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粒子加速器における放射光スリット装置 - 石川島播磨重工業株式会社
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発明の名称 粒子加速器における放射光スリット装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平6−160599
公開日 平成6年(1994)6月7日
出願番号 特願平4−313806
出願日 平成4年(1992)11月24日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武 (外2名)
発明者 丸下 元治
要約 目的
高エネルギー状態とされた放射光の光整形を行う場合であってもスリット板への局所的な高温発熱が防止される粒子加速器における放射光スリット装置を提供することを目的とする。

構成
スリット板15は、進入方向の先端側に放射光Sが鋭角な照射角度θ2で照射する傾斜照射面15aが位置し、この傾斜照射面15aから連続する基端側に放射光Sが直角な照射角度で照射する直角面15bが位置するようにビームライン9中に配置されている。そして、スリット板15を進入後退させる駆動装置18には、スリット板15が所定温度以上に発熱した場合に、スリット板15が所定温度以下に降温するまで放射光Sの光整形位置9aからスリット板15を後退させていくスリット後退機構19が備えられている。
特許請求の範囲
【請求項1】 シンクロトロン等の粒子加速器におけるビームラインの途中に設けられ、蓄積リングからビームラインに出射されてくる放射光の一部を、駆動装置により進入後退自在とされているスリット板を配置することにより遮断して光整形を行う放射光スリット装置であって、スリット板は、進入方向の先端側に放射光が鋭角な照射角度で照射する傾斜照射面が位置し、該傾斜照射面から連続する基端側に放射光が直角な照射角度で照射する直角面が位置するようにビームライン中に配置されているとともに、前記スリット板を進入後退させる駆動装置には、スリット板が所定温度以上に発熱した場合に、スリット板が所定温度以下に降温するまで放射光の光整形位置からスリット板を後退させていくスリット後退機構が備えられていることを特徴とする粒子加速器における放射光スリット装置。
【請求項2】 請求項1記載の粒子加速器における放射光スリット装置において、スリット後退機構は、スリット板の傾斜照射面の近傍に埋設されている熱電対と、前記熱電対からスリット板の温度データが常時得られるとともに、前記温度データが所定温度以上に達した場合に駆動装置に対してスリット板の後退制御を行う制御装置とで構成されていることを特徴とする粒子加速器おける放射光スリット装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シンクロトロン等の粒子加速器におけるビームラインに備えられた放射光の光整形を行う放射光スリット装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、直径が10m以下の比較的小型の粒子加速器としてシンクロトロンが開発されつつあり、そのようなシンクロトロンから放射される放射光であるシンクロトロン放射光(SOR光)を利用して、たとえば超LSI回路の製造、医療分野における診断、分子解析、構造解析等の様々な分野への適用が期待されている。
【0003】図6はシンクロトロンの概要を示すものであって、電子銃等の電子発生装置1で発生させた電子ビームを直線加速器(ライナック)2で光速近くに加速し、偏向電磁石3で偏向させてインフレクタ4を介して真空ダクトからなる蓄積リング5に入射する。蓄積リング5に入射した電子ビームは高周波加速空洞6によりエネルギを与えられながら収束電磁石7で収束され、偏向電磁石8で偏向されて蓄積リング5内を周回し続ける。そして、偏向電磁石8で偏向される際にSOR光Sが放射され、それが光取り出しラインであるビームライン9を介してたとえば構造解析装置10に送られて構造解析用光源等として利用される。
【0004】ところで、ビームライン9には、蓄積リング5からビームライン9に向けてSOR光Sを入射させるミラーや、入射してきたSOR光Sから特定の波長を取り出すための二結晶分光器を備えた光学系が配設されている。
【0005】前記分光器の上流側と下流側には、入射してきたSOR光Sのプロファイルのゆがみを整形するため、図7(a)、(b)に示すようなスリット装置11が配設されている。このスリット装置11は、ビームライン9に直交する状態で、つまりビームライン9の横断面に対して平行な状態とされてビームライン9に左右方向(水平方向)から進出後退自在となるように配設された一対の水平スリット板12、12と、水平スリット板12、12と直交配置されてビームライン9に上下方向(鉛直方向)から進出後退自在となるように配設された一対の垂直スリット板13、13と、スリット板12、13をSOR光Sの光整形位置まで移動させる駆動機構12a、13aとを備えた装置である。
【0006】各スリット板12、13は、銅(Cu)、タングステン(W)等を材料とする略直方体形状に形成された部材であり、SOR光Sが照射される面(照射面12b)には、図8に示すように、照射角度θ1が90°のSOR光Sが照射されるようになっている。なお、垂直スリット板13には照射面13bにSOR光Sが照射される。
【0007】そして、駆動機構12a、13aにより所定距離まで前進せしめられた一対の水平スリット板12及び垂直スリット板13は、図9に示すように、SOR光Sの水平方向の縁部の光成分(斜線で示す範囲R1)が照射面12bで遮断され、SOR光Sの鉛直方向の縁部の光成分(斜線で示す範囲R2)が照射面13bで遮断されることにより、SOR光Sが所定寸法の長方形状に光整形されるようになっている。なお、水平スリット板12、垂直スリット板13の内部には、銅製の冷却配管14が埋設されており、この冷却配管14内部に冷却水が通されることにより各スリット板12、13全体が冷却されるようになっている。しかし、SOR光Sのエネルギーが弱く水平スリット板12、垂直スリット板13が極端に発熱しない場合には、冷却配管14内部に冷却水は通されない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、スリット装置11を使用して、蓄積リング5から高エネルギー(短波長)状態とされて放射してきたSOR光Sを光整形する場合には、水平及び垂直スリット板12、13の照射面12b、13bには、照射角度θ1=90°とされた高エネルギーのSOR光Sが、図9で示した微少な照射面積R1、R2に照射される。そのため、SOR光Sの高エネルギーを入射熱として与えられた水平及び垂直スリット板12、13は、局所的に数100℃の高温状態に達してしまう。
【0009】このように、水平及び垂直スリット板12、13が局所的に高温発熱してしまうと、冷却配管14に冷却水を通過させる水冷構造のみでは冷却能力が不足してしまい、したがって、スリット装置11では、高エネルギー状態のSOR光Sの光整形を行うことができない。
【0010】本発明は上記の事情に鑑み、高エネルギー状態の放射光の光整形が可能な粒子加速器における放射光スリット装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の粒子加速器における放射光スリット装置は、シンクロトロン等の粒子加速器におけるビームラインの途中に設けられ、蓄積リングからビームラインに出射されてくる放射光の一部を、駆動装置により進入後退自在とされているスリット板を配置することにより遮断して光整形を行う放射光スリット装置であって、スリット板は、進入方向の先端側に放射光が鋭角な照射角度で照射する傾斜照射面が位置し、傾斜照射面から連続する基端側に放射光が直角な照射角度で照射する直角面が位置するようにビームライン中に配置されているとともに、スリット板を進入後退させる駆動装置には、スリット板が所定温度以上に発熱した場合に、スリット板が所定温度以下に降温するまで放射光の光整形位置からスリット板を後退させていくスリット後退機構が備えられていることを特徴とするスリット装置である。
【0012】請求項2記載の粒子加速器における放射光スリット装置は、請求項1記載のスリット装置において、スリット後退機構が、スリット板の傾斜照射面の近傍に埋設されている熱電対と、熱電対からスリット板の温度データが常時得られるとともに、温度データが所定温度以上に達した場合に駆動装置に対してスリット板の後退制御を行う制御装置とで構成されていることを特徴とするスリット装置である。
【0013】
【作用】本発明の請求項1記載の粒子加速器における放射光スリット装置によれば、スリット板の傾斜照射面に鋭角な照射角度で放射光が照射することにより、放射光の照射面積が拡大し、この照射面積の拡大によりスリット板の温度上昇を抑制しながら高エネルギー状態の放射光を光整形することができる。
【0014】また、駆動装置には、スリット板の温度を常時計測してスリット板が所定温度以上に発熱した場合に、スリット板の温度が降下するまで放射光の光整形位置からスリット板を後退させていくスリット後退機構が備えられているので、若し、傾斜照射面で放射光の光整形が行われるべきスリット板が所定の光整形位置よりさらに進入して直角面に放射光が照射してしまった場合であっても、スリット後退機構は、直角面への放射光の照射によりスリット板が急激に温度上昇したことを判断して放射光が傾斜照射面に照射するまでスリット板を後退させることができる。これにより、スリット板の局所的温度上昇が確実に防止される。
【0015】また、請求項2記載の粒子加速器における放射光スリット装置によれば、請求項1記載の装置において、スリット後退機構が、スリット板の傾斜照射面の近傍に埋設されている熱電対と、熱電対によりスリット板の温度データを常時得てスリット板の温度が所定温度以上に達すると駆動機構にスリット板の後退制御を行う制御装置とで構成されているので、簡単な装置構成であるにもかかわらず、スリット板の温度状況を確実に把握して適確にスリット板を後退させることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の粒子加速器における放射光スリット装置の一実施例について、図1から図5を参照して説明する。なお、SOR光Sの光整形を行うスリット板は、ビームライン9に水平方向及び垂直方向に一対づつ配設されているが、本実施例においては、水平方向に配設された水平スリット板(以下、スリット板という。)15について説明する。
【0017】本実施例のスリット板15は、従来の水平及び垂直スリット板12、13と同様に銅(Cu)若しくはタングステン(W)等を材料とした略直方体形状に形成されているとともに、図1に示すように、先端部16の長手方向に冷却水が通過する冷却配管17の一部が埋設されている。
【0018】また、スリット板15の先端部16はくさび状に形成されており、ビームライン9内に配置されるスリット板15は、図2及び図3に示すように、先端側にSOR光Sが鋭角な照射角度θ2で照射する傾斜照射面15aが位置し、この傾斜照射面15aより基端側に連続して照射角度が90°でSOR光Sが照射可能な直角面15bが位置するように配置される。そして、スリット板15は、駆動装置18の駆動によってビームライン9内に出射してくるSOR光Sに向けて光整形位置9aまで進入若しくは光整形位置9aから後退するようになっている。
【0019】駆動装置18は、図3に示すように、スリット板15の基端部と連結してスリット板15を一軸方向に移動可能に支持しているアーム18aと、このアーム18aをビームライン9内部に所定のストロークで進入若しくは後退させる駆動モータ18bとを備えた機構である。なお、駆動モータ18bの具体的な装置としては、所定のパルス入力によりアーム16aを微少移動させることが可能なブレーキ機構付きのステッピングモータが採用されている。
【0020】ここで、本装置の駆動装置18には、スリット板15が所定温度以上に発熱した場合に、スリット板15が所定温度以下に降温するまで放射光の光整形位置9aからスリット板15を後退させていくスリット後退機構19が備えられている。このスリット後退機構19は、スリット板15の温度を計測する熱電対20と、熱電対20から得られる温度データに基づいて駆動装置16に対して後退制御を行う制御装置21とで概略構成されている。
【0021】熱電対20は、スリット板15の裏面側(SOR光が照射されない面)15cから、長手方向の略中央位置であって傾斜照射面15bと冷却配管20とから略等距離となる位置に穿設された挿入孔22(図1及び図2参照)に挿入されており、この熱電対20から熱起電力として得られるスリット板15の温度変化データは、常時、制御装置21に送られるようになっている。
【0022】制御装置21は、前記熱電対20から得られる温度データを基にしてスリット板15の発熱状態を監視し、スリット板15が所定の温度以上すなわち高温状態となった場合、駆動装置18の駆動モータ18bに対してスリット板15を後退させる信号(後退信号)が送られるようになっている。そして、制御装置21から後退信号が送られてきた駆動モータ18bは、アーム18aを介してスリット板15を後退させていく。なお、制御装置21は、駆動モータ18bに対して後退信号を送っている場合であっても、熱電対20から随時スリット板15の温度データが得られているものとする。
【0023】次に、本実施例のスリット装置の作用効果について、図4及び図5を参照して説明する駆動モータ18bの駆動により、アーム18aを介して光整形位置9aまで進入してきたスリット板15は、傾斜照射面15aにSOR光Sが照射することにより、図5に示すように、照射角θ1=90°の照射面積R1と比較して、SOR光Sが鋭角の照射角度θ2で照射されるので拡大された照射面積R3となる。このように、照射面積がR1<R3となることにより、傾斜照射面15aへの局所的な高温発熱が回避されていき、高エネルギー状態のSOR光Sであっても正常に光整形を行うことができる。
【0024】また、若し、傾斜照射面15aでSOR光Sの光整形が行われるべきスリット板15の先端部16が光整形位置9aよりさらに進入してしまい、直角面15bにSOR光Sが照射してしまった場合(図4の(a)に示す状態)には、直角面15bへのSOR光Sの照射によりスリット板15は急激に温度上昇していく。ところが、熱電対20によりスリット板15の温度データが随時送られてきている制御装置21は、スリット板15が所定温度以上(高温状態)となると、駆動モータ18bに対してスリット板15の後退制御を行い、スリット板15を即座に後退させていく。そして、SOR光Sが傾斜照射面15aに照射していくとスリット板15の温度は降下するので、スリット板15が所定温度以下(低温状態)となったことを確認した制御装置21は、駆動モータ18bへの後退制御を停止する(図4の(b)に示す状態)。
【0025】このように、スリット後退機構19は、光整形が正常に行える傾斜照射面15aへSOR光Sが照射するように、スリット板15を後退させていくことができる制御を行うことができるので、スリット板15の局所的温度上昇を確実に防止するスリット装置を提供することができる。
【0026】また、スリット後退機構19は、スリット板15の傾斜照射面15aの近傍に埋設されている熱電対20と、熱電対20によりスリット板15の温度データを常時得てスリット板15の温度が所定温度以上に達すると駆動装置18に対してスリット板15の後退制御を行う制御装置21とで構成されているので、簡単な装置構成であるにもかかわらず、スリット板15の温度状況を確実に把握して即座にスリット板15を後退させることができる。
【0027】なお、本実施例においては、ビームライン9の水平方向及び垂直方向に一対づつ配設されている全てのスリット板が、本発明の放射光スリット装置に適用されるものとして説明してきたが、本発明の範囲を限定する趣旨ではない。すなわち、水平方向に配設された一対のスリット板と、垂直方向に配設された一対のスリット板の少なくともいずれか一方の対にのみ本発明の放射光スリット装置を適用してもよく、さらには、水平方向若しくは垂直方向の一対のスリット板のうち、いずれか一方のスリット板のみに本発明の放射光スリット装置を適用しても、上述した作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の粒子加速器における放射光スリット装置によれば、スリット板の傾斜照射面に鋭角な照射角度で放射光が照射することにより、放射光の照射面積が拡大し、この照射面積の拡大によりスリット板の温度上昇を抑制しながら高エネルギー状態の放射光を光整形することができる。
【0029】また、若し、傾斜照射面で放射光の光整形が行われるべきスリット板が所定の光整形位置よりさらに進入して直角面に放射光が照射してしまった場合であっても、スリット後退機構が、直角面への放射光の照射によりスリット板が急激に温度上昇したことを判断して放射光が傾斜照射面に照射するまでスリット板を後退させることができるため、スリット板の局所的温度上昇を確実に防止したスリット装置を提供することができる。
【0030】また、請求項2記載の粒子加速器における放射光スリット装置によれば、スリット後退機構が、スリット板の傾斜照射面の近傍に埋設されている熱電対と、熱電対によりスリット板の温度データを常時得てスリット板の温度が所定温度以上に達すると駆動装置にスリット板の後退制御を行う制御装置とで構成されているので、簡単な装置構成であるにもかかわらず、スリット板の温度状況を確実に把握して適確にスリット板を後退させることができる。




 

 


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