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発明の名称 樹脂封止型半導体装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−29335
公開日 平成6年(1994)2月4日
出願番号 特願平4−201821
出願日 平成4年(1992)7月7日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】中本 宏
発明者 尾形 正次 / 瀬川 政則 / 北村 輝夫 / 江口 州志 / 宝蔵寺 裕之 / 石井 利昭
要約 目的
リードの多ピン化、ファインピッチ化に対応したはんだ付け性に優れた樹脂封止型半導体装置を提供する。

構成
リードフレームのダイパッド部又はインナーリード3に固着された半導体素子表面の電極4とインナーリード間が電気的に接続された半導体素子1及びリードフレーム3の一部を、(a)エポキシ樹脂、(b)フリーフェノール含有量が0.1wt%以下のフェノール系樹脂硬化剤、(c)含窒素系化合物等の硬化促進剤及び(d)無機質充填剤を必須成分とする樹脂組成物6で封止した樹脂封止型半導体装置において、上記リードフレームはプリント基板に電気的に接続される少なくとも先端部分がパラジウムを主剤又は最外層とするめっき被膜で覆われており、かつ、上記樹脂組成物は150〜190℃、30〜180秒の封止工程で発生するフリーフェノールの発生量が30ppm以下であることとしたものである。
特許請求の範囲
【請求項1】 リードフレームのダイパッド部又はインナーリードに固着された半導体素子表面の電極とインナーリード間が電気的に接続された半導体素子及びリードフレームの一部を、(a)エポキシ樹脂、(b)フェノール系樹脂硬化剤、(c)硬化促進剤及び(d)無機質充填剤を必須成分とする樹脂組成物で封止した樹脂封止型半導体装置において、上記リードフレームはプリント基板に電気的に接続される少なくとも先端部分がパラジウムを主剤又は最外層とするめっき被膜で覆われており、かつ、上記樹脂組成物は150〜190℃、30〜180秒の封止工程で発生するフリーフェノールの発生量が30ppm以下であることを特徴とする樹脂封止型半導体装置。
【請求項2】 上記リードフレームは銅又は銅系合金であることを特徴とする請求項1記載の樹脂封止型半導体装置。
【請求項3】 上記樹脂組成物は、(b)フェノール系樹脂硬化剤が分子内にフェノール性水酸基を2個以上含み、かつ、フリーフェノール含有量が0.1wt%以下のフェノール系樹脂であり、(c)硬化促進剤が含窒素系化合物であることを特徴とする請求項1又は2記載の樹脂封止型半導体装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂封止型半導体装置に係り、特に、リードの多ピン化、ファインピッチ化に対応したはんだ付け性に優れた樹脂封止型半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体素子を外部環境から保護し、プリント基板への実装を容易にするためのパッケージ技術として、従来から樹脂封止技術が広く用いられている。しかし、半導体素子はこれまで3年に4倍のピッチで高集積度化が進み、それに伴って素子サイズの大型化が進んでいる。また、素子の高集積、高性能、多機能化に伴いピン数の増大も急激に進んでいる。
【0003】一方、各種エレクトロニクス機器の小型軽量化、高性能化などのニーズから、各種半導体装置には実装の高密度化が強く望まれ、半導体部品のパッケージは小型薄型化の趨勢にある。また、パッケージの形状もピンをプリント基板のスルーホールに差し込んで実装するDIP( Dual Inline Plastic Package )、ZIP( Zigzag Inline Plastic Package )、SIP( Single Inline Plastic Package )といったいわゆるピン挿入型から、最近はSOP( Small Outline PlasticPackage )、SOJ( Small Outline J-lead Plastic Package ) 、QFP( Quad Flat Plastic Package )のような両面実装が可能で、しかもサイズが小さな表面実装型のパッケージの需要が急増している。このような半導体部品のプリント基板への実装は通常はんだ付けによって行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、素子の高集積、高機能化とともに多ピン化が進む一方でパッケージに小型化が求められる結果、リードの微細化、ファインピッチ化が進み、こうした部品をプリント基板に実装(はんだ付け)するうえでいろいろな技術的課題が発生するようになった。すなわち、リード間隔の極端に狭い部品をプリント基板に実装する場合隣接するリード間ではんだのブリッジングが起こり、リードが短絡(ショート)する問題が発生し易くなった。これは次の理由による。従来、樹脂封止型半導体はプリント基板へのはんだ付けを容易にするため、素子の樹脂封止が完了するとアウターリードにはんだめっきを施していた。ところが、はんだめっきを施したリードフレームは、はんだとの濡れが良好なため、これをプリント基板にはんだ付けしようとすると基板の回路部に予め塗布しておいたはんだをリードフレームが吸い上げ、また、予めリードフレームにめっきしたはんだが溶融して流動するため、リードフレームには局部的にはんだが異常に多い箇所が発生し、その部分でリードがショートするためであった。
【0005】こうした問題に対処するため、最近はリードフレームの表面に薄いパラジウムめっきを施したリードフレームを用いて半導体を樹脂封止する試みがなされている。これは、パラジウムめっきを施こしたリードフレームは、はんだとの濡れ性は極めて良好であるが、はんだ付けの際パラジウム自体が溶融しないためにはんだの付き過ぎによるリードフレームの異常な太りが起こりにくく、リードが狭ピッチ化しても隣接するリード間のはんだのブリッジングによるリードの短絡(ショート)が発生しにくいためである。
【0006】ところが、このようなパラジウムめっきを施したリードフレームを用いた樹脂封止型半導体装置はリードのはんだ濡れ性の経時変化が著しく、加熱、加湿処理工程を経るに従ってはんだ濡れ性が低下し、その解決がパラジウムめっきを施したリードフレームを樹脂封止型半導体に適用するうえで重要な技術課題になっていた。本発明は、このような状況に鑑みなされたものであり、特に、リードの多ピン化、ファインピッチ化に対応したはんだ付け性に優れた樹脂封止型半導体装置を提供することを課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、パラジウムめっきを施したリードフレームのはんだ濡れ性が経時変化を起こす理由について詳細な解析を行った。その結果、はんだ濡れ性が低下する理由は樹脂封止を行う際、封止材料から発生するフリーフェノールがリードフレームの表面に付着し、それがパラジウムの触媒作用によって変質し、それがはんだ濡れ性を低下させることが明らかになった。従って、パラジウムめっきを施したリードフレームのはんだ濡れ性の経時変化を抑制するためには封止工程で封止材料から発生するフリーフェノールを低減することが必要なことが明らかになった。本発明はこのような状況を鑑み成し遂げられたものであり、その要点は以下の通りである。
【0008】すなわち、リードフレームのダイパッド部又はインナーリードに固着された半導体素子表面の電極とインナーリード間が電気的に接続された半導体素子及びリードフレームの一部を、(a)エポキシ樹脂、(b)フェノール系樹脂硬化剤、(c)硬化促進剤及び(d)無機質充填剤を必須成分とする樹脂組成物で封止した樹脂封止型半導体装置において、上記リードフレームはプリント基板に電気的に接続される少なくとも先端部分がパラジウムを主剤又は最外層とするめっき被膜で覆われており、かつ、上記樹脂組成物は150〜190℃、30〜180秒の封止工程で発生するフリーフェノールの発生量が30ppm以下であることとしたものである。上記において、リードフレームは銅又は銅系合金であるのがよく、また、樹脂組成物は、(b)樹脂硬化剤が分子内にフェノール性水酸基を2個以上含み、かつ、フリーフェノール含有量が0.1wt%以下のフェノール系樹脂であり、(c)硬化促進剤が含窒素系化合物であるものを用いるのがよい。
【0009】
【作用】現在エポキシ樹脂系半導体封止材料の硬化剤として用いられるフェノール系樹脂は、フェノールとホルマリンとの付加縮合反応によって合成される。そのため樹脂中には未反応のフェノールが残存する。それ故、フリーフェノールの発生源は硬化剤のフェノール系樹脂と考えられる。従って、フリーフェノールの発生量を低減するためにはフェノール系樹脂中に含まれる未反応のフェノール量を減らすことが先ず重要である。しかし、未反応のフェノール量を極端に少なくすることには技術的にも経済的にも限界がある。一方、封止材料は封止工程で樹脂成分の熱分解が起こり、フリーフェノールはこのような樹脂成分の熱分解によっても発生する。従って、フリーフェノールの発生量を低減するためにはこのような樹脂成分の熱分解を抑制することも重要である。
【0010】本発明では、硬化促進剤として含窒素系化合物を用いることにより、フェノール系樹脂中に含まれるフリーフェノールの系外への放出を抑制できると同時に、封止工程で起こる樹脂成分の熱分解も抑制するものである。本発明に用いることのできる含窒素系化合物としては、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、N−ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、テトラメチルブチルグアニジン、ピリジン、N−メチルピペラジン、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセンあるいはこれらの誘導体及び各化合物の有機酸塩、有機ボロン塩などを上げることができる。
【0011】本発明の封止材料に用いるエポキシ樹脂は特にその構造を限定するものではないが、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAを原料にした2官能あるいは多官能型エポキシ樹脂、ナフタレン又はビフェニル骨格を有する2官能あるいは多官能型エポキシ樹脂等を用いることができる。フェノール系硬化剤としては、フェノールノボラック樹脂のほか、o−クレゾールノボラック樹脂、ポリ−p−ビニルフェノール、フェノールとアラルキルエーテルとの縮合物などのフェノール系樹脂を用いることができる。無機充填剤としては溶融シリカ、結晶性シリカ、アルミナなどを用いることができる。また、上記以外にも必要に応じてカップリング剤、離型剤、着色剤、難燃化剤、可とう化剤などを配合することもできる。
【0012】これらの各素材は二軸ロールや押出し機を用いて混練し封止材料にすることができる。また、こうして得られた封止材料はトランスファープレスを用いて従来と全く同様の方法で半導体の樹脂封止を行なうことができる。本発明の樹脂封止型半導体装置に用いるリードフレームは銅又は銅系合金が望ましい。例えば鉄系のリードフレームは表面にパラジウムめっきを施すとリードフレームの耐食性が著しく低下し実用的でない。銅系リードフレームにパラジウムめっきを施す場合、各層間の密着力を向上するためたとえば下地にニッケルめっきなどを行っても良い。最外層のパラジウムめっきの厚さは特に限定されるものではないが、少なくとも0.1μm以上の厚さを有することが望ましい。
【0013】次に、モールド封止工程で発生するフェノール量とリードフレームのはんだ濡れ不良率との関係を、図6〜図8に示す。図6〜図8において、フェノール発生量は封止工程を180℃で90秒加熱で行った際に発生するフェノール量(ppm)であり、図6は二次キュアすなわち180℃で5時間加熱後のはんだ濡れ不良率(%)を示すグラフであり、図7はベーク後すなわち150℃で168時間後のはんだ濡れ不良率(%)を示すグラフであり、また、図8は100℃、100%相対湿度下で16時間加湿後のはんだ濡れ不良率(%)を示すグラフである。これらの図からもわかるように、封止工程でのフェノール発生量が30ppm以下の場合はいずれの処理後もはんだ濡れ不良率は0%であり、このような封止材料で封止した半導体装置が優れていることが明らかである。なお、a〜eは実施例の樹脂a〜eに相当する材料を示す。
【0014】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1まず、本発明に用いる封止材料の例を説明する。
樹脂例aエポキシ樹脂として、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂を85重量部及び臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂を15重量部、硬化剤としてフリーフェノール含有量が0.5wt%のフェノールノボラック樹脂を52重量部、硬化促進剤として1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセンを1.5重量部、可撓化剤として両末端にアミノ基を有する分子量が約80,000のポリジメチルシロキサン8重量部、充填剤として溶融シリカを350重量部、カップリング剤としてエポキシシランを2重量部、離形剤としてモンタン酸エステルを1重量部、難燃化助剤として三酸化アンチモンを10重量部、着色剤としてカーボンブラックを1重量部を計量した。次いで、これらの各素材を約80℃に加熱した二軸ロールを用いて約15分間混練し目的とする封止材料を作製した。
【0015】樹脂例bエポキシ樹脂としてテトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂を85重量部用いたほかは上記樹脂例aと同様にして封止材料を作製した。
【0016】樹脂例c硬化剤としてフリーフェノール含有量が0.35wt%のフェノールアラルキル樹脂を95重量部用いたほかは上記樹脂例aと同様にして封止材料を作製した。
【0017】樹脂例d(比較例)
硬化剤としてフリーフェノール含有量が1.5wt%のフェノールノボラック樹脂を用いたほかは上記樹脂例aと同様にして封止材料を作製した。
【0018】樹脂例e(比較例)
硬化促進剤としてテトラフェニルホスフィンを1.5重量部用いたほかは上記樹脂例aと同様にして封止材料を作製した。
【0019】次に、本発明を適用した半導体装置の構造を図面を用いて説明する。図1は半導体素子1をフィルム状の両面接着剤2を介してリード3に固着した後、素子上の電極4とインナーリード3を金ワイヤ5で電気的に接続した後、素子及びインナーリードを封止材料6で封止したSOJの例である。アウターリードにはパラジウムめっき7が施してある。図2は、リードフレームのダイパッド部8に半導体素子1を銀ペースト9で固着し、素子上の電極4とインナーリード3を金ワイヤ5で電気的に接続した後、素子及びインナーリードを封止材料6で封止したTSOP( Thin Small Outline Plastic Package ) の例である。アウターリードには上記同様にパラジウムめっきが施してある。
【0020】図3は半導体素子(1と1′)を固着したリード同士(3と3′)を接合して半導体素子を二段重ねにし、これを封止材料6で樹脂封止した外観上はSOJ(Small Outline Plastic Package ) の例である。アウターリードには上記同様にパラジウムめっきが施してある。上記によって作製した5種類の樹脂例a〜eの封止材料について、180℃で90秒加熱した場合に発生するフリーフェノール量をガスクロマトグラフィーを用いて測定した。また、図1に示す半導体装置を上記の樹脂例a〜eの封止材料で樹脂封止し、封止直後、後硬化後、さらに加熱、加湿処理を行った後のリードフレームのはんだ濡れ性を評価した。なお、はんだ濡れ性の良否は、リードフレームのはんだ濡れ不良(はんだのはじき)部分が表面積の5%以内の場合を良とし、5%以上の場合を否とした。評価結果をまとめて表1に示す。
【0021】
【表1】


表1から明らかなように、本発明の封止材料は封止工程で発生するフリーフェノール量が少ない。また、樹脂封止半導体装置は後硬化後、さらにその後の長時間の加熱、加湿処理工程を経てもはんだ濡れ性の低下が起こらないことがわかる。
【0022】図4は本発明のパラジウムめっきをほどこしたリードフレームを用いた半導体装置をプリント基板にはんだ付けした場合、図5は従来のはんだめっきを施したリードフレームを用いた半導体装置をプリント基板にはんだ付けした場合のリードフレームに対するはんだの付き具合を比較した結果である。従来のはんだめっきを施したリードフレームを用いた半導体装置(図5)はプリント基板に予め付けておいたはんだが吸い上げられリードフレーム周辺のはんだの付着が多く、リードフレームが太って見えるのに対し、本発明のパラジウムめっきを施こしたリードフレームを用いた半導体装置(図4)ははんだの付き過ぎによるリードの太りはほとんど認められない。
【0023】
【発明の効果】このように、本発明のパラジウムめっきを施したリードフレームは、はんだ濡れ性の経時変化が少なく、また、基板実装時のはんだ付け性が良好であり、リードの狭ピッチ化が進む多ピン素子用に好適なことがわかる。




 

 


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