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軽水冷却型原子炉 - 石川島播磨重工業株式会社
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発明の名称 軽水冷却型原子炉
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−258470
公開日 平成6年(1994)9月16日
出願番号 特願平5−44147
出願日 平成5年(1993)3月4日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外2名)
発明者 加藤 潔
要約 目的
軽水冷却型原子炉に係り、一次系配管から配管破断による蒸気の放出が行なわれた場合にあっても、原子炉格納容器の内部圧力の急激な上昇を抑制する。

構成
原子炉格納容器のプール水中に原子炉圧力容器が水漬状態に配される軽水冷却型原子炉において、原子炉圧力容器に接続されプール水中に布設される一次系配管の回りにカバーが配され、該カバーに複数の小口径貫通孔が明けられる。
特許請求の範囲
【請求項1】 原子炉格納容器のプール水中に原子炉圧力容器が水漬状態に配される軽水冷却型原子炉であって、原子炉圧力容器に接続されプール水中に布設される一次系配管の回りにカバーが配され、該カバーに複数の小口径貫通孔が明けられていることを特徴とする軽水冷却型原子炉。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軽水冷却型原子炉に係り、特に、プール水中に原子炉圧力容器を水漬け状態に配する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図3は、特開平3−252593号公報(燃料集合体の交換装置)、特開平3−252594号公報(燃料集合体の交換装置)、特開平3−252595号公報(燃料集合体の交換装置)に記載されている軽水冷却型原子炉の例を示すものである。
【0003】図3において、符号1は原子炉圧力容器、2は炉心、3は蒸気発生器、6は一次冷却水ポンプ、15はライザ管、16はポイズンタンク、17は冷却水入口、18は水圧作動弁、19はポイズン流通器、20は炉心支持板、Pはほう酸水(炉内プール水)である。
【0004】このような構造を有する原子炉にあっては、一次冷却水及びほう酸水Pが、運転時、ポンプ停止時の相違によって、以下に記述するように異なった流通(循環)をする。
【0005】運転時にあっては、一次冷却水が、図3に実線の矢印で示すように、炉心2、ライザ管15、一次冷却水ポンプ6、蒸気発生器3、冷却水入口17を経由して炉心2に戻る循環流となるが、ほう酸水Pは、水圧作動弁18及びポイズン流通器19の部分で隔離されて、挿通する現象や混合し合う現象の発生が妨げられ、したがって、一次冷却水中のほう酸水濃度が変化することなく、定常運転状態が維持される。
【0006】そして、一次冷却水ポンプ6の停止時にあっては、蒸気発生器3への送り込みが行なわれなくなるとともに、一次冷却水ポンプ6の吐出圧力低下検出によって水圧作動弁18が管路を開放した状態となり、また、炉心2において引き続き加熱された一次冷却水の上昇が生じるために、図3に破線の矢印で示すように、上昇した一次冷却水がポイズンタンク16の内部に送り出されるとともに、ほう酸水Pがポイズン流通器19を経由して炉心2に流れ込み、炉心2のほう酸水濃度が高まることによって核分裂反応が抑制されて自然停止に導かれる。
【0007】このような図3例の原子炉にあっては、ポイズンタンク16の内外が高温状態の一次冷却水によって囲まれた状態となっており、原子炉の出力が変化すると、ほう酸水Pの液量が膨張収縮に基づいて変化し、このため、ポイズン流通器19の部分において一次冷却水とほう酸水Pとの境界が変動し易く、原子炉出力の制御性が損われ易くなる。
【0008】次いで、図4例は、軽水冷却型原子炉の他の構造例(計画例)を示すものである。該計画例にあっては、原子炉格納容器21のプール水Wの中に、原子炉圧力容器1が水漬状態に配され、ポイズンタンク22もプール水Wの中に配される。そして、原子炉圧力容器1とポイズンタンク22との間が、給液系配管23を構成する均圧用配管23a及び給液用配管23bによって接続される。この構造とすることによって、ポイズンタンク22が低温状態のプール水Wに収容されて、原子炉圧力容器1からの熱的な隔離と、一次冷却水とほう酸水Pとの隔離とを行なうとともに、落差及び比重差を利用したほう酸水Pの供給により原子炉を自然停止状態に導くことが可能となり、加えて、ほう酸水Pの容量を大容量とすることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、プール水Wの中に水漬状態に布設されているとともに、原子炉圧力容器1の内圧が付加される一次系配管、つまり、前述の給液系配管23や、水蒸気を原子炉格納容器21の外に導くための主蒸気配管26にあっては、プール水Wに浸漬されている部分で、配管破断等の漏洩が生じると、一度に多量の高圧蒸気が放出されて水中での凝縮が遅れることにより、原子炉格納容器21の内部圧力を急上昇させてしまう現象が考えられる。
【0010】本発明は、上記課題を有効に解決するもので、一次系配管から配管破断による蒸気の放出が行なわれた場合にあっても、原子炉格納容器の内部圧力の急激な上昇を抑制することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決する手段として、原子炉格納容器のプール水中に原子炉圧力容器が水漬状態に配される軽水冷却型原子炉にあって、原子炉圧力容器に接続されプール水中に布設される一次系配管の回りにカバーが配され、該カバーに複数の小口径貫通孔が明けられている構成を採用している。
【0012】
【作用】配管破断等によって、一次系配管の回りに蒸気が噴出した場合には、蒸気がカバーの複数の小口径貫通孔を経由してから分散状態でプール水中に放出され、蒸気の凝縮作用が促進されて急激な圧力上昇を抑制する。
【0013】
【実施例】以下、本発明に係る軽水冷却型原子炉の一実施例について、図1及び図2に基づいて説明する。該一実施例においても、原子炉格納容器21のプール水Wの中に、原子炉圧力容器1が水漬状態に配される軽水冷却型原子炉に適用され、各図において、符号31はカバー、32は小口径貫通孔である。
【0014】前記カバー31は、図1及び図2に示すように、給液系配管23における均圧用配管23a及び給液用配管23bや主蒸気配管26等のように、プール水Wに浸漬状態で布設されるとともに、原子炉圧力容器1の内部圧力が付加されるいわゆる一次系配管の回りに、周方向にほぼ均一な環状間隙を明けて配される。そして、該カバー31には、図2に示すように、複数の小口径貫通孔32がほぼ同じピッチで明けられる。なお、例えば主蒸気配管26の回りに、断熱材やこれを囲む水密カバーが配される場合には、これらの外側を囲むようにカバー31が取り付けられる。
【0015】このような構造の軽水冷却型原子炉であると、原子炉の通常の運転状態にあっては、カバー31に小口径貫通孔32が明けられていることによって、プール水Wの水が一次系配管23,26とカバー31との間に入り込んだ状態となる。一次系配管23,26とプール水Wとの温度差が大きい場合には、一次系配管23,26を囲む断熱材やカバー31が介在することによって、一次系配管23,26からプール水Wへの熱伝達が抑制され、この結果、プール水Wの不要な温度上昇が抑制される。
【0016】次いで、一次系配管23,26における配管破断等によって、一次系配管23,26の回りに蒸気が噴出した場合について検討すると、蒸気がカバー31の内側を長さ方向や周方向に導かれるとともに、小口径貫通孔32から複数箇所に分散して、プール水Wの中に放出される。したがって、放出される蒸気が小分割されて水との接触性が高められることになって、蒸気の凝縮作用が速やかに行なわれ、蒸気の放出による原子炉格納容器21の内部の急激な圧力上昇が抑制される。
【0017】
【発明の効果】本発明に係る軽水冷却型原子炉によれば、以下の効果を奏する。原子炉圧力容器に接続されプール水中に布設される一次系配管の回りにカバーが配され、該カバーに複数の小口径貫通孔が明けられている構成の採用によって、一次系配管から配管破断による蒸気の放出が行なわれた場合にあっても、蒸気がカバーの複数の小口径貫通孔を経由してから分散状態でプール水中に放出されることにより、蒸気の凝縮作用が促進されて原子炉格納容器の内部圧力の急激な上昇を抑制することができる。




 

 


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