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発明の名称 内燃機関点火用パワースイッチングユニット
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−13538
公開日 平成6年(1994)1月21日
出願番号 特願平4−168740
出願日 平成4年(1992)6月26日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 明夫 (外1名)
発明者 大石 英俊 / 杉浦 登
要約 目的
内燃機関用電子配電用のDISイグナイタの長寿命と汎用製造プロセスの構築を目的とし、高信頼化を達成する。

構成
ベース9上に絶縁板7、熱応力緩和シート5、パワートランジスタ3が順次積層される。パワートランジスタ3・応力緩和シート5間が高温はんだ4により接合され、応力緩和シート5・絶縁板7間が銀ろう6により接合され、絶縁板7・ベース9間が共晶はんだ8により接合される。共晶はんだ8は、構造適正化を厚みtが0.22mm以上で許容の熱抵抗θjcの条件を満足するよう理論数値で与えている。
特許請求の範囲
【請求項1】 上層にイグニションコイルの1次電流を導通,遮断するパワートランジスタが、中間層に少なくとも絶縁板が、下層に放熱用のベースが接合されて積層構造をなすパワースイッチングユニットにおいて、前記絶縁板直下の接合部に共晶はんだが用いられ、この共晶はんだの厚みtが0.22mm以上で許容の熱抵抗θjcの条件を満足するよう設定してあることを特徴とする内燃機関点火用パワースイッチングユニット。
【請求項2】 請求項1において、前記パワートランジスタ直下の接合部に高温はんだを用い、前記絶縁板直下の接合部は前記共晶はんだとすることで、全体が異種はんだ接合の積層構造体を構成したことを特徴とする内燃機関点火用パワースイッチングユニット。
【請求項3】 請求項1において、前記ベース上に前記絶縁板、熱応力緩和シート、前記パワートランジスタが順次積層され、前記パワートランジスタ・熱応力緩和シート間が高温はんだにより接合され、前記熱応力緩和シート・絶縁板間が銀ろうにより接合され、前記絶縁板・ベース間が前記共晶はんだにより接合されて成ることを特徴とする内燃機関点火用パワースイッチングユニット。
【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記絶縁板直下の共晶はんだの厚みtは、前記パワートランジスタのチップサイズが□4mm(ここで□mmは正方形の一辺の長さを示す)の時に0.22mm〜0.35mm、前記パワートランジスタのチップサイズが□5mmの時に0.22mm〜1.2mm、前記パワートランジスタのチップサイズが□6mmの時に0.22mm〜2.2mmに設定してあることを特徴とする内燃機関点火用パワースイッチングユニット。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内燃機関点火装置に係り、特に電子点火配電式のスイッチに用いるパワースイッチングユニットのパワートランジスタ積層構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種のパワースイッチングユニットは、上層にイグニションコイルの1次電流を導通,遮断するパワートランジスタが、中間層に熱応力緩和シート及び絶縁板が、下層に放熱用のベースが接合された積層構造を呈しているが、このうち、パワートランジスタ直下の接合部のはんだは、パワートランジスタが発熱源となるため高温はんだが用いられ、また、絶縁板直下のはんだは、例えば特開平3−30440号公報に開示されるようにPb:Sn=50:50の非汎用のはんだを用いて、熱ストレス(ヒートショックサイクル)に対する長寿命化がはかられてきた。
【0003】上記のように絶縁板直下に非汎用はんだを用いる理由は、熱環境が厳しいエンジンルーム内では、室内の各種機器のパワートランジスタ積層構造体に用いる今までの共晶はんだ(Pb:Sn=37:63)の仕様では耐久性の面で問題があり、しかも、共晶はんだについての構造適正化についても充分な配慮がなされていなかったためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、■上記のようなPb:Sn=50:50の非汎用はんだを用いる場合には、パワートランジスタ積層構造体そのものを非汎用の物にしてしまい、別プロセス工程の構築に配慮しなければならなかった。
【0005】すなわち、通常、製造現場においては、汎用の共晶はんだに対する炉を備えているが、この炉のリフロー条件を新たに非汎用はんだに対応できるように設定し直さなければならなかった。また、それが面倒であるとして、非汎用はんだ専用の炉も併設する場合は、設備コストの負担が大きくなる。
【0006】■また、非汎用のはんだは、コスト高となる。さらに、非汎用のはんだは、炉内を通すプロセスにおいて、共晶はんだに較べてリフロー温度が高いために、炉内を通す非はんだ対象物(パワートランジスタ積層構造体)の送りスピードを共晶はんだの場合の送りスピードより遅くしなければならず、生産効率の低下を招いていた。
【0007】本発明は以上の点に鑑みてなされ、その目的は、熱的環境の厳しいエンジンルーム内に搭載される内燃機関点火用のパワースイッチングユニットにおいても、長寿命を保証し、しかも、生産性の向上,低コストを図り得る汎用のパワートランジスタ積層構造体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するために、上層にイグニションコイルの1次電流を導通,遮断するパワートランジスタが、中間層に少なくとも絶縁板が、下層に放熱用のベースが接合されて積層構造をなすパワースイッチングユニット(以下、DISイグナイタと称する)において、その絶縁板直下のはんだ接合部に従来無理と考えられていた共晶はんだを使用する試みをなし、次のような条件の構造適正化を図ることに成功したものである。
【0009】すなわち、絶縁板直下の接合部に共晶はんだが用いられ、この共晶はんだの厚みtが0.22mm以上で許容の熱抵抗θjcの条件を満足するよう設定した。
【0010】
【作用】DISイグナイタのパワートランジスタはイグニションコイルの1次電流を通電,遮断するスイッチング動作で、ジャンクション部より発熱が生じる。その熱を放熱する目的とパワートランジスタの絶縁を設けるという目的でパワートランジスタ積層構造が必要である。
【0011】このパワートランジスタ積層構造体のうち、パワートランジスタ直下のはんだは、前記のジャンクション温度が最高150°C以上にもなることから、通常は融点の高い高温はんだが用いられる。
【0012】また、パワートランジスタの絶縁板(この絶縁板は、一般的には例えばAl23が用いられる)直下のはんだを、従来のPb:Sn=50:50の非汎用はんだに替えて今回の技術では共晶はんだを上記のように厚みtが0.22mm以上で許容の熱抵抗θjcの条件を満足するような構造適正化を図って用いる。
【0013】すなわち、従来は絶縁板とベース間の熱による膨張差(線膨張係数)の違いを吸収するため、より長寿命のPb:Sn=50:50はんだを用い、又、厚みもベース側に突起を設けることで0.2mmと調節していたが、今回CAE(Computer Aided Engineering)解析と多種実験の結果、共晶はんだの厚みtを0.22mm以上とすればPb:Sn=50:50はんだと同一寿命を得ることができた。この具体的なデータについては、図5(a),(b)に示してあり、これについては、実施例の項で述べる。
【0014】なお、上記のように共晶はんだの厚みtを0.22mm以上にする場合、許容の熱抵抗(パワートランジスタ〜ベース下までの温度差)θjcの条件を満足するように設定すれば、パワートランジスタ自身も、自己発熱による破壊といった不具合は生じない。
【0015】
【実施例】本発明の一実施例を図面により説明する。
【0016】まず、図3により本発明の適用対象となる内燃機関点火装置の回路例について説明する。
【0017】イグニションコイル12は、1次巻線13と2次巻線14を有し、1次巻線13は一端がバッテリからの電源に、他端がイグニションコイル駆動用のパワースイッチングトランジスタ3(ダーリントントランジスタタイプとMOS−FETタイプの2通りを有する)に接続されている。
【0018】イグニションコイル12の2次巻線14に発生した2次電圧は、スパークプラグ15に導かれる。
【0019】図2に示すDISイグナイタ1は、6気筒電子配電式用のイグナイタの例である。また、図1の(a)は、前記DISイグナイタ1のパワートランジスタチップ3の積層構造体2の部分拡大上面図、(b)はその断面図である。
【0020】図1に示すように、ベース9上に絶縁板7、熱応力緩和シート5、パワートランジスタ3が順次積層されて、上層がパワートランジスタ3、中間層が熱応力緩和シート5及び絶縁板7、下層がベース9となる積層構造体2が構成される。このうち、熱応力緩和シート5は例えばMoシートよりなり、絶縁板7はAl23もしくはAlN板よりなり、ベース9はAl又はCuよりなる。
【0021】パワートランジスタチップ3直下の接合部(パワートランジスタチップ3・Moシート5間の接合部)には高温はんだ4が用いられ、Moシート5・絶縁板7間はAgろう6で接合され、また、絶縁板7上にターミナル16(図2に示す)と接続する為のウェルディングパッド10が共晶はんだ11により接合されると共に、絶縁板7直下の接合部(絶縁板7・ベース9間の接合部)に共晶はんだ8を用いている。
【0022】この絶縁板7・ベース9間の共晶はんだ8は、既述のように従来のPb:Sn=50:50はんだに替わるもので、構造適正化を図るために、従来厚みtが0.20mmにコントロールしていたものを0.22mmへと厚くし対応する。これは、CAE解析と各種実験により求めた値である。共晶はんだ8は前記Pb:Sn=50:50はんだよりも厚くなる為、熱抵抗の増加が心配されるが、増加はわずか1%であり、全く問題無いレベルである。これも、CAE解析の値である。更に共晶はんだ8の融点が183℃と低いが、パワートランジスタ3の発熱が150℃以下となる様な実使用状態では特に問題はない。
【0023】図5(a)(b)は、共晶はんだ8の厚みを種々変えた場合のヒートショックサイクルのはんだ接合剥離に関する実験データで、同図(a)はパワートランジスタチップ3のサイズを□4mmとした場合、同図(b)は□6mmとした場合のヒートショックサイクル実験を行ったもので、横軸はヒートショックサイクル数(10のN乗)を、縦軸にはんだ接合剥離率を示し、この実験の結果、絶縁板7直下のはんだ厚みtが0.22mm以上であれば、Pb:Sn=50:50はんだと同一寿命を得ることができた。
【0024】更に上記のようにはんだ厚みtを従来よりも増大させる場合には、パワートランジスタ3の自己発熱破壊を防止するため、許容の熱抵抗(パワートランジスタ〜ベース下までの温度差)θjcの条件を満足させる必要がある。
【0025】すなわち、この種のパワートランジスタ積層構造体2の熱抵抗θjcは、一般的に2.5°C/W以下にする必要がある。図4に、パワートランジスタ3のチップサイズと共晶はんだ8の厚みの関係を、熱抵抗が2.5℃/W以下にする様な、かつ上記のヒートショックサイクルを加味して長寿命を得られる様な条件でCAE解析した結果を示している。これによれば、パワートランジスタチップ3が□4mmの場合には、共晶はんだ8の厚みtが0.22mm〜0.35mm、□5mmの場合には、厚みtが0.22mm〜t1.2mm、□6mmの場合には、厚みtが0.22mm〜2.2mmの範囲で設定する必要が有る。
【0026】前記熱抵抗θjcの算出一般式は【0027】
【数1】
θjc=Δx/K・A(°C/W)
ここでΔx:はんだ厚み(mm)
K:熱伝導率(W/m℃)
A:パワートランジスタチップ面積(mm2
で与えられる為、パワートランジスタ3のサイズが大きくなるとθjcが小さくなり、共晶はんだ8が厚くなるとθjcが大きくなってしまうことから、これらの条件を基に共晶はんだ8の厚みを設定する必要がある。
【0028】θjc=2.5°C/Wの数値は、現在までの実績と、パワートランジスタ3の自己発熱による破壊に到らない理論値であり、現行品の前記パワートランジスタ積層構造ではこれを満足する。
【0029】前記パワートランジスタ積層構造体2の接合プロセスを図6により説明する。
【0030】図6の(1)に示すように、絶縁板7とMoシート5をAgろう6により予め接合しておく。
【0031】次いで同図(2)に示すように、このぶくみ品(絶縁板7,Moシート5)とパワートランジスタチップ3を高温はんだ4を介在させてカーボン製治具20にセットして炉内を通し、高温はんだ接合を行う。
【0032】次いで、同図(3)に示すように、カーボン製治具20に、上記(2)の工程で接合された部品のうち絶縁板7の一面にシート状の共晶はんだ8を乗せ、さらにその上にベース9が乗るようにセットすると共に、ウェルディングパッド10も絶縁板7との間に共晶はんだ11を介在させてセットして炉内を通し、共晶はんだ接合を行い、このようにして、積層構造体2が完成される。
【0033】このプロセスを、従来品(絶縁板・ベース間をPb:Sn=50:50の非汎用はんだ接合した積層構造体)のプロセスと比較した場合、従来品は、図6の(1),(2)の工程は共通するが、(3)の工程は絶縁板とベースとをPb:Sn=50:50はんだにより接合し、さらに(4)の工程で、ウェルディングパッド10を絶縁板7に共晶はんだ11で接合する必要があり、本実施例品に較べて接合プロセスが一工程増えることになる。すなわち、本実施例は従来よりも、はんだ接合プロセスの簡略化を図り、しかも、共晶はんだ11はリフロー温度がPb:Sn=50:50はんだよりも低いので、炉内の送りスピードを速くでき作業効率の向上を図り得、しかも、上記のように共晶はんだ11の構造適正化を図ることで、内燃機関点火用DISイグナイタの長寿命化を実現できた。
【0034】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、内燃機関点火用DISイグナイタにおいて、従来は共晶はんだを用いることが難しいと考えられていた絶縁板7・ベース9間の接合部に、CAD解析により構造適正化を図った共晶はんだを用いることで、パワートランジスタチップ積層構造体の長寿命化ひいては信頼性の向上を図ることができ、しかもDISイグナイタのパワートランジスタチップ積層構造体の汎用化を図ることで、接合プロセスの簡略化と作業性のスピードアップを達成できるので、DISイグナイタの生産性の向上を図ると共に低コストを実現できる。




 

 


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