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発明の名称 超電導線及び複合超電導導体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−12926
公開日 平成6年(1994)1月21日
出願番号 特願平4−172316
出願日 平成4年(1992)6月30日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小川 勝男
発明者 青野 泰久 / 飯田 文雄 / 池田 伸三 / 加藤 隆彦 / 泉谷 雅清 / 児玉 英世
要約 目的
Al安定化材としての軽量,電気的,熱的特性を損うことなく機械的性質を高めた超電導線及びその製造法とそれに用いる高強度Al焼結合金とその粉末を提供する。

構成
高純度Al中にセラミックス超微粒子が少量分散したAl合金中に超電導フィラメントが埋込まれた超電導線であって、前記セラミックス超微粒子は1平方μmの領域内に多数分散しており、該1平方μm内に前記セラミックス超微粒子が多数分散した領域が前記合金中のほぼ全領域にわたって形成されていることを特徴とする超電導線。
特許請求の範囲
【請求項1】高純度Al中にセラミックス超微粒子が少量分散したAl合金中に超電導フィラメントが埋込まれた超電導線であって、前記セラミックス超微粒子は1平方μmの領域内に多数分散しており、該1平方μm内に前記セラミックス超微粒子が多数分散した領域が前記合金中のほぼ全領域にわたって形成されていることを特徴とする超電導線。
【請求項2】高純度Al中にセラミックス超微粒子が少量分散したAl合金中に超電導フィラメントが埋込まれた超電導線であって、前記セラミックス超微粒子は該セラミックス超微粒子1重量%当り1平方μmの領域内に500ケ以上分散した領域が前記Al合金中のほぼ全領域で形成されていることを特徴とする超電導線。
【請求項3】高純度Al中にセラミックス超微粒子が少量分散したAl合金中に超電導フィラメントが埋込まれた超電導線であって、前記セラミックス超微粒子の直径のほとんどが0.02μm 以下であることを特徴とする超電導線。
【請求項4】高純度Al中にセラミックス超微粒子が少量分散したAl合金中に超電導フィラメントが複数本埋込まれた超電導線であって、前記セラミックス超微粒子はその含有量(重量%)と平均粒子間隔(nm)との関係を対数目盛で表示し、A点(0.01%;20nm),B点(0.01%;500nm),C点(1.0%;50nm)及びD点(1.0%;2nm)の各点を直線で結んだ範囲内に分散していることを特徴とする超電導線。
【請求項5】高純度Al中にセラミックス超微粒子が少量分散したAl合金中に超電導フィラメントが複数本埋込まれた多芯超電導線であって、前記超電導フィラメント本数と該フィラメント間の平均間隔(μm)とは両者の関係を対数目盛で表示し、A点(1000本;20μm),B点(1000本;10μm),C点(5000本;2μm)及びD点(5000本;0.3μm)の各点を直線で結んだ範囲内にあることを特徴とする超電導線。
【請求項6】高純度Al中にセラミックス超微粒子が少量分散したAl合金中に超電導フィラメントが複数本埋込まれた多芯超電導線であって、前記超電導フィラメント直径(μm)と該フィラメント間の平均間隔(μm)とは両者の関係を対数目盛で表示し、A点(1μmφ;2μm),B点(1μmφ;0.3μm),C点(60μmφ;20μm)及びD点(60μmφ;2.5μm)の各点を直線で結んだ範囲内にあることを特徴とする超電導線。
【請求項7】高純度Al中にセラミックス超微粒子が少量分散したAl合金中に超電導フィラメントが埋込まれた超電導線であって、前記Al合金は室温での降伏強度が30MPa以上であり、室温での伸び率が前記降伏強度100MPa以下で40%以上及び前記降伏強度100MPaを越える値で15%以上であることを特徴とする超電導線。
【請求項8】高純度Al中にセラミックス超微粒子が少量分散したAl合金中に超電導フィラメントが埋込まれた超電導線であって、前記Al合金は室温の引張強さに対し300℃の引張強さの低下が20MPa以下であることを特徴とする超電導線。
【請求項9】高純度Al中にセラミックス超微粒子が少量分散したAl合金中に超電導フィラメントが埋込まれた超電導線の製造法において、高純度Al粉の粒子内に前記セラミックス超微粒子を機械的に埋込んで合金化する工程、該合金化されたAl合金粉を熱間塑性加工により焼結する工程及び該焼結したAl合金部材に超電導素線を埋込み熱間塑性加工により細線化する工程を有することを特徴とする超電導線の製造法。
【請求項10】高純度Al中にセラミックス超微粒子が分散したAl焼結合金であって、前記セラミックス超微粒子が1平方ミクロンの領域内に多数分散しており、該1平方μm内に前記超微粒子が多数分散した領域が前記合金中のほぼ全領域にわたって形成されていることを特徴とする高強度Al焼結合金。
【請求項11】高純度Al中にセラミックス超微粒子が分散したAl焼結合金であって、該Al合金の室温の降伏強度が30MPa以上であり、室温の伸び率が前記降伏強度100MPa以下で40%以上及び前記降伏強度が100MPaを越える値で15%以上であることを特徴とする高強度Al焼結合金。
【請求項12】高純度Al中にセラミックス超微粒子が分散したAl焼結合金であって、該Al焼結合金は室温の引張強さに対し300℃の引張強さの低下が20MPa以下であることを特徴とする高強度Al焼結合金。
【請求項13】高純度Al粉の粒子内にセラミックス超微粒子を埋込んでなることを特徴とするAl焼結合金用粉末。
【請求項14】高純度Al中にセラミックス超微粒子が少量分散したAl合金中に超電導フィラメントを埋込んだ超電導線からなる素線を、高純度Al中にセラミックス超微粒子が少量分散したAl合金からなるハウジングに収納し一体複合化したことを特徴とする複合超電導導体。
【請求項15】請求項14において、前記ハウジングは前記超電導フィラメントを埋込んだAl合金より高強度である複合超電導導体。
【請求項16】請求項1〜8,14及び15のいずれかにおいて、前記超電導線又は複合超電導導体はMHD発電用鞍型マグネット,磁気列車浮上用マグネット,粒子加速器用マグネット、核磁気共鳴画像装置用マグネット,エネルギー貯蔵用大型マグネット,核融合装置用トロイダルコイル,発電機又は電動機用界磁巻線及び電機子線線のいずれかの超電導コイルを構成する各種超電導装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超電導線材及び超電導コイルに係り、特に、磁気浮上列車,核磁気共鳴装置及び核融合装置、等に用いるクエンチしにくく、信頼性の高い超電導線材及び超電導コイルに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の超電導線材には、安定化材としてもっぱら高純度銅が使用されている。近年、軽量化のため中心部にAl素材を配し、外周部にCuで被覆したNbTi線材が特開昭49−10794 号公報に開示されている。またNbTi極細多芯線を内部に、外周部をAl安定化材で構成される超電導線も開発されている。特公昭59−6005号公報にはアルミナ0.005〜5.0重量%を含む高純度Al合金よりなる安定化被覆層を有する超電導線が開示されている。
【0003】さらに磁気浮上列車用超電導線材には、日本機械学会誌,第91回,第835号(昭和63年6月)36〜40頁において記載されているようにコイルの高電流密度をはかるために低Cu比のNbTi極細多芯線材が用いられ、最近ではその比(Cu/NbTiの断面積比)を1.0 としたMLU002用線材が知られている。さらに(Cu+Al)/NbTiの断面積が大きく、Al/Cuの断面積が小さな線材が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の発展において、安定化材としてのAlは、Cuと比較して、■より高純度の素材が使用できる、■軽量である、■磁場中で電気抵抗が小さい、■低比熱のため冷却効率が良い、さらには■素粒子の透過性が高い等の利点を持つため、純Cuのみの使用からAl高分配(高Al/Cu)へと変遷した。しかしAlの高比率は、Alの軟性のためコイル巻回時に線材間に隙間が生じ易く、また励磁すると電磁力によりコイルが変形し易く、機械的安定性に劣ると言う問題点があった。さらにAlの軟性は、より強度の高い極細多芯超電導線との複合押出し加工性を困難とする。
【0005】更に、特公昭59−6005号公報ではアルミナ粒子の均一な分散が得られず、十分な強化ができない。
【0006】本発明の目的は、Al安定化材としての軽量,電気的,熱的特性を失うこと無く、Alの軟性のみを改善し、機械的強度に優れた信頼性の高い超電導線材及びその製造法とそれに用いられる高強度Al焼結合金を提供することにある。
【0007】本発明の目的は、Nb3Sn,(Nb,Ti)3SnあるいはNbTi等の超電導線の製造法において、被覆用Al安定化材とともに超電導フィラメントを押出し加工のできる超電導線材の製造法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、高純度Al中にセラミックス超微粒子が少量分散したAl合金中に超電導フィラメントが埋込まれた超電導線であって、前記セラミックス超微粒子は1平方ミクロンメータの領域内に多数分散しており、該1平方ミクロンメータ内に前記セラミックス超微粒子が多数分散した領域が前記合金中のほぼ全領域にわたって形成されていることを特徴とする超電導線にある。
【0009】更に、本発明は、前述のセラミックス超微粒子の形状がほとんどが粒状であり、1重量%当り1平方μm内に500ケ以上分散していること、その直径が0.02μm以下であること、セラミックス超微粒子はその含有量(重量%)と平均粒子間隔(nm)との関係を対数目盛で表示し、A点(0.01%;20nm),B点(0.01%;500nm),C点(1.0%;50nm)及びD点(1.0%;2nm)の各点を直線で結んだ範囲内に分散していることを特徴とすることにある。
【0010】本発明は、高純度Al中にセラミックス超微粒子が少量分散したAl合金中に超電導フィラメントが複数本埋込まれた多芯超電導線であって、前記超電導フィラメント本数と該フィラメント間の平均間隔(μm)とは両者の関係を対数目盛で表示し、A点(1000本;20μm),B点(1000本;10μm),C点(5000本;2μm)及びD点(5000本;0.3μm)の各点を直線で結んだ範囲内にあることを特徴とする超電導線にある。
【0011】特に、E点(1000本;15μm)及びF点(5000本;0.5μm)とを結んだ線以下の平均間隔とするのが好ましい。
【0012】又、超電導フィラメント直径(μm)と該フィラメント間の平均間隔(μm)とは両者の関係を対数目盛で表示し、A点(1μmφ;2μm),B点(1μmφ;0.3μm),C点(60μmφ;20μm)及びD点(60μmφ;2.5μm)の各点を直線で結んだ範囲内にあることを特徴とする。特に、E点(1μmφ;1μm)及びF点(60μmφ;9μm)とを結ぶ線以下の平均間隔とするのが好ましい。
【0013】本発明は、高純度Al中にセラミックス超微粒子が少量分散したAl合金中に超電導フィラメントが埋込まれた超電導線であって、前記Al合金は室温での降伏強さが30MPa以上であり、100MPa以下で40%以上、100MPaを越える値で15%以上の伸び率を有する。特に、耐力が前記セラミックス超微粒子含有量が0.05重量%未満において0.01重量%当り30〜70MPa、前記セラミックス超微粒子含有量が0.05〜0.1重量%において、0.01 重量%当り10〜20MPa及び前記セラミックス超微粒子0.1 重量%を越え1重量%以下において0.1 重量%当り40〜80MPaであり、前記Al合金の室温での伸び率が前記耐力が100MPa以下のものが40〜120%及び前記耐力が100MPaを越えるものが15〜40%であることを特徴とする超電導線にある。
【0014】特に、セラミックス超微粒子はその含有量(重量%)と平均粒子間隔(nm)との関係を対数目盛で表示し、A点(0.01%;20nm),B点(0.01%;500nm),C点(1.0%;50nm)及びD点(1.0%;2nm)の各点を直線で結んだ範囲内に分散していることを特徴とする。
【0015】本発明の超電導線の製造法は、純Al粉の粒子内に前記セラミックス超微粒子を機械的に埋込んで合金化する工程、該合金化されたAl合金粉を熱間塑性加工により焼結する工程及び該焼結したAl合金部材に超電導素線を埋込み熱間塑性加工により細線化する工程を有することを特徴とする。
【0016】本発明は、高純度Al中にセラミックス超微粒子が分散したAl合金であって、前記セラミックス超微粒子は合金のほぼ全領域で一平方μm領域内に多数分散しており、特に主に前記純Al結晶粒内に分散していることを特徴とする高強度Al焼結合金にある。
【0017】又、本発明の高強度Al焼結合金は、前述の如く降伏強度及び伸び率を有し、特にAl合金の室温の耐力は前記セラミックス超微粒子含有量が0.05 重量%未満においてその含有量0.01 重量%当り30〜70MPa、前記セラミックス超微粒子含有量0.05〜0.1重量%においてその含有量0.01 重量%当り10〜20MPa及び前記セラミックス超微粒子含有量0.1 重量%を越え1重量%以下においてその含有量0.1 重量%当り40〜80MPaであり、前記Al合金の室温の伸び率が前記耐力が100MPa以下のものが40%以上及び前記耐力が100MPaを越えるものが15%以上であることを特徴とする。
【0018】本発明は、高純度Al粉の粒子内にセラミックス超微粒子を埋込んでなることを特徴とするAl焼結合金用粉末にある。
【0019】本発明は、超電導線材又はこれをコイル状に巻回した超電導線コイルにおいて、該線材のすべての安定化材として前述のAl合金が用いられ、また、超電導フィラメントとして、Nb3Sn,(Nb,Ti)3Sn及びNbTi等のフィラメントとする極細多芯超電導線においても同様に前述のAl合金が用いられる。
【0020】また本発明は、Cu被覆Nb3Sn,(Nb,Ti)3Sn及びNbTi等の極細多芯超電導線とし、該導線とハウジングとが複合した導体又はこれをコイル状に巻回した超電導線コイルにおいて、ハウジングが、高純度Al母材と、この母材に分散されて変形抵抗を増大させる酸化物,窒化物,炭化物及び硼化物粒子の1種または2種以上を備えた前述の高電導性セラミックス分散強化Al合金から成り、この分散される酸化物,窒化物,炭化物または硼化物等のセラミックス粒子の粒径分布は0.001μm〜0.02μm及び含有量は0.05〜1.0重量%であるものがよい。
【0021】本発明は、極細多芯超電導線被覆安定化材が酸化物,窒化物,炭化物及び硼化物等のセラミックス粒子としてAl23,ZrO2,MgO,SiO2,TiO2,AlN,BN,B4C,TiB2,ZrB2 ,β−SiC,TiC,NbCのうち1種または2種以上:0.01〜0.1重量%と、残部がAl及び不可避不純物から成る高電導性セラミックス分散強化Al合金である極細多芯超電導線である。セラミックス粒子の粒径分布は0.001μm〜0.02μmであるものがよい。また本発明は、超電導線導体のハウジング材として、セラミックス粒子0.05〜1.0 重量%と、残部がAl及び不可避不純物から成る高電導性セラミックス分散強化Al焼結合金からなり、セラミックス粒子の粒径分布は0.001μm 〜0.02μm がよい。
【0022】また本発明は、超電導線をコイル状に巻回した超電導コイルにおいて、該極細多芯超電導線の被覆安定化材が、重量で、この母材に分散されて変形抵抗を増大させる酸化物,窒化物,炭化物及び硼化物粒子のAl23,ZrO2,MgO,SiO2 ,TiO2,AlN,BN,B4C,SiC,TiC,NbCのうち1種または2種以上:0.01〜0.1重量%と、残部がAl及び不可避不純物から成る高電導性セラミックス分散強化Al焼結合金であり、またより強化されたハウジング材が、重量で、増量した前記酸化物,窒化物,炭化物及び硼化物等のセラミックス粒子のうち1種または2種以上:0.05〜1.0重量%と、残部がAl及び不可避不純物から成る高電導性セラミックス分散強化Al焼結合金である超電導コイルである。ここで、Alを母材とする安定化材において、分散されている酸化物,窒化物,炭化物または硼化物等のセラミックス粒子の粒径分布は0.001μm〜0.02μmであるものがよい。
【0023】また本発明は、Cu被覆極細多芯超電導線で構成される超電導線をコイル状に巻回した超電導コイルにおいて、該安定化ハウジング材はセラミックス粒子含有量が0.01〜0.1重量%であるものが好ましい。
【0024】また本発明は、高純度Al粉末と高純度セラミックス粉末のAl23,ZrO2,MgO,SiO2,TiO2,AlN,TiB2,ZrB2,BN,B4C,β−SiC,TiC,NbCのうち1種または2種以上との混合粉末を高エネルギーセラミックス製ボールミルにより機械的に合金化し、部材中に粒径分布が0.001 μm〜0.02 μmである前記セラミックス粒子の1種または2種以上を分散させるAl母材の超電導安定化材粉末の製造方法である。ここで、ボールミルによる機械的合金化は、混合粉末及びセラミックス製ボールを納めたセラミックス製容器を100℃〜200℃の温度域に保持し、同時に前記容器内を10-2〜10-3torrに脱ガス処理し、次いで、一気圧の重量で、99.9% 以上の高純度Arガスまたは高純度Heガス置換を行ない、その後、室温付近で回転数200〜400rpm として、10時間以上が好ましく10〜20時間の合金化処理を行なうことが最適である。
【0025】また本発明は、機械的合金化Al粉末の純度が、重量で99.99% 以上が好ましく、また粉末の平均粒径が500μm以下である超電導安定化材粉末が好ましい。特に、20〜200μmが好ましい。
【0026】また本発明は、機械的合金化前のセラミックス粒子の平均粒径は0.1μm 以下が好ましく、純度が、重量で、99.0% 以上が好ましい。
【0027】また本発明は、高純度Al粉末と高純度セラミックス粉末のAl23,ZrO2,MgO,SiO2,TiO2,AlN,TiB2,ZrO2,BN,B4C ,β−SiC,TiC,NbCのうち1種または2種以上との混合粉末を機械的に合金化する工程、該機械的合金化粉末を金属製の容器に充填する工程と、この容器を脱ガス処理した後密封する工程と、該密封体を熱間静水圧あるいは熱間押出し加工により焼結する工程と、最終熱処理を行なう高電導性を具備した超電導安定化強化部材の製造方法である。
【0028】超電導フィラメント材として、合金系と金属間化合物系とがあり、いずれにも本発明に関するAl合金が用いられる。
【0029】合金系として、30〜65重量%Ti−Nb合金(Ti46.5重量%,30重量%,40重量%)、又はこれにZr,Ta,Hfの1種を10〜25重量%を含むもの、他Nb−Zr,Nb−Hf,V−Ti(Cr,Ta),Mo−Re合金が用いられる。
【0030】金属間化合物系として他、Nb3Al,V3Ga,Nb3Ga,Nb3Geが用いられる。
【0031】
【作用】超電導コイルで運転される極低温では、AlはCuに比べて優れた特性を有している。99.999% 純度のAlは4.20Kでの電気抵抗に対する室温の電気抵抗の比で示される残留電気抵抗比1000程度を示し、通常安定化材として使用されている無酸素銅と比較して、熱容量は0.91倍、熱伝導率は6.4倍、電気抵抗比は5Tの磁界下で0.14 倍となる。この点からも超電導コイルの安定性のマージンは超電導コイルの形状,寸法,動作点等の条件を同一にすれば、はるかにCu安定化材よりも高い。
【0032】しかし、Alの軟性、すなわち低強度は、特に複合多芯製造において、一体押出し加工性を困難にする。これはAlがより高純度であることにもよるが、加工に伴う加工硬化率が低いことによる。前記のAlの特性を失うこと無く、強化するには、他元素添加による合金化が考えられるが、電気的及び熱的特性を低下させてしまう。高純度Al母材の特性を維持し、強度のみを向上させる方法として、母材と反応性の劣化酸化物,窒化物,炭化物あるいは硼化物等のセラミックス微粒子を分散させ、塑性変形を生じさせる転位の運動を阻止する方法がある。分散方法としては、Alとセラミックス粉末を同時溶解する方法があるが、この場合セラミックスは溶融Alと反応し、分解消失するか、一部分解し残存するが、分解した元素がAl母材を汚染して安定化材としての用を足さなくなることから、室温付近で合金化できる機械的合金化法が好適である。
【0033】ここで使用されるセラミックス粉末は、酸化物,窒化物,炭化物及び硼化物の1種又は2種以上で、特にAlとの反応性が劣るAl23,ZrO2,MgO,SiO2,TiO2,AlN,TiB2,ZrB2,BN,B4C,β−SiC,TiC,NbCのうち1種かまたは2種以上が好ましく、分散強化合金中のそれら粒子径分布が0.001μm〜0.02μmとなるように機械的合金化することが好ましい。合金化前の平均粒子径が0.1μm 以下のものを使用するのが好ましい。これはボールミル中でセラミックス粒子が粉砕,微粒化するものの微粒化分布は微粒化出発粒子径に依存するからである。目的の粒子径分布が0.001〜0.02μmの範囲である必要性は、機械的合金化による微細化下限が0.001 μmのオーダであること、及び転位に対する有効抵抗能は最大0.02μm 程度と考えられること、さらに超電導線材の仕様にも依るが、極細多芯線被覆安定化材の厚さの下限が0.5μm程度であることから、与えられる。特に、0.01μm以下が好ましい。またセラミックス粒子とAl母材との難反応性,Al母材の高純度維持のためにも他の金属を含まない高純度なセラミックスが好ましく、特に工業的生産性の面から考えて純度99.0% 以上が好適である。特に、AlNはAlと非反応性が高く、好ましいものである。
【0034】また、セラミックス粉末の添加量は、極細多芯被覆安定化材と、極細多芯線の中央部に内蔵されるまたはその外周部にハウジングとして使用される安定化材とで異なる。伸線工程が含まれる極細多芯線被覆安定化材では、複合多芯押出し加工に対して適度の変形抵抗が必要であるが、高強度になると延性の低下が起こり、剥離,破断する。従って、室温の降伏強さ30〜100MPa,伸び率40〜120%が好ましく、重量で、0.01〜0.1%、より0.02〜0.05%の低添加量が好ましい。一方内蔵及びハウジング用としては、より強化されたものが好ましく、室温の降伏強さ150〜400MPa,伸び率15〜40%が好ましく、0.05〜0.1%、より0.1〜0.5%の範囲が好適である。
【0035】純Al粉末の平均粒径は、Alが軟材で、機械的合金化時に十分変形することからμmオーダの微粒を使用する必要が無く、500μm以下が適当である。また純度は高純度安定化母材を得るためにも、重量で、99.99% 以上のものが好ましい。
【0036】機械的合金化法は、ガス不純物の汚染を防ぐために合金化前に100〜200℃で30〜60分間,10-2〜10-3torrの真空引きを行ない、その後99.9%以上の高純度ArかHeガスで置換するのが好ましい。最適な合金化を得るためにはボールミルの回転数は200〜400rpm 、運転時間は10〜20時間が最適である。合金化に当ってボール及び容器から金属成分の混入は安定化材の電気的,熱的特性を低めるので、セラミックス製のものが好ましい。混入する金属量は0.1 重量%以下とするのがよい。セラミックス製のボール容器を用いることにより金属成分の混入を避けることができる。
【0037】分散合金粉末の焼結による固形化は、Al容器に合金粉末を充填して熱間押出し、HIPまたはホットプレス法により行なわれるが、その焼結は、合金化粉末の拡散融合,緻密化を考え、550〜630℃の間で行なうのが好ましい。ここで前処理として行なわれる容器内の真空処理は、前記の処理と同様であるが、高温焼結時にできるだけ酸素等の不純物汚染が無いように、10-5〜10-6torrで行ない、それぞれ100℃で10から30分,200℃で10から30分及び400℃で30分の段階的処理が好ましい。
【0038】本発明では、上記セラミックス分散強化Al合金を極細多芯線被覆安定化材として使用することにより、強度的,電気的及び熱的特性に安定な超電導線材を得ることができる。また、極細多芯線の中央部に内蔵されるまたはその外周部にハウジングにセラミックス分散強化Al合金を適用することにより、全てがAl母材である超電導コイルを製作することができる。さらに、Cu被覆極細多芯線材を使用する場合にも、内蔵材あるいはハウジング材に上記セラミックス分散強化Al合金を適用して、超電導コイルの性能を向上できる。
【0039】本発明は、セラミックス超微粒子が合金のほぼ全領域で1平方μm当り5ケ以上分散しており、その含有量に応じて分散されるセラミックス粒子の数も急激に増加し、特に、0.01% で500ケ以上、より好ましくは1000ケ以上とするのが好ましい。セラミックス粒子の平均間隔は含有量によって変り、平均間隔は前述のように対数目盛で、E点(0.01%;100nm)及びF点(1.0%;10nm),G点(0.01%;50nm)及びH点(1.0%;5nm)の各点を直線で結んだ線以下の値にするのが好ましく、この様なものは本発明に係るAl合金の製法によって得られる。
【0040】更に、本発明は残留電気抵抗比は100〜650が好ましい。
【0041】本発明のAl焼結合金は室温の引張強さに対し300℃の引張強さの低下が20MPa以下であり、特に10MPa以下、より5MPa以下であるのが好ましい。本発明の如く、超微粒子の均一な分散によって非常にわずかの含有量で高強度が得られるとともに、その含有量も非常に微量なので高い伸び率が得られる。このような本発明のAl合金を用いることにより前述のフィラメント本数又はフィラメント直径とフィラメント間の平均間隔との関係を有する超電導線が得られる。
【0042】
【実施例】
実施例1図1は本発明の超電導線材及び超電導コイルの安定化材に係る分散強化Al合金粉末の製造に使用された遊星型ボールミルの構成図である。真空引き弁1とArガスの置換弁2及び温度計測用の小穴3を具備するZrO2 製の蓋4,テープヒータ5を装備した容積2リッターのZrO2 製容器6,容器6内の直径10mmのZrO2 製ボール7,混合粉末8及び蓋の押さえ9からなる。外部駆動系から回転が回転盤10に伝えられ、その上に十文字に配列された4基の容器6の矢印11の遠心力が生じると共に各容器自身の回転も起こり、ボールは容器6の内壁に沿って回転運動し、ボール7間同士、ボールと容器6の内壁間で衝突が生じる。本発明に係る出発粉末の純度,主要不純物,平均粒径が表1に示される。セラミックス粒子の含有量は重量で、(1)0.02%,(2)0.04%、及び(3)0.1%及び(4)0.5%とした。
【0043】
【表1】

【0044】表1に示されるAl粉末とAl23,ZrO2,MgO,SiO2,TiO2,AlN,BN,B4C ,β−SiC,TiC及びNbC粉末のうちの1種の各混合粉末1500gが高純度Ar雰囲気のグローボックス内で200個のボールと共に4基のボールミル容器に充填された。ボールとボールミル容器内は十分にアルコール及びアセトン中でのボールミル前運転で十分に洗浄された。機械的合金化処理は、真空引きとその後の約120℃の加熱により真空度が10-2〜10-3torrに入った時点で、容器内を一気圧の99.99% 高純度Arガスで置換し、密封した。回転速度は250rpm 、処理時間は24時間である。機械的合金化処理後、合金化粉末は前記グローボックス内で保存容器に移され、真空封入された。合金化粉末は扁平になりながら粉砕されつつAl粉末粒子内にセラミックス粒子が埋込まれ、多数回の変形,鍛錬の繰返しがなされたことが伺える。表面にアルミナが形成されている250メッシュの高純度Al粉を用いて、同様にボールミルによって機械的合金化したものについても同様に実施した。このように合金化されることによって表面のアルミナはきわめて微細にAl粉末内に合金化されるとともに均一に分散された。
【0045】次に、上記の各分散強化Al合金粉末の固形化焼結処理の説明をする。合金化粉末をグローボックス内で真空引きパイプ付き純度99.99% Al容器に充填し後、容器内の真空引きが、10-2〜10-3torrの範囲内で100℃で20分,200℃で20分,400℃で30分の条件下で行なわれた。真空引き完了後はパイプの2ケ所を圧接し、端部をTIG溶接した。焼結は熱間静水圧処理(HIP)装置にて、600℃,1時間行なわれた。その後550℃での熱間加工を行った。最終合金から電気抵抗試料及び引張変形用試料が作製され、引き続き600℃で1時間,2〜4×10-6torrの真空中で焼鈍された。電気的特性は(室温の電気抵抗/4.2Kの電気抵抗)で表せられる残留電気抵抗比で評価された。引張変形の特性は室温での降伏強度及び伸びで評価された。各種分散強化Al合金のこれらの結果を表2に示す。
【0046】
【表2】

【0047】表中、各セラミックスの後に記載の1〜4の数字はそれらの添加量を前述の数字に一致させたものであることを示す。セラミックスの添加量と共に総じて残留電気抵抗比の低下が生じたが、0.5% 添加量では残留電気抵抗比が200以下と低下するものもあるが、他のものの低下は十分小さく、安定化材としての要求値200以上を満している。また、いずれも分散強化により降伏強度の増加が確認されたが、セラミックスの添加量の増大と共に強度の増加が起り、これに反して伸びの低下が生じたが、十分な伸びを有していた。ほぼ0.01% のセラミックス分散量が純Cuの降伏強度に相当する。フィラメント被覆安定化材としては、より過酷な押出しが課せられるため、伸びも考慮して、0.01〜0.05%濃度付近が適当と考えられる。ハウジング材としては0.05〜0.1%が好適と思われる。
【0048】本実施例においてセラミックス粒子はそのほとんどがAl結晶粒内に分散しており、ほとんどが粒状であった。
【0049】図2はセラミックス添加量と降伏強度との関係を示す線図である。図に示すようにセラミックス添加量の増加によって降伏強度は急激に増加する。その増加の割合は次のような範囲になる。
【0050】セラミックス含有量0.01〜0.1%下限:降伏強度(MPa)≧セラミックス含有量(重量%)×1000上限:降伏強度(MPa)≦セラミックス含有量(重量%)×1400+60セラミックス含有量0.1%を越え1.0%以下下限:降伏強度(MPa)≧セラミックス含有量(重量%)×350+40上限:降伏強度(MPa)≦セラミックス含有量(重量%)×500+150図3は降伏強度と伸び率との関係を示す線図である。図に示すように降伏強度の増大によって伸び率が低下するが、本発明のAl焼結合金は18%以上の高い伸び率が得られる。本発明に係るAl焼結合金は降伏強度及び伸び率はセラミックス含有量によって変り、次の範囲で強度及び伸び率が変る。
【0051】セラミックス含有量0.05重量%未満降伏強度(MPa)=セラミックス含有量(重量%)×(3000〜7000)セラミックス含有量0.05〜0.1重量%降伏強度(MPa)=セラミックス含有量(重量%)×(1000〜2000)セラミックス含有量0.1重量%を越え1.0%以下降伏強度(MPa)=セラミックス含有量(重量%)×(400〜800)伸び率は降伏強度100MPa以下で30%以上、特に40〜120%、及び100MPaを越えるものが15%以上、特に15〜50%が得られる。
【0052】図4はセラミックス分散粒子の平均間隔とその添加量との関係を対数目盛で示す線図である。本実施例における純Al中に分散したセラミックス粒子の直径は0.01μm 以下で、特に個数で約95%以上が0.002〜0.008μm(平均0.005μm)のものがほとんどであった。本実施例においてはセラミックス超微粒子のAl結晶粒内への微細かつ均一な分散によって強化及び優れた伸び、更には電気的特性が得られるもので、その分散度について分散粒子間の平均間隔を求めた、No.28及び29はAlNを各々重量で0.25%及び1.0%含有させたものである。図に示すように、セラミックスの含有量の増加によって平均間隔は小さくなり、それによってAlは強化される。本実施例において、セラミックス超微粒子はその含有量が1.0 重量%のとき平均間隔は約2.5nm,0.5%で約3.5nm,0.25%で約5nm,0.01%で約25nmであった。また、0.01% の含有量で1平方μmの領域内に分散したAlN粒は約1500ケであり、0.1%及び1.0%のときの個数はその含有量にほぼ比例して増加していることが認められた。本実施例におけるセラミックス粒子は前述のとおりのものであるが、これより大きくなってもよいもので、図に示すようにA点(0.01%,20nm),B点(0.01%,500nm),C点(1.0%,50nm)及びD点(1.0%,2nm)の各点の範囲、更にE点(0.01%,100nm)とF点(1.0%,10nm),G点(0.01%,50nm)とH点(1.0%,5nm)の各点を結ぶ直線の値以下の平均間隔とするセラミックス粒子を分散させるのが好ましく、より平均粒子間隔の小さい分散とすることにより強度の高いものが得られるが、特にA点とD点を結ぶ線の値以上とすることで電気的特性,強度及び伸び率等から十分である。
【0053】本実施例のNo.28について300℃の引張試験を行なったが、この値は室温の引張強さに対し約5MPa以下の低下が認められる程度で、高温強度の低下は全く小さいものであった。
【0054】実施例2図5は本発明の1つの極細多芯超電導線材の製造工程を示すフロー図である。超電導線材14は、1.5mm×3.5mmの平面断面でNb−46.5 重量%Tiの47μm直径のフィラメント15が実施例1で製造された0.08 重量%AiN分散強化Al合金マトリックス16に1500本、均一に埋込まれている図6に示す平角極細多芯超電導線を得た。(a)は(b)の拡大図で、フィラメント15間にはAlNの超微粒子が均一に多数分散したものである。
【0055】この線材は、静水圧押出し加工でAlN分散強化Al合金被覆したNbTi単心複合線を1500本集合しつつ被覆材と同じAlN分散強化Al合金パイプに挿入した後、静水圧押出し、伸線加工し、この後375℃,100hの熱処理を行なったものである。このもののフィラメント間の最短表面での平均間隔が約10μmであった。
【0056】この線材を、同一寸法でCuのみの安定化材例と比較してみると、単位長さ当りの重量で78%,4.2K,5Tでの熱容量で約200%、4.2Kでの線材横断の方向の熱伝導で270%となることがわかった。超電導コイルが、その線材の臨界電流以下の一定電流で励磁されていた時、なんらかの擾乱により熱が発生し、クエンチする状況を考えると、クエンチに必要な最小熱エネルギーは、線材の臨界電流と動作点の関係が同一ならば、線材の熱容量及び熱伝導に比例し、マトリックスの電気抵抗に反比例する。従って、本発明の超電導線材は、従来例に比べて約20倍ほど大きい安定性マージンを有することが明らかとなった。
【0057】実施例3実施例2と同様の製造工程を経てNb−46.5 重量%Ti合金直径50μmのフィラメント1060本を埋込んだ丸形極細多芯超電導線を図5のフロー図に示すように門形安定化高純度Al合金(No.17)で複合化組立を行ない、その表面に波形加工を施し、更に黒化処理を施し、NbTi大容量複合導体を形成した。超電導素線は直径2.3mm で、フィラメント間の最短表面での平均間隔は約16.5μm であった。
【0058】実施例4実施例2と同様の製造工程によって得たフィラメント数1700本を有する平角極細多芯超電導線を図5のフロー図に示すように高純度Alビレットに埋込み,押出しによってAl安定化NbTi超電導導体を得た。
【0059】実施例5実施例2と同様の製造工程によりフィラメント直径8μm,フィラメント本数3700本,素線径0.7mm の中心部に直径約200μmの安定化Al合金を芯線とする素線を得た。このもののフィラメント間の最短の表面における平均間隔が約1.5μm であった。このものを27本Al被覆で形成しくさび形マグネット用導体としてラザフォードタイプの導体を得た。
【0060】実施例6図7に示す工程によりNb3Sn フィラメント超電導線素線を形成した。素線直径は2.5mm ,フィラメント直径4μmであり、フィラメント本数約8万本の極細多芯線超電導線を作製した。図中、Cu−SnパイプにはSn12.5 重量%のブロンズを用いた。この単芯線を多数たばねて実施例1で得られたNo.15のAlN0.04 重量%を含有するAlN分散Al合金パイプによって被覆し、押出しによって素線とし、この素線を多数たばねて同様にAl合金パイプで被覆し、同様に押出しによって細径化し、熱処理した。これを同様にAlN含有量を0.15 重量%としたAl合金で被覆すると同じ組成の門型安定化Al合金に埋込んでNb3Sn 大容量複合導体を得た。本実施例で得られたフィラメント間の最短表面での平均間隔は約2.5μm であった。この超電導線は約10テスラ以上の高磁界マグネット用として好適である。
【0061】図8は超電導線素線のフィラメント本数(本)とフィラメント間の最短距離で表わされる間隔の平均間隔(μm)との関係を対数目盛で表わしたものである。図中に示す点は各実施例の値である。フィラメント間の平均間隔はフィラメント本数が多いほど小さくなり、本発明のその本数と間隔との関係は前述したA点〜D点で結ばれる範囲内とすることができ、更にE点とF点とを結ぶ直線の値以下の間隔とするより小さいものとすることができる。このような間隔にできるのはフィラメントに対し悪影響を与えないように非常に微細な超微粒子を用いることによるものである。フィラメント間にこの間隔よりきわめて小さいセラミックス粒子を分散させることにあり、フィラメント間に沢山のセラミックス粒子を分散させることである。
【0062】図9は同様にフィラメント直径(μm)とフィラメント間の平均間隔(μm)との関係を対数目盛で表わしたものである。図に示すようにフィラメント直径を小さくすることによってフィラメント間隔はより小さくすることができる。特に、両者の関係は前述のA点〜D点を結んだ範囲とするのが好ましく、更にE点及びF点とを結ぶ線の値以下とする平均間隔とするのが好ましい。このようなより間隔を小さくできるのは前述と同じ理由によるものである。
【0063】以上の実施例で使用したAl合金は図10〜14に示す各種超電導線に対しても同様に用いることができる。
【0064】Nb−Ti合金線を用いたパルスマグネット用線材として成形撚線ケーブル導体で、図10は極細多芯ストランド、図11は内導体ストランド及び図12は外導体ストランドを示すものである。被覆及びハウジングともにAl合金が使用される。
【0065】図13は極細多芯V3Ga撚線及び図14は電気機械界磁巻線用Nb3Sn撚線ケーブル導体で、非磁性ステンレス鋼内部補強構造を有するものである。図13の中心及び被覆及び図14の被覆に本発明に係るAl合金が用いられる。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、軽量であり、また極低温での電気的及び熱的性質に優れた高純度Alを超伝導線材における安定化材母材として使用し、母材を機械的合金化法の製造プロセスにより、微細セラミックス粒子で分散強化して、母材の優れた特性を失うこと無く、変形抵抗性を向上させることによって、線材の複合化工程が容易になり、また軽量化及び耐電磁力性を高めることで、MHD発電用鞍型電磁石,磁気浮上列車用マグネット,粒子加速器,発電機,モータ用界磁巻線,電機子巻線,医療用核磁気共鳴画像装置用マグネット,核融合装置用トロイダルコイル,エネルギー貯蔵用大型マグネットに使用される超伝導コイルの安定性と信頼性の向上に顕著な効果が得られる。




 

 


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