より取り込む(および図9の120)。つぎに、図10のステップ126で入力された電子線の開き角、カメラ定数の値を、記憶装置8から再度読み込む(ステップ121)。つぎに、図10のステップ128で計算したホルツ線を、記憶装置8から取り込む(ステップ122)。回折図形と、計算でもとめたホルツ線とを、カメラ定数およびディスクの中心位置を一致させることにより重ね合わせて、図5のように表示装置11の左側の表示領域91に表示する(ステップ123)。
【0021】ユーザは、2次元位置指定装置10aにより、試料4の回折図形のホルツ線と、一致していない計算でもとめたホルツ線を、図5のように、矢印で差し示すことにより指定する(図7のステップ112)。処理装置9は、指定されたホルツ線を、記憶装置8に記憶されている図10のステップ128の計算結果に参照し、どの方向のホルツ線かを求める。そして、図5のようにその方向を”(H,K,L)方向にΔd歪みがあります”93と表示することにより、ユーザに歪みの方向を知らせる(図7のステップ115)。
【0022】上述の実施例では、歪みの方向のみを示したが、歪み量Δdを定量的に求めることも可能である。歪み量Δdを求める場合には、図8のように、上述したステップ109から111を実行する。その後、ユーザは、2次元位置指定装置10aにより、一致していないホルツ線を、取り込んだ回折図形のホルツ線と計算したホルツ線の双方について図6のように各々指定する。処理装置9は、2次元位置指定装置10aの出力から一致していないホルツ線の画面上のずれ量Δxを求める。処理装置は、記憶装置8から画像取り込み時のカメラ定数Lと電子線の波長λと電子回折の角度Rとを読み込んで、数5および数6より歪み量Δdと、図7のステップ115と同様に求めた方向(H,K,L)とを求め(ステップ213)、表示装置11に表示する(ステップ214)。これにより、歪み量Δdを定量的にもとめて、表示することができる。
【0023】
【数5】

【0024】
【数6】

【0025】またさらに、ステップ213でもとめた歪み量Δdを計算でもとめたホルツ線にデータに加え、再度ホルツ線を計算し、ステップ109から111およびステップ212から214を、取り込んだ回折図形のホルツ線と計算したホルツ線とが完全に一致するまで繰り返すことにより、さらに詳細に歪みを求めることができる。
【0026】さらに別の実施例として、取り込んだ回折図形のホルツ線と計算したホルツ線とが、どの程度一致しているかをユーザにわかりやすく表示するために、両者のホルツ線の画像強度の差分量を表示するようにすることができる。この場合、取り込んだ回折図形のホルツ線は、暗線(強度が弱い領域)であることから、暗線を強度0、ホルツ線より明るい部分を1で2値化し、計算によりえられたホルツ線も、ホルツ線を強度0、ホルツ線以外の部分を強度1とし、取り込んだ回折図形と計算したホルツ線とを差分すると良い。また、ユーザに、差分する領域を限定してもらうことにより、さらに精度良く一致の度合いを見積もることができる。
【0027】上の実施例では、画像取り込み装置によって取り込まれた電子回折図形を直接計算結果と比較したが、電子回折図形を微分処理してから比較する様にしても良い。これによりHOLZ線が鮮明に観察することができ、より明確に計算結果と比較することができる。
【0028】また他の実施例として、任意の入射方向からの収束電子回折図形を撮影した場合、典型的な入射方向のHOLZ線の計算結果を同時に表示装置に表示しておき、最も近い図形を選び出すことにより、電子線の試料に対する入射方向が全くわからない場合でも、その入射方向で歪みを評価することができる。
【0029】このように、本実施例の収束電子線回折図形を用いた評価装置は、電子線回折を用いている。電子線は、本実施例のように約10nmφの大きさに十分に収束することができるので、試料4の大きさが10nm程度のものであっても歪みの方向を調べることができる。また、本実施例では、計算でもとめたホルツ線と、実際取り込んだ回折画像と重ねた画像を表示し、ユーザは、一致していないホルツ線を指定するだけで容易に、歪みの方向を知ることができる。従って、ホルツ線図形の解析方法を知らないユーザであっても、容易に微小材料の歪みを評価することができる使い勝手の良い評価装置を提供することができる。また、必要のない部分の図形の撮影や、繁雑な操作を省くことができる。電子線の入射方向や試料の種類が変り電子回折の角度Rが変化した場合にも、迅速に電子線の開き角rを最適な値に調整できる電子顕微鏡が提供される。
【0030】また、上述の実施例では、図10のステップ126等において、ユーザが電子顕微鏡の動作条件として、電子線の波長λ、入射方向、開き角、カメラ定数を入力するような構成を用いたが、電子顕微鏡の制御装置から処理装置にオンラインで入力するようにしても良い。この場合、制御装置から加速電圧Eを入力して、波長λを処理装置9で、λ=1.22/√Eから計算するようにする。
【0031】また、上述の実施例では、処理装置9は、表示装置11に、画像取り込み装置7が取り込んだ回折図形を計算したホルツ線と重ねて表示させているが、入力手段10に、ユーザが、回折図形またはホルツ線を画面上で移動させるための指示手段をさらに設けることも可能である。処理装置9は、指示手段に応じて表示装置11上で、画像を移動させる。これによりユーザは、画像の重ねあわせの微調節を行なうことができ、一致していないホルツ線の指定をより容易に行なうことができる。
【0032】また、本実施例の収束電子線回折図形を用いた歪み評価装置は、歪み評価装置としてだけではなく従来の収束電子線回折図形を観察可能な電子顕微鏡として、用いることもできる。さらに、電子線の平行ビームを試料に照射するレンズ系を配置した場合には、汎用の高分解能像観察用の電子顕微鏡として用いることももちろん可能である。
【0033】
【発明の効果】上述のように、本発明の収束電子線回折図形を用いた歪み評価装置は、電子顕微鏡を用いることにより、微細な試料の極微小部の歪みが評価できる。




 

 


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