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発明の名称 大規模配線基板及びその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−29355
公開日 平成6年(1994)2月4日
出願番号 特願平4−180661
出願日 平成4年(1992)7月8日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】薄田 利幸
発明者 成塚 康則 / 山村 英穂 / 武田 健二
要約 目的
LSIチップを高密度に隙間なく多層配線基板に実装し、小型且つ高速の電気信号処理が可能な大規模配線基板を得る。

構成
複数のLSIチップ1を平滑な支持基板2上に隙間なく隣接させて固着し、このLSIチップ集団の表面に絶縁層4及び配線層5を形成して第1の基板30を設けておき、この上にスルーホール7aと配線パターン8の形成された配線基板40を搭載して接着固定し、めっき処理してスルーホール7a内を埋込み、このめっき層9を介して上下の配線層5及び8間を電気的に接続する。この配線基板40の搭載、接着固定とめっき処理による電気的接続を繰り返して、所望の積層数の多層配線を形成する。支持基板2の背面に冷却機構筐体18を設ければ、LSIチップの冷却を効果的に行なうことができる。
特許請求の範囲
【請求項1】■電極パッドの形成された面を上向きにして複数のLSIチップを支持基板上に隙間無く配列すると共に、その背面を支持基板に固着したLSIチップ集団の表面に、絶縁層に配設されたスルーホールを介して前記電極パッドに接続された配線層を形成して成る第1の基板と、■予めスルーホールの形成された絶縁シートに配線パターンが形成された配線基板と、■前記第1の基板に前記配線基板を接着剤で固着、積層し、前記配線基板のスルーホールを介して前記第1の基板の配線層と前記配線基板上の配線パターンとを電気的に接続するめっき金属層とを有して成る大規模配線基板。
【請求項2】上記第1の基板上に、上記配線基板を複数枚固着、積層して成る請求項1記載の大規模配線基板。
【請求項3】上記配線基板の最上層の配線層に、ピン付きコネクタを導体で接続してコネクタ付き配線基板として成る請求項1もしくは2記載の大規模配線基板。
【請求項4】上記支持基板の背面に、冷却機構筐体を配設して成る請求項1乃至3何れか記載の大規模配線基板。
【請求項5】上記支持基板を、熱伝導良好でLSIチップの熱膨張係数に近似した無機絶縁基板で構成して成る請求項1乃至4何れか記載の大規模配線基板。
【請求項6】上記第1の基板の絶縁層を、有機絶縁層の塗膜で構成して成る請求項1乃至5何れか記載の大規模配線基板。
【請求項7】上記配線基板の絶縁シートを、有機絶縁フィルムで構成すると共に、スルーホールの形状をロート状にテーパーを設けて成る請求項1乃至5何れか記載の大規模配線基板。
【請求項8】■電極パッドの形成された面を上向きにして複数のLSIチップを支持基板上に隙間無く配列すると共に、その背面を支持基板に固着するに際し、各チップ上面を同一平面となるよう配設して、LSIチップ集団を固着する工程と、■前記LSIチップ集団の表面に、絶縁層を形成した後、前記電極パッド上の位置に対応する絶縁層にスルーホールを形成し、このスルーホールを介して同一チップ内もしくは隣接するチップ間の電極パッド間を電気的に接続する配線層を形成して第1の基板を準備する工程と、■絶縁シートを準備し、前記第1の基板上の配線層に対応させた位置にスルーホールを形成すると共に、このスルーホールを配線回路の一つとして含む配線パターンを絶縁シート上に形成して配線基板を形成する工程と、■前記第1の基板に前記配線基板を接着剤で固着、積層する工程と、■前記積層された配線基板にめっき処理を施し、スルーホールを介して前記第1の基板の配線層と前記配線基板上の配線パターンとを電気的に接続する工程とを有して成る大規模配線基板の製造方法。
【請求項9】上記■の配線基板を形成する工程、■の積層工程及び■の配線基板にめっき処理を施し、スルーホールを介して第1の基板の配線層と配線基板上の配線パターンとを電気的に接続する工程迄を複数回繰返し、第1の基板上に複数の配線基板を積層して多層回路基板を形成する工程を有して成る請求項8記載の大規模配線基板の製造方法。
【請求項10】上記■の積層工程の後に、スルーホール底部の配線層上に残留した不要な接着剤を除去する工程を付加して成る請求項8もしくは9記載の大規模配線基板の製造方法。
【請求項11】上記■の第1の基板を準備する工程における配線層の形成に際しては、成膜工程により順次Cr/Cu/Crを成膜して3層膜とするか、もしくはTi/Cu/Crの3層膜とし、上記■の積層工程の後に、スルーホール底部に表れた配線層の最表層のCrをエッチング処理により除去して下地のCu層を露出させる工程を付加し、■のめっき処理をCuもしくはNiめっき処理工程として成る請求項8もしくは9記載の大規模配線基板の製造方法。
【請求項12】上記■の絶縁層の形成を、ポリイミド前駆体を塗布・キュアして表面の平坦化された絶縁層として形成すると共に、■の絶縁シートをポリイミドフィルムで形成して成る、請求項8もしくは9記載の大規模配線基板の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば電子計算機や電子交換器等のように高速で電気的信号を処理する必要のある電子機器のように大規模な回路を高密度に組み込む必要のある電子機器に好適な大規模配線基板とその製造方法及びこれを用いた電子機器に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、電子機器の性能は大規模集積回路(LSI)を限られた空間に多く組み込むための実装技術に大きく左右されるようになって来た。既に、LSIの外部の回路及びLSIとの接続部分は、従来最も用いられてきたプリント基板における配線ピッチでは形成できないほど細かい配線パタ−ンが必要となってきており、セラミック厚膜印刷技術によって形成された多層配線基板上に更に細かい回路パタ−ン形成が可能な薄膜技術によって接続部分を形成した基板や、同様の薄膜技術によって接続部分を形成した高耐熱樹脂テ−プをLSIと基板との間に入れるテ−プオ−トメ−テッドボンディング(TAB)と呼ばれる技術が適用され始めている。一般に、薄膜技術によって作られた配線とLSIとの接続には、Au等の細いワイヤを用いるワイヤボンディングと呼ばれる接続法または半田を用いる接続法が用いられる。特に、半田を用いる接続法の中でもコントロ−ルド・コラプス・ボンディング(CCB)法は、LSIチップの表面全面から端子を引き出すことができるために端子数が多いVLSIに好適なため、一部の実装基板に用いられるようになってきた。
【0003】しかしながら、上記のような接続法は接続部分の必要面積が数十μm径は必要であるため、配線をより高密度に接続することが次第に困難になりつつある上に、接続のための特別な配線層構成を必要とするため工程が増える欠点もある。これに対して、接着剤により上下の電極を機械的に押しつけて電気的接続を行う技術が実用化されつつある。この場合、基本的には20μm以下の配線ピッチにおける接続も可能であることが示されている。この接続法の問題点は上下の電極間に接着剤が残るため、接続部の電気抵抗が比較的高いことが挙げられる。また、接着剤による接続のため、実使用条件下での接続信頼性が基本的には高くないことから、通信機及び計算機のように高信頼性を求められる製品には適用が困難であることも大きな問題として挙げられる。
【0004】これらに対して、LSIチップと配線基板との電気的接続をいわゆるボンディング技術を用いずに接続するボンディングレスインタ−コネクション法も提案され検討が進められている。典型的な例としてICカードに見られるように、熱可塑性樹脂へLSIチップを埋め込むことでLSI表面及び樹脂部表面を平坦化し、これによりLSIの接続パッドが基板表面に位置する基板を形成し、接続パッド間の配線を容易に形成する技術が報告されている。
【0005】また、図7に示したように支持板2上にLSIチップ1を所定間隔で配列し、隣接するチップ間に樹脂23を埋込みチップを支持板2に固定すると共に樹脂表面を平坦化する。この時、チップ1の電極パッド3上に樹脂が残らないように除去してからその上全面に絶縁層4を形成し、所定のスルーホールを設ける。次いで配線金属を全面に形成してから選択エッチングによりパターニングして配線5を形成するものである。この絶縁層4と配線5との形成工程を繰返し、この例では2層の配線5を形成している。
【0006】なお、この種の技術に関連するものとしては、例えばアイ・イ−・イ−・イ−・トランザクション・シイエイチエムティー第10巻第3号(1987年)310〜313ページ〔IEEE Transactions on Conponents,Hybrids,andManufacturing Tecnology,Vol.CHMT−10,No.3 Sept.1987,pp.310〜313〕及び特開昭62−81745号公報が挙げられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】高密度配線基板に関して本来の目的を考えてみると、電気的素子を高密度に配設し、これを最短の配線で接続することであり、これの1つの方向がLSIそのものである。従って、複数のLSIを配線基板上に接続する場合はLSIチップそのものを高密度に配設する必要がある。しかしながら、上記技術は何れも1つのLSI上の接続パッドの大きさ及びパッド間の間隔が小さい場合の配線基板の接続法であり、複数のLSIチップを高密度に配線基板と接続することまでは考慮されていなかった。従って、何れの例においてもLSIチップ間の間隔を小さくする上で何らかの困難を伴っていた。
【0008】したがって本発明の目的は、上記従来の問題点を解消することにあり、その第1の目的は複数のLSIチップを支持基板に隙間なく高密度に搭載固定すると共にその表面に多層配線構造体を配設して成る大規模配線基板を提供することにあり、第2の目的はその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題に対して、最もLSIチップを高密度に配設するために支持基板上に厚さの揃ったLSIチップを隙間なく隣接させ、LSIチップの集団そのものがあたかも1枚の基板のごとくなるよう固定することである。そしてこの基板上へのLSIチップの固定に際しては、チップの形成された電極パッドを上向きとして、その背面を支持基板に固定し、さらに基板の電極パッド側には絶縁層に設けたスルーホールを介して隣接するチップ間もしくは同一チップ内の電極パッドに接続する配線を形成しておく。本発明の大規模配線基板は、このLSIチップを固定した基板上に、さらに別途準備した配線基板を多層に積層した構成としたものである。
【0010】すなわち、LSIチップの集団を固定した基板上に配線基板を多層に積層するにあたっては、LSIチップ内配線または隣接するLSIチップ間の配線等の多層配線の一部の配線を形成したスルーホールを有する配線基板(例えば絶縁フィルム上に形成したもの)を予め個別に製作しておき、この配線基板を上記LSIチップの集団を固定した基板上に接着剤を用いて積層固定し、1層積層する毎にめっきによりスルーホールを介してLSIチップ側の下層配線との間を電気的に接続する。この配線基板の積層回数を所望の回数繰返すことにより、目的とする大規模配線基板を実現することができる。
【0011】以下に本発明の具体的な目的達成手段について説明する。先ず、上記第1の目的は、■電極パッドの形成された面を上向きにして複数のLSIチップを支持基板上に隙間無く配列すると共に、その背面を支持基板に固着したLSIチップ集団の表面に、絶縁層に配設されたスルーホールを介して前記電極パッドに接続された配線層を形成して成る第1の基板と、■予めスルーホールの形成された絶縁シートに配線パターンが形成された配線基板と、■前記第1の基板に前記配線基板を接着剤で固着、積層し、前記配線基板のスルーホールを介して前記第1の基板の配線層と前記配線基板上の配線パターンとを電気的に接続するめっき金属層とを有して成る大規模配線基板により、達成される。
【0012】上記第1の基板上に積層する配線基板としては、単層(1枚)に限らず回路規模に応じて複数枚固着、積層して多層配線構造体とする。また、この大規模配線基板を外部回路に接続するために、最表面の配線パターン上に、ピン付きコネクタを導体で接続してコネクタ付き配線基板とすることが実用的で好ましい。コネクタはセラミックス等の厚膜配線基板で構成し、一方の面に接続ピンを植設し、他方の面に配線パターンに接続する電極を形成しておく。これをはんだ接続で配線基板に接続、固定してコネクタ付きの大規模配線基板とする。
【0013】また、支持基板の背面に、例えば水冷による冷却機構筐体を配設することが望ましく、LSIチップの放熱を良好にするため支持基板は、熱伝導良好でLSIチップの熱膨張係数に近似した無機絶縁基板で構成することが望ましい。支持基板の背面に凹凸を設けてこれを冷却機構筐体の一部として兼用し、支持基板を直接冷却する構成とすることができる。
【0014】上記第1の基板の絶縁層は、表面の平坦化が容易なように例えばポリイミドの如き有機絶縁層を塗布膜で構成することが望ましい。また、配線基板の絶縁シートとしては、例えばポリイミドの如き有機絶縁フィルムで構成すると共に、スルーホールの形状は、めっきによる電気的接続を容易とするため、ロート状にテーパーを設けることが望ましい。
【0015】また、上記第2の目的は、■電極パッドの形成された面を上向きにして複数のLSIチップを支持基板上に隙間無く配列すると共に、その背面を支持基板に固着するに際し、各チップ上面を同一平面となるよう配設して、LSIチップ集団を固着する工程と、■前記LSIチップ集団の表面に、絶縁層を形成した後、前記電極パッド上の位置に対応する絶縁層にスルーホールを形成し、このスルーホールを介して同一チップ内もしくは隣接するチップ間の電極パッド間を電気的に接続する配線層を形成して第1の基板を準備する工程と、■絶縁シートを準備し、前記第1の基板上の配線層に対応させた位置にスルーホールを形成すると共に、このスルーホールを配線回路の一つとして含む配線パターンを絶縁シート上に形成して配線基板を形成する工程と、■前記第1の基板に前記配線基板を接着剤で固着、積層する工程と、■前記積層された配線基板にめっき処理を施し、スルーホールを介して前記第1の基板の配線層と前記配線基板上の配線パターンとを電気的に接続する工程とを有して成る大規模配線基板の製造方法により、達成される。
【0016】大規模配線基板の回路規模に応じて上記■の工程から■の工程迄を複数回繰返し、第1の基板上に複数の配線基板を積層して多層回路基板を形成する工程とすることが望ましい。さらに好ましい工程として、上記■の積層工程の後に、スルーホール底部の配線層上に残留した不要な接着剤を除去する工程を付加することであり、これにより電気的接続の信頼性を確実なものとすることができる。
【0017】また、上記■の第1の基板を準備する工程における配線層の好ましい形成例としては、成膜工程により順次Cr/Cu/Crを成膜して3層膜とするか、もしくはTi/Cu/Crの3層膜とし、上記■の積層工程の後に、スルーホール底部に表れた配線層の最表層のCrをエッチング処理により除去して下地のCu層を露出させる工程を付加し、■のめっき処理をCuもしくはNiめっき処理工程とすることが好ましい。第1層目のCrはCuの下地層として形成するものであり、第3層目のCrはCuの酸化防止膜として形成する。
【0018】また、好ましい例として、上記のように■の絶縁層の形成を、ポリイミド前駆体を塗布・キュアして表面の平坦化された絶縁層として形成すると共に、■の絶縁シートをポリイミドフィルムで形成することが望ましい。
【0019】
【作用】厚さの揃ったLSIチップを隙間無く隣接させて支持基板に固定することでLSIチップの集団の表面において、チップ間に生じる段差を20μm以下とすることが可能となる。この段差は塗布・キュア工程により形成する有機絶縁層、または無機絶縁膜をLSIチップの集団上に形成することによって低減でき、完全に平坦化できなくともチップ間に跨る配線を形成した場合にも断線等の不良を発生することがない程度の大きさの段差にすることができる。
【0020】また、チップ集団を固定するために用いる支持基板として熱伝導率の高い材質を用いると、多層配線基板完成後にはそのままLSIチップから発生する熱を放散するための冷却板または冷却機構の一部として用いることができる。支持基板は、単体金属、合金、セラミックス等で構成されるがLSIチップの熱膨張率に近いものが望ましく、例えばZr、W等の単体金属もしくはインバー合金として知られる熱膨張係数の小さな合金等が用いられる。
【0021】更に、LSIチップ集団上の電極パッドに予め絶縁層を介して接続された配線を有する基板上に、スルーホールの設けられた配線基板を多層に積層するにあたっては、別途予めLSIチップ内配線または隣接するLSIチップ間の配線等多層配線の一部の配線を形成済みのスルーホールを有するフィルム基板を製作しておき、上記基板上の配線と配線基板のスルーホールとの位置合わせを行ない、両基板を接着剤で張り合わせて固定し、配線基板を1層積層する毎にめっきによりスルーホール内を埋めて下層配線との間を電気的に接続する。この工程を積層数に見合って複数回繰返す。これにより、積層する個々の配線基板の配線不良を予め検査しておき、良好な配線層のみを選択し積層することが可能となり、配線基板の製造歩留まりの低下を防ぐことができる。また、めっきにより電気的接続を形成することで、比較的低温で基板上に積層することができるため、配線層を多層に積層する場合の熱応力による種々の問題発生を防ぐことができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面にしたがって説明する。
〈実施例1〉図1、図2は、本発明の大規模配線基板を製造する基本的な製造方法の一例を示す工程図である。先ず、図1(a)に示すように、熱膨張率がLSIチップ1の値に近いZr、W等の単体金属またはインバ−合金として知られる熱膨張係数の小さな合金等を支持板2としてこの片側の面上に、LSIチップ1の電極パッド3のある面側を上方に向けて多数個隙間無く並べ、接着剤またははんだのような金属の接合材を用いてその背面側を支持板2に固着する。固着に際しては個々のLSIチップ1の表面が極力平坦になるように平滑な板をLSIチップ1の表面に押しつける等の手段を講ずると良い。また、LSIチップ相互間の隙間を極力無くすことを目的に、LSIチップの表面側をこの平滑な板に予め仮留めした後、LSIチップ裏面を支持板に押しつけ固着してもよい。
【0023】次に図1(b)に示すように、LSIチップ1の表面全面に絶縁層4としてポリイミド前駆体を塗布・キュアし表面の平坦化を行う。LSIチップ相互間の段差が20μm以下であれば、塗布・キュア工程を複数回繰り返すことで配線形成に支障が無い程度にまで段差を軽減できる。形成したポリイミド絶縁層4の所定の部分にフォトエッチング技術により電極パッド3を取り出すためのスル−ホ−ル4aを形成する。
【0024】図1(c)に示すように、この絶縁層4上にスパッタリングまたは蒸着のような成膜手法を用いてCr/Cu/CrまたはTi/Cu/Crの順序で3層膜から成る配線層5を連続的に形成する。この後、配線層5を予め予定された所定のマスクパターンを用い、フォトエッチング技術により各層を順次加工し、配線パタ−ン5を形成する。この工程により、LSIチップ1の表面の接続パッド3と絶縁層4表面の配線5との電気的接続がスルーホール4aを介して形成される。ここで形成される絶縁層4としてのポリイミド層は、熱膨張率がLSIチップの値と同等であることが配線基板の信頼性および製造上の点から望ましい。このようにして形成した基板を第1の基板と称し、符号30で示す。
【0025】なお、LSIチップ1が極めて高密度となり、それに伴い電極パッド3が微小となると、絶縁層4のスルーホール4aも微小となり、スパッタリングや蒸着による成膜工程だけでは電極パッド3との導通が不完全となる場合が生じる。したがって、このような場合には接続の信頼性を高めるために配線層5の成膜後にめっき工程を付加して導通を確実にすることが望ましい。
【0026】次に、図2(a)〜(c)に示すように、第1の基板30とは別に、第2の基板と成る配線基板40を形成する。先ず、同図(a)に示すように、絶縁フィルム7としてポリイミドフィルムを準備し、この所定の位置にレ−ザ−アブレ−ション技術またはフォトエッチング技術によりスル−ホ−ル7aを形成する。ここで用いるポリイミドフィルムの膨張率もLSIチップ1と同等であることが望ましい。
【0027】次に同図(b)に示すように、このフィルム7上に配線金属層8をスパッタリングもしくは蒸着により形成する。配線金属層8としてはCr/Cu/CrまたはTi/Cu/Crからなる3層の配線層を順次連続的に形成する。次いで同図(c)に示すように、配線金属層8をフォトエッチング技術を用いてパターニング加工し、スル−ホ−ル7aを有する単層の配線基板40を形成する。
【0028】次に同図(d)に示すように、前工程(c)で形成した配線基板40を、図1(c)で形成した第1の基板30の上に搭載し、接着剤6を用いて両者を接合、固定する。この接合に際しては、配線基板40の裏面に接着剤6を塗布した後、上記第1の基板30上の所定配線層5の位置にスル−ホ−ル7aが重なるように位置決めし、配線基板40のポリイミドフィルムと基板30とを接着する。接着剤6としては室温〜200℃以下の温度で固まり、反応時に水分及びガスを発生しないものが望ましい。また、接着にあたっては基板30とポリイミドフィルム40間の余剰の接着剤が少なくなるように、接着剤が固化する前にロ−ル等を用いて余分な接着剤6を追い出すようにした方が電気的接続を形成する工程で良好な結果が得られる。
【0029】接着が終了したし点でスル−ホ−ル7aの底部に残る不要な接着剤6を溶剤またはO2アッシング処理等により除去し、次いで次工程(e)のめっき処理に備えてスル−ホ−ル7aの底部に露出した配線層5の最表面のCr層をエッチングにより除去し、下地のCu層表面を露出させる。なお、このCr層の除去は、図1(c)工程の最後に行なうこともできる。すなわち、予め配線基板40のスルーホール7aが当接する基板30上の配線層5の最上部のCr層を所定のマスクパターンを用いてフォトエッチングにて除去し、下地のCu層を露出させる。
【0030】最後に同図(e)に示すように、めっき処理を行ないNi,Cu等の金属膜9をスル−ホ−ル7aの底部及び側面に成長させる。このめっき層9によって第1の基板30の配線5と配線基板40上に形成した配線8間の電気的導通が形成される。このようにして、本発明の目的とする大規模配線基板50を製造することができる。
【0031】なお、この実施例では基本的な製造例を示しているため、図2(d)では、基板30上に配線基板40を1層積層しているが、実際には複数層繰返して積層して多層構造とし、大規模な配線構造体を形成する。
【0032】〈実施例2〉図3は、上記実施例1の工程により製造した大規模多層配線基板50(ただし、配線基板40を繰返し多層構造としたもの)の最上部の配線層9aと外部回路の配線とをコネクタ接続するための構成例を示した要部断面図である。60はコネクタ、15はコネクタ接続用のソケットで、コネクタ60のピン14がソケット15の挿入口16に挿入されて大規模多層配線基板50の回路は、図示されていない外部回路に接続される。
【0033】コネクタ60は、厚膜配線基板(例えばセラミックス多層基板)から成り、図示のごとく絶縁基板61の所定位置に設けられた貫通スル−ホ−ル62に導体11を埋め込んで焼成し、裏面にコネクタ接続のためのピン14がろう材13によりパッド12に固定されている。コネクタ60の表面は、CCB接続技術を用いて大規模多層配線基板50の最上部の配線層9aとはんだ10により接続する。これにより、配線密度を大きく低下させること無く外部回路と電気的接続が可能となる。このコネクタ60を構成する厚膜配線基板の熱膨張率もLSIチップと同等であることが望ましい。
【0034】〈実施例3〉図4は、実施例1及び2で形成した大規模多層配線基板50の支持板2の背面に、冷却構造筐体18を熱伝導性良好な接着剤21、もしくはろう材で接続、配設してLSIチップ集団から発生した熱を効率良く外部に逃がすことができる構成とした大規模配線基板の要部概略断面図を示したものである。
【0035】また、図5も同じく大規模多層配線基板50の支持板2の背面に、冷却構造筐体18を配設した変形例を示した要部概略断面図である。この例では支持板2の背面形状を凹凸の形状に加工し、これを冷却構造筐体18の一部として兼用するもので、支持板2の突出した外周部2aをシール材22を介して残りの冷却構造筐体18に接続し、支持板2を直接冷却できる構造としたものであり、図4の構成よりも冷却効果をより向上させることができる。
【0036】いずれの冷却構造筐体18においても、冷媒19は吹き出しノズル20から矢印方向に流れて、図示されていない放熱部で熱交換され循環する構成となっている。なお、冷媒としては例えば冷却水が実用的であるが、これに限らずその他一般に使用されるガス状もしくは液状の冷媒が用いられる。
【0037】〈実施例4〉図6は、同一LSIチップ1内の電極パッド3を、その上に絶縁層4を介して配設した配線層5で相互に配線接続できるようにした大規模多層配線基板50を示したもので、実施例1の図1及び図2の変形例を示している。製造方法としては、基本的には実施例1と同様であり、図1(b)〜(c)の製造工程において、LSIチップ集団上に絶縁層4としてポリイミド層を塗布・キュアによって形成した後、この絶縁層4上に形成する配線5として1つのLSIチップ1内の電極パッド3間を相互に結ぶ配線5を形成する。その後、図2(a)〜(e)を形成する工程を経て基板30上に配線基板40を形成した。
【0038】このような配線パタ−ンにすることで、隣接するLSIチップ1間に残る段差を跨る配線をこの層では避けることができるため、上記ポリイミド層4で覆いきれない段差が有る場合でも配線の形状不良発生を防ぐことができる。また、LSIチップ1内の配線の一部を配線層5で受持つことになり、LSIチップ内の長い配線を配線抵抗の小さな多層配線部分で行うため、電気信号の伝播遅延が小さくなり、結果としてLSIの高速動作を可能とする利点もあるため、今後のLSIの高集積化による配線微細化に伴う電気信号の伝播遅延増大を補うことができる。
【0039】〈実施例5〉この例は、LSIチップ及びその上部に設けた多層配線層の検査回路に関する例を説明するものである。実施例1に示した大規模多層配線基板50は、LSIチップ1上に配線基板40を単層もしくは複数層積層して、直接回路を形成するため、LSIチップ1の回路検査はLSIチップ単体が完成した時点で行うことが最も望ましいが、これが困難である場合を考慮して図1(a)に示したLSIチップ集団の中に予備のLSIチップを含ませるか、LSIチップそのものの中に予備回路を設け、さらに塗布・キュアによって形成した絶縁層4の表面、またはフィルム状配線基板40上に、LSIチップ上の回路および配線基板40上の回路を検査するための回路を設ける。また、回路の不良部分を回路から切離し、予備回路を配線基板40上の回路と接続するためのいわゆる冗長回路を設けることによりLSIチップ1の不良を救済し、大規模配線基板50が機能不全となることを防ぐ。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、LSIチップを隙間無く配設し、チップ間の配線を形成することが可能となるので、多層配線基板における配線長を最短とすることができるため、多層配線内での電気信号遅延を最小にできる。これにより電子計算機や電子交換器のように高速で電気信号を伝播させる必要の有る装置の機能を大幅に向上させることができる上、装置を小さくすることができる。
【0041】また、多層配線板の製造法として、予め配線を形成した配線基板を別途製造しておき、この配線板をLSIを隙間無く搭載した第1の基板に接合して、配線板の配線と下層の配線(第1の基板上の配線)との層間の電気的接続を、めっき処理にて形成することにより、多層配線部の製造工程中において250℃を越えるような高温の工程が不要になる。これにより熱応力による配線不良の発生を防ぐことができる上、多層配線を形成する有機材料の選択枝が非常に広くなり、接着剤を使用することも可能となる。また、この工程を採用することにより、各層における配線を予め検査して良品のみ多層配線板に用いることにより多層配線板の製造歩留まり低下を防ぐことができる。さらに、配線基板内に冗長回路を内蔵することでも多層配線基板の製造歩留まり低下を防ぐことができる。




 

 


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